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2008-06-23

藤原京跡出土木簡から藤原不比等邸を示す記述発見→NHKと朝日は取材に行けよ

今のところ、読売が報じている。


藤原京跡で不比等示す木簡、邸宅の存在裏付け

木簡の出土場所

 奈良県橿原市の藤原京(694~710年)跡で出土した木簡に、右大臣を意味する「右大殿(みぎのおおとの)」との文字が書かれていたことが奈良文化財研究所の調査で分かった。

 当時の有力政治家、藤原不比等(ふひと)(659~720年)とみられる。藤原京内で不比等にかかわる木簡が見つかったのは初めて

 木簡は縦24・1センチ、横2・5センチ。同研究所が1979~80年に行った発掘調査で、藤原京の中にある藤原宮の12の門のうち、東側の一番北にある門跡近くの溝から出土した。

 同研究所の市大樹(いちひろき)・主任研究員が赤外線写真で分析した結果、「右大殿荷八」と書かれていることが判明。宮内から、右大臣邸に八つの荷物を運ぶ際、門で外された荷札とみられる。

 荷物を運び出す際には、邸に近い門を使用したと考えられることから、不比等邸が藤原宮の東か北東にあったと推定できる。平安時代の文献に、不比等邸を「城東第」と記され、宮の東にあったとしていることを裏付けるという。

 不比等は日本最初の法典・大宝律令制定を主導し、平城遷都を進めた。

(2008年6月23日14時35分 読売新聞)

関西版が詳しい。木簡の写真入りだ。


藤原京跡から「不比等」示す木簡、邸宅の存在裏付け

「右大殿荷八」と書かれた木簡の赤外線写真=奈良文化財研究所提供

 奈良県橿原市の藤原京(694~710年)跡で、宮の北東にあった門付近から出土した木簡に、右大臣を意味する「右大殿(みぎのおおとの)」と書かれていたことが判明、藤原不比等(ふひと)(659~720)を指す可能性が高いことが、奈良文化財研究所の調査でわかった。藤原京内で不比等にかかわる木簡が見つかったのは初めて。門に近い宮の東側か北東側にその邸宅があったことを示す物証となり、謎の多い古代の実力政治家の実像を探るうえで貴重な資料となる。

 木簡は縦24・1センチ、横2・5センチ。1979~80年に行った発掘調査で、藤原宮の12の門のうち、東側の一番北にある門跡近くの溝から出土した。

 当時は「大殿」の文字しか読めなかったが、市(いち)大(ひろ)樹(き)・同研究所主任研究員が赤外線写真で分析した結果、「右大殿荷八」と書かれていることが判明。宮内から、右大臣邸に八つの荷物を運ぶ際、門で外された荷札とみられる。同じ溝から、不比等が右大臣に任命された「和銅元年(708年)」の年号が入った木簡が出土しており、「右大殿」が不比等を示す可能性が高いと判断した。

 荷物を運び出す際には、邸に近い門を使用したと考えられることから、その邸宅が藤原宮の東か北東にあったと推定でき、平安時代の文献で不比等邸を「城東第」と記し宮の東にあったとしていることを裏付けるという。

 不比等は日本最初の法典・大宝律令制定を主導、平城遷都を進めた。平城京(710~784)では不比等邸の跡地にある法華寺の門前付近で「右大殿」と書かれた木簡が調査で見つかっているが、藤原京では不比等に関する木簡は出土していなかった

 千田稔・立命館大客員教授(歴史地理学)の話「右大臣になった年の木簡が出ており、間違いなく不比等にかかわるものだろう。宮の東側の調査が行われれば、新たな発見が期待できる」

(2008年6月23日 読売新聞)

というわけで、
 以前出土した木簡を再検討したら、「右大殿」の文字が出てきた
のが、今回の発見だ。
この間の
 所謂『万葉集』木簡
もそうだったけど、
 以前出土した木簡の再検討で、新たな発見
が生まれている。

さて、NHKのニュースを待つかな〜。

と、思ったら、ちょっとしたネタが入って、
 朝日とNHKが奈文研に取材に行ってない
らしいぞ〜。
 不比等邸を示す木簡
というと、相当でかい歴史ネタなんですが。ダメじゃん、朝日とNHK。
 木簡なら絵も撮れる、おいしい歴史ネタ
なのに。朝日は小滝ちひろ編集委員が月曜だから遅出なのか? NHK奈良局は久保記者とか稲垣記者の担当じゃないの? 最近「ならナビ」ちゃんと見てないから、誰が古代史担当かチェックしてないんだけど、少なくとも
 奈良やまと路報道室の担当記者
の持ち場だろう。
ちなみに
 読売が抜いたネタ
だそうで、報告書を丹念に読んで記事にしたパターンだそうだ。大阪読売の文化部、エライじゃん。
NHKも朝日も取材に行けよ〜。
毎日は当然ながら、橿原以南は
 「大淀病院産婦死亡事例」第一報の林由紀子記者が担当
だよな。

で、結局NHK奈良は
 大安寺の笹酒でがん封じ
という、
 定例暇ネタ(毎年1月と6月23日の行事)がトップニュース
だった。今は研修期間で記者がいないとか、かね。
ま、記者リポートでも何でもいいから今後フォローを宜しく。

ちなみに今回もそうなんだけど
 活字の刊行物の論文からネタを拾う
のは、関西各メディアがやるんだけど、NHK奈良はかなり遅い。こないだ各紙とNHK奈良は、しばらく
 『正倉院紀要』の新刊ネタ
をバラバラにやっていた。
『正倉院紀要』はここからダウンロードできる。
正倉院紀要閲覧
で、ニュースネタに使われていたのは、
・第30号 正倉院宝物の螺鈿技法に関する知見について(北村昭斎)Kitamura

・第30号 正倉院「厚朴」の原植物について-正倉院薬物材質調査補遺-(柴田承二・米田該典)Shibata・Yoneda
についてで、媒体によって取り上げる速度に遅速があった。一番遅かったのがNHK奈良かな。各紙の記事も、書いた記者の腕力が一目瞭然で、こうやってリポジトリで成果が公表される時代に、果たして
 新聞やテレビニュースが、正しい歴史関連ニュースを報道できるのかどうか
は、ニュースの受け手が簡単に検証できるようになってきている。前は
 報道発表資料と会見での質疑に基づいて記事を書く
ことが多かったが、いまはPDFで報道発表資料を公開している研究所や教育委員会が増えてきたからね。
大学などの機関のリポジトリ一覧は以下に。
国内の機関リポジトリ一覧
各機関にリンクされているので便利。このリストには正倉院事務所は含まれていない。

(追記 6/24 12:00)
その後の後追い状況。
共同通信 2008/06/23 20:54
不比等あての木簡か 藤原京、右大臣示す

産経新聞 2008.6.23 21:50
藤原宮跡で藤原不比等にあてた木簡発見

23日中には毎日・朝日・NHKは報道せず。

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