« 北里研究所附属東洋医学総合研究所医史学研究部に行く | トップページ | 産科崩壊 大野病院事件と同様の「癒着胎盤」に都内の大病院で「子宮全摘」をしても死亡@2006年11月 »

2008-08-21

産科崩壊 女の敵は女 NHK飯野奈津子解説委員は「大野病院事件は『事故』」と明言 「極めてまれな病死」でも「医師に責任」という論調 NHK時事公論「産科事故判決の課題・刑事責任は問えるか」@7/21→NHKのサイトに放送内容が載る

とりあえず概報。
たぶん、このページに今日放送された飯野奈津子解説委員の主張が掲載されるはず。
時事公論

今日未明の0:20-0:30に流れた
 NHKの時事公論
で、飯野奈津子解説委員が、大野病院事件を取り上げ
 今回の事故では
と明言した。そして
 亡くなられた産婦さんの遺児にあった時の話
をしていた。

公平中立の立場で報道するのがNHKだったはずだが
 極めて感情的な立場で「かわいそう」だから「過失による事故」
というのでは、話にならない。今回の裁判で明らかにされたのは
 治療が困難な症例で、積極的な治療が死に至った場合の医師の刑事責任
についてである。
 「過失による医療事故」ではなく現段階の医療水準に照らすと標準的な治療による不幸な病死
というのが、裁判所の判断である。
その点を全く考慮せず、
 医療の素人と同じ立脚点で「みなさまの受信料」で運営されている公共の電波を用いて、扇情的な「意見」を垂れ流す
のが
 NHK解説委員の「責務」
なのか。
飯野奈津子解説委員は
 産科問題のエキスパート
という位置づけだが、はっきり言って
 冷静な判断を欠いている
と思う。今後
 NHKが産科医療崩壊を助長する報道
を続けるならば、その
 元凶の1人は飯野奈津子解説委員
であるということになるだろう。

NHK解説委員一覧
飯野奈津子解説委員のプロフィールは


1.担当分野 社会保障・女性
2.出身地 大阪生まれ
3.趣味・その他 ゴルフ!

だそうだ。
日々、厳しい人員をやりくりして、産科医療に携わっている医療スタッフには、ゴルフなんてしている暇はないだろう。エクスクラメーションマークを付けるくらいゴルフ好きの人物に、
 大野病院事件は「過失による事故」
などと語られるとは、片腹痛い。

たとえそれが虫垂炎の手術であろうと
 侵襲的な治療=患者さんに大きな負担がかかる手術などの治療
であれば、
 常に死の危険は伴う
のだ。飯野奈津子解説委員は
 安心な医療を受けられないと困る
というのだが、
 どんな手術でも「生きて、無事に返らなければ医療事故」
という論調であった。
飯野奈津子論説委員がお幾つか知らないけど、わたしより若いとは思えないので
 そんなに「医療資源が豊富な場所でしか生活したことがないのか」
と甚だ疑問に思う。北海道で生まれ育ったわたしにとっては
 手術もお産も、死と隣り合わせ、どんな簡単な手術でも人は死ぬことはある
というのが、常識である。実際、伯父は、普通は死んだりしないと考えられている手術で帰らぬ人となった。札幌の病院で受けた手術の結果である。それから、まだ十年経ってない。

飯野解説委員の主張の詳報が上記NHKのリンク先に掲載されるはずなので、それを待ちたい。

続き。(7/22 9:25)
NHKの時事公論のサイトに、昨日の飯野奈津子解説委員の主張が全文掲載されたので、転載しておく。
 

2008年08月20日 (水) 時論公論 「産科事故裁判からの問いかけ」

飯野奈津子解説委員

<イントロ>
こんばんは。ニュース解説時論公論です。今夜は、医療現場に大きな波紋を広げた、産科事故をめぐる裁判についてです。帝王切開の手術で無理な処置をして女性を死亡させたとして、刑事責任に問われた医師に、無罪判決が言い渡されました。この判決の意味と、裁判を通して見えてきた課題を考えます。

