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2008-05-01

ラサ燃える(その60)チベット人がチベット人警官を射殺というニュースの真相は「中国当局による人間狩り」→追記あり

昨日、こんなニュースがマスコミ各社で報道された。
読売より。


チベット族捜査隊長、銃撃で死亡…中国青海省

 【北京=佐伯聡士】29日の新華社電によると、中国青海省果洛チベット族自治州達日県で28日早朝、同県公安局のチベット族の捜査隊長が、3月21日に同県で起きた暴動に関与した中心人物として追跡していた「チベット独立」派の容疑者の銃撃を受けて死亡した。


 隊長は、同容疑者を逮捕しようとした際に6発の銃弾を浴びて死亡したという。

(2008年4月30日13時51分 読売新聞)

どうも変だ。
と思っていたら、ダラムサラのルンタプロジェクトを支える日本人中原一博さんのblog「チベット@NOW」に真相が記されていた。長いが引用する。
元になっているのは、チベット亡命政府の緊急リリースである。
For Immediate Press Release April 30, 2008(英文)


2008年05月01日 30日付委員会プレスリリース チベット連帯緊急委員会(中央チベット政府)2008年4月30日
http://www.stoptibetcrisis.net/pr300408.html

確かな情報筋によれば、4月28日自治区ゴロ地区ダルラのポンコル テュマPonkor Toema (Ch: Hongke township) under Darlag (Ch: Dari) County in Golog TAP (Tibetan Autonomous Prefecture)において、山に逃走していたチベット人が武装警察の捜査隊により殺害された。
情報によれば、周辺の山々に逃走したチベット人たちは中国の武装警察に完全に囲まれており、発砲も行われているという。

この事件については中国政府の新華社も伝えている。「チベット族の上官が警察と容疑者の間で起こった銃撃戦の最中チベット人により殺害された」と。(これについては最後に日本の記事を紹介します)

死亡したチベット人はチュトップ22歳と確認されている。遺体はすぐに持ち去られ、家族の懇願にもかかわらずいまだ家族の元に帰されていない。
それどころか、被害者の父親サンサン ルルと兄弟の一人が逮捕され、地区中央庁舎のあるダルラに移送された。

先のプレスリリースでもお伝えした如く、このポンコル テュマでは3月21日に大規模な平和的行進が行われた。その後の弾圧を恐れて約500人のチベット人達が周辺の山や森に逃げ隠れた
この事件による犠牲者、負傷者、逮捕者についての詳細はいまだ不明。


4月14日、ソ地区のヤンネ(Yang Nye township under Sog county, a Tibetan named Chambu Gudrup)において地区当局が<愛国再教育キャンペーン>を行っている最中、チベット人チャンブ グドゥップ氏52歳は用意していたダライラマ法王の写真を前に革ひもを燃やして香となし、カタ(チベットスカーフ)を法王の写真に向かって捧げたという。
明らかなキャンペーンに対する抗議の意味であった。
彼は立ちあがって次のように話したという「1959年以来中国は大量のチベット人を虐殺し、チベットを分断した。チベットの政治と宗教の導師であるダライラマ法王を強制的に批判させることは完全に間違っている」と。
もちろん彼はその場で逮捕された。

中原さんのblogでは、山に逃げた人々は食糧も尽き、生命に危険が及んでいる状態で、山狩りにあっているという。これは治安活動に名を借りた
 人間狩り
だ。

なお、チベット人権民主化センターのサイトにも、時系列に添って、詳しい内容が英文でアップされ、射殺された被害者チュトップ和尚の写真が掲載されている。


29 April 2008 [For Immediate Release]A Tibetan nomad shot dead in Amdo Golog, hundreds arrested

On 21 March 2008, the Tibetans in Ponkor Township staged a peaceful protest in Darlag County, Golog "TAP", Qinghai Province, according to reliable information received by the Tibetan Centre for Human Rights and Democracy (TCHRD).

