産科崩壊 すでに自分の病院でもキャパシティ超過なのに助産所から異常分娩を受けられるとは思えない 共同通信の「横浜焦土作戦」が助産所廃院に飛び火
どう見ても
病院そのものが不足している産科崩壊地域で、助産所が更なる負担を求めている
ってのが大半じゃないのか。病院内の助産師だって不足しているのに、外部の助産所の手当までできるはずもないのは火を見るよりも明らかだ。人的資源が枯渇している状態で、更に負担しろというのか。
朝日より。
助産所1割、お産扱えない恐れ 医療機関と提携進まず
2008年03月14日14時00分医師・医療機関との提携を助産所に義務づけた医療法の改正を受け、分娩(ぶんべん)可能な助産所の約1割が4月から出産を扱えなくなる恐れがあることが14日、厚生労働省の調べで分かった。全国的に不足するお産の場が、法改正でさらに減る心配が出てきた。
小池晃参院議員(共産)の質問主意書への答弁で明らかにした。
厚労省が今月7日時点の状況を調べたところ、全国691助産所のうち、出産できるのは284カ所。しかし、改正医療法が提携の期限としている3月末を前に、18カ所は提携先の医療機関、9カ所が医師・医療機関とも確保できていない。都道府県別にみると、神奈川8、大分4、北海道3、青森、福島、愛知、大阪が各2、千葉、山梨、鳥取、鹿児島が各1となっている。
同省は「提携に応じてもらうよう、都道府県を通じて引き続き協力要請したい」としている。
神奈川県は
共同通信による「横浜焦土作戦」で産科そのものが激減している産科崩壊地域
である。そんなところが
自分の所だって分娩制限を掛けているのに、それ以上に助産所からの異常分娩搬送を受け入れられる
とは思えないのだが。
それと、
1割
というと凄く多く思えるけど、よく見ると
27か所
で、なおかつ
取り扱い分娩数が不明
なのでは、
どの程度の「戦力不足」になるのか全く不明
だ。
それに、
提携先が見つからない助産所には「前科」はないのか
が気になる。つまり
いつも容態がかなり悪化してから搬送依頼を掛ける「常連」助産所が含まれてはいないのか
ということなのだ。
神奈川に関して言えば、
神奈川県相模原市にある北里大学病院からの報告
があり、
腕の悪い助産所からの搬送
について、詳しく報告されている。それについては以下に。
2007-09-27 産科崩壊 助産所の助産師の未熟と自信過剰が赤ちゃんを殺す 神奈川県相模原市の北里大学病院からの報告 初産29歳産婦は水中出産を4日も続けさせられ、赤ちゃんは細菌感染して生後5日で死亡、生まれてくるまで双子だとわからなかった(2例)未熟な助産師も
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/09/29452_e27e.html
どうも小池議員は
「腕の悪い助産師」は存在しない
と考えているようだけど、わたしはにわかには信じられない。
それについては、この辺りにも。
2006-08-27 助産師の過誤の責任は産科医の責任? 対立する産科医と助産師の場合
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/08/post_4d1d.html
従って
提携医療機関が見つからない理由
としては
1. すでに産科崩壊地域で余力がない
2. 悪質な搬送依頼の常連助産所で、どこも引き受け手がない
ということが考えられるのだ。以上の1と2に該当する例を除いた上で、果たして
どれだけの数の助産所が提携医療機関が見つからない
のだろうか。
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コメント
出産を扱う助産院に、
「乗りかかった船効果に注意」と張り紙してほしいです。
投稿: 忍冬 | 2008-03-14 18:43