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2008-10-05

京都大学熊野寮自治会、監視カメラ設置を大学当局に要請して設置済み→「コンピュータは監視社会を作る」という公務員組合の言い分を思い出す

京大の自治寮といえば、学生寮は吉田・熊野・女子寮とあるわけだが、それぞれ気風が異なる。
とはいえ、一時期は各セクトが入り乱れて入居し、当然内ゲバもあって、事情を知らないセクトに襲撃される危険防止のため「開かずの間」があったりした熊野寮自治会が
 大学当局にお願いして「監視カメラ設置」
とは、京大の自治寮も変わったもんですな〜。
しかも、あの熊野寮なんだから、普通は驚くよ。

京都新聞より。


京大熊野寮に監視カメラ 自治会側が要望「反権力」どこへ

監視カメラ(建物2階外側の手前角)が取り付けられた京都大熊野寮(京都市左京区)(写真)

 「反権力」「学生自治」の象徴として知られる京都大の学生寮の一つ熊野寮(京都市左京区)に、外部を見張る監視カメラが取り付けられたことが3日、分かった。カメラは寮自治会の要望で大学側が設置しており、監視社会の容認とも受け取れるだけに「『反権力』の看板は下ろしてしまったのか」との声も上がっている。

 監視カメラは8月13日に2台が設置された。1台は丸太町通に面した通用門を見下ろすように建物の2階付近に、もう1台は敷地内の玄関前付近に取り付けられている。2台とも録画機能を備えている。

 大学によると、寮自治会の学生らが7月下旬ごろ訪れ、カメラの設置を要望した。理由として、最近、酒に酔った男が建物内に侵入してきたり、投石によって食堂の窓ガラスが割られる事件などがあり、「抑止力としての効果を期待したい」との趣旨の説明があったという。カメラは寮自治会が管理している。

 熊野寮は1965年に完成し、鉄筋コンクリート4階建ての3棟の建物に、現在は約400人の学生などが暮らしている。1960、70年代を中心に学生運動の拠点として、寮自治の在り方などをめぐり大学当局と激しい闘争を繰り返してきた。

 熊野寮に住む学生は「学生自治の伝統は続いている。ここで生活するための安全は、自分たちで守りたい」と話す。一方、京大関係者は「あの熊野寮がそんなことを頼むのか、と驚いた。学生運動が沈滞する中で、寮生の気質も変わったということなのか」と語った。

まあ、
 熊野寮は格安下宿
くらいの認識の学生諸君が多くなってるんだろうな。
自治会として要請したってことは
 寮生大会で決議された
ってことなんでしょ?

一番驚いてるのは、京大の教職員とOBだろうな。
 熊野寮が「監視カメラ」
って、シャレにもなんにもならんもんな。
京都新聞の記者も、驚いてる所を見ると、京大OBかな?

京大西部構内の北側、レストラン「まどい」の近所には、京都府警の寮
 青雲寮
があった。今もあるかな? そんな場所に府警の寮があるのは、当然
 京大内部にいる「極左暴力集団」監視のため
だった筈なんだけど、京大近辺の飲み屋に行くと、青雲寮のお巡りさん達はよく見掛けた。
よく行った飲み屋のママは、
 あたし、公安のヒトに、学生の監視のアルバイトしないかって誘われたけど、断ったわ
とか、あっけらかんと話していた。

そんな話もあったんだけど、最近は熊野寮も「公安から見ると安全」なんですかね。

公安のおじさん・おにいさん達は、学内で集会があると、周りにやってきて、フラッシュを焚いたりしながら、参加している学生の写真をバシバシ撮る。面通し用の素材集めって奴ですな。公安の人たちは、独特の風貌と身のこなしなので、すぐに分かる。「暴力行為」抑止のために、機動隊員が乗った「カマボコ」も、東一条の吉田神社の鳥居横で待機している。集会があることを知らなくても、紺色のカマボコが停まっていれば、今日は学内のどこかで学生の集会があるとすぐ分かったものだ。大抵は、時計台前で集会が開かれる。
で、
 一般市民には肖像権はあるが、勤務中の公務員には肖像権がない
そうなので、対抗して、学生諸君も公安のおじさん・おにいさん達の写真を撮っていた。資金力で彼我の差は明らかですが。片や国民の税金から、片や学生有志のカンパが原資だもん。
銀塩カメラの時代だから、写真を撮るのは大層な話だったが、いまなら誰でも、携帯で静止画どころか、動画まで簡単に撮れちゃうからね。ある意味、公安も仕事のしにくい時代ですな。

監視社会、という話をすれば、
 文学部にコンピュータによる学生管理システムを入れる
時に
 反対していたのは京大の職員組合
だったと思う。
 コンピュータは監視社会を作る
とかいうのが、スローガンだったかな。
 「少年アシベ」の「ゴマちゃん」が鉄格子の向こうで泣いているイラスト
が入った、
 コンピュータ導入反対
のポスターが文学部のあちこちに貼られていたのを覚えている。

だから、話はちょっと違うけれども
 社保庁のデータベース管理がコンピュータに移管された時の混乱
が、なぜ起こったかは大体推測がつく。あの当時、管理のためのコンピュータを入れることになった日本中の「公務員の組合」は、ほとんどが
 労働強化・権力による監視強化の道具「コンピュータ」導入に反対
してたんだろうと思われるので、導入するに当たっては、
 社保庁当局は、組合側の言い分を大幅に飲まされている
筈だ。最近、問題になっていた
 1時間の内、45分コンピュータを操作したら、15分休む
というのは、80年代後半、PC-9801系のMS-DOSマシンが主力機種だった頃の
 コンピュータによる過労を防ぐための標準的な操作マニュアルの指示
だ。その時の取り決めが、21世紀の今のWindows主流の官公庁でまだ生きていた、ってことなんだろうと思う。

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