<事件の内容>
まず、この事故の内容です。
事故が起きたのは、福島県の県立大野病院です。2004年の12月、当時29歳だった女性が、帝王切開の手術を受け、赤ちゃんは無事生まれましたが、その後女性は大量に出血して、死亡しました。翌年の3月、県の委員会から、医療ミスがあったとする報告書が公表され、それをきっかけに警察の捜査が始まりました。そして、その翌年の2月、執刀した医師が、女性の胎盤を無理にはがし、大量の出血を引き起こして死亡させたなどとして業務上過失致死と医師法違反の疑いで逮捕・起訴されたものです。
解説画像1
(以下は画像内の文章)
 福島県立大野病院
 2004年12月 帝王切開手術で女性死亡
 2005年3月 県の調査委員会で「医療ミスあり」
 2006年2月 執刀医を逮捕・起訴
 不当逮捕(医師たちのイラストつき)

<注目された事件>
この事件が医療界に衝撃を与えたのは、治療における医師の判断そのものが過失に問われたからです。このため「明らかな過失がないのに、医師を逮捕するのは不当」だという抗議が全国の医療関係者から相次ぎました。そして、この事件以降、お産を扱う医療機関が減り、救急などの現場でも難しい医療を敬遠する動きに拍車がかかったといわれています。懸命に治療に当たっても、予想外で重大な結果になったら、犯罪者にされてしまうとうけとめられたからです。

<裁判の争点と判決>
果たして司法の場でこの事件が判断されるか、注目された裁判の内容です。
亡くなった女性は癒着胎盤という危険な状態でした。通常は、出産の際へその緒を引っ張ると胎盤が子宮から剥がれ落ちますが、この女性は、胎盤が子宮にくっついた状態だったということです。裁判の争点は大きく二つ。

▲ひとつは、癒着胎盤という危険な状態だと、手術の前に予測できたかどうかという点です。検察側は「事前の検査で予測できたはずだ」と主張。被告の医師側は、「きわめてまれな症例で予測できなかった。」と反論していました。

▲もうひとつが、手術を始めて癒着胎盤と分かってから、そのまま胎盤をはがす処置を続けたことが適切だったどうかです。検察側は「大量出血は予測できたはずで不適切。すぐに中止して子宮ごと摘出すべきだった」と主張しました。これに対して医師側は「最後まで胎盤をはがした方が、出血が止まりやすくなる。日本の医療水準に則した適切な処置だった」と反論しました。
判決では医師側の主張通り、手術前に予測するのは難しかったとした上で、処置を続けたことについても、大量出血の可能性は予測できたものの、当時としては医療水準に即したものだったとして、無罪判決を言い渡しました。
解説画像2
(以下は画像内の文章)
 争点 胎盤癒着
 1 予測できたか
  検察 予測可能
 ○医師側 まれな症例で予測できなかった
 2 処置は適切だったか
  検察 不適切で中止すべきだった
 ○医師側 医療水準に則した措置

解説画像3
(以下は画像内の文章)
 (上記文章の上に)無罪

<判決の評価>
今回の裁判は、投薬の量を間違えたり、カルテを改ざんするといったこれまでの医療事件と違って、どういった治療を選択するのかという、医師の裁量について、過失の有無を判断する珍しいケースです。その中で医師に刑事罰を科すのは、「ほとんどのの医師が行う、一般的な診療を怠った場合に限られる」という基準を示したのが、特徴です。

解説画像4
(以下は画像内の文章)
 (解説画像2の上に)
 刑事罰の基準
 ほとんどの医師が行う
 一般的な診療を怠った場合

つまり、臨床経験の多い複数の医師が、「自分であっても同じ処置をしたと思う」と証言したことが、無罪判決につながったといえるわけです。こうした基準が示されたことで、医療現場は結果が重大であっても、一般的な診療を行っていれば、刑事責任に問われることはないと受け止めています。これから検察が控訴するかどうか、わかりませんが、「無罪判決が出てほっとした」という声が聞こえてきます。

<事故の課題>
しかし、裁判で無罪判決が出たからといって、今回の事故に問題がなかったわけではありません。刑事責任を問うほどの過失がなかったとしても、遺族にとっては見過ごせない問題がありますし、医療界の反応にも納得できない部分があるからです。
その医療界からの反応。大きく二つあります。

