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2009-02-18

医療破壊報道「研究者のためのマスメディアとのつきあい方」が想定する「ジャーナリスト」は「偏見や敵意」を持たない理想像@名古屋大学高等教育研究センター「研究者のための科学コミュニケーション Starter's Kit」

北大大学院理学院自然史科学専攻杉山滋郎教授のblog「独り言つ」経由。

名古屋大学高等教育研究センターが作成した
 研究者のための科学コミュニケーション Starter's Kit
は、以下の目的で作られたものだ。


この「研究者のための科学コミュニケーションStarter's Kit」は、科学コミュニケーションを始めたい研究者のために
・科学コミュニケーションとはなにか
・科学コミュニケーションの場をどうつくっていくか
・どのように科学コミュニケーションを行ったらよいか
について役立つ情報とノウハウを集めた実践ガイドです。
科学コミュニケーションとは
・科学を市民に伝える
・科学についての思いを市民から聞く
・科学と社会との望ましい関係についてともに考える
活動のことです。

ぶっちゃけて言ってしまうと
 あんたたち大学の科学者は、国から金を貰ってなんかわけのわからんことをやってるみたいだけど、納税者である俺達国民に、わかるように説明してよ
と言われている昨今の科学者のためのマニュアルである。
で、「科学者」って、自然科学研究者を対象にしているっぽいよな〜。

で、
 マスコミによく電話取材を掛けられる「医師」
は、このマニュアルでは、うまく対応が出来ない。
医師だって
 医学研究者
だから、自然科学研究者なんだけど、だいたい、このマニュアルは
 ジャーナリストは「偏見も敵意」も科学者に持ってない
という前提だ。
例えば、こんな記述。


取材に応じる

1 メディアからコンタクトを受けたら
専門分野に関する説明、コメント、インタビューなどを求めてメディアからあなたにコンタクトをとる場合もあります。通常電話で行われることも多いため、常に心の準備しておかなければなりません。 基本的には、取材の申し込みには前向きに応じるべきです。ただし、取材に応じる前に、次のことを確認してから返事をしましょう。

なぜ自分にコンタクトをとってきたのか
 ジャーナリストがどのような経緯で自分にコンタクトをとったのかを聞くことは重要です。単に大学のホームページで知ったのか、著書や論文から知ったのか、他の研究者が紹介したのかによって、ジャーナリストのその時点の準備状況とともに、あなたに何を期待しているかががわかります。

ジャーナリストは誰なのか
 自分にコンタクトをしてきたジャーナリストのことも聞きましょう。ジャーナリストのポジション、科学へのかかわり方、担当している出版物や番組などを聞いておくと、誰に向って話しているのかが明確になり、話す内容の水準も調整することができます。

自分が受けることは適切なのか
 メディアからの取材は、できるだけ手助けするべきであるが、自分の専門分野、能力、立場に基づいて、質問に答えるのに自分が不適切だと考える場合もあるでしょう。その場合は、より適任の同僚の名前を提案することも考えましょう。

どのような取材が必要なのか
 ジャーナリストが求める取材の形態を聞きましょう。しかし、ジャーナリストの提案する電話でのインタビューでは不正確になってしまうと判断したら、資料を送ったり、対面のミーティングに招いたりなど提案することも重要です。

どれくらいの時間が必要なのか
 取材に実際にどれだけの時間がかかるのかを、さりげなく聞いておく必要があるでしょう。準備も含め時間が相当必要な場合には、あなたの時間的に余裕のある時期に設定してもらいましょう。

取材の電話を受けた経験がある研究者は、
 記事の出稿締切に間に合わないんで、すぐ返事をくれ
という、切羽詰まった記者からの電話にうんざりしている。しかも
 欲しいのは「発言者の肩書き」だけで、話した中身は「記者の作文」
なんてことは、珍しくも何ともない。

まあ
 ジャーナリストとは良好な関係を築きましょう
というのが、上記マニュアルの意図するところなので、
 最初から「敵」として扱われている科学者
のことは想定していない。
 医師は敵として扱われやすい科学者
である。
もし、上記マニュアルが想定するような
 信頼できるジャーナリスト
が、医療報道に携わっていたなら、日本の医療崩壊もここまで進まなかったと思われるが、残念ながら
 医療報道担当は、医学について誤解しているか、理解してない記者がほとんど
で、しかも
 医学は皆がお世話になっている比較的身近な「科学」
だから、始末に負えない。
 素粒子理論
については、取材する側も
 勉強しなくちゃ
と思うようだが、なぜか
 医学については、そこら辺の言辞を適当に漁っておけばOK
だと思われている。これまで数々の
 医療報道
がなされているのだが、その中で果たして
 医学的な論文などを読み込んで、当初の報道内容を検討した記事
があったかどうか。少なくとも
 感情論が、科学としての医学を否定する記事
は読んだことはあっても、
 冷静な科学的事実に基づいて書かれた医療報道
というのは、ほとんど見たことがない。

大学病院の危機、なんて記事を書く前に
 大学病院になぜ医師=研究者が集まらなくなったか
を考えた方がいいよ、マスコミは。その原因の一つは
 大学病院は医療機関であると共に研究機関であるという前提を無視した「過剰な感情論」と誤解に基づく報道
にあるんだから。

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