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2008-08-30

アメリカの医療費の一例 交通事故で顔面骨折1週間ほど入院で10万ドル超える→下腿の2骨もしくは大腿骨折なら30万ドル→虫垂炎はハワイ2万ドル、ニューヨーク4万ドル(2日入院)日本でも平均的な虫垂炎の手術治療は100万〜200万円掛かっているが国民皆保険のおかげで患者の負担は少ない

スポーツライターの梅田香子さんの夫が、交通事故にあった。
東京中日スポーツより。


ブルースギタリスト 米でコンサートツアー中 菊田俊介さん交通事故重傷

2008年8月28日 紙面から

 日本を代表するブルースギタリストで、米シカゴを拠点に活動するシュン菊田こと菊田俊介さん(41)が、米国をコンサートツアー中に交通事故に巻き込まれたことが27日分かった。菊田さんの妻で、大リーグの福留孝介外野手(カブス)の記事などを本紙に寄稿する作家の梅田香子さんによれば、左目の周囲を4カ所骨折する重傷。
 米国内の報道によれば、ココ・テイラーのバンド「ブルースマシーン」に参加している菊田さんは現地時間23日未明(日本時間24日)、ウィスコンシン州ブラックリバー近郊で乗っていたバンが事故に遭い、同乗していたバンドのメンバーもけがをした。バンドはミネソタ州のコンサート会場に向かう途中で、ココ・テイラーとは現地で合流する予定だった。
 梅田さんによれば、菊田さんは事故の瞬間は寝ていて、気が付いた時はガケの上にほうり出されていたという。その後、ヘリコプターで救助され、25日まで集中治療室(ICU)に入っていた。
 菊田さんは栃木県宇都宮市出身。バークリー音楽院に留学後、プロとなり、音楽理論に秀でたギタリストとして国内外のミュージシャンから尊敬されている。

で、
 23日に事故
 ヘリコプターで病院へ搬送
 23-25日までICUで治療
という交通事故の治療にかかる医療費が梅田香子さんのblogに書いてあるのだが、それが凄まじい。
2008年08月30日 もうじき退院
なんと
 たった1週間ほどの入院・治療で10万ドル超えそう
なんだとか。高額な医療費になった理由は
 一日2万ドルのICU入院費
 ヘリで病院に搬送されたのでヘリ代
だそうで、梅田さんは
 医療保険に入ってなかったら、自己破産もの
と書いている。でも
 アメリカでは特に自動車事故では、保険金はすぐに支払われない
そうだから、これから憂鬱な交渉が続くのだろうな。

続き。(17:04)
友人の救急のエキスパート(『BLSヘルスケアプロバイダーマニュアル 日本語版—AHAガイドライン2005準拠』の翻訳者)が、アメリカでの骨折治療費の相場を教えてくれた。ご教示ありがとうございます。
 下腿の2骨が折れているか、大腿骨折で30万ドル
だそう。下肢の骨折だと入院期間が長くなるから、それだけ高額になるのだろう。

とすると、交通外傷でありがちな
 多発外傷で1カ月ICU管理
になったら、一体いくら掛かるんだろう。
 CT→脳外科手術など込みの全身管理コース
だと、悪夢のような請求書が届くのは間違いない。

日本では
 ICUに一ヶ月入院すると1000万円(現在の相場を1$=109円とすると91743ドル)
だから、
 1日2万ドル
というアメリカと比べると
 高度の治療にかかる日本での医療費がいかに安いか
がわかる。同じ1000万円あっても
 アメリカでは5日もICUに入っていられない
わけだ。

更に続き。(23:30)
上記の友人が
 アメリカでの虫垂炎の治療の相場
を教えてくれた。
 ハワイは2万ドル、ニューヨークは4万ドル、ただし2日入院の場合
だそうで
 入院治療の相場は1日1-2万ドル
とのこと。で、たぶん医療費が高額なので日本ほど手術適応が少ないせいだろうと思うのだが
 入院実数は日本の半分
だって。
御教示ありがとうございます。
 アメリカで虫垂炎になるとハワイで200万円超え、ニューヨークだと400万円超え
ですよ。うっかり、病院にも掛かれませんな。