▲ひとつは、「警察や検察の介入は、医療崩壊に拍車をかけるだけで、何の意味もない」というもの。

▲もうひとつが、「医師不足こそ問題で、個人の責任を問うべきでない」というものです。大野病院の産婦人科は、当時被告の医師1人だけで、地域のお産をすべて担わざるを得なかったからです。
しかし、今回亡くなった女性の遺族のには、そうした一般論だけでは片づけられない思いがあります。

解説画像5
(以下は画像内の文章)
 警察・検察の介入は無意味 ☆ 捜査によって事実が明らかに
  真しな説明を

 医師不足こそ問題  慎重に手術に臨んで欲しかった
  医療機関の連携を

医師のイラスト    遺影を抱えて泣く遺族、涙を流す遺族などのイラスト

▲ まず、警察や検察の問題です。捜査によって明らかになった事実もあって、遺族は警察や検察に感謝したいと話しています。手術が始まってから女性が亡くなるまでの間、病院からの説明は一切なく、その後も納得のいく説明がなかったからです。お産の場合、とりわけ家族の期待が大きく、いくら説明しても納得してもらえないという話を産科医からききます。その難しさもあるでしょうが、医療は不確実で専門性が高い分野だからこそ、医師の側が真摯に説明して、理解を得る努力が、必要ではないでしょうか。その努力を怠ったまま、警察の捜査を批判しても、納得は得られないと思います。

▲医師不足の問題についても、だから死を避けられなかったというのでなく、だからこそ、慎重に手術に臨んでほしかったというのが、遺族の思いです。
今回、執刀した医師は、手術の前に輸血や子宮摘出の可能性を遺族に説明しており、難しい手術であることは認識していたとみられます。それなのに、輸血血液も十分供給されず、一人しか医師がいない体制で、なぜ、手術に臨んだのか。手術の前に、大きな病院への転院や医師の応援要請を、関係者から助言されたのに断っていたことも、裁判の過程で明らかになりました。医師不足の中でも、医療機関が連携するなど、安全を確保する努力を重ねることが、医療側に求められているのだと思います。

<新たな仕組みの必要性と課題>
その上で、今回の事件を取材して改めて感じるのは、医師個人の責任を追及する刑事裁判には限界があるということです。事故の全容を解明して,再発防止につなげることはできませんし、遺族と医療者の間の溝がさらに深まったと感じるからです。双方が納得できる仕組みをどう作るのか。期待されるのが、政府内で検討されている第三者の立場で事故の原因を究明する新しい組織です。
具体的には、診療中の患者が死亡する事故が起きた場合、医療機関や遺族からの届出を受けて、医療の専門家を中心とする医療安全調査委員会がその原因を調べます。そして、問題があった場合は、調査結果を公表して、再発防止策を提言し、悪質なケースに限定して警察に通知します。警察も、委員会での専門的な判断を尊重するとしているので、独自の判断での捜査も減るとされています。
ところが、この仕組の鍵を握る調査委員会がしっかり機能するかまだわかりません。もしここで公正に原因究明をできなければ遺族はやはり警察に頼り、警察も動かざるをえないでしょう。この仕組みが機能するかどうかは、委員会の中心となる医療の専門家たちの対応にかかっているということです。
解説画像6
(以下は画像内の文章)
        死亡事故
 病院           遺族
 ↓             ↓
         届け出
   医療安全調査委員会
 (イラスト)
 医師 医師 医師 医師 法律家 患者の団体
        ↓
 報告書の公表
 再発防止策を提言
 悪質なケースを警察に通知

<まとめ>
今週初め、今回の事故で亡くなった女性の父親に会うことができました。帝王切開手術で生まれたお孫さんは今年3歳。上のお孫さんは7歳です。2人の孫のためにも、娘の死を無駄にせずに、二度と同じような事故が起きないよう、取り組みを進めてほしいと、静かに語っておられました。無罪判決は、刑事責任を問うほどの過失がなかったと判断したにすぎません。遺族の思いを受け止めて、今回の事件を教訓に、安心して医療を受けられる態勢を整えていくことが、何より必要なのだと思います。

