« 首都圏産科崩壊 東京大空襲始まる(その6)江東区の「自宅分娩派」助産師グループの嘱託医が県境を越えた「茨城県守谷市の病院(八重洲口から高速バスで50分)」勤務の筑波大学医学部臨床教授だった件 嘱託医の役割って何?→「ベッドを持たない助産所は緊急搬送の際の提携病院を確保しなくてもいい」という恐ろしい話に つまり「自宅出産」で「大出血など30分以内に搬送しないと死に至る急変」が起きても、バックアップ用病院がなくても「構わない」という解釈が可能な厚労省医政局長通達が昨年12月に出されていた | トップページ | JCBカードで決済に障害発生 »

2008-11-04

首都圏産科崩壊 東京大空襲始まる(その7)「天は我々を見放したか」墨東病院で医師の数はそのままで産科「当直」日数だけが増加 都は墨東病院産科医師を見殺しにする予定

「満腔の怒りを以て」お伝えする話。
先週、異様に多忙だったので既に周回遅れなのだが、
 東京都は墨東病院の産科医を過労死させるか、職場から逃散させて「墨東病院の産科崩壊」を推進する方針
をぶち上げた。どこの役人の悪知恵だか知りませんが
 都立病院の医師など、死んでも代わりはいくらでも見つかる
とでも、勘違いしているのであろう。
 産科医の明確な増員の見込みのないまま、「当直」日数を増やす方針を決めた
のだ。
墨東病院のサイトより。


周産期センター産科における11月の当直体制について

墨東病院では、10 月4 日に母体搬送を受け入れた患者さんが、その後にお亡くなりになられた事態を厳粛に受け止め、産科の1 人当直体制を解消すべく努力を重ねてまいりました。その結果、未だ不十分ではございますが、総合周産期母子医療センターの確実な体制を確保するため、産科における11 月の当直について下記のような体制を組むことになりましたので、お知らせいたします。
なお、引続き、関係局、地元医師会、関係医療機関等と協議を続け、体制の充実に取り組んでまいります。
【11月の当直体制】
1 産科医師の当直について、11月の土曜日、日曜日、祝日(計12日)を可能な限り2人体制とします。
※平日は従来どおり2人体制
2 また、一人体制の場合は、常勤医師による当直とします。
《 11月の土曜日・日曜日・祝日の当直体制 》
平成20年7月1日から1人体制だったところを次のように変更します。
○ 土曜日の体制 ⇒ 5日間のうち、4日間を2人体制
○ 日曜日・祝日 ⇒ 7日間のうち、
1)3日間は全日2人体制
2)2日間は夜間当直のみ2人体制
3)上記以外は、1 人体制

どれだけ現場に過重な負担をかけるのか、この計画書を出させた東京都は判っているのだろうか?
ついでに聞いておくけど
 労基法違反の勤務体系
なんじゃないの?

シフト表を組めるともっとわかりやすいんだけど、現在、墨東病院産科は外来は紹介以外取らないことになっているので、昼間の外来の割り振りや常勤・非常勤の別も公表されていない。
当直勤務している産科の先生は15人いらっしゃるそうだが、内訳は不明。

さて、仮に
 当直=準夜勤+夜勤(16時間)を1単位
として計算してみる。
これまで
 土日12日分は1人体制
だったのだが、昼間の勤務(8時間)では
 3日間は2人体制に増員→3×1×8÷16=1.5
増える。
土曜日の当直に関して言えば
 4日間は2人体制に増員→4×1=4
日曜日・祝日の夜間に関して言えば
 3日間は2人体制に増員→3×1=3(昼間も2人体制)
 2日間は夜間のみ2人体制に増員→2×1=2
 残りの2日間の夜間は増員なし
だ。そうすると
 昼間の増員+土日祝の増員=1.5+4+3+2=10.5
だから、時間に直すと
 10.5×16時間=168時間
が増えたことになる。もし、これを15人の先生が均等に担当したとしても
 168/15=11.2時間の勤務時間増
になるが、
 1人体制の時は常勤医が担当
という縛りがあるので、常勤医の先生が何人おられるか判らないのだが、
 それ以上の負担増
になるわけだ。

