藍(タデアイ)の捨てている茎にAソ連型インフルエンザウイルスの増殖を抑える効果@大阪
染料となる藍(タデアイ)には抗菌性があるということは知られていた。
では
染料としては使われない茎の部分
はどうかというと
Aソ連型(H1N1型)インフルエンザウイルスの増殖を抑える効果がある
らしい。
朝日より。
藍染では廃棄…茎にインフルエンザウイルス抑える効果2009年2月1日13時30分
廃棄物に抗ウイルス効果があった——。大阪府富田林市で生薬加工業を営む堀川豊勝さん(59)が中国の漢方薬にヒントを得て、植物「タデアイ」の茎のエキスを調べてもらったところ、流行しているA型インフルエンザのウイルスの増殖を抑える効果があることがわかった。タデアイの葉は藍(あい)染めに使われるが、茎は捨てられている。企業と組み、加湿器やマスクに利用するなど商品化を目指している。
堀川さんは大学卒業後に家業の機械加工会社を継いだが、91年に倒産。一時6億円の負債を抱えたが、深夜の工場で働いて研究資金をため、友人の依頼で生薬の殺菌技術の開発に着手。成功して生薬加工業を起業した。
そんな時、中国では藍染めの原料であるアブラナ科の植物を乾燥させた漢方薬を服用しており、免疫力を高めインフルエンザにも効くらしいと知人から教えられた。
ならば藍染めに使うタデアイも、と思いついた。特殊な技術で取り出した葉と茎のエキスを北里研究所(東京)に送って分析してもらうと、濃度2%の茎のエキスが10分以上H1N1(Aソ連)型と接触すると、増殖を抑え込む効果があった。同研究所の小林憲忠・メディカルセンター病院研究部長補佐(43)は「幅広いA型ウイルスに効く可能性がある」と話す。茶やナガイモなど食品で坑ウイルス効果を持つ物質はあるが、「入手コストの安い廃棄物を有効利用している点でユニーク」(小林部長補佐)という。
いま、タデアイは徳島県と北海道などで年間約150トン弱(05年度)しか生産されていない。堀川さんは、かつて河内木綿を使った藍染めが盛んだった地元の南河内地区で、遊休農地を使ったタデアイの栽培を構想。「茎はエキス抽出に、葉は染色に使って地域の活性化につなげたい」と夢を膨らませる。(白木琢歩)
おお、
廃棄物からAソ連型インフルエンザウイルスの増殖を抑える効果
か。なおかつ
A型全般に効果があるかも
ってことね。
最近、一部の大学で
生薬学講座
が、縮小されたり、廃止されたりしているようだけど、こうした形で利用されていなかった生薬にスポットが当たるのであれば、
古典の読み直しと追試
は、まだ研究手段の一つとしては、有効かも。
漢方薬についての知識が詰まった本草書や薬方を読み直すにしても、研究者がいないとダメなんだけど、古典中国語を読めない人が増えているからなあ。これは中国でも同様。
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