医療・介護破壊ドラマと化した連続テレビ小説「だんだん」に介護職から看護師になった方からコメント(その2)「医師法・保健師助産師看護師法などの最低限の法律を制作者は押さえるべき」
昨日に引き続き、葉月さんから、貴重なコメントを頂いたので再掲する。一部、誤字と思われる部分は訂正した。
私のコメント大々的に載せていただきありがとうございました。実際介護・医療方面でまじめに働く多くの方々(しかも3K職場の典型)にたいし、大きな誤解を与える描写はいかがなものかと・・。少なくとも制作者は「医師法」「保健師・助産師・看護師法(略して保助看法)」などの最低限の法律は押さえるべきかと。
実際看護学生の時は、真っ先に「保助看法」の最重要項目「資格のないものは医療行為をしてはならない(医療行為を行うときは、実習担当の看護師もしくは医師の指示のもと」と、「看護師は医療診断(例えば、医師でもないのに「これは帯状疱疹」と診断を下す)」のは法律違反。ただし「帯状疱疹の可能性があるのでは!?」ならOKです。「『病名は断言してはいけない』範囲で医師に上申が鉄則」です。それから、めぐみが「認知症」知らないのは、「あんたホントに介護職してたの!?」ものです(苦笑)たいてい介護施設には「認知症」の患者様がいらっしゃいますし、彼らの対応に四苦八苦するのが現状。それに「プライバシーの厳守」「守秘義務」は医療関係・介護関係者の当然の常識。ていうか、プライバシーの侵害は「個人保護法」に触れます。患者が触れたくないプライバシーには、首を突っ込まないのが鉄則。もし犯したらものによっては新聞一面記事ものです(患者情報の漏えいなど)。実際うっかりPC上に「手術患者の名前」漏れただけで大騒ぎですので。ですから、患者がたとえ認知でも、本人が望まない限りは、家族関係を勝手に洗うのは、プライバシーの侵害。これこそ「介護・医療現場の人間は絶対犯してはならないタブー」と制作スタッフも認識すべき。まあ、NHKはその辺内部がなあなあなので、こういう場面で出るんでしょうね(苦笑)
今後は見ないと思います。それでは長文失礼します。
葉月さん、ご教示ありがとうございました。
「だんだん」には「医学監修」はついているみたいだけど、実際の「看護師資格取得」までは、脚本家はもちろん、青木信也CPも今週の演出担当長沖CDも全く関知せず、
イメージだけで書き飛ばした脚本を、法律的な問題をチェックしないまま放映
しているのだということが、昨日の展開からは推察できる。
葉月さんが教えて下さった保健師助産師看護師法の該当部分は以下の条文だろう。まず、資格に関わる条文。
保健師助産師看護師法第3条 この法律において「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。
第30条 助産師でない者は、第3条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法(昭和23年法律第201号)の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
第5条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。
第31条 看護師でない者は、第5条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法(昭和23年法律第202号)の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
2 保健師及び助産師は、前項の規定にかかわらず、第5条に規定する業を行うことができる。第6条 この法律において「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。
第32条 准看護師でない者は、第6条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない
医薬品などに関わる業務についてはこちら。
第37条 保健師、助産師、看護師又は准看護師は、主治の医師又は歯科医師の指示があつた場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をしその他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応急の手当をし、又は助産師がへその緒を切り、浣腸を施しその他助産師の業務に当然に付随する行為をする場合は、この限りでない。
医師法で定める医師の業務はこちら。
医師法
第17条 医師でなければ、医業をなしてはならない。第22条 医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当つている者に対して処方せんを交付しなければならない。ただし、患者又は現にその看護に当つている者が処方せんの交付を必要としない旨を申し出た場合及び次の各号の一に該当する場合においては、この限りでない。
1.暗示的効果を期待する場合において、処方せんを交付することがその目的の達成を妨げるおそれがある場合
2.処方せんを交付することが診療又は疾病の予後について患者に不安を与え、その疾病の治療を困難にするおそれがある場合
3.病状の短時間ごとの変化に即応して薬剤を投与する場合
4.診断又は治療方法の決定していない場合
5.治療上必要な応急の措置として薬剤を投与する場合
6.安静を要する患者以外に薬剤の交付を受けることができる者がいない場合
7.覚せい剤を投与する場合
8.薬剤師が乗り組んでいない船舶内において薬剤を投与する場合