According to sources, on 21 March 2008, the Tibetan people from Ponkor Toema and Mema Townships in Darlag County staged a peaceful protest by pulling down a Chinese national flag and replacing it with the banned Tibetan national flag.

During the protest, the Tibetans protested against the Chinese authorities who came to the protest scene. The Chinese authorities responded the protest by dispatching five big and small military vehicles to Darlag County on 22 March 2008. While the military vehicles were entering into Darlag County, a group of 350 horsemen charged and blocked the Chinese military vehicles from entering. During the blockage, the Tibetan horsemen protested against the Chinese authorities.

On 23 March 2008, the monks of Ponko Monastery and a local religious lama Gurlu intervened and pacified the escalating tension on both sides. On the same day, around 30 Chinese military vehicles came to Darlag County to quell the peaceful protesters.

On 24 March 2008, around 50 Tibetans from Ponkor Toema and Mema Township were arrested by the Chinese security forces for taking part in peaceful protest. Later on 25 March 2008, 10 Tibetans and 40 other Tibetans were again arrested. In the backdrop of persistent arrest threats and intimidation by the Chinese security forces, around 400 Tibetans from Ponkor Toema and 100 Tibetans from Ponkor Mema Townships fled and sought hide outs on nearby mountain tops on 26 March 2008. In response, around 860 Chinese security forces have surrounded the mountain from various sides. Days later the Chinese security forces were luring the hiding Tibetans to surrender by promising leniency in punishment. Ironically on 27 March 2008, two Tibetans voluntarily surrendered themselves to the Chinese security forces but were severely beaten and tortured.

Sources told TCHRD that in the following weeks, hundreds of Tibetan protesters were arrested by the Chinese security forces. Many of the them, who were later released from the detention were charged with a hefty fine of 20,000 Chinese yuan as a punishment (US $ 2,500).

On 28 April 2008, events took a dramatic turn when the armed Chinese security forces surrounded a nomadic hamlet in Ponkor Toema Township. At the breaking of a dawn, the armed security forces fired live ammunition on the nomads. Moments later, 22-year-old nomad Choetop was killed during the gun fire. The Chinese security forces took the dead body with them and till date the dead body was not returned to Choetop's family for funeral rites. The situation in Ponkor Toema Township was said to be tense and more and more Chinese security forces were beefing up in Ponkor Township.

TCHRD expresses its grave concern over the condition of Tibetan people in Ponkor Township. The Centre calls upon the Chinese authorities to restrain from stepping up restrictive measures and violent crackdown on the peaceful Tibetan protesters.

(追記 20:25)
「チベット@NOW」に上記英文の日本語訳が掲載された。


2008年05月01日 ゴロの危機 TCHRD29日付

4/29/08(即時公表用)http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080429.html<チベット人遊牧民、アムド、ゴロ地方で銃殺される>

TCHRD(チベット人権民主センター)が得た信頼できる情報によると、2008年3月21日、ポンコル町区のチベット住民は、青海省のゴロ地方ダルラ郡で平和的な手段による反中国運動を行った。
情報筋によれば、2008年3月21日、ポンコル・トゥマ及びメマ町区のチベット人住民達は、中国国旗を引き降ろし、禁じられているチベット国旗を掲揚した。

チベット人住民はこの事件の間に現場に駆けつけた中国当局に対しても抗議を表明した。この事件に対応するために、中国政府は2008年3月22日に、大小5台の軍用車をダルラ郡に派遣した。軍用車がダルラ郡に入ろうとすると、350人のチベット人の騎馬隊が押し寄せ、中国軍の侵入を拒んだ。この妨害の間、チベット人騎馬隊は反中国の抗議をした。

2008年3月23日、ポンコル僧院の僧侶達と現地の高僧グルルはこの衝突に介入し、両者の間で緊張が高まるのを抑えた。同じ23日、この平和的反対運動を鎮静するために、約30台の軍用車がダルラ郡に派遣された。

