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2008-06-07

ラサ燃える(その89)核施設銀座に「堰き止め湖」放水すると下流には廃棄した化学物質を埋めた汚染地域が広がっており、流れるのは「タダの水」ではなさそうな悪寒

唐家山地区の堰止め湖の放流が始まらないと思ったら、飛んでもない話が。
敬愛する産経新聞の福島香織記者がご自身のblog「北京趣聞博客」でその辺りを手際よくまとめて下さっている。
被災地からもどってきて3 放射能汚染の恐怖?(続報あり) 2008/06/07 03:27

これを読むと
1. 今回の震源地の周辺は、中国有数の「核施設銀座」
2. 第三次世界大戦を恐れた毛沢東が、「死んだ断層」と考えられていた四川省の龍門山断層に沿った地域に核研究のための軍事施設を作らせた。この辺りは水が豊富で、山の中にあり、秘密の核研究をするにはうってつけの立地だった
3. 現在、中国共産党は情報統制を行っており、核施設に関する情報は、中央からはかなり限定的なものしか出てこない
4. 香港や海外のメディアが「核汚染の危険性」を指摘している
ということがわかる。で
 いま問題の唐家山地区の堰止め湖をうっかり放水すると下流にある核施設や化学工場などの汚染物質が、放流された水を汚染し、広域汚染が拡大する恐れがある
と指摘されている。道理で、すぐに放流しないわけだ。
福島記者は、「大紀元」に5/28付で掲載された黄慈萍氏の投稿を以下のように整理している。


■黄氏の指摘。
1 中国共産党に核の安全を確保できる適切な能力はない。
2 中国核工業建設集団公司では施工現場で6人が死亡。ただし放射能もれはないと発表。
3 プルトニウム核弾頭を製造する821工場(広元市)は甚大な被害をうけ、6人死亡、11人負傷。救助隊は放射能をおそれず、核工場の強固工事をおこない、核汚染防止に貢献したと、中国メディアは報道。しかし、救助隊が放射能の恐ろしさを認識していたか不明。

■黄氏は、中国四川省の核施設について、つぎのように説明した。
毛沢東は60年代、第三次世界大戦が核戦争になると想定し、銃後をまもる西南部の山岳地帯に主要軍事施設を移転。その主なものは以下の通り。

1 綿陽市
核研究施設(通称2機部)宇宙開発(7機部)兵器工業企業(5機部)

2 地震後、李幹傑・環境保護次官(前国家核安全局長)が視察した核施設
中国核動力研究設計院(通称909所、峨眉山市夾江県)

中国工程物理研究院(=核兵器研究基地、通称902所、)

楽山核分裂研究院(通称585所、楽山市)

821工場(プルトニウム核弾頭製造工場、広元市)

白竜江核基地(中国最大の核反応炉製造基地、プルトニウム主要生産メーカー、従業員3万人、甘粛省白竜江)

221工場(中国最初の原子爆弾を開発した中国初の核兵器研究基地、綿陽市)

525工場(峨眉山市)

814工場(中国三番目の原子力製造工場で重水工場でもある、従業員4万人。福島注:場所はたぶん成都市温江区)

816工場(涪陵核燃料工場、核弾頭を製造、昔の建峰化工、今の住所は重慶市涪陵区)

857工場(中性子爆弾を製造、江油市)

四川宇宙開発技術研究院(中国宇宙開発科学技術集団公司所属、宇宙開発製品、兵器開発生産基地)

総装備部中国空気動力発展・研究センター(本部綿陽市、研究所は安県各地に分散)

で、福島記者は、香港の「中国人権民主化運動センター」の7日の発表についても、言及している。


■1 堰止め湖決壊の危険性で緊迫している四川省綿陽市北川県の唐家山地区に中国で最も重要な核研究施設および空軍施設が集中しており、それら50施設のうち20の設備移転が完了していない

2 それが理由で唐家山堰き止め湖の排水作業が遅れている。このまま唐家山堰き止め湖の排水が行われば、この地域に埋められている過去40年分にわたる大量の核廃棄物や危険な軍事化学工業原料が地下水にしみて広域核汚染あるいは化学汚染が引き起こされる可能性があるという。

3 この堰止め決壊による水没範囲中国最大の核研究所「中国工程物理研究所」のほか、核工業の839基地、核工業建設集団24建設公司総本部、中性子爆弾製造の857工場、核弾頭貯蔵庫、解放軍の空気動力発展研究センターもある。

4 北川県に隣接する安県は解放軍の最先端技術研究所が集中し、軍最大の風洞実験施設群もあるという。この風洞実験施設は空軍の空中予警機をふくむすべての最新鋭機種の研究開発、実験を行っている。もっか、軍2万の兵士が安県一帯で、軍事研究所施設の移転や保護工作をおこなっているという。

5 環境保護省は唐家山堰き止め湖の排水にからみ、排水の通り道にある12施設の99個の放射性物質の安全確保を指示しているが、これらは民生用のセメント工場。本当は、公表されていない軍事施設の放射線源の方が問題で、これら民生用の数万倍、数十万倍の強さ。

6 ついでにいうと、堰き止め湖の排水が流れる地域の化学工場地域には大量の廃棄化学物が埋め立てられており、安県だけでもその量は10万トンにのぼり、水につかれば広域土壌汚染を引き起こす可能性もある。

水に流せばいい、って単純なもんじゃないレベルの話。
日本の救助隊がなかなか一番人命救助ができそうな地域に派遣されなかった一番の理由はこの
 核施設の集中などの軍事機密
が原因じゃないのか、と勘ぐってしまう。

汚染に関して、中国は極めて楽観的なお国柄なので、今回の
 堰止め湖の放水
は、長いスパンで見て、飛んでもない災厄になる可能性があるってことか。
いやはや。
死んだ断層だと思っていたら、21世紀になって突然生き返ったんだからなあ。

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