投稿者:飯野 奈津子 | 投稿時間:23:53

というわけで
 「まとめ」を読む限り、「あらゆる医療行為で患者が死ぬのはおかしい」という論調
である。文字になると、飯野奈津子解説委員がどういう表情で話していたか分かりにくいが、明らかに
 無罪判決に不満
という態度で放映に臨んでいた。

|

« 北里研究所附属東洋医学総合研究所医史学研究部に行く | トップページ | 産科崩壊 大野病院事件と同様の「癒着胎盤」に都内の大病院で「子宮全摘」をしても死亡@2006年11月 »

コメント

私も途中から見ましたが、酷かった・・・・・・
あの判決のどこをどう読んだら
証拠不十分だったから無罪
と読めるのか、理解しがたい。

投稿: nyamaju | 2008-08-21 12:19

>医療の素人と同じ立脚点で「みなさまの受信料」で運営されている公共の電波を用いて、扇情的な「意見」を垂れ流す
私もまったく同じ感想を持ちました。
大野病院事件について理解できていないマスコミほど、遺族感情を代弁する「ふり」をしたコメントでとりあえず電波の穴を埋めているように思います。
そうした行為が結果として遺族の方々を苦しめ続けるのだということにいい加減気づいてほしいものです。

投稿: ピカデリーサーカス | 2008-08-21 13:45

御意につき、放送直後、BPOに通報済みです

刑事裁判での当事者とは、『被告人 vs 国家』であって、『国民 vs 国民』ではありません

亡くなられた女性の子供と同じく、無罪になった被告人医師にも子供が居り、同様に尊厳を守るべき立場にるべき報道人が、遺児・遺族とだけ接触し、感情移入しているようでは、公共の電波を使う資格なしとしなければなりません

転送義務があったかのような、裁判でも争点になっていないことを持ち出して、殊更に被害者vs加害者という構図を視聴者に押し付けるのは、公正・中立であるべきNHKにあってはならないことだと思う

飯野奈津子解説委員には、客観報道とは何かを、もう一度、考えてもらいたい

投稿: Med_Law | 2008-08-21 17:17

遺児よりも主治医を奪われた妊婦の追跡調査の方がドキュメンタリーの素材としては面白いと思うのに、どこもそれをやってないんですよね

投稿: sakimi | 2008-08-21 19:35

一つの意見だから、特に目くじら立てる必要はない。
自分の意見と違うと攻撃する態度こそおかしい!

投稿: 田中則彦 | 2008-08-22 07:35

異なる意見を許容することは当然大事なことです。
しかし、今回はその発言が公正中立であるべき立場のNHKでなされたことが問題なのではないでしょうか。

投稿: LT | 2008-08-22 09:23

> 田中則彦さん

公共放送の内容に偏りが見られる場合に、公開されたプロセスに則って是正を求めるのは健全だと思いますが。
この事件に強い関心をもって裁判の経過をフォローされてきた方々が、違和感を感じる内容だったのは事実ではないでしょうか。

マスコミに大局的な観点を求めること自体が無理なんだろうと思いますが、厚労省大臣を含めて医療に携わる当事者が持っている問題意識とこの解説委員の問題意識の立脚点があまりにズレているように感じます。
「遺族の思いを受け止めて」「安心して医療を受けられる態勢を」などの言辞は理念としては大切ですが、明確なゴールがあるものではなくある種思考停止のマジックワードです。

投稿: DM医 | 2008-08-22 10:04

この裁判で「子宮摘出すべきであったから有罪」の判決が出ていたら
医療現場では「癒着胎盤」と診断したら「全例」子宮摘出という事になったでしょうね。
へたするとちょっと胎盤がはがれにくいと思っただけで取りにいくかも?

投稿: ヒロシ | 2008-08-22 12:31

天漢日乗さまは大野病院『事件』と表現されていますが、これは問題ないのでしょうか?
「事故」という表現や論説委員の趣味欄への非難は単なる揚げ足取りに過ぎないように思います。

扇情的な表現を改めて欲しいのなら、自分から始めてはいかがですか?

