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2008-05-01

国会図書館関西館へ行く(その2)

国会図書館関西館のいいところは
 アジア情報室が充実している
ところだ。しかも空いている。辞書は各言語、大学の専門図書館並に置いてあるし、机は広いし、調べ物をするのは楽だ。だいたい、家にあるのは分かっているのだが、どこにあるのか分からない、Edgertonの"Buddhist Hybrid Sanskrit Grammar & Dictionary"(Grammarがないとabbreviationが分からないという欠陥がある)を探す時間があったら、さっさと国会図書館関西館に出かけた方が早い。お望みならば、Monier-WilliamsやApteの梵英辞典はもちろん、Roth-Bohtlingk の梵独辞典もある。もちろん、梵和もある。試しに上下二卷の梵漢辞典を引いたら、
 梵和辞典の丸パクリ
があって、あああああ、とため息をついた。ま、中国の辞書なんてそんなものだ。序文を読んでないから、わかんないんだけど、ひょっとしたら「梵和を中国語に訳しました」とか書いてあるのかも知れない。もし、書いてなかったら泥棒だ。
今時、国会図書館関西館まで出かけて、梵文仏典を読むような酔狂な人間はあまりいないから、ほぼ辞書は独占状態で仕事ができる。その点、大学だと学生や院生や先生が辞書を引くから、常に手元で見られる訳じゃない。あとは自分の実力だと怪しい部分を補うために、文法書は持っていかないとね。どうせ梵文仏典はvulgarなsanskritなので(悪口じゃなくて、だいたいどの文法書や辞書にもそのように書かれている)、やっぱりEdgertonのGrammarも覗いたりはするけど。(とはいえEdgertonだって古いものだから、アテにならないことも多い)横にPaliの辞書も並んでいるから、ついでに覗くと更に効果があるはず。
Sanskritから遠ざかってかなりの年月が経つのだけど、今読んでるのは経典だから、まだなんとかなる。論書だったらたぶんお手上げ。出来の悪い印度学の学生だったから、Sanskritが読めないのは今に始まったことではない。読める範囲は仏典の一部だけだ。Sanskritに関しては、学部生に毛が生えているかどうかすら謎のレベルだ。Paliの方がまだちょっとマシかな、な感じ。正統のSanskritからすると仏教文献はvulgarな言語のものばかり。中国語でも結局出土文物とか、写本に行ってるから、印度学の頃と指向性は変わってない。vulgarなものから、テクストを作り出した人達の声を聞き取るのが好きなのだ。

途中、気分転換にCNKIを検索して、いくつか論文をダウンロード、プリントアウトした。
今日ゲットした論文はこんな辺り。
 王鳳蘭 敦煌医学資料研究概況 2003/1 出土文献雑誌
 馬継興 全国各地出土的秦漢以前医薬文化資源(続一) 2002/4 中医文献雑誌
 馬継興 全国各地出土的秦漢以前医薬文化資源(続二) 2003/1 中医文献雑誌
 馬継興 全国各地出土的秦漢以前医薬文化資源(続三) 2003/2 中医文献雑誌
 馬継興 全国各地出土的秦漢以前医薬文化資源(続四) 2003/3 中医文献雑誌
 馬継興 全国各地出土的秦漢以前医薬文化資源(続完) 2003/4 中医文献雑誌
 馬継興 《桐君採薬録》的著者"桐君" 2005/2 中医文献雑誌
 馬継興 《桐君採薬録》考察 2005/3 中医文献雑誌
 彭馨 敦煌手抄医薬巻子文字弁認方法例釈 2007 8-3 長沙鉄道学院学報
一つ論文を検索すると
 お奨めの10点
とか
 関連する論文
とかがずらずら出てきて、便利。PDFをダウンロードして眺めて、気に入ったら、プリントアウトして1枚21円を支払うシステム。
問題は雑誌によってPDFの出来が良くないことで、せっかく印刷しても、何が書いてあるのか読みにくいのがある。

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