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2008-09-22

中国で牛乳にメラミン混入(その2)なんとネスレの中国法人の牛乳にもメラミンが混入→日本製粉ミルクの「中国特需」が起きる前に農水省・厚労省は国産牛乳のアフラトキシンM1等カビ毒の数値を明らかにせよ→加筆あり

ネスレは、中国語では
 雀巣
と書く。押しも押されもせぬ世界の巨大ブランドで、中国国内には大量の
 ニセ雀巣
があったりする。
ニセ雀巣がメラミン入り牛乳を使っていても、
 ああ、そりゃそうだろう
で済むけど、そうではなくて
 ホンモノの雀巣の牛乳にメラミン混入
だというのは、かなり驚いた。
読売より。


世界最大手のネスレ牛乳からもメラミン検出…香港政府発表

 【香港=吉田健一】中国での有害物質メラミンによるミルク汚染事件で、香港政府は21日夜、スイスの世界最大手の食品・飲料メーカー「ネスレ」(中国名・雀巣)が中国で製造し、香港でも流通している牛乳からメラミンが検出されたと発表した。

 通常の飲用では健康に重大な影響はない軽度の汚染だが、香港政府はこの牛乳の販売停止と回収を飲食業界に要請するとともに、「小さな子供には飲ませないように」と警告している。

 発表によると、メラミンが検出されたのは、山東省青島にある「青島雀巣有限公司」が製造した牛乳(1リットルパック)。この牛乳を体重7・5キロ・グラムの1歳の子供が1日3・38リットル飲めば、米食品医薬品局(FDA)の安全基準値を上回ることになるという。

(2008年9月21日23時38分 読売新聞)

しかし、雀巣の牛乳からメラミンが出てくるということは、中国国内で流通しているすべての中国産牛乳は疑って掛からないといけないのではないのか。そして、中国産牛乳を原料にしているすべての食品にはメラミンが混入している可能性がある、と考えないといけないのではないか。
これまでこの手の「偽造食品」は、地方の比較的小さいブランドの犯罪と考えられていた。しかし、これだけ拡大するのを見ると、メラミンでタンパク量を誤魔化す手法は、ここ数年、中国全土で流行していたとしか思えない。原乳を集荷して企業に納める段階でメラミンが混入される訳で、手口が悪質だ。

中国には、豪州などから輸入しているLL牛乳があったと思ったけど、最近はどうなんだろうな。
中国製牛乳で作った酸[女乃](ヨーグルト)も、一体何が入っているのか、って話になるのか。

日本の乳業メーカには、「中国特需」があるのだろうか。少子化で国内の粉ミルクの市場は縮小する一方だが、人口13億を超える中国では、今なお「独生子(一人っ子)」政策が続いているので、
 子どもは宝
である。
 少しでも安全な粉ミルクを
と、日本の粉ミルクを求める層がまた増えるかも知れない。

で、前にも書いたけど、農水省と厚労省は
 国産牛乳に含まれるアフラトキシンM1などカビ毒の数値
を発表して頂きたい。アフラトキシンB1に汚染されたアメリカ産トウモロコシを飼料としている牛の牛乳には、アフラトキシンB1を代謝してできるアフラトキシンM1が含まれる。乳製品を多量に取る欧米などでは、アフラトキシンM1の基準値が設定されているが、日本ではこれまでこの問題を閑却していた。
ヨーロッパのアフラトキシンM1の基準値について、「アメリカ大豆協会」の2007年8月「瀬良英介ニュースレター」より。


マイコトキシンとフランス西部の乳牛群の原乳

牛乳中のマイコトキシンは公衆衛生面から懸念すべき問題で絶えず検査が必要な事柄です。フランスのサン・ゲネス・シャンパネルにある国立農業研究所では、草食動物疫学部門のブルドラ博士を含む4名の研究者が興味ある調査報告をしていますので、その一部を御紹介しましょう。

アフラトキシンM1とオクラトキシンAが酪農家の出荷用バルクタンクの原乳にどの程度あるかを調べたものです。調査は2003年ですがフランスの酪農中心部とも言われる北西部で4地域の酪農家を調べています。任意に選んだ132戸は特徴的にはコーンサイレージや農家で生産する穀類を主体に与えています。農家で生産されるコーンサイレージや穀類が往々にしてマイコトキシンに汚染されていると指摘されている給源です。
(略)

余談ですが、研究社は報告の中で2003年は記録的に暑い夏であったことを指摘し、極端な極暑ではイタリアのポーヴァレーで生産したとうもろこしなどからもアフラトキシンが検出されたことを指摘しています。また、地球の温暖化が進むにつれ、また、熱波が起きる回数や長さによっては、ヨーロッパや他の温帯地域でも牛乳中のアフラトキシン汚染が出るようになるであろうと忠告しています。恐らく、これは日本にも当てはまることであると思います。九州のみならず北海道の北東部などでもかなり頻繁に起きる熱波と極暑は、乳牛管理に暑熱対策が必要になってきていますが、特に、農場で生産するサイレージなどのカビに対しての対策は非常に重要であると思われます。