診断とか投薬指示は「医業」に当たる。
で、めぐみは、劇中ではいまは看護師ではなく
まだ看護師資格を持たない「看護実習生」
である。
今日は今日で
介護施設「ひなげし」を辞めて、半年間看護実習と勉強の集中する
とかいう
介護施設で「働きながら看護師資格が取れる」から選んだ筈の「ひなげし」を「過重労働に配慮がないから退職」
という
最初の設定はどうした
と呆れ果てる展開に。
めぐみのシフト表は、ドラマ内で次のように書かれていた。NHK連続テレビ小説「だんだん」Part58スレッドより。
306 :名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2009/02/25(水) 14:50:26 ID:/a2cCtTx0
3月 実習8時~
4火 帰校日9時~ひなげし19時~
5水 実習8時~
6木 実習8時~ひなげし18時~
7金 実習8時~
8土 ひなげし日勤8時~
9日 ひなげし日勤8時~
10月 実習8時~
11火 帰校日9時~ひなげし18時~
12水 実習8時~ひなげし19時~
13木 実習8時~
14金 実習8時~
15土 ひなげし日勤8時~
16日 ひなげし
17祝 ひなげし日勤
18火 実習8時~ひなげし22時~
19水 実習8時~
20木 実習8時~ひなげし19時~
21金 実習8時~
22土ひなげし日勤8時~カレンダーに書いてあっためぐみの予定
原則、週2回平日夜勤・土日祝日勤みたい
赤字にした部分は
過重勤務になっていると思われるシフト
である。
ええと、「ひなげし」の一般的な勤務シフトがよくわかんないんだけど、
日勤と夜勤の二交代
だとすると、
めぐみはいつ寝ているのか謎
なシフト割りである。以下に
赤枠 ひなげしでの勤務
緑枠 帰校日(看護学校への登校日のことらしい)
青枠 看護実習
を表にしてみた。
やっぱり、いつ寝てるのか謎。
これでは
実習記録も看護計画も国家試験の勉強もムリ
だと思われる。この点については、皆様からも突っ込まれている。
488 :名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2009/02/26(木) 01:11:42 ID:GrXm/A8I0
過酷勤務はめぐみを倒れさせるために脚本家か演出がやってるだけだ
ひなげしの資格取得支援制度で看護学校通ってるのに、そんなシフト組むわけがない741 :名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2009/02/26(木) 13:43:51 ID:ax0m885a0
>「看護学校と両立できる介護施設勤務」って設定自体がどうにも納得できない。確かにそうです
だが、ドラマ的にはひなげしが看護師資格をとれるシステムを導入しているのに、両立は不可能という雰囲気をだすひなげしスタッフまたはめぐみの疲れが矛盾するのです。つまり、ひなげしは科学的に両立が可能とみて(おそらく過去にも両立した人がいたはず)導入しているはずなのだから、それを自ら否定的に描く脚本がおかしい
まあ、そのとおりですね。てか
施設の資格取得支援制度で勤務先を選んだ
筈なのに
辞めちゃったら、看護学校の授業料などはどうする
って話で。
で、分娩に参加したのは
産科実習に移行してたからか?
とか思われていたが、やはり
まだ松江第一病院で消化器内科の実習中
であることが判明した。つまり、2週間の消化器内科での看護実習の間の出来事ってことだ。
そして
研修医の石橋先生が、のんびりと吉田栄作演じるめぐみの父と酒を飲むシーン
があり、
おい、石橋先生は、オンコールなしか、今夜は
と突っ込んでしまった。
研修医が酔っぱらってオンコールに応需するかも知れない描写
って、ありなの?
よほど暇な消化器内科
らしいですな、松江第一病院。信じられません。
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コメント
こんにちわ。私のコメントの誤字の訂正ありがとうドざいました。
まあ、突っ込みはこれまでにして、「だんだん」のラストが「のぞみとめぐみ、忠、嘉子、花雪さんが一家団欒で大団円。だんだん」だったら、ぶっちゃけドイツの童話作家ケストナーさんの非似「二人のロッテ」だよな・・なんて落ちを楽しみにしてます(笑)
だって話の大筋(偶然キャンプで知り合った二人が、あまりにもそっくりなのでよくよく調べたら、父親が浮気したため離婚になって、姉妹がそれぞれの親に引き取られ、お互いの存在を知らされず育てられる。そして秘密を知った二人は離婚した両親を仲直りさせる大作戦を・・という話だったと思いました・・多分。大昔読んだ児童文学なので。あとアニメ化もされたような:笑)が劇似なんですもの(笑)もちろん文学的には「二人のロッテ」の方が、「純粋な姉妹愛、家族愛」を描いているので、ストーリー破たんしてませんけどね(笑)だんだんも、いっそ開き直って「和製二人のロッテ」目指せば、シナリオ破たんせず(何が言いたいのか意味不明ではなく)、純粋に「家族」や「友人」の絆など描けたのに実に持った得ないというのが感想です(笑)
投稿: 葉月 | 2009-02-28 00:15
>それに「プライバシーの厳守」「守秘義務」は医療関係・介護関係者の当然の常識。ていうか、プライバシーの侵害は「個人保護法」に触れます。
プライバシーに関しては、保助看法でも規定があります。
「保助看法第42条2」と「刑法第134条」です。引用したらコメントスパムとして弾かれたので、法律名だけ載せておきます。
ご参考までにどうぞ。
投稿: どろっぽ看護師 | 2009-02-28 00:52