日本だと
 盲腸? すぐ手術しないとダメじゃないの
なんていうのが一般の認識だろうけど、これは
 世界広しと雖も、日本だけ
なのかも知れない。他国では多分もっと医療費が高いし、そもそも誰もが簡単に手術できる環境が整っていないだろう。
学生時代に虫垂炎になった時は、1週間入院したかな。大学の保健管理センターから紹介された外科病院で手術をした。腰椎麻酔の効き方がちょっとヘンで、途中で血圧が下がったりしたけど。退院祝に農学部の近所のおでん屋で飲んでたら、おでん屋のおばちゃんに
 どこで盲腸切らはったの? ○○病院? あんな評判の悪いところ
と言われ、無事の退院を喜んだ。教養の担任がその10年以上前に手術した病院と同じだったから、わたしが行った頃には、かなり腕が落ちていたのかもしれない。

日本で学生が虫垂炎になっても破産しないが、アメリカで学生が虫垂炎になったら、加入している医療保険によっては、しんどい話になりそうだ。
尚、上記友人によると
 日本の虫垂炎の手術代が10万円、入院は全部ひっくるめて1日10万円くらいなので、総額では100-200万円掛かる
そうだ。
 国民皆保険
のおかげで、
 虫垂炎で破産するヒトがほとんどいなかった
のが、これまでの日本の医療だ。
更に、友人が付け加えるところに依れば、
 腹腔鏡を使うと20万円
だそうなので、病院の収支で考えると
 腹腔鏡入れたら赤字
 虫垂炎を取ってとんとん
 虫垂炎が腹膜炎を併発していれば、ちょっと黒字
というのが、日本の医療費の現実だという。マスコミが何かあると
 医者や病院は大もうけしている
というのは
 幻想
ですな。
確かに収支がこんな調子なら
 外科は絶滅危惧種
になるのも不思議はない。

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コメント

日本ではICU入院1カ月は不可能なんですよねぇ、制度上は。
第2部入院料等-第3節特定入院料-A301特定集中治療室管理料(1日につき)
1 7日以内の期間 8,760点(87,600円)
2 8日以上14日以内の期間 7,330点 (73,300円)
注1 必要があって特定集中治療室管理が行われた場合に、14日を限度として算定する。
87,600円*7+73,300円)*7=1,126,300円(14日間入院)
で、15日目からは?なんと入院基本料しか請求できません。1カ月ICU入院しても150万円いきません。
検査料、注射手技費用等はすべてマルメですから、14日以内に安定させて追い出すしかありません。
それが一日2万ドルももらえるなんて、アメリカ万歳ですね。さっさと高度救命医療はアメリカを見習う
べきなんでしょうね。
それなら日本で積極的に救急医療をやろうという病院はたくさん生まれるはずです。

投稿: Hekichin | 2008-08-30 23:15

Hekichin先生、御教示ありがとうございます。なるほど「制度上」はICUで一ヶ月入院はないのですね。でも、実際は、長期入院をしている患者さんがいらっしゃるわけで、どういう仕組みになっているのでしょうか。

投稿: iori3 | 2008-08-30 23:33

こんばんは。
コメント弾かれてしまいます。
なにかNGワードに引っかかっているのだろうか。

投稿: ppsh41 | 2008-08-31 21:16

何とかして14日以内に出そうと努力しますが、患者が危険な状態でICUでしか管理できない場合【当院の場合、一般病棟管理のレベル低い】、赤字承知でICUで診ています。死亡した場合、なぜ一般病棟に出した、など訴訟になったほうが損失、負荷が大きいと思われます。

投稿: 雪の夜道 | 2008-09-01 09:46

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