投稿: freeflyflow | 2008-08-22 12:46

>freeflyflow

一個人と公共放送の区別がつかないのかw

投稿:   | 2008-08-22 17:14

刑事訴訟が起きて産科崩壊までつながったことも含めたら事件と言うにふさわしい事案だと思いますけどねぇ。
つまり手術室でおきた事をさすのではなく、その後の展開まで含めたら事件というべきだと。

個人的な語感としては、そう思うわけです。

投稿: a.k. | 2008-08-22 18:17

たまに拝読しております。

放送は見ておりません。転載の文章によれば、飯野論説委員の判決に対する不満は、

難しい手術であることを認識していたにもかかわらず大きな病院への転院や医師の応援要請の助言を断り、輸血もろくに出来ない状態で単独で手術を実施したことが過失認定されなかった点

ではないかと推察します。私は医者ではありませんが、何故助言を断って強行したのか不思議に感じます。不十分な環境での手術は積極的な治療というよりもむしろ危険な行為であろうと考えます。したがって、手術環境の判断を誤った過失ではないかと思います。

また、この文章だけでは、どんな手術でも「生きて、無事に返らなければ医療事故」とまでは言ってないように考えます。


投稿: ななし | 2008-08-22 18:31

>ななし | 2008-08-22 18:31

>『難しい手術であることを認識していたにもかかわらず大きな病院への転院や医師の応援要請の助言を断り』
wiki情報ではあるものの、断ったは、大野病院での分娩を希望したのは妊婦の側であるとされていますが。

投稿: 福島県人 | 2008-08-22 20:05

http://www.med.or.jp/nichinews/n180905n.html
↑を見る限りでは大体の認識は医療側と一致してると思うんですけどねえ。大病院なら助かったはず、輸血の用意さえあれば助かったはずというのは幻想に近い認識だとおもいますけど、これと現実とのギャップは永遠に埋まらないのかもしれません。

投稿: HF | 2008-08-22 23:17

飯野委員は、以前にも医療叩きの論陣を張っていましたね。
医療批判ありきの人なのでしょうかね。

他のテレビや新聞も偏向報道がすぎますけど、そんなに医療を崩壊させたいんですかね、マスコミは。

投稿: たか | 2008-08-23 01:30

ななし様
1. 大きな病院への転院
 今回のケースで、術前に判明していたのは帝王切開後の前置胎盤だけです。帝王切開既往者の約1%に起こりうることです。
 大野病院ではこの方お一人でしょうが、あちこちの病院から搬送された場合、高次医療機関がパンクするのは目に見えていると思います。
 平成16年12月の段階ではこのレベルの症例を高次医療機関に搬送すべきというコンセンサスはなかったのではないでしょうか?
 この一件がなくとも、ギリギリの状態で現場が回っていたことは理解しても良いはずだと思います。

2. 応援要請
 これについては検討が必要かと思いますが、それでも元被告医師が子宮摘出術を完遂させていることを忘れてはいけないと思います。

3. 輸血
 この次のエントリーで紹介されている内容ですが、前置癒着胎盤と判明していた症例で、原因不明の出血が始まり、自己血1200ml・輸血2000mlの準備があったにもかかわらず母体の究明が叶わなかった事例があります(児は生存)。
 大野病院のケースでは癒着胎盤についてはわかっていなかったのですから、その場合にも完全対応しようと思うと、途方もない量の血液準備が必要となります。しかし、悲しいかな現在の日本には、帝王切開術に対して使用するかどうかわからない輸血血液の準備をするだけの余裕はありません。
 ここ数年でそれが許されたのは、秋篠宮妃紀子さまくらいでしょう。


 ななし様を非難するのではありません。
 しかし、上記の文章を読む限り飯野論説委員の主張には論理的な穴と実現不可能な世迷い言が含まれていると私は思います。

投稿: 三上藤花 | 2008-08-23 02:41

本エントリーへの反対意見を書き込まれている方へ
その勇気は認めますが、テレビ・新聞から得た知識・印象のまま議論されているような気がします。
天漢日乗様の情報よりさらに掘り下げた新たな情報やご意見を是非お願い致したい所です。

