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2009-01-16

戯画としての被害者賠償請求訴訟@CSI:NY シーズン2 #38「ゲームの代償」

AXNで放映されている
 CSI:NY のシーズン2 第38話(通算)「ゲームの代償」
には、サブストーリーとして
 蛸を生食させられて窒息死する若い女性
が登場した。この女性は
 各州で被害者賠償請求訴訟を起こし、死ぬまでの間に1300万ドルを賠償金として獲得した「プロのクレーマー」
として描かれていた。結局
 5年前に被害者賠償請求訴訟でレストランを潰されたシェフが、場所と本人の名前を変えて新しいレストラン(高価なゲテモノ料理コースを出す、いかにも退廃的なNYの金持ち相手ビジネスという設定)を開き、たまたま次の訴訟相手としてそのレストランを物色に来たクレーマー女性を見掛け、蛸で殺す
という話なんだけど、話のいい加減さは別として
 各州で被害者賠償請求訴訟を起こして、かなりの確率で勝訴し、多額の賠償金をせしめる「ビジネス」がドラマで描かれる
というのには、驚いた。

この手の
 「プロのクレーマー」が弁護士と組んで「賠償金ビジネス」を展開する
なんてことが、実際に起きているかどうかは謎だが、ドラマで揶揄できる程度に、
 馬鹿馬鹿しいと思われる訴えが通って、賠償請求が認められる判決
に違和感を抱く人がアメリカでは増えている、ってことなんだろう。
 蛸で殺されるくらい、忌々しい奴
というなんともアホらしい描写でOKってことは、それくらい嫌われているってことだろうな。ドラマの設定では
 SEXのあとに、目隠しされて、ゲテモノを次々賞味し、最後に蛸で窒息する
という
 お馬鹿な上に、死者に名誉がない死に方
で、ここまで徹底的に戯画化されるあたり、制作者の「プロのクレーマーへの憎悪」を感じる。
 耳の中にはアマゾンヤスデ(これも食材)が卵を産んでいる
なんておまけ付き。生きてる巨大ヤスデはちょっと勘弁してほしい。ドラマ内では、丸呑みしてたけど。

ハワイに住む知人が
 庭のプルメリアの木を剪定しない
のを咎められ、隣人から
 このままプルメリアの木を放置するなら、精神的苦痛を理由に損害賠償請求訴訟を起こす
という手紙を、直接受け取ったという話を聞いたのは10年くらい前だった。アロハスピリットの島ハワイでも、現実はそんなものである。隣人とは、普段から付き合いがあったので、その日も、なにかパーティの招待状でも持ってきたのかと思って開いたら、そんな物騒な内容だったとかで、知人一家は慌てて、プルメリアの木を刈り込んだという。以後、庭木のメンテナンスには、神経質と思われるくらいに気を配っているそうだ。

隣人相手でも、気軽に訴訟を起こす社会のようだが、個人を相手に訴訟を起こすよりは、
 相手が企業であれば、取れる賠償額も巨額
になる訳ね。

弁護士を増やしてみたモノの、肝心の仕事がおもったよりもないと聞く日本だが、この手の
 損害賠償請求訴訟
が、日本でも流行するようになるのだろうか。

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