小泉騒動は何故起きているのか→輿石東民主党参院議員会長は「小泉発言支持」
マスコミ的には
いつまで経っても「絵になる男」
である
小泉純一郎元首相
なのだが、昨日、久々にカメラの前で大いに吠えた。
全文を産経より。
【小泉元首相による麻生首相批判のあいさつ全文】「総理が前から鉄砲を撃っているんじゃないか」
2009.2.12 20:00小泉純一郎元首相が12日、自民党本部で開かれた「郵政民営化を堅持し推進する集い」の幹事会で、麻生太郎首相の郵政民営化発言を批判するなどしたあいさつの内容の全文は以下の通り。
私は最近の総理の発言について、怒るというよりも、笑っちゃうくらい、ただただあきれているところなんです。
一昨日も総理から話がしたいということで電話で話をしたんですが、そのときに、たまたま小野次郎代議士のブログに「総理それはないでしょう」というのを読んでいたんです。
もう一つ、世耕(弘成)参院議員の「それをいっちゃあおしめえよ」。だからね、総理にね、「こういう意見が耳に入っていないでしょうから、官邸にこの小野次郎さんの文章と世耕さんの文章をファクスで送るから、よく読んでおいてくれ」と言っておきました。
大体、総理の方針とか、執行部の方針に批判的な意見を若手が出すとね。執行部からは、「後ろから鉄砲を撃つな」という押さえ込みがかかる。
最近の状況はね、「総理が前から、これから戦おうとしている人たちに鉄砲を撃っているんじゃないか、発言は気をつけてくれ」とよく言っておきました。
私についてもね、「常識の通じない男」だとか、「奇人変人」とか言っているようだけど、私は自分では常識をわきまえている普通の人だと思っているんです。
これから皆さん、遅くとも9月までには選挙を迎えて戦わなければならない。自民党がどうなっちゃうかみんな心配しています。
私もたまには非常識なことをするかもしれませんけれども、大体、政治においては常識的な路線というところに持っていくために、よく、話し合うことが必要だと思っています。
これからも、衆院の発議権と参院の発議権が違う場合が起こるかもしれません。そういうことを考えますとね、今、政局より政策優先だという国民の声が強い。
だから衆院の意見と参院の意見が違ったら、どういう政策ならば、対策ならば国民の納得ができる案を(できるのか)よく協議してもいいのではないかと私は思っています。
定額給付金の発言についてね、総理は「さもしい」とか「自分はもらわない」とか、いろいろといっていますけどね。この問題についても、私は本当にこの法案が3分の2を使ってでも成立させなければならんような法案とは思っていないんです。
もう私は次の選挙では引退表明していますから、あまり多くのことはいいませんが、「あのとき賛成したけれども、実はそうではなかったんだ」と言いたくないから、この定額給付金についてはもっと参院の意見と調整して、妥当な結論を出してほしいなと思っている。
これから皆さんは、選挙を目前にして戦わなければならないし、国民の理解を求めなければならない大事な時期ですよ。
ぜひとも9月までには国民に信を問わなければならないのですから、政治で一番大事なのは信頼感。特に総理、総理の発言は信頼がなきゃ選挙は戦えないんです。
信頼が大事だということを肝に銘じて、何とか難局を切り抜けるように皆さんと一緒に良い知恵を出していきたいと思い、今日は意見を聞かせてもらおうと思った。
で、早速マスコミは飛びつき、自民党内は大揺れ。
もし、小泉チルドレンを始めとする同調者が、参院で野党の反対多数で否決される予定の「定額給付金」法案の衆院での再可決に応じなかったら、「定額給付金」が流れる
って訳だから、NHKを始めとして、このニュースが大きく取り上げられている。
しかし、皮肉なのは