2008年3月24日、この平和的反対運動に参加したポンコル・トゥマ及びメマ町区の約50人の住民が中国治安部隊により逮捕された。2008年3月25日には、さらに50人のチベット人が逮捕された。中国治安当局による逮捕の恐れや脅しが絶えずあるなかで、約400人のポンコル・トゥマの住民と100人のメマ住民は、2008年3月26日、隠れ場所を求めて付近の山頂へ逃避した。これに対して約860人の中国治安部隊が送られ、住民が逃げ隠れた山の周囲を取り囲んだ。何日かして中国治安部隊は、隠れているチベット人をおびき出し自首させるため、刑罰を軽くすることを約束したが、この約束にもかかわらず、治安部隊に自首をしたチベット人は2名のみで、この2人は後に暴行、拷問を受けている。

TCHRDが得た情報によると、この事件後数週間の間、何百人ものチベット人が治安部隊により逮捕されたとのことである。後に留置所から釈放されたチベット人の多くは、2000元(約2500米ドル)もの罰金を払わされた。

2008年4月28日、事件は劇的な展開を見せ、武装した中国治安部隊がポンコル・トゥマ町区の遊牧民部落を取り囲んだ。夜明けとともに、治安部隊は遊牧民めがけて発砲した。発砲開始直後、22歳のチュトップという名の遊牧民が死亡した。治安部隊はチュトップの死体を持ち去り、未だにチュトップの家族へは葬儀を行うために彼の遺体が返されていない。ポンコル・トゥマ町区の状況は緊迫していると伝えられ、さらに多くの治安部隊がポンコル町区に送られている。

TCHRDはポンコル町区のチベット人住民の状態を深く懸念しており、住民に対する制限的対策や暴力的弾圧を強化することを中国当局が自制することを訴える。

射殺されたチュトップ和尚の写真も、上記記事に転載されている。
(追記おわり)

同じ事件について、西藏之聲の繁体字版での報道は以下の通りだ。


迫于中共鎮壓藏區自殺人數不斷上升

【[手那]威西藏之聲4月30日報導】中共政府在西藏各地仍持續展開著各種鎮壓行動,導致西藏農牧民生活造成嚴重破壊的同時,因無法忍受中共軍警的殘酷鎮壓被迫選擇自殺之路的藏人人數也在不斷上升。

本台駐印度南部記者引述境内可靠消息指出,西藏康區甘孜州石渠縣翁波村于本月18日遭到了上百名中共軍警的搜査,強行毀壊當地民衆供奉的達頼喇嘛相片,當時一名叫珠呉拉姆的西藏婦女高呼西藏政教領袖達頼喇嘛萬歳,允許達頼喇嘛返回西藏,并哭訴達頼喇嘛是他們的根本上師,為何不能供奉他的相片,以及為何要拘捕雜翁波寺住持阿寨仁波切和僧衆等口號,企圖阻止中共軍警的野蠻行為。隨後中共軍警撤離翁波村後,西藏婦女珠呉拉姆在自家的佛龕上重新供奉一幅達頼喇嘛的法相進行祈願後,上吊自殺。截至目前在藏區已經有5名藏人被迫選擇了自殺之路。

此外,本台駐尼泊爾記者引述境内可靠消息指出,中共公安于本周一28日在西藏安多果洛州達日縣紅科郷企圖逮捕上月21日焚燒紅科郷政府中國國旗的西藏僧人曲多,但遭到了紅科寺僧人與當地民衆的阻止,因此,中共軍警開槍射殺了這位叫曲多的年僅21歳的西藏僧人,并把屍體強行抬走,據説當局隨後也拘捕了被殺僧人曲多的父親桑桑莱莱。西藏僧人被槍殺後,當地民衆在忍無可忍的情況下與中共軍警發生衝突,在這起衝突事件中,果洛州達日縣公安局刑警隊隊長拉瑪才旦中槍死亡

