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2009-03-26

愛育病院、周産期医療センター返上を撤回 都の言い分はバリバリの労基法違反→「返上撤回」は条件付き@院長記者会見

まず、この記事をよく読むと凄いことが書いてあった。
朝日より。


愛育病院が総合周産期センター返上申し出 当直維持困難

2009年3月26日3時0分

 都は25日、「労基署の勧告について誤解があるのではないか。当直中の睡眠時間などは時間外勤務に入れる必要はないはず。勧告の解釈を再検討すれば産科当直2人は可能」と病院に再考を求めた。
(以下略)

そもそも
 当直と夜勤は違う
のに、都の見解は
 当直は「夜勤」と同等
と思っているらしい。
珍しく毎日新聞がこの辺りを解説している。


総合周産期母子医療センター:東京・愛育病院が「指定返上」
(略)

 ■解説

 ◇現場負担、放置のツケ
 愛育病院が、妊産婦や新生児にとって「最後のとりで」である総合周産期母子医療センター指定の返上を東京都に申し入れた問題は、安心な医療体制を維持しようとすれば労働基準法を守れない過酷な医師の勤務実態を浮き彫りにした。

 多くの産科施設では医師の夜間勤務を、労基法上は労働時間とみなさない「宿直」としている。宿直とは巡回などの軽い業務で、睡眠も取れる。だが実際の夜間勤務は、緊急の帝王切開手術をするなど日中の勤務と変わらない。厚生労働省は02年3月、こうした実態の改善を求める局長通達を出していた。
(以下略)

ということで
 都の発言は「宿直の安い時給で、夜勤をこなせ」
と言っているわけだ。これって
 労基法は空文だから、守らなくていい
と都が明言したことと同等じゃないのか?
すげーな、東京都。

で、これは日経が打っている記事なんだけど、
 愛育病院が周産期医療センター返上を撤回
したというのだ。


総合周産期センター指定、愛育病院が返上の打診を撤回

 東京都港区の愛育病院が「総合周産期母子医療センター」の指定返上を都に打診した問題で、同病院の中林正雄院長は26日、報道陣に「都から返上の必要はないと言われた。その判断に従う」などと話し、センターとして指定を受け続ける考えを示した。事実上、返上の打診を撤回したことになる。
 中林院長の説明によると、労働基準法に基づく労使協定(三六協定)を結ばず、医師に長時間労働をさせていたとして、労働基準監督署から是正を勧告された。
 病院は労使協定を結ぶことや、非常勤の医師を新たに4人確保する改善策を4月20日までに労基署に報告する予定だが、それでも常勤医師だけでは国が総合センターの指針として示している「24時間、複数の産科医が勤務」という条件が満たせないことから、都に返上を打診したという。(13:40)

ふ〜ん、これは
 愛育の先生方に死亡フラグが立った
ってことでいいのか?

続き。(23:45)
まずはMed_Law先生から
 都の悪質なバックレ
について具体的なご教示を頂いたので再掲する。Med_Law先生、ありがとうございました。


>当直中の睡眠時間などは時間外勤務に入れる必要はないはず。

これは嘘ではありません。労働基準法に従った”宿直”であれば、その通りです。
問題は労働基準法41条3号に定める”宿直”かどうかですが、宿直許可の有無に関わらず実態調査で宿直に相当しないとなれば、賃金の支払い、許可の取り消しになります。
ましてや、宿直許可がない駒込病院、麻酔医だけの宿直許可しかない墨東病院、一般内科医の宿直許可条件が6ヶ月に1回であり、他の医師の許可書は昭和23年に遡る松沢病院など、都立病院の宿直に関してのコンプライアンスの無さは、宿直許可という公文書を実態の違法性を知りながら行使している公正証書原本不実記載、同行使に相当し、労働基準法37条に基づく賃金支払いを免れていたのは詐欺罪に相当し、当直中の残業時間を労働時間に算入せずに労働基準法32条を免れようとしていたことは、有印私文書偽造に相当する組織犯罪だと考えています。

都立病院は2002年の東京ER制度発足以降も労働条件の改善についての真摯な努力をした形跡はなく、それでなくとも”法律の錯誤”は援用できないので、逃げも隠れもできないと考えます。
都立病院は地方公営企業法の一部適用法人なので、その責任は全て都知事にあります。
責任を取ってもらいます。

都立病院は、Med_Law先生が教えて下さったような
 違法状態を放置することで、医療スタッフを疲弊させ、人材を使い潰している
のであるが、そのことについて、まるで反省するどころか、
 盗人猛々しい「医療行政」
を続けてきた。当然、Med_Law先生の仰るように
 全責任は石原慎太郎都知事にある
のだ。しかし、この手の問題が表沙汰になると
 シンタローほど無責任な男
をあまり知らないですな。
 五輪誘致にはカネを出すが、都民の命を守る医療スタッフにはカネを惜しむ
という男など、到底信頼できない。どうせ、今回もバックレるとわたしは踏んでいる。
逃げ切れるかどうかは別だが。