来期は引退が決まっている小泉元首相がカメラの前で麻生批判
をしただけで、本来
与党を批判するポジションの第一党である筈の民主党
が
すっかり霞んでいる
ってことだ。ま、メディア的には
小泉元首相>>>>>民主党
という扱いであることは間違いない。このまま
小泉騒動
が続けば、
衆院選の焦点は「自民・公明 vs. 民主」ではなく「小泉シンパ vs. 現政権」にすり替わる
ことになる。
なんだって、今になって
政治的には死人も同様の筈の小泉元首相が出てきたのか
ってところが生臭い。
ネットには、例によって様々な「陰謀論」が渦巻いている。たとえば、こんな辺りか。
1. 小泉元首相が今頃出てきたのは、「小泉構造改革批判」に耐えられなくなったから
2. 麻生首相では選挙に勝てないので、自分が出てくれば、民主党が霞むことを計算して、表舞台に顔を出した
3. そろそろ「小泉構造改革路線」時代の「暗部」に焦点が当たって、司直の手が関係者に伸び始めたので、麻生政権を潰しておきたい
いずれも、憶説の域を出ないけど、
マスコミが騒ぐほどには、ネット住民は騒がず、冷静に見ている
ところだ。
しかしな〜、麻生総裁が選出された自民党総裁選で、ヘタを打った小泉元首相、以前ほどには
政界を読み切る力がある
とも思えないのだが、
麻生首相が完全に死に体
になっているので
来期引退で死んでいる筈の小泉元首相の方が、まだマスコミと自民党に対しては「生命力」がある
という皮肉な結果になっている。
産経は
小泉元首相の倒閣運動か
なんて記事を書いているし。
小泉元首相、定額給付金に反対表明 倒閣の引き金か
続き。(13:03)
コメント欄で、ttanabeさんから以下の記事をご教示頂いた。どうもありがとうございます。
民主参院会長、小泉発言「私たちの声を代弁」 採決、20日以降民主党の輿石東参院議員会長は13日午前の参院議員総会で、参院で審議中の定額給付金の関連法案について、採決を20日以降にすべきだとの考えを表明した。同法案が参院で野党多数で否決されれば衆院で再可決できるようになるが、小泉純一郎元首相が12日、再可決に慎重な見解を表明。民主党は14日からロシアを訪問する小泉氏の帰国後に参院採決を先送りし、自民党内を揺さぶる構えだ。
輿石氏は小泉氏の発言について「私たちの声を代弁してくれている」と評価。定額給付金財源特例法案について「少なくとも小泉さんのお帰りを待って(採決を)していけばいい」と語った。
鳩山由紀夫幹事長は13日午前の千葉市内での集会で「小泉氏は反対するに違いない。『小泉チルドレン』も同調すべきだ」と造反拡大を呼び掛けた。そのうえで「(麻生太郎首相は)今すぐにでも総辞職すべきだ」と強調した。(11:08)
ほお
敵の敵は味方
って理屈ですかね、輿石東参院議員は。輿石議員は
日教組から日本社会党、現在は民主党横路グループ
だそうで
どこをどうやったら、小泉元首相と結びつくのか謎
なのだが、民主党のやることだからな〜。なんか
小泉グループと民主党が合流して「大連立」いうシナリオでもあるのか
と勘ぐってしまいますがね。
さらに続き。(16:30)
小泉チルドレンが鳩首協議している模様。
小泉チルドレンは
次の総選挙で議席がある確率は高くない
わけで、今のままだと
「定額給付金」の衆院再議決で造反
をカマすぐらいが、最後の華ってことだな。新聞やテレビも取り上げてくれるだろうしね。もっとも、これ以上は見せ場はない。
もっとも、
造反をカマす
のが、何を意味するかはほぼ明白で、一番ありそうな帰結としては、いささか尾籠な表現ながら
小泉チルドレン、衆院での「最後っ屁」
となるだろう。まさか、
造反で小泉チルドレンの起死回生
とか、トンでもないことを考えているんだろうか?
