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2009-01-12

毎日新聞、マスメディアの底辺を支える弱者元テレビ制作会社社員をオモチャにする NHK総合「課外授業 ようこそ先輩」で宮大工小川三夫氏の回を担当したのが最後の企画か

マスメディアがエラソウに
 派遣切り
なんて言葉を使うのがアホかと思うくらい
 マスメディアには派遣・契約労働者がたくさんいる
のは周知の事実だ。当然、広告が入らなくなっている昨今、マスメディアで働いていた派遣・契約労働者は切られる運命にある。

一番それが見えやすいのがテレビ業界で、自分たち新聞業界だって、そう違ってない構造であるのにも関わらず
 タクシー運転手になっている元テレビ制作会社社員をオモチャにしている
のが、
 毎日新聞
である。ほお
 転落した元新聞記者とか元テレビ局正社員
というのは存在しないのだな、たぶん。
元々、テレビ制作会社は
 現代の蟹工船
と言われるくらい、低収入かつ
 蕩尽
と呼ぶのがふさわしい人材の使い捨てで番組のコンテンツを支えてきた。切り込むんだったら
 マスメディアで働く人間への収益分配の二重構造
を取り上げるべきだろうけど
 新聞販売店に押し紙を大量に押しつけて「架空の部数」を伸ばす新聞業界
にしてみれば
 自分の足元から火が付くのは避けたい
ということなんだろう。

では、毎日新聞の記事を玩味熟読してみましょうか。


孤独の岸辺:/9 元テレビマンのタクシー運転手

 ◇不況下、東京を撮りたい 乗客の人生、背中に…
 午後5時。年の瀬の日曜日、東京・渋谷。駅のロータリーから数百メートルにわたり、空車のタクシーが列を作った。スクランブル交差点の信号が赤になった。目の前を行き交う若者の群れ。「この中で、客になるのは多くて3人。特権階級だよ」。タクシー運転手の男性(59)がため息をついた。
 02年、運転手に転じてすぐのころ、浜松町で40代半ばの客が乗ってきた。「会社をつぶしたよ」。FMから70年代の音楽が流れていた。ボリュームを下げようとすると「かけっぱなしでやってくれや」。励ましの言葉が見つからない。川崎までの30分が何時間にも感じられた。あれから7年。「来月は会社がないかもな」。ため息とともに漏れる乗客の言葉を、この冬は何度聞いただろう。
 転職前は、テレビ局で番組制作に携わった後、フリーでドキュメンタリーを何本も手がけた。01年、宮大工に小学校で授業をしてもらったのが最後の企画だ。いま、不況風が吹きすさぶ東京で、何もできずにいるのが悔しい。1本、あと1本撮りたいと思う。
 午後5時半。世田谷の商店街から高齢の女性を自宅へ送った。無線が鳴り、高級マンションから若い女性を届けた。その後もディナーに繰り出すカップルや、風邪気味の母子を運んだ。慌ただしく夕飯をかき込み、手放せなくなった頭痛薬を飲む。
 午後11時。蒲田駅前に並んだ。終電まで駅との往復。大半は初乗り料金しか掛からない近場の客だ。運転手たちは遠方の客を狙い、目をギラつかせた。
 午前3時45分。若い男性を民放スタジオへ運んだ。以前に自分も通った場所だ。
 一時は「天才」と呼ばれた。現場にこだわり、苦労と驚きを仲間と共にしながら作品を練るのが喜びだった。大工の棟梁(とうりょう)のような気持ちでいた。
 だが、時代は変わった。若者はネタ探しをパソコンに頼り、番組は制作者ではなくコメンテーターのキャラクターに合わせて作られるようになった。市民マラソンの撮影現場で、局の人間が言った。「ばあさん一人倒れれば絵になるな」。それが許せなかった。途中降板。考え方の違いにいら立ち、人は去り、仕事はこなくなった。2人目の妻にも愛想を尽かされた。そして一人になった。
 運転手仲間にはアルコール依存に苦しむ男がいる。家族に縁を切られ、寮で暮らす40代。夕方、兜町で取引を終えた証券マンを狙う。「高速はどこから乗りましょう」「知らねえよ、いいから行けよ」。容赦なくストレスをぶつけられ、そのたびに傷つく。「勤務明けに浴びるほど飲んじゃうんですよ。妹と遊んだ幼いころのことを思い出しながら」
 弱い人間に運転手は務まらない。明けに4畳半のアパートで、ドキュメンタリーの企画書を書こうとペンを握ると、疲労と睡魔が襲う。情けなくて嫌気が差す。前妻に引き取られた一人娘の顔が目に浮かぶ。今の自分は、幸せにしてやれなかった報いだと、言い聞かせる。
 午前5時半。客などいないと分かっていながら、運だけを待って高級住宅街を流す。あきらめてはいない。まだ誰も絵にしたことのない東京を撮りたい。【市川明代】=つづく

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毎日新聞 2009年1月9日 東京朝刊

おそらく市川明代記者には
 毎日新聞での終身雇用という輝かしいキャリアが約束されている
のだろうな。
弥栄、弥栄!

