医療崩壊 保岡法相「医療事故捜査は抑制的対応を」
「医療事故報道」は
マスコミにとっては美味しいネタ
である。まず
「医療事故」の被害者やその家族
という
実に見やすく、必ず読者や視聴者の同情を得られる「絵になる対象」
が存在する。その上で
エラそうな医師を叩ける
のだから、記者の内面に燻る
医師へのコンプレックス
を
筆誅を下す
形で解消できる。記者の医師に対するコンプレックスについては以下に。
2007-01-25「マスコミたらい回し」とは? (その39) 毎日新聞奈良支局、「大淀病院産婦死亡事例」の誤報垂れ流しキャンペーンで新聞労連の特別賞もらって誇らしげ 一方同紙連載中の「医療クライシス」は「新生児仮死」の医療訴訟を取り上げる
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/01/39_9ef9.html
まあ、マスコミ人の平均余命は、不規則な生活と不摂生のおかげで、平均的な日本人よりは短いというのが定説なので、医療を叩いて止まないマスコミ人は
搬送されたときには手遅れ
だと、腹をくくってるんでしょうかね。この高齢化社会、厚労省が今年1月1日に発表した平成19年の人口動態推計によると
3大死因の死亡数は、第1位悪性新生物33万6000人、第2位心疾患17万3000人、第3位脳血管疾患12万7000人と推計
というわけで、癌か心臓病か脳卒中かで死ぬ確率が高い訳なのだが、たぶん、今医療を叩いているマスコミ人は、病院に掛からずにおとなしく自宅で療養して余生を過ごすつもりなのだろう。マスコミがせっせと医療を叩いている間に
癌や心臓病や脳卒中を手術してくれる外科医は絶滅危惧種
になった。
手術には必要な麻酔科医も不足
している。その上、
看護師不足は慢性化
しているのだ。
社会のエリートを自認しているマスコミ人は
マスコミ特権で、いつでもいい病院で最高水準の治療を受けられる
とタカをくくっているのかもしれないが
手術が必要になっても、「手術待ち」の間に症状が進行して死亡
するかもしれないのが、近未来の日本の医療なのだ。そうなった原因は何でもかんでも、
「読者に受ける」=新聞の販売数や番組の視聴率が上がる
とばかりに、
それが「過失」でなかったとしても、ちょっとでも「医療事故」と思われる事例は報道して、医師や病院を叩いてきたマスコミ
にある。
目先のカネに目がくらんだマスコミが、国民の福祉を阻害した
わけだ。
このところの原油高騰に起因する諸物価の値上がりで、可処分所得が目減りしている賢明な国民は新聞を取らなくなっているし、テレビも見ない。マスコミの高給を支えていた収益構造では、
大量の読者or視聴者が前提の一つ
だったわけだけど、足元が崩れかかっている。
で、こちらは、
福島県立大野病院事件の福島地裁での無罪判決と検察の控訴断念
から出てきたお話。
TBSニュースより。
法相、医療事故捜査は抑制的対応を福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性が死亡し、産婦人科の医師が業務上過失致死などの罪に問われた裁判について、検察当局の控訴断念を受け、保岡法務大臣は記者会見で、「刑事司法は医療事故について抑制的に対応すべきだ」との考えを示しました。
保岡大臣は、大野病院のK医師の無罪判決について福島地検が控訴を断念したことを受け、29日午後、臨時の記者会見を開き、「個別事件について所感を述べることは差し控える」とした上で、次のように述べました。
「(医療事故については)国民を代表する方々で構成された第三者委員会が判断し、訴追については、その意見を尊重し謙抑的(抑制的)に判断する仕組みが必要と考えています」(保岡興治 法相)
医療事故に関する調査機関設置については、厚生労働省が9月からの臨時国会への法案提出を検討しています。
保岡大臣は、「医療の萎縮を防ぐために事故についての判断は第三者機関に委ね、刑事司法は抑制的に対応すべき」との考えを示したものです。(29日18:34)
医療事故調については、これからの話である上に、先行きに怪しい面があるのだが、今は措く。
ともあれ、上記発言は
何でもかんでも、医療事故と思われる事例を事件にすんじゃねえよ
ってことね。そりゃあ
悪意があって故意に毒薬を治療薬に混ぜた
とかいう事例だったら明らかな犯罪だけどね。
毎日新聞と関係の深いTBSソースというのが微妙なところ。
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コメント
今日のこれをご覧下さい
http://blog.m3.com/akagamablog/20080830/1
投稿: furifuri | 2008-08-30 18:40