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2008-11-29

北海道のホッキョクグマ「ツヨシ」と「ピリカ」はメスだった! さっそく秋田県男鹿水族館から「縁談」が→ツヨシとピリカは自然繁殖で誕生、この2頭にもその期待が

札幌・円山動物園で生まれた二頭のホッキョクグマ
 ツヨシとピリカ
が、「兄弟」ではなく「姉妹」だったことがわかったのは、26日のこと。
11/27付朝日新聞北海道版より。


新郎ツヨシ メスだった 「縁組み」ミス
2008年11月27日

釧路市動物園のツヨシ=釧路市動物園提供(写真)

おびひろ動物園のピリカ=帯広市

■札幌の動物園、「縁組み」ミス 別の1頭も
■ラブラブの妻→単なる仲良し
 札幌市の円山動物園がホッキョクグマ2頭をオスのつもりで繁殖用に北海道内の別の動物園に移したところ、本当はメスだったことがわかった。生後間もなく行った目視や触診の性別検査で間違っていたという。「パートナー」と仲良くしているホッキョクグマもいるが、どれほどむつまじくても繁殖にはつながらない。そのまま居させるか、お里に戻すか、関係者は思案中だ。
 2頭は釧路市動物園のツヨシ(4歳)とおびひろ動物園(帯広市)のピリカ(2歳)。ツヨシは05年1月、メスのクルミ(11歳)の相手として「婿入り」し、今年6月に同居を始めた。よくじゃれ合うものの「雄雌というより仲のいい行動」のため、改めてDNA鑑定などを実施したところメスとわかった。一方のピリカはまだパートナー待ちの状態だが、触診の結果、やはりメスであることがわかったという。
 円山動物園によると、生後約3カ月ごろの性別検査で、メスなら肛門(こうもん)近くにあるはずの尿道口が見当たらなかったためオスと推定した。もともとホッキョクグマは形状で性別を判断しにくいという。「生後のお披露目の際、性別も知らせねばと早くに判定した。これからはDNA鑑定などで確実に見定めたい」と話す。
(戸谷明裕、三木一哉)

「早く性別を判定して、名前を付けてもらいたい」という「善意」が裏目に出た。
北海道のヒトにはありがちなことなので、気持ちはよく分かる。
このツヨシとピリカは
 2000年以降、日本で2例だけ成功している「自然繁殖」で生まれたホッキョクグマ
だ。ただ今、2頭のママであるララが妊娠中。
円山動物園からの公式発表。


ツヨシとピリカの性別について

2004年3月ララとツヨシ
2006年4月ララとピリカ

 円山動物園のデナリとララの間に生まれた2頭の子「ツヨシ」(2003年12月生)と「ピリカ」(2005年12月生)がオスではなくメスであることが判明しました。
 当園の誤りにより、関係者の皆さま、そしてホッキョクグマや動物園を愛する皆さまに多大なご迷惑をお掛けしたことを、ここに深くお詫び致します。
 
■これまでの経緯
 2003年の仔グマ誕生の約3ヵ月後、外見による性別判定を行い、尿道と肛門の距離からオスと判断しました。その後ツヨシと名付けて、メスのクルミとのペアリングのため釧路市動物園へ婿入りする運びとなりました。

ツヨシ生後3ヶ月の検査 この頃は陰核・陰茎・陰嚢のような、性別をはっきりしめす特徴はほとんど視認できません

 ピリカ誕生時も、ツヨシを基準に性別判定を行ってオスと判断し、その後おびひろ動物園へ転出しました。

 2008年6月、釧路市動物園ではツヨシとクルミとの同居を開始したものの、ツヨシのクルミとの接し方や、外見・仕草がメスを思わせるため、麻酔下での性別検査をしたところ、メスであることが判明しました。

 これに基づき、おびひろ動物園でもピリカの検査を行ない、同様にメスと判明しました。

 名付けやPRの必要性から、生後3ヶ月で性別判定を行いましたが、それが時期尚早だったものと思います。現在ララは出産の兆候が見られるため産室にこもっておりますが、次の子が生まれた折には、慎重かつ正確に判定いたします。

 また、これを機会に、ホッキョクグマのみならず、性別判定の難しい動物につきましては科学的な検証も含めDNA鑑定を実施します。
 今後の対応としましては、ホッキョクグマの国内での繁殖を大前提とし、種別調整者も含め両園と協議します。
 現在、日本で飼育されているホッキョクグマは、次の世代を担う子供の絶対数が少なく、特にメスの数が乏しい状況です。ツヨシとピリカがメスであることは、「絶滅の危機に晒されている希少な動物であるホッキョクグマの繁殖」という意味においては、良かったといえるのかもしれません。

※種別調整者
(社)日本動物園水族館協会において、希少動物の種の保存を目的に設置された「種保存委員会」で指名され、委員会が定める希少動物の国内での血統管理及び繁殖計画の策定並びに繁殖計画に基づいた個体異動の調整を行います。
ホッキョクグマの種別調整者は、旭山動物園です。