続き。(21:10)
ところで、この元ディレクターというタクシー運転手氏は
 59歳
で、
 最後に採用された企画が2001年
だということだから、今から8年前で
 50〜51歳の時
だった、ということになる。
これは恐らく、
 NHKの「課外授業 ようこそ先輩 知恵と工夫で建てる心の柱」
のことで、
 2001年12月9日に宮大工の小川三夫さんをフィチャーした回
だろう。
NHKで放映されている番組は、全部がNHK職員制作なのではない。NHKエンタープライズなどNHKの子会社名が最後の「制作」に出てくる番組は
 外部委託
だったりする。エンプラが作るのではなく、外部プロに丸投げしてたりする。制作した外部プロの名前は、最近は30分の短い尺の番組でも、エンドロールに出るようになってるけど、2001年頃だとどうかな。

一般的なテレビ局の働き方から行くと
 50過ぎても現場を任せて貰えるのは一握り
である。だいたいは40代辺りから管理職業務につくわけだ。従って、50〜51歳以降、
 フリーで仕事をしているディレクターに仕事が回ってこない
というのは、別に珍しい話ではない。よほどの企画力があって、確実な取材力のある場合を除き、50過ぎで現場でENGに指示を出しているディレクターというのは、ほとんどいない世界だろうと思う。

テレビ番組、中でもドキュメンタリーものは旬を切り取る仕事だ。
みなし公務員の公共放送NHKの場合は、それでも一部
 番組屋と呼ばれる高齢CDなどに制作の場を与えている
けれども、フリーのディレクターでは、それはかなり難しいだろう。というのは
 放送する局の担当プロデューサーよりかなり年上のディレクター
は、局側でも使いにくいからだ。できれば、プロデューサーよりは若いディレクターの方が好まれる。

そうして考えてみると、この記事の主人公のテレビ界から離脱は
 職能からの年齢による淘汰
という話であり、フリーで仕事をしている以上、避けられないことではあるのだ。
フリーディレクターは、40代で仕事がなくなる場合も少なくないと聞くから、50代初めまででも、仕事があったということは、それなりに優秀な人だったんだろうけど、なんせ、どこの会社でも同じように
 年齢の高い、職位の下の人間
というのは、扱い辛いと思われる。だいたい放送業界なんて、顔見知りの間で仕事が流れていくわけだから、今は会社の幹部に収まっている人物を
 ああ、○○さん? ××で一緒に仕事をした
なんておじさんを敢えて使うとすれば、よほど企画が凄いとか、必ず数字が取れるとか、その他のメリットがないと、難しいだろう。ドキュメンタリーものは民放でもNHKでも、そう数字の取れる類のコンテンツではないから、いよいよもって、仕事の依頼は少なくなる。
もし、この元ディレクター氏が
 元PDのNHK職員
だったりすると、
 50過ぎると、NHKの同期は副局長や局長として各地方局に赴任して、キャリアの仕上げに入る
から、
 NHKから、これまで同期のツテで受けていた仕事は、流れてこなくなる
ってことにもなるだろう。記事中にあるような、「天才」と呼ばれていたのがNHK内部での話なら
 同期からはそう好かれておらず(大体、同期で突出している奴は出世競争のライバルだから嫌われる)、年次がちょっと上の人たちからの「引き」で仕事を回して貰っていた
ってことかも知れない。そうなると
 NHK本体を退職して、子会社で第二の人生をむさぼっている元上司(アホかと思うくらい給料が良いので有名)も、さすがに二回目の退職の時期を迎えている
ってことになるから、いよいよ、
 仕事を回してくれるヒト
はいなくなる。
そうなると、現場を回しているのは、遙かに後輩の年次のCPになっちゃうからね。
みなし公務員であるNHK職員の働き方は、かなり特異なモノで
 入局年次
がモノをいうのは、学校と同じだ。その人間が何年入局かというのが、最初に確認することだったりする。「何年生」などと普通に言うからね。

その辺りの放送業界の事情をきちんと書かないで
 現場でモメたのが契機となって、タクシー運転手へ転職
というストーリーは、さすが毎日新聞らしい
 放送の現場を知らない「お涙頂戴ストーリー」
じゃないのか? 少なくとも
 元NHK職員とか元キー局局員がフリーになって50過ぎたから企画が通らなくなった
という話なのだとすれば、フリー転身前の経歴をきちんと分かるように書けよな。それに、原因が何にせよ
 スポーツ中継の現場担当が、いきなりバックレ
なんて、迷惑この上ない。ディレクターというからには、現場を仕切ってたんだろう? 中継モノならカメラの替えだって簡単にはいないだろうし、スポーツの生中継の現場を仕切れるディレクターの替えもそんなにすぐには見つからないだろう。ヒトが余りまくっているNHKならともかく、民放の仕事を受けての現場に穴を開けたって話なら、そりゃ、その後仕事が回ってこなくても、しょうがないだろう。
まあ、原因はたぶんそれだけじゃないだろうと思われるけどね。

終身雇用の安心感に支えられていると、他人の不幸の本当の原因は分からないのだろうな。(棒読み)

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コメント

NHK職員の雇用は守られそうですが、毎日新聞はどうでしょう?
マスコミの中では給料も低く、昨今の新聞離れで雇用にも疑問符が付きます。

投稿: ざるとろ | 2009-01-13 01:18

(記事文中より) >運転手仲間にはアルコール依存に苦しむ男がいる。
こういう怖いことをさらりと書き流してしまうなんて、さすがタブロイド紙。
所轄の交通課さん、これはきっちり取り締まってあげてください。

投稿: 東大寺 | 2009-01-13 20:55

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