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2008-05-11

ラサ燃える(その67)朝日新聞奈良版が奈良@5/10を時系列で詳報

朝日新聞奈良版が、昨日の
 胡錦涛奈良訪問
を時系列で詳しく報じている。ちゃんと、チベット支持派の動きにも言及している。


歓迎と困惑と/胡主席来県ドキュメント
2008年05月11日

松浦俊海長老らとともに雅楽の演奏を楽しむ胡主席夫妻=10日午前、奈良市五条町の唐招提寺、代表撮影

一般の参拝者も交えて営まれたチベット騒乱犠牲者の追悼法要=10日午前11時10分、奈良市の十輪院

胡主席の訪問で、法隆寺周辺では大勢の警察官が警備にあたった=10日午前9時13分、斑鳩町

 「奈良県は友好の伝統に貢献してくれた」。10日、来県し、法隆寺や唐招提寺など日中交流のゆかりの地に立ち寄った中国の胡錦濤(フー・チン・タオ)国家主席はこう評した。一方、チベット問題への抗議活動に備えて、周辺は物々しい雰囲気に。92年のブッシュ・米大統領(当時)以来、16年ぶりの国賓来訪に揺れた県内の動きを追った。

 ◎握手の留学生「感激」
 ◎観光客一時締め出し

 7・15 法隆寺南大門前に大勢の警察官。毎朝散歩をしているという町内の女性(77)は「こんなに物々しい感じは初めて」。
 7・45 北九州市立中学校の3年生74人が法隆寺を参拝。「胡主席が来ることを知り、見学時間を20分繰り上げた」と引率の教諭。
 7・50 法隆寺南大門で入場制限が始まる。入場者は手荷物のほか、衣類に「フリーチベット」などの文字が書かれていないかも点検された。
 8・30 唐招提寺も入場制限。新婚旅行で訪れた長野県松本市の会社員男性(33)は「早朝なら入れると思って来たけど。薬師寺に参ろうか、このまま待とうか……」。
 9・47 胡主席の車列が法隆寺に到着。沿道の男性2人が「フリー、チベット」と叫び、周囲の警察官に取り押さえられる騒ぎも。堺市の男性(36)は「『法には触れないが、(チベットの旗を振るのは)遠慮してほしい』と頼まれた」と話した
 9・50 胡主席が法隆寺を見学。大野玄妙管長の説明に大きくうなずき、「長い文化交流の跡がよく分かります。両国民が平和であればいいですね」と話した。
 10・02 大講堂から出てきた胡主席に、記者が「今回の訪日は成功ですか」と声をかける。胡主席は笑顔で手を振り、法隆寺を出発した。
 10・15 法隆寺で一般客の参拝が再開。午前8時半過ぎから待っていた愛知県一宮市の30代の夫婦は「大型連休の混雑を避けたつもりだったのに……」。
 10・30 唐招提寺わきの駐車場には、チベットの旗やプラカードを掲げた集団。ネット上の呼び掛けに応じて集まったといい、全員が初対面。参加者の男性(25)は「こういう時にしか、中国のトップに直接人権の大切さを訴えかけることはできない」。中国の国旗を掲げたグループも現れ、一時騒然となる。遠巻きに眺めていた女子大学生(19)は「チベット問題をもっと知りたい」と話した
 10・40 車列が唐招提寺に到着。出迎えた松浦俊海長老を、胡主席が自身の傘に招き入れて境内へ。和上像の前で深々と頭を下げて拝礼した。
 11・00 奈良市の十輪院でチベット騒乱犠牲者の追悼法要。県内外の僧侶や一般の参拝者ら16人が読経した。大阪府豊中市の女性(48)は「チベットの人たちの人権が弾圧されている中、何かしなければと思った」と話した
 11・31 胡主席の一行が、平城宮跡に到着。朱雀門前で、県日中友好協会員や中国人留学生ら約50人に出迎えられる。留学生らは「歓迎主席」と連呼した。
 11・42 平城宮跡の見学を終えた胡主席が、中国人留学生らと握手を交わす。留学生の女性(23)は「主席の手は温かかった。笑顔で『頑張って』と言われました」と感激した様子。
 11・47 車列が県庁前を通過。沿道には白いカッパ姿の警察官らが約10メートル間隔で並んだ。奈良公園の鹿の飛び出しにも神経をとがらせていた。
 12・00 胡主席が県新公会堂に到着。荒井正吾知事は、鑑真と胡主席の故郷が近いことや、同年齢で来日したことなどの共通点をあげ、「鑑真和上も胡主席のご来訪にお喜びと思う」と歓迎。胡主席は「奈良県は長期にわたり友好の伝統に積極的な貢献をしてくれた」と応えた。中国から銅製の鑑真の胸像が贈られるサプライズも。
 12・30 歓迎昼食会で乾杯の音頭を取った荒井知事は「ごゆっくりお過ごし下さい。ここでは外交案件は話題になりませんから」とあいさつ。胡主席がほおをゆるめた。料理は大和郡山市のレストラン「ル・ベンケイ」が担当。大和牛の低温ローストビーフや県産野菜を使った温サラダ、あすかルビーのババロアなど。オーナーシェフの尾川欣司さん(62)は「『ローストビーフがおいしかった』と話されたそうだ」と笑顔で話した。
 13・20 新公会堂前の道路を封鎖。警察官が拡声機を使って「まもなく要人が来ます。物を投げたり飛び出したりしないでください」と呼びかける。
 13・30 新公会堂の前で、「再見!」「また来てね」と見送る保育園児らに胡主席が近寄って手を振る。報道陣の問いかけに、「訪日は成功」と笑顔で応じ、車に乗り込んだ。
 13・35 奈良ホテルへ向かう車列に向かって、「フリー、チベット」と叫びながら旗を掲げようとした男性が警官に取り押さえられる
 14・45 胡主席の一行が奈良ホテルを出発し、次の目的地大阪へ。幹線道路の規制が解除された。
 15・00 JR奈良駅付近で、チベットの旗や看板を持った人たち約200人が「チベットに自由を」などとシュプレヒコールを上げ、猿沢池までの約1キロを行進した。大阪府東大阪市の呼びかけ人の男性(34)は「チベット問題に関心を持ってもらうきっかけになったと思う」と話した