マイコトキシン(カビ毒)の中でもオクラトキシンAはかなりの部分がルーメン微生物により基本的には糞尿に排出される毒性の低い発がん性二次代謝物質になります。牛乳にも若干出ることがあります。ノールウェイ地方の報告では、オクラトキシンAの牛乳中のレベルが体重1kg当たりの許容量を越している場合もあるとしながらも、オクラトキシンAについての上限は定めていません。

アフラトキシンB1はルーメン微生物による分解が低く、吸収されたアフラトキシンB1は主に肝臓で代謝されてアフラトキシンM1になりますが、代謝されたアフラトキシンM1は元のアフラトキシンB1同様に毒性が高いのです。牛乳中にはアフラトキシンB1の通常は1~2%、高泌乳牛などの場合では最大6%程度がアフラトキシンM1として排出されると報告されています。このような理由から、いくつかの国によっては牛乳・乳製品中のアフラトキシンM1の上限を定めていますが、ヨーロッパ連合はそのレベルが世界で最も低く牛乳1キロ当たり0.05マイクロ・グラム(0.05μg/kg)です(瀬良、2007)。

上記レポートでは
 日本国内の飼料貯蔵庫でも、夏の異常な暑さによって、アフラトキシン汚染が起きる可能性
を指摘している。これまで
 アフラトキシンは外国からもちこまれたもので、日本国内ではアフラトキシン汚染は起きない
と考えていた酪農政策は、根本的な転換を迫られている。

日本では
 食品のアフラトキシンB1の基準値
は設けられているが
 家畜が食べる飼料のアフラトキシンは無視
している。もし
 国産牛乳のアフラトキシンM1汚染が、問題になる程度の数値
であれば、早晩、中国など、日本の乳製品を輸入する国がアフラトキシンの数値を発表して、日本の酪農を壊滅に追い込むだろう。

中国の牛乳が、丸大の製品に含まれている、という話は、
 国内向け食品施策だけでは、すでにやっていけなくなっている
という教訓なのだ。
 日本人は乳製品をそんなに取らないからアフラトキシンM1については調べない
なんて、暢気なことを言っている場合ではない。
 問題ない数値
だと言うのであれば、農水省も厚労省も堂堂と
 日本の牛乳には飼料由来のアフラトキシンM1がこれだけ含まれるが人体に影響はない
等の発表をすればよいのだ。
 隠せば隠すほど、事態は悪化し、コトが弾けた後は、修復不能になる
のが、ここ数年の「食の安全」に関わる案件の帰趨である。それに学ばないのであれば、まさに
 亡国の施策
である。

(加筆 14:45)
att460さんから、アフラトキシンに関する農水省の小規模な調査がある旨をコメントで教えていただいた。att430さん、御教示ありがとうございます。
食品安全に関するリスクプロファイルシート(化学物質)作成日(更新日):平成18年7月25日(PDF)

2年前の調査で、しかも


10 ハザードに汚染される可能性がある農作物/食品の生産実態
(1)農産物/食品の種類
食品
輸入落花生及び落花生加工食品(ピーナッツバター等)、ピスタチオナッツ
牛乳(アフラトキシンに汚染された飼料を摂取することにより汚染)
沖縄及び南西諸島におけるサトウキビ

飼料
とうもろこし、綿実油かす、ピーナッツ油かす

(2)国内の生産実態
(略)
2 飼料穀物
飼料穀物については国内生産がほとんどない
3 その他
飼料が原因による牛乳中のアフラトキシンM1 の汚染は確認されている。

12 リスク管理を進める上で不足して
いるデータ等
アフラトキシンB2,G1,G2を含めた汚染実態把握が不十分である。また、気象条件等の違いによる年変動の把握が必要
13 消費者の関心・認識
アフラトキシンを除き、一般にかび毒に対する消費者の関心は低い
14 その他
厚生労働省では、国内で実施した実態調査の結果を用いて、暴露評価を実施中である

ということなんだけど、その後
 アフラトキシンに関する調査が大々的に公表された
って話を聞かないぞ、農水省と厚労省。で
 カビ毒に対する関心は薄い
っていうけど、それは
 カビ毒の問題を不作為によって「隠蔽」
してたからじゃないのか。

このところ、地球温暖化で「温帯の夏の酷暑」が話題にならないことはない。上記報告書には
 気象条件等の違いによる年変動の把握が必要
と書いてあるんだがな、農水省。2005年8月にアメリカを襲ったハリケーン・カトリーナによる飼料トウモロコシのアフラトキシンB1汚染が問題になったのは、この報告書が作成された2006年だった。その後、この事態を座視していたのが、農水省と厚労省という印象を受けるんですけど、考えすぎですかね?

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コメント

牛乳について、小規模の調査結果なら公表されています。

Wikipediaのアフラトキシンの項目から、外部リンクの「農林水産省 - アフラトキシンB1,B2,G1,G2,M1,M2 (pdf) 」を見てください。

他にもあるかもしれません。

投稿: att460 | 2008-09-22 13:55

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