来月号の"CREA"の特集は「30代で母になる!」
いや〜、とうとう"CREA"で
30代で母になる!
ですよ。凄い世の中だ。
30代出産の新常識
と銘打って、
母子共に健康
であることしか考えてない感じの見出しが並ぶ。
30代といっても、人それぞれ。"CREA"がフィーチャーする
モデルや女子アナの"アラサー出産"
は、
おなじ30代ならわたしも大丈夫!
と、30代妊婦を錯覚させる「夢のお産&子育て」って感じだけど、ホントか。
ま、"CREA"を読んでいる層は、ある程度可処分所得も多く、教育程度も高い、という想定なんだろうけどな。
"CREA"らしいのは
生んでも、産休明けには働く
という視点で編集されていることだが、気になるのは、こんな見出し。
子連れで行ける三ツ星レストラン&旅行
ここに掲載された店やホテルは、その内、"CREA"系子連れが押し寄せそうな悪寒。そうなっちゃったら、
オトナの休日派
は、敬遠するようになるだろうなあ。
高そうなレストランに行くつもりなら、雰囲気は大事だろう。
子連れで行くより、ベビーシッターを頼んで夫婦で出かける
という方向に編集者の頭が行かないのが不思議。ワイン1本分あきらめれば、食事の間のベビーシッター代は出るんじゃないかと思うんだけど。ベビーシッター代も出ないくらい財政が逼迫してるんだったら、三つ星レストランなんて行かなきゃいいのに。どっちにしても、貧乏くさいよね。
大体、幾つの子どもを連れて行くつもりか知らないが、もし赤子を連れて行くという話なら、母親は、子どもの相手をしつつ豪華なお食事を取るという、まさに地獄のような状況になる。無理です。食べ物は食べた気にならないだろうし、子どもは泣いたりぐずったりするだろうし。
連れていかない選択
を第一に考えないのは、編集者の「甘え」だろう。自分の子はなにをしてもカワイイのかも知れないけど、見知らぬよその子が、公共の場で泣き叫んでいても、カワイイか? それをまず考えないとね。このままだとたぶん単なる「迷惑な親」煽動記事になる。
"CREA"は、1着数十万のコートとかバッグとか載せてる雑誌なんだから、子どもの安楽さを第一にするなら
安心して預けられるベビーシッター一覧(都内&名古屋とか大阪)
をつけた方が遙かにマシ。あと
子連れで行ってもいい時期と場所と場合(大人としてのマナー)
をちゃんと教えるべきだろう。今見出しを見る限りでは
子どもは親のアクセサリー
としか考えてないのじゃないのか。ということは
病弱だったり障碍を持つ子どもは「いらない」
という考えと結びつかないのか。30代の妊娠では、そうしたことも考え合わせないといけない。
お産が元で、自分の身体がトラブルを起こしたり、子どもの成長に問題があったときに、きちんと向き合える大人の女性
は、"CREA"の対象とする読者ではない、ということか? ファッションにうつつを抜かす30代が、そのまま「休みにはカワイイ子どもというアクセサリーを連れ歩く、働く格好いいママ」になることを推奨するような記事になるんじゃないかと、ドキドキしている。
どんな、ある意味「間違い」方をするのか、今から来月号が楽しみだ。
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コメント
そんな風潮に冷や水をぶっかける、こんなマンガもあるようです。
一度読んでみようかな?w
Amazon.co.jp: あかちゃんのドレイ。 1 (1) (ワイドKC): 大久保 ヒロミ: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4063376052/
投稿: Baatarism | 2008-09-09 11:30
あまりに正論過ぎて。。。
ぐうの音もでません。まったくです!
つっか、子供がいて働く茨の道を知らんのかっ!!!
小学生になったって
三ツ星レストランなんかつれてけるもんか!
がああああああ。
(高学年になったらいけるかなぁ????
いけるといいなぁ。)
投稿: 僻地の産科医 | 2008-09-09 18:54
逆に今となっては、「男女平等」でかつ20代で産める社会というのが想像つかないんですが。学生のうちに産んでしまうというならまだしも。
勘違い母でも何でもいいからとにかく産んでくれないとという考えからすれば、むしろそういう高級レストランとかを子連れ最優先にするくらいでないと少子化対策にはならないのでは。
投稿: koge | 2008-09-09 20:27
30代女ですが全面的に同意します……。
『子供をほったらかして自分たちだけ高級な料理を食べる事を推奨する事はよくない』と短絡的に考えてしまったのでしょうか。
両親が大人だけの秘密を持っていて、それがとてもいいものらしい、という想像や大人に対するあこがれがどれだけ子供を積極的に大人にさせるか、自分の子供の頃の事を思い出すとそう感じます。
編集者は未婚女性なのでしょうか……。
勘違いしている人たちに短絡的な夢を売るだけの雑誌なら、私はちょっとつまらないと思いますが、そういう人たちが、一番雑誌を消費する人たちでもあるのでしょうね。
投稿: kusiha | 2008-09-10 13:55