記者クラブ制度の腐臭 漆間発言のこれから 「麻生総理が庇うと失脚する」の法則は今回どうなるか?
昨日、
漆間巌内閣官房副長官の記者会見
は当然ながら
内閣記者会
を前に行われた。つまり
オフ懇の相手
を前に
記憶にない
とか「釈明」してたわけで、内閣記者会の質問が辛辣になったのは、そのせいだ。
朝日はとことん突っ込むつもりのようで、昨日の記者会見詳報をasahi.comに載せている。
肝心の部分。
漆間氏「記憶では、言ってない」〈記者会見やりとり〉2009年3月9日19時45分
漆間巌官房副長官が9日、自らのオフレコ発言について首相官邸で行った記者会見のやりとりは以下の通り(質問は一部要約しています)。
——今日の国会答弁で、漆間官房副長官は「特定の政党、特定の政党の議員について、検察の捜査が及ぶか及ばないか、それについて申し上げた記憶はない」と発言されました。この発言の趣旨ですが、自民党と、特定の政党に言及して発言はしていないということでしょうか。
「これもまさに記憶を再現したわけでありまして、私の記憶と、それから同席していた3人の秘書官の記憶とつきあわせた結果、そういう発言は私はしたことがないという、そういう記憶になったので、そういう風にお答えしているわけです」
——ご自身の記憶では言ったつもりはないけれども、言ったか、言わなかったかは、断言できないという意味でしょうか。
「それは私自身は、あの、本当に記憶が正しいかどうか、私、メモ取っているわけではありませんし、それからもちろん、当然、録音とかしているわけではありませんから、だから、私は私だけの記憶じゃなくて、同席していたものの記憶もあわせて、どういう風に話したかということを言えば、そうなる話でありまして、もし私の記憶に誤りがあれば、それは違うのかも知れません。ただし、それは他の秘書官とも、そこの部分は一致しておる部分でありましたので、それをお話ししたと。それはあとは、まさにそれを聞いた皆様方が、どう受け止められたかというご範疇(はんちゅう)の問題になるのではないかということであります」
——当日の懇談には私も参加しておりましたが、私がその場で官房副長官に「この捜査が自民党に及ぶようなことは、あるいは閣内に及ぶようなことはないでしょうか」という風に質問したと記憶してます。それに対して、官房副長官、どのようにお答えになったか、記憶にある範囲で、もう一度再現していただけないでしょうか。
「私は確かに、ご質問を受けたってのは覚えておるんです。そのときに、ご質問の中に、請求書があった場合にはどうなるんですか、という風に私は受け止めたんで、従って請求書があるというのは一つの傍証にはなるとは思いますけど、それだけで立件することは不可能ではないでしょうかという趣旨の、私は発言をしたと記憶していますけれども」
——それは多分、後段の他社さんの記者から重ねてあった質問だと思うのですが、冒頭部分で私が今申し上げているような質問をしたと思うのですが。
「冒頭部分であったか、そのかなり前のところで質問があったというのは記憶があります」
——その時に、請求書うんぬんという話ではなくて、自民党に及ぶことはあるかないかという質問だったと思いますが。
「それは、私は全然そういう問いがあったという記憶がないんです。私は請求書という話があったという風に記憶してますんで、請求書がある場合にはどうなるんですかという質問だと思って、私はそれを、先ほどお答えしたような言い方で申し上げたという記憶なんですが」
——私が冒頭、質問をしたということはご記憶にあるということなんですが、私はその請求書の部分というのは、その段階では要因としてあげていないと思うんですが。
「ああ、そうですか。それはどんな質問をなされたんですか」
——私が今申し上げた通り、もうちょっと詳しく言うと、山口首相補佐官なんかから報告を受けられましたかとお尋ね申し上げて……。
「それは私は受けてます、はい、はい」
——その後、しばらくのやりとりの中で、自民党、もしくは閣内に及ぶことはないかという質問をしたと記憶しています。
「ああ、そうなんですか。それは残念ながら、そこのところの記憶はまったくございません」
(以下略)
てか、まどろっこしい質問を繰り返す内閣記者会に、