 ■交通規制 総距離60キロ 事前発表なく「無事完了」

 胡主席の来県にあたり、警備に参加した警察官は全国25府県警の応援部隊約1800人も含めて計3千人。過去最大規模の厳戒態勢を敷いた結果、実質的な妨害行為はゼロだった。一方で総距離60キロと大規模な交通規制を実施したにもかかわらず、事前に場所や時間の発表はなく、各地で幹線道路が渋滞した。
 県警は、森田幸典本部長をトップとする警護警備実施本部を県警本部に設置し、訪問先がある西和署、奈良署などに現地警護本部を置いた。県警ヘリや各訪問先などを中継カメラでつなぎ、ライブ映像を見ながら森田本部長自らが態勢を指揮。胡主席一行の四十数台の車が通行する間は、他の車が入ってこないように道路を封鎖し、一行を信号「青」で疾走させた。
 法隆寺や唐招提寺、県新公会堂周辺ではチベット問題に関する抗議活動のため、チベット旗を掲げたり、「フリーチベット」と叫んだりした人が、警察官にすぐに囲まれ、取り押さえられる姿が目についた。県警警備2課によると「車列の走行に支障を及ぼす危険がある」と判断したためという。だが、「逮捕すべき事案ではなかったので、総数、詳細は言えない」とし、任意で事情を聴いた人数も明らかにしなかった。これに対し、来県に抗議するため法隆寺を訪れていたある男性は「声を出しただけで無理やり連れて行くなんておかしい」と憤った。
 県警は警備終了後、「無事に任務を完了した。雨のせいか、警備に関する市民からの苦情もほとんどなかった。ご協力いただき感謝している」とコメント。事前に交通規制などの情報を公表しなかった点は、「警護に関する情報は一切出さない方針」とした。

朝日新聞奈良支局、頑張ってるじゃん。

一方で、読売新聞関西版は、
 五輪スポンサー読売
の立場を貫く報道姿勢。


胡主席が奈良入り、法隆寺など訪問

法隆寺を視察し、五重塔の前で報道陣に手を振る胡錦濤国家主席(中央、10日午前10時2分、奈良県斑鳩町で)=森田昌孝撮影

 来日中の胡錦濤・中国国家主席が10日、奈良県入りし、中国とゆかりの深い法隆寺(斑鳩町)や唐招提寺(奈良市)などを訪れた。同県に中国の国家主席が公式訪問するのは初めてで、胡主席は午後、大阪府の電機メーカーを視察後、帰国する。