ちなみに翌日の「おはよう○日」では二木さんが『今回の事件と医師不足は別問題』とかおっしゃっていましたが・・・

投稿: きぬさ | 2008-08-23 07:34

テレビの解説者(の多く)は、臨床医学の専門家でもなければ、医療安全の専門家でもない。
たとえ専門家でなくても、きちんと勉強すれば、背景も含めて客観的な理解ができますが、飯野さんは専門家でないうえに、背景も勉強もしていないから、きちんとした解説ができないのでしょう。
彼女(飯野さん)の能力と知識の不足が、的外れの解説になったものと思われます。
今後もいろいろと、彼女の的外れの解説が続くかもしれませんが、それに対して専門知識のある人が、抗議したり、論説は間違いであると指摘することは大事です。
昔なら言い放しで終わったテレビや新聞のコメントも、インターネットが発達した今では、即座に専門家や事情通の厳しい突っ込みに合いますから、テレビや新聞の解説者は、その点を銘記すべきです。
知識の無い人、理解する能力のない人が、医療安全について解説をすべきでないと思います。

もし客観的な解説するのなら、無罪の理由となった判決文の医学的文言を素人である視聴者にわかるように説明すればよかったのでしょう。
彼女にはそれができないから、感情的な解説に終始したのでしょう。
NHKと限らず、大手の新聞社の記事も同様です。

こういうことが言えるのも、書けるのも、インターネット時代だからこそでしょうね。

投稿: 鶴亀松五郎 | 2008-08-23 11:10

刑事事件として審理がなされたのだから「事件」でいいでしょう。
オピニオンNO.35/医療崩壊を食い止めるために/飯野奈津子(NHK解説委員)
http://www.med.or.jp/nichinews/n180905n.html

投稿: 名乗るほどの者ではありませんが | 2008-08-23 19:22

ななし様
>放送は見ておりません。転載の文章によれば、飯野論説委員の判決に対する不満は、
>難しい手術であることを認識していたにもかかわらず大きな病院への転院や医師の応援要請の助言を断り、輸血もろくに出来ない状態で単独で手術を実施したことが過失認定されなかった点

私も同様に読めました。
しかし、法律家の方も指摘しておられるようにこの裁判ではこの点は争点ではありませんでした。
ここが気に入らないのならば、批判の矛先は起訴した検察へ、ということです。
でも、曲がりなりにもNHKの解説委員が裁判のシステムを知らないはずがありません。
私が腹立たしいのは、知らないフリをして視聴者を誘導する結論を持ってきていることです。
公共放送としてえげつないやり口だと感じました。

投稿: shin-nai | 2008-08-23 21:16

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109312/42229423

この記事へのトラックバック一覧です: 産科崩壊 女の敵は女 NHK飯野奈津子解説委員は「大野病院事件は『事故』」と明言 「極めてまれな病死」でも「医師に責任」という論調 NHK時事公論「産科事故判決の課題・刑事責任は問えるか」@7/21→NHKのサイトに放送内容が載る:

» 遺族の感情を優先して考える報道姿勢を戒める判決、NHKは正反対みたいですが… [うろうろドクター]
{{{: 産科医  47コラム  遺族の感情を優先して考える風潮を戒める判決が20日、福島地裁から出た。 4年前、帝王切開で出産した女性が手術中に死亡し、それから1年以上たって、 担当した医師が業務上過失致死と医師法違反の疑いで逮捕された事件。 判決は無罪だった。 →[http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008082001000750.html 判決要旨]  医師不足に悩む地域医療。それに追い討ちをかけたのが、この福島の出来事だった。 産..... [続きを読む]

受信: 2008-08-23 12:49

» NHK飯野奈津子解説委員への手紙 [天国へのビザ]
 飯野さん、初めまして  私は地方で内科勤務医をしている者です。「福島県立大野病院事件」にかねてより関心を抱き、この裁判に注目をしてきました。8月20日、時論公論であなたが酷い報道をされたことをネット...... [続きを読む]

受信: 2008-08-29 17:10

« 北里研究所附属東洋医学総合研究所医史学研究部に行く | トップページ | 産科崩壊 大野病院事件と同様の「癒着胎盤」に都内の大病院で「子宮全摘」をしても死亡@2006年11月 »