これまででもぎりぎりで回していた「当直」勤務(実態は、労基法に定める「当直」からはほど遠いサービス残業)が、更に苛酷になるわけで
 過労死するか、過労が原因で病気で倒れるか、逃散するか
の警告の赤ランプがともった状態だ。
医師の「当直」の現状が、労基法から外れたものである件については、平成14年3月19日付の労働基準局の通達を読むとわかる。
「医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について」" (PDF)

Wikipediaに手際よく纏められている。


http://ja.wikipedia.org/wiki/当直医
(略)

厚生労働省の通達

厚生労働省労働基準局は2002年3月、「医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について」[1]という通達を出した。これによると、

・労働基準法における宿日直勤務は、夜間休日において、電話対応、火災予防などのための巡視、非常事態が発生した時の連絡などにあたることをさす。
・医療機関において、労働基準法における宿日直勤務として許可される業務は、常態としてほとんど労働する必要がない業務のみであり、病室の定時巡回や少数の要注意患者の検脈、検温等の軽度または短時間の業務に限る。
・夜間に十分な睡眠時間が確保されなければならない。
・宿直勤務は、週1回、日直勤務は月1回を限度とすること。
・宿日直勤務中に通常の労働が頻繁に行われる場合は、宿日直勤務で対応することはできず、交代制を導入するなど体制を見直す必要がある。
と通知されている。
(以下略)

|

« 首都圏産科崩壊 東京大空襲始まる(その6)江東区の「自宅分娩派」助産師グループの嘱託医が県境を越えた「茨城県守谷市の病院(八重洲口から高速バスで50分)」勤務の筑波大学医学部臨床教授だった件 嘱託医の役割って何?→「ベッドを持たない助産所は緊急搬送の際の提携病院を確保しなくてもいい」という恐ろしい話に つまり「自宅出産」で「大出血など30分以内に搬送しないと死に至る急変」が起きても、バックアップ用病院がなくても「構わない」という解釈が可能な厚労省医政局長通達が昨年12月に出されていた | トップページ | JCBカードで決済に障害発生 »

コメント

これで辞めない産科医を擁護する気にはなれない。
本当に病者のために働くことを望むならまず自分の体調管理をしたらどうか。
都は 小児科中原先生の自殺について、病院側の安全配慮義務違反の責任を否定した2008年10月22日の高裁の判決を参考にしたのだろうか?

投稿: RE | 2008-11-05 20:52

こんにちは。口腔外科医です。
墨東病院産婦人科は常勤3名、研修医3名くらいのようです。
数年前は倍位いらっしゃったのですが、年々減っています。
確か今夏前まではもう一人常勤医いらっしゃいましたが
退職されたようです。そんな中土日は一人体制となり基本的に
受け入れられない旨書面で通達されたようです。
それでもいざとなると医師呼び出して可能な限り対応してくれるのが墨東のよいところです。下町気質の良さだと思います。
ただ皆さん一杯一杯でポイントだけは外さないような対応なので「お客様扱い」の対応を期待される方は失望されるかもしれません。
江東区に住む者としては頼りの拠点病院です。千葉からも沢山お出でです。オリンピック招致、新東京銀行等無理なもの辞めて生活者が助かる予算の使い方できないものか。。。

投稿: 永山章一<えんちゃん> | 2008-11-06 15:31

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109312/43009211

この記事へのトラックバック一覧です: 首都圏産科崩壊 東京大空襲始まる(その7)「天は我々を見放したか」墨東病院で医師の数はそのままで産科「当直」日数だけが増加 都は墨東病院産科医師を見殺しにする予定:

« 首都圏産科崩壊 東京大空襲始まる(その6)江東区の「自宅分娩派」助産師グループの嘱託医が県境を越えた「茨城県守谷市の病院(八重洲口から高速バスで50分)」勤務の筑波大学医学部臨床教授だった件 嘱託医の役割って何?→「ベッドを持たない助産所は緊急搬送の際の提携病院を確保しなくてもいい」という恐ろしい話に つまり「自宅出産」で「大出血など30分以内に搬送しないと死に至る急変」が起きても、バックアップ用病院がなくても「構わない」という解釈が可能な厚労省医政局長通達が昨年12月に出されていた | トップページ | JCBカードで決済に障害発生 »