 午前9時50分、遣隋使を送った聖徳太子創建の法隆寺に到着し、雨の中、出迎えた大野玄妙(げんみょう)管長から、金堂や五重塔など、世界最古の木造建築の説明を受けた。胡主席は「聖徳太子は日本の国に仏教を広められ、法隆寺を建てられた。寺に残されているものは両国の交流の結晶ですね」と語った。

 続いて訪れた唐招提寺では、開祖で、日本に戒律をもたらした唐僧・鑑(がん)真(じん)の姿を表した「鑑真和上坐(ざ)像」(国宝)に拝礼。友好の証しとして唐時代の船の木製模型(長さ1・5メートル、高さ0・55メートル)を寄贈した。

 両寺付近ではチベット旗を掲げたグループが抗議活動を行ったが、大きな混乱はなかった。

            ◇

 ◆古都友好ムード

 「両国の交流の結晶ですね」。10日、新緑をぬらす雨が降る中、奈良県を訪れた胡錦濤・中国国家主席は穏やかな表情で、古(こ)刹(さつ)巡りを楽しんだ。聖徳太子や鑑真和上から脈々と続く交流の歴史を強調することで、今夏の北京五輪などに向け友好的な雰囲気を盛り上げる狙いを秘めた訪問。2年後、平城遷都1300年祭を控える奈良県側も歓迎ムード一色だ。しかし、チベット問題に対する抗議活動も行われ、沿道や寺には3000人の警察官が警備に当たるなど、〈現代〉が垣間見える場面もあった。

 ■交流

 法隆寺(斑鳩町)を訪れた胡主席。大野玄妙管長から、聖徳太子が制定した十七条憲法に「和をもって貴しとなす」と書かれていると説明を受けると、「やはり、両国の人民は仲良く平和であればいいですね」と感想を漏らした。

 唐僧・鑑真和上が開祖である唐招提寺(奈良市)で、胡主席は南大門から境内に入る際、案内役の松浦俊(しゅん)海(かい)・同寺長老に自ら傘を差し掛けて“相合い傘”を演出した。さらに同寺の金堂などの建物が現代まで保存されている、との説明に「容易なことではない。日本人に感謝したい」と感心した様子で話した。

 この後、胡主席は奈良県新公会堂(同市)で荒井正吾知事と会談。「奈良は中日関係の一層の発展を進める地域になりうる」などとリップサービスに努めた。

 ■歓迎

 国の特別史跡、平城宮跡(奈良市)では、県日中友好協会の約60人が両国の旗を振りながら胡主席一行の来訪を迎えた。奈良女子大の中国人留学生、秦莉さん(27)は「私たちは国と国のつながりよりも、人と人のつながりを強めたいと思っている。主席ご自身も、日中の人と人との友好の思いが強いのでは」と話した。

 公式訪問に平城宮跡視察を要望した県には、2年後にここで開く平城遷都1300年祭のPRをしたいという思惑も。荒井知事は「祭りには中国からも多くの人が来てほしい」と〈胡主席効果〉に期待する。

 ■厳戒

 胡主席が法隆寺前に到着した際に、数人の男性が「フリー・チベット」と叫ぶなどしたが、すぐに警察官が抱きかかえ、立ち退かせた。唐招提寺前でも、プラカードや旗を掲げた約30人が、沿道から離れるよう警察官に指示された。

 両寺には「仏教徒を弾圧する胡主席を受け入れるべきではない」との抗議電話などが殺到していた。この日、周辺は白い雨がっぱを着た警察官らがずらりと並び、胡主席の到着前に境内への立ち入りを制止。近くの道路を封鎖したため、戸惑う参拝者らもいた。

 一方、奈良市の十輪院では午前11時から、チベット仏教弾圧による犠牲者の追悼法要が営まれた。橋本純信住職は「仏教徒として、中国への抗議の意思を示す法要でもある」と話した。

(2008年5月10日 読売新聞)

完全に
 チベット支持派は「邪魔者扱い」
ですね。

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