予防医学政策の落とし穴 到達点は「医療費」の絶対的削減だとすれば厚労省のメタボ検診+高齢者医療制度改革コンボの狙いは「現役は病気にかかるな 稼げなくなったら病院にかかるな」なのか?
北欧から医療と日本を見守る「カーリングおやぢ」先生のblog「カーリング漬け」の
予防医学は一見「医療費を削減する」ように見えるが、それは本当なのか
を問う記事にちょっとしたショックを受けた。
メタボ健診で医療費削減できるってホント?
是非、上記記事を読んでいただきたい。特に
タバコをやめて「肺癌」による「早死に」にならなかったとしても、長生きすれば、結局「かかる医療費」は変わらないし、長生きのために支給される年金総額は増大する
という研究については、驚いた。
で、結論部分を引用する。
まともな医療を受け続けることを前提として予防医療が全体の医療費を大きく削減する効果なんて、全然信じられない。でも、予防医療に力点を置き、医療費を削減する確実な方法は一つある。労働年齢までは予防医療を強制し、国と企業の医療支出を削減することは可能だろう。労働年齢がすぎたら、医療を受けられなくしてしまえばそのまま削減効果が得られるわけだ。批判が噴出して骨抜きになった後期医療制度を考えてみればどうでしょう?原本は75歳以上からアクセス制限と療養制限が巧みにされる仕組みでした。ね、メタボ検診の罰則付きと高齢者医療制度を考えれば、国の医療費削減方法がいかに、冷徹か見えてくるでしょ。こんなのやらされる現場は心が痛いっちゅうの。
要するにだ、
国民は働ける内は「殺さず」、金を稼げなくなったら「生かさず」
というのが
今国が熱心に行おうとしている「メタボ検診」と「高齢者医療改革」の本態だ
と、「カーリングおやぢ」先生は看破されている。
厚労省が何かを熱心に言い出したら、それは
国民の福祉を阻害して、役人の利益を追求する口実だ
と思っていた方が、間違いなさそうですな。
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コメント
> 役人の利益を追求
と朝曰新聞流にレッテル貼りするのではなくて、もっと具体的な突っ込みが読みたいです。
「役人の第二の人生(天下りなど)」は、この10月から口利きができなくなっていますが、ざるってことですかね。
投稿: ちいちゃん | 2008-12-01 12:56
医者みたいに、馬車馬のように働いて
タバコをスパスパ吸う人間は、
国にとっては理想的労働者なんでしょうね。
投稿: nyamaju | 2008-12-02 00:44
予防したって将来の病人を増やすだけっていう論は納得できないなぁ。そんなの予防のうちに入らないのでは?
予防とは少し違うかもしれないけど、たとえばここ -> http://www.kikuchi-taisou.com/n_what.htm の「最終的に人々が、生涯『人間として良く生きる』を実践」が実現するのなら、さしたる医療費を要さずに長生きできると思うんだが、、、
投稿: m.tei | 2008-12-02 01:05
究極的にはヒトの死亡率は100%ですからどんな医療も延命治療に過ぎないわけです。その医療費を国民が負担したくないと言うのならそれで仕方がないでしょうね。
個人的には間接税を大きめにとって、医療や福祉の給付を増やす欧州型の政策を希望しています。
投稿: 元外科医 | 2008-12-02 15:21