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2009-03-26

NHK連続テレビ小説「だんだん」はとうとうリハビリ医療破壊にも邁進 2年間寝たきりの高齢者(中の人は人間国宝)がいきなり牧場で立ち上がり歩いた上に転倒「宇宙飛行士若田さんだって、地上帰還に備えて毎日筋トレしているが、たぶん帰還直後の直立歩行は無理。医師である石橋と介護士・看護師のめぐみが介助の手を放すとは、大腿骨頭骨折必至」とプロから貴重なご意見をいただく

さて、事前のネタバレの通り、本日放映の「だんだん」で
 牧場に連れてこられた2年間寝たきりだったはずの「人間国宝」がいきなり立ち上がり歩く
という
 『アルプスの少女ハイジ』で超有名な「立った、立った、クララが立った」シーンのぱくり
が放映された。

2年間寝たきりだった高齢者というと
 骨は脆くなっているは、筋力は落ちていて、到底体重を支えられるような筋力はないは
という
 ガラス細工並の慎重さでもってリハビリを続けないと、ちょっと転んだりぶつけたりしただけで、骨折してまた寝たきりに逆戻り
の、リハビリメニューを組むにしても、大変な話なのだが、
 あっさりふかふかした草の上で直立
するのである。すげーよ、森脇京子の脚本と、医学監修抜きとしか思えないBK。

その点について、good job先生から貴重なコメントを頂いたので再掲する。


今日(3/26)、ついに
寝たきり設定の「人間国宝」が「立ち上が」りましたw
しかも、その直前の妻役の「2年も寝たきりで」の台詞もしっかり

本編では桂米朝が介助を解かれて1~2m自立歩行するシーンもありましたが(しかも足元の不安定な牧草地!)、2年も寝たきりになった人間がリハビリなしで突然自立歩行することなど、それが中村俊輔とかイチローでも無理です。国際宇宙ステーションで長期滞在中の宇宙飛行士若田氏が、無重力による筋力低下防止のため毎日相当の時間を筋力トレーニングに費やしていること、それでも地球帰還直後はまともな歩行が困難なことを、BKの面々がご存知であればあの演出はありえません。
それより、百歩譲ってたとえ寝たきり老人が立ち上がって感動したからとはいえ、安易に介助を離してしまう石橋「医師」とめぐみ「介護福祉士・看護師」って・・・間違いなくプロ失格です。実際桂米朝は転んでしまうシーンもありましたが、かなりの確率で大腿骨頭を骨折ですね、実際なら。

good job先生、ご教示ありがとうございます。

good job先生が教えて下さったように
 無重力空間にいれば、たとえ直立歩行していても、重力負荷が掛からず、筋力は落ち、骨粗鬆症になる
のは、有名な事実で、これから長期間の宇宙ステーションでの滞在をする若田さんが、日々トレーニングを怠らないのは、そのためである。21日にNHKが足腰を鍛える若田さんを紹介していたようだな。
しかし、いくら筋トレしていても、地球に戻ってきた第一歩は、直立歩行にはならない。

無重力下で直立歩行していた人間と
 重力下で2年間寝たきりだった高齢者
との筋力の衰え方、骨密度の低下具合を比較すれば、当然ながら
 重力下で2年間寝たきりだった高齢者
の方が、筋肉も弱り、骨も格段に脆くなっている。
そんな当たり前の事実を無視して
 いきなり立ち上がり、歩き出し、介助なしで転倒
という、医学的にはあり得ない上に
 リハビリ介助でも更にあり得ない、高齢者虐待を疑われてもしょうがない所行
が、今朝放映された
 仁夫里牧場のシーン
なのだ。

BKは本当におめでてーな。
日常生活をつつがなく送っているうちの両親も高齢になってきたので、ともかく
 転ぶな、転んで大腿骨を折ったら、おしまいだから
と、風の強い日や凍結した路面が予想される寒い日には外に出ないように電話をしているというのに、
 寝たきりだった老人が転ぶ
なんて、悪夢以外の何物でもない。good job先生のご指摘通り
 大腿骨頭骨折
は間違いない。
 寝たきりに逆戻り、しかも長期間の寝たきり必至
である。

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コメント

医療監修は皆無じゃないですか?
ADL低下しまくりの患者に化学療法ゴリ押ししたり
2008年の設定なのに告知せず化学療法したり、
「僕は医者の卵なので総合医療をする自信がありません」の答えが「電子カルテがある」だったり(笑)。
あと、NHKのデフォルトなのか、僻地誘導の意図が透けて見えるあたりカスですね。

ちりとてちん大好き。

投稿: へるちょんぺ | 2009-03-27 13:18

お久しぶりです。「クララが立った」以前にこの方は「脳梗塞を再発された重病人」設定のはず。
 先週までさんざん「ありのままでいい」と緩和治療を望む初枝に対し、副作用の強い新薬での抗がん剤のモルモット状態(苦笑)初枝さんの年なら「癌より寿命で亡くなる可能性もある(癌の進行は加齢とともに遅くなります)」ので、ペインコントロールによる緩和医療を提供すべきだった。本人の意思無視で治療やるのは「患者に訴えられる」ご時世です。
 しかし今回の畠田さんは「脳梗塞再発」。本来ならドクターヘリでERのある集中治療センターに運ばれるべきレベル。でも、どう見ても「廃用症候群で寝たきり状態の、脳梗塞後遺症で麻痺のある患者」。本来なら激しい激痛・頭痛があるはずでとても「入院なんていや」など言えないレベルのはず。
 それに対し石橋は、内科医の自分の限界を素直に認め「精査入院」をすすめます。本来ならそのまま石橋が集中医療センターへ、搬送できるよう手配するのが「本来の離島での地域医療」。
 ところが何を血迷ったのか、「ありのままに生きたらえええ」とわけのわからないことを言い出す産科医。しかも産科医は「地域医療の理想像である赤ひげ先生すら否定」。それにめぐみですら「看護と介護の使い分けが」とわけのわからないことを。介護は「急性期通り越して、症状が安定したとき、梗塞部位によって失われた機能を回復させる、日常生活援助のために」使われるもの。「急性期は命が一刻を争う危険性があるため、一次救急病院に搬送」が常識のはず。
 おりしも2008年の東京では、「脳出血を起こした妊婦さんが、病院タライ回し状態でお亡くなりになられた痛ましい事件」があったばかり。この展開に疑問を持った視聴者は多かったはず。
 現実の世界では首都東京ですら、「リスクの高い脳血管系の患者は倦厭される状態」なのに、離島の知夫理島で産科医の後藤医師が「脳血管系の病気の恐ろしさを知らない」「なぜ彼は石橋に同調して、ERに連れていくよう手配しないのか」と。

 なんだか、何もしないのが地域医療みたいで不愉快極まりないです。実際の地域医療は限りある資源の中、万が一の時どう地域の集中医療と連携取るかがテーマなはず。何もしないのは「医療放棄も一緒」です。NHKはあとで、「地域医療の実情」をお詫びのしるしで制作しろと言いたいです。
 長文失礼します。

投稿: 葉月 | 2009-03-27 19:00

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