杏雨書屋開館30周年記念展示会と講演会@4/19
よいものを見た。
武田製薬の中にある
杏雨書屋開館30周年記念展示会
は昨日が最終日だった。
杏雨書屋入り口。
建物の前には、杏を始めとする薬用植物が植えられている。
杏雨書屋の礎を築いた武田家第六代武田長兵衛生誕100年記念で植えられた杏。
隣は、今年杏雨書屋開館30周年を記念して植えられたばかりの杏。
最終日はよく晴れていた。
16:00終了なので、15時頃到着。
さすがに、15:30を過ぎると、他の観覧者はいなくなり、貸し切り状態になった。
心ゆくまで、単眼鏡を通して、
国宝・唐鈔本『説文解字』木部残巻
を拝見した。調査のために唐鈔本『説文解字』を見せてもらえるほどエラくないので、次はいつ実見できるか分からない。木部のこの部分は、以前に読んだ個所だから、中味はなんとなく頭に入っているが、改めて唐鈔本の実物を目にすると、そのすばらしさに圧倒される。きりっとした細い線が、美しい。そして、ガラス越しに見る料紙の質感がすごい。わたしは現物至上主義ではないのだが、さすがに、『説文解字』研究者であるならば、一度はこの唐鈔本『説文解字』は実物を見ておいた方がいいだろうな、と思う。わたしは『説文解字』は読むけれども、専門じゃないから、そこまではしないけれども、こうした千載一遇の機会に拝見するだけでも幸せである。
漢代研究者としては、その下に展示されていた二点の国宝
南宋刊本『毛詩正義』
北宋刊本『史記集解』(単刻本)
など貴重な典籍をじっくりこの目で眺められたのが楽しかった。仏教関係では
『性霊集』(重文)
『聖徳太子伝暦』(重文)
『薬種抄』(重文)
『香要抄』(重文)
『穀類抄』(重文)
『香字抄』(重文)
などが出ていて、多分次はないだろうな、と思いながら、短い時間だが楽しく拝見した。
また
『宝要抄』
には、最初に梵字で
ratna(=宝)
と書いてあるのが、結構ツボにはまった。
本草関係では、原色で描かれた動植物の図が美しいものが、幾つも展示されていて、それだけでも、目の保養になった。
武田製薬は太っ腹で、この展示の図録を、カラー印刷で作り、観覧者に無料で配布していた。このカラー印刷がよくできていて、タダで貰ってきたのが、申し訳ないほどのカタログなのである。
前日、4/19には記念講演会が開かれた。
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