消息指出,中共當局于本月21日曽企圖在雜翁波寺的經堂大殿上懸挂中國國旗,但遭到當地僧俗民衆的一致反對和抗議,最終當局被迫離開寺院。現年70歳的雜翁波寺僧人索南念扎因遭受中共當局的迫害,目前精神已失常。此外,中共當局于本月25日以渉嫌政治罪強行拘捕了西藏康區石渠縣藏人珠徐益多、瑪康格達和巴羅傑三人。

消息還指出,西藏康區甘孜州徳格縣扎科郷更薩寺前任堪布扎西尖參、經師洛桑頓月和誦經師桑培于本月27日和28日陸續遭到中共軍警的拘捕,隨後當地民衆聚集在大街上要求當局要釋放上述遭捕僧人,停止在西藏各地展開的愛國主義教育運動。本周一晩上中共政府派遣載滿士兵的10多輛軍用[上下]車到徳格縣加大控制當地局勢,并警告説,若再度發生抗議事件,當局將會格殺勿論。

據境内可靠消息指出,雖然中共當局宣稱拉薩色拉寺各項佛事活動已恢復正常,500多僧人的修行及生活也已恢復正常。事實上,色拉寺一半以上的僧人目前仍然在拘禁當中。此外,色拉寺和哲蚌寺的電話等通訊渠道仍被切斷,拉薩大昭寺和哲蚌寺依然處于封鎖状態,雖然大昭寺可以打通電話但被監聽。

消息還指出,中國政府發布將與達頼喇嘛的私人代表接觸展開對話之際,中共《西藏日報》等媒體和有關人士紛紛發表各種批判達頼喇嘛的文章和過激言論,對此,一位署名晉美朗嘉的藏人在北京撰文分析,認為是“長期在渉藏的‘反分裂斗爭’中漁利的利益集團”從中作梗。他説,這些逐利者或群體在中央内部有,西藏地方更有,達頼喇嘛若是歸來,他們就無路可走,所以會瘋狂地維護。消息強調,這位署名晉美郎嘉的分析一針見血,從北京到全藏各地有一大幇喫“反分裂”飯、升“反分裂”官、發“反分裂財”的漢藏官員,他們正是解決“西藏問題”的絆脚石。

[口力]據中共媒體消息,拉薩市中級人民法院于本周二29日公開宣判30名被指控在3月14日拉薩事件中有暴力行為的藏人。這些人分別被判處3年有期徒刑至無期徒刑。其中西藏商人次仁、僧人巴桑和拉薩一家房地産公司的司機索朗次仁被判處無期徒刑,其中索朗次仁才年僅20歳;[口力]外,晉美、格桑巴珠、格瑪達瓦、多覺、米瑪、阿旺曲央、巴珠等七人被判處了15年以上有期徒刑;亞傑、曲培扎西、多吉達傑、阿旺、格桑次仁、米瑪、索朗次仁、洛桑桑旦、次旦、培桑扎西、拉巴次仁(大)、洛桑扎西、拉巴次仁、塔慶、土旦加措、扎西加措、格桑頓珠、旦増堅才、格桑尼瑪、益西等20人分別被判處了3年到14年不等的有期徒刑。

針對中共的宣判,西藏流亡政府發言人圖丹桑培表示,中共的判決是不公正的,因此,西藏流亡政府方面已經請求國際社會針對這起判決案情展開更深入的調査。

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» 中国問題、発酵中 [Jin and Tonic]
中国問題がかなり香ばしく発酵中のようなんで、ちょっとメモ的にまとめてみる。 まず、中国国内でなんかまだ反仏運動がわき起こっているらしく、3年前の反日運動っぽくなってきている。 産経 5都市でカルフール抗議行動 中国政府の制御不能かhttp://sankei.jp.msn.com/world/china/080501/chn0805012126012-n1.htmで、なんで反仏再燃なのかと思ったら、国境なき記者団のスポンサーだという噂が流れたらしい。 日々是チナヲチさんより【攘夷】何だか始まっちゃった... [続きを読む]

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