ツヨシやピリカの「弟か妹」は、無事生まれたら、DNA判定される予定。

円山動物園には、子グマの頃のツヨシとピリカの写真や映像満載の特集ページがある。
ホッキョクグマ特集

子熊の頃のツヨシ。
ツヨシの思い出
ホッキョクグマ「ツヨシ」 思い出写真集
子熊の頃のピリカ。
ピリカの思い出
ピリカ映像集

ピリカはなかなかの美クマ。

さて、
 二頭ともメス
ということになったら、すでに
 是非、お嫁に下さい
という話が。
河北新報より。


豪太に春近し 男鹿水族館が縁談申し入れへ

お嫁さん探しは成功するか。2件の縁談が持ち上がり、豪太はウキウキ

釧路市動物園のツヨシ

おびひろ動物園のピリカ

 秋田県男鹿市の男鹿水族館GAOのホッキョクグマ豪太(5歳)のお嫁さん探しに、好機がやってキター。雄とみられていた北海道のホッキョクグマ2頭が、何と雌だったことが判明。GAOは、相手がなかなか見つからずにいた豪太にとって「千載一遇のチャンス」ととらえ、30日から2頭がいる動物園2カ所を訪ね、縁談を申し込む

 雌だったことが分かったのは、釧路市動物園の「ツヨシ」(4歳)とおびひろ動物園(帯広市)の「ピリカ」(2歳)の2頭。札幌市円山動物園に生まれ、当初は雄と判定された。繁殖のため釧路、おびひろ両園に移ったが、今月に入りDNA鑑定や触診で雌と確認された。

 日本動物園水族館協会(東京)の種保存委員会の小松守事務局長によると、ホッキョクグマは幼少時、雌雄で生殖器など外見上の差はほとんどなく、見分けるのは難しい。国内で繁殖例が少ないことも、性別の誤判定の要素の1つという。釧路市動物園の山口良雄園長は「繁殖のことを考えると複雑な思いです」と肩を落とす。

 GAOは、豪太の誕生日だった26日に情報を入手。翌27日、早速、交渉の約束を取り付けた。堀幸夫館長は「縁談をまとめ、豪太にお嫁さんをプレゼントしたい」と意気込む。豪太については、念には念を入れて生殖器や健康証明書から雄と再確認した。

 お目当ての2頭のうち、繁殖可能年齢とされる5歳に近い釧路のツヨシが最有力候補。堀館長は豪太の男っぷり(健康ぶり)や、国内有数の広さを誇る“豪邸”(約500平方メートルの展示スペース)などをアピールする予定だ。

 雌の入手のための事業費として約1600万円を予算化している秋田県も、縁談がまとまることに期待を寄せる。観光課は「希少種が子孫を残していくことは個体数の増加もさることながら、教育の面でも大切なこと。性別の誤りは北海道の関係者にとっては不幸で恐縮だが、こちらにとってはチャンス」と話している。

[ホッキョクグマ]北米やロシアなど北極周辺の陸地や氷上に生息。個体数は世界で2万―2万5000頭と推定される。日本では約50頭が飼育されている。餌探しや子育てに欠かせない北極域の海氷の面積は温暖化の影響で縮小し、絶滅が心配されている。
2008年11月29日土曜日

釧路のクルミのところに「婿入り」していたツヨシが、どこかにお嫁に出される可能性は高そうだけど、他の施設も
 うちのオスのお嫁に
という申し込みに行っているのかな?

絶滅の恐れが高い、といわれるホッキョクグマ、
 是非繁殖させたい
と、日本中のホッキョクグマを飼育する施設では考えているだろう。ママのララが自然繁殖に成功しているだけに、一転して
 ララの子どものメスなら自然繁殖するんじゃないか
という期待が生まれた。
 ツヨシとピリカがメスなら、是非にも赤ちゃんを
という目標が新たに出てきたのだ。
オスだと思ってたのがメスだったって、そう悪い話じゃないよね。

おまけ。
ピリカのとっても恥ずかしい写真入り、おびひろ動物園の獣医さん兼飼育係のblog「動物園飼育係の日記1」より。
ピリカ身体検査
嫁入り前のお嬢ちゃんなのに、ピリカちゃん、ちょっとかわいそう?
落胆の色が濃い、釧路市動物園の発表。
ホッキョクグマ

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コメント

小さいときのピリカちゃんです。

http://www.kabegami.com/shashin-bu/C00402/search/d/0/s/0/k/nil:;t:e38394e383aae382ab;tt:3;

投稿: ドラッヘ | 2008-11-29 21:23

ドラッヘさんが撮影された写真、すばらしいですね。
ご紹介ありがとうございます。早速拝見しました。

投稿: iori3 | 2008-11-29 23:07

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