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コメント
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090213AT3S1300D13022009.html
ったく、民主党は、、、(苦笑)
投稿: ttanabe | 2009-02-13 12:57
いつも拝見させていただいております。
自分のつまらない意見ですがひとこと。
小泉氏は単に、怒っていただけだと思います。
麻生氏を閣僚にしたとき、郵政民営化についても確認していたはずです。
その時、麻生氏は「賛成する」としか言わなかったのではないでしょうか。
つまり小泉氏としては「オレを騙してたのか」と。さらに、「ウソをつくなら最後までつき通せば(つまりずっと黙ってれば信用も壊さずに)すむだけなのに、それもわからないのか」と。
小泉氏が郵政大臣をやった時も民営化の持論は撤回しておらず、自分の記憶にもマスコミに叩かれて反論していた様子が残っています。
大下英二氏の「小泉純一郎の軍師飯島勲」のなかで、時の首相もその持論を承知で閣僚に指名して苦労してたエピソードが書かれてました。竹下首相は小泉氏を擁護していたわけです。
そういう経緯があれば「賛成じゃなかったんならその時言えよ!!」と思うのは当然と考えます。
あるいはまた「首相は非難の矢面に立つのが当たり前なのに、真っ先に保身をはかるような(本当は賛成じゃなかったとの)逃げの答弁をするな!」と思ったかも知れません。
小泉氏も「人生いろいろ」の発言がありましたが、詭弁的ではあっても「逃げ」的なものではなかったように自分は思います。
だから「総理が前から鉄砲を撃ってるんじゃないか」というようなことを言ったと思います。
もうひとつ、上記の本の中で飯島勲氏も小泉氏の行動・発言は考え抜かれているというようなことを言っており、小泉氏の右腕の意見として割り引くにしても、確かになにか思惑はあるように思います。
自分の考えでは、後を継ぐ次男の立場を守る、あるいは足もとを固める意図、と思ってます。
自身が3代目として、血縁だけでは政治家として生き残れないのはよくわかっているはずだからです。
無派閥ではありますが、事実上の小泉派として、その後を継ぐ者(やっぱり小池氏なんですかね?)に、睨みをきかせる必要はあったと思います。
長文、失礼いたしました。
なお自分の立場は、財政投融資のカネの出入りをオープンにできる意味で郵政民営化には賛成ですが、その他の竹中氏とともに進めた新自由主義的改革には全くの反対で、小泉氏は「敵」だと思っています。
ただし、政治家として最も信用できる人物も小泉氏とも考えています。
投稿: shin-nai | 2009-02-14 04:17
ご注進です。
県立奈良病院、4月に50病床以上休止へ、深刻な看護師不足で
2009.2.14 01:31
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090214/lcl0902140132000-n1.htm
遅れる地方の看護師不足対策
2009.2.14 01:32
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090214/lcl0902140133001-n1.htm
投稿: tera2005 | 2009-02-14 11:53
>shin-nai氏
http://d.hatena.ne.jp/oguogu/20090207/1234001624
こちらに上手くまとまっていますが、麻生氏は四分割論に巻き込まれた上で、
「民営化には賛成したけどさ、四社分割の話で当時総務大臣だったから責任とれって言われてもw
担当は竹中大臣だったでしょ?w」って答弁しただけなんですよ。
それを上手いこと朝日とか毎日が「郵政民営化反対だったから今頃覆したいとか言い出した!」って大騒ぎしてるんですよ。
問題なのは、今回の記事通り、「どうしてそれに小泉氏が乗ってきたのか」ですよね。
投稿: 名越し | 2009-02-15 04:45
名越し さま
情報ありがとうございます。ブンヤの常套手段にひっかかってしまっていたようです。
世耕氏や小野氏のブログはこれをうまく利用して煽ってたのか、などと邪推してしまいます。
小泉氏が「麻生氏は反対の立場」を知っていたなら、せめてそれだけでも擁護してあげないとアンフェアかと思いました。麻生氏の言動に対して「あきれる」と言うぐらいならなおさら。
まあ、擁護と非難を同時に言えるようなタイプの方でもないですが。
投稿: shin-nai | 2009-02-15 08:15
名越しさんそれ微妙かもしれません。
去年の総裁選で麻生総理が「担当大臣として私が民営化をやらして貰いました」 と言っていたらしい。
現在調べている最中で確認が取れていませんけど。
投稿: 名無し | 2009-02-15 22:56
森、小泉のプロレスに引っかかってどうするよ、この発言の前に電話会談してるのにw
投稿: 通りすがり | 2009-02-16 09:22