ところで、
 愛育病院の院長が記者会見を開いた
のだが、言い分がなかなか振るっている。
毎日より。


愛育病院:「行政が対策を」指定返上で院長会見

 東京都の総合周産期母子医療センターの指定を受けている愛育病院(東京都港区)が指定返上を都に打診した問題で、中林正雄病院長が26日、記者会見し、「人を増やして過重労働をなくすような対策のロードマップ(道筋)を行政がつくってほしい」と訴えた。

 愛育病院は夜間、常勤医と非常勤医の2人体制で対応している。だが、勤務実態の改善を求めた三田労働基準監督署の是正勧告に基づく対応を取ると、常勤医が足らないケースが生じる。同病院には救命救急センターもなく、総合周産期母子医療センターの継続は難しいと判断した。同病院は、都や都周産期医療協議会の回答を待って、今後の対応を検討するという。

 中林院長は「産婦人科医療が赤字の中、国の援助がないと病院も産科医の待遇を改善できないし、過酷な条件では産科医も集まらない。悪条件が改善されないのに、労働基準法だけを守れと言うのは現実的でない」と説明した。【河内敏康】

なかなか優雅な戦術のようですね、さすがは愛育病院。
 法律を守れ、というのなら守りますが、そうなると出来なくなることが出てきますよ
という記者会見だ。さて、
 夜勤を「宿直」と強弁し、適切な残業代をこれまで散々踏み倒した上、医師や医療スタッフを疲弊させてきた都
は、どう対応するのかな〜。
 法律違反を都が容認
するようだと、これは
 東京都 vs.  厚労省の全面戦争
になるのかな〜。労基法は守らなくてもいいってのが、どうやら
 都の考え
のようですな。都知事もたぶん
 医師や医療スタッフは労基法なんて守らなくてイイ、死ぬまで働け、都民に奉仕しろ
とか言いそうだもんな。もしそんなことを言い出したら、これはこれですごい見物。

さらに続き。(3/27 1:30)
風の噂では
 シンタローが今回はびびっている
とか。ほお?
業界の一部では
 今週「面白いことが起きる」
という噂があったそうなんだけど、それが
 愛育病院と日赤医療センターなどへの労基の是正勧告
だったとしたら、結構早期に労基の動きが外に知られていたってことになりますね。外に知られていたというのは、意図的にリークしているんだろうなあ。

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コメント

>当直中の睡眠時間などは時間外勤務に入れる必要はないはず。

これは嘘ではありません。労働基準法に従った”宿直”であれば、その通りです。
問題は労働基準法41条3号に定める”宿直”かどうかですが、宿直許可の有無に関わらず実態調査で宿直に相当しないとなれば、賃金の支払い、許可の取り消しになります。
ましてや、宿直許可がない駒込病院、麻酔医だけの宿直許可しかない墨東病院、一般内科医の宿直許可条件が6ヶ月に1回であり、他の医師の許可書は昭和23年に遡る松沢病院など、都立病院の宿直に関してのコンプライアンスの無さは、宿直許可という公文書を実態の違法性を知りながら行使している公正証書原本不実記載、同行使に相当し、労働基準法37条に基づく賃金支払いを免れていたのは詐欺罪に相当し、当直中の残業時間を労働時間に算入せずに労働基準法32条を免れようとしていたことは、有印私文書偽造に相当する組織犯罪だと考えています。

都立病院は2002年の東京ER制度発足以降も労働条件の改善についての真摯な努力をした形跡はなく、それでなくとも”法律の錯誤”は援用できないので、逃げも隠れもできないと考えます。
都立病院は地方公営企業法の一部適用法人なので、その責任は全て都知事にあります。
責任を取ってもらいます。

投稿: Med_Law | 2009-03-26 20:12

>愛育の先生方に死亡フラグが立った

いや別に。

愛育病院が総合周産期センターでなくなっても、別に困ることなんか一つもないでしょう。
患者さんは引きも切らずに予約枠を争奪戦し、かかりつけの妊婦さんのお産を取っているだけで
おなかいっぱいのはずです。

客筋の悪そうな周産期救急などない方が労働環境はぐっとマシになるはず。

投稿: ssd | 2009-03-27 08:21

一方、東京都の管理職は、「議会対応に備えて」というやむを得ない理由で
ヒルトン東京に公費で宿泊できるようです。

http://www.kansa.metro.tokyo.jp/PDF/08jumin/14jumin/14jumin10.PDF

投稿: hokenshi | 2009-03-28 00:40

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