お前ら、ちゃんと聞いてたくせに、それは何だよ
と突っ込みながら見ていた。片腹痛いぜ。何がジャーナリズムだ。
で、
漆間巌内閣官房副長官も3人の補佐官も「記憶にない」
というのは
政府の中枢にいる、重要な任務についている人間とその補佐官の4人が同時にたった4日前の話も記憶できないほどの「重度の記憶障害に見舞われた」
ということで、普通は
ウソにきまってんじゃん
という話になる。ま
オフ懇
なんて、アホな慣習を守株する記者クラブ制度に問題があるのは明らかだ。
共同がこれまでの発言の経緯を簡単に纏めている。
漆間巌・官房副長官の発言要旨(1.5日の“オフレコ”懇談 2.9日の予算委 3.9日の記者会見)
3. 9日の参院予算委と記者会見の要旨漆間巌官房副長官の9日の記者会見や参院予算委員会での発言要旨は次の通り。
私の記憶では懇談で(1)検察の捜査にコメントできる立場にないが、一般論として自らの経験に照らし、この種の事件は違法性の立証がいかに難しいか(2)金額の多寡は違法性の認識を立証する上で大きな要素(3)検察は本人が否認しても起訴できるだけの証拠を持っているだろう-と発言した。
特定の政党や議員について捜査が及ぶ、及ばないと言った記憶はない。一般論として(献金の)請求書があっても傍証の一つにはなるが、立件するのは難しいとは話した。検察の中立性や公平性を否定する発言はしていない。私と私の秘書官の記憶を突き合わせたが、そういう発言はしたことがないという記憶になった。
私の記憶と(記者の)みなさんの記憶に基づいてつくられた記事に食い違いがあり、どちらが正しいと申し上げるつもりはない。認識の問題だ。
(自らの進退について)任命権者が辞めろというならそれに従う。
警察庁長官時代は別だが、官房副長官になって検察当局の人と接触したことは全くない。今回の件について捜査情報を持っていたことは全くない。
基本的に私の真意が伝わらない形で報道された。一般論としても捜査について話すのは大変誤解を与える。ご迷惑を掛けたことをおわび申し上げたい。
2009/03/09 19:25 【共同通信】
2. 予算委での発言要旨 「特定の政党名話さず」(3月9日午前)西松建設の巨額献金事件をめぐる9日の参院予算委員会での漆間巌官房副長官の釈明要旨は次の通り。
5日のオフレコ懇談で3点を申し上げた。1点目は検察側の捜査にコメントする立場にないが、一般論として違法性の認識の立証は難しい。2点目として金額の多寡は、違法性の認識を立証する上で大きな要素となる。請求書は傍証の一つだが、それだけで立件できるかは疑問。3点目は、検察は本人が否認しても起訴に持ち込める証拠を持っているだろうと申し上げた。
特定の政治家への捜査の帰趨、検察の中立性や公平性を否定する発言はしていない。特定の政党や議員について捜査が及ぶかどうか述べた記憶はない。
「政府高官が自民党に捜査が及ばないと発言した」との記事に驚いた。発言を記者がどのように理解したかは分からない。真意が伝わらない形で報道された。多くの方にご迷惑をかけて誠に申し訳ない。官房副長官に就任してから検察側と接触したことはない。今回の件について捜査の情報を持っていたことは全くない。新聞報道で知った。
2009/03/09 11:46 【共同通信】
1. 5日の“オフレコ”懇談の要旨 「波及する可能性ない」西松建設の巨額献金事件をめぐる5日の漆間巌官房副長官の発言は次の通り。
自民党議員に事件が波及する可能性はないと思う。あの金額で違法性の認識を出すのは難しい。請求書でもあれば傍証の一つになるが、それだけで立件はないと思う。よほど証明できるものがないといけない。民主党の小沢一郎代表の件は、検察がもっと有力な証拠があるから立件できると踏んだのだと思う。
2009/03/09 10:09 【共同通信】
昨夜、家人が
今回も太郎ちゃんが漆間くんをかばっているから、ダメなんじゃないの?
と言っていたが、確かに
何かしでかした政府関係者を麻生総理が庇うと、なぜか失脚する
という法則があるみたいなので、今回の漆間巌内閣官房副長官の行く末もどうなることか、見守っていきたい。
読売の報道では、閣僚からも批判が出ているとか。
漆間氏の“波及せず”発言、閣僚からも批判相次ぐ漆間(うるま)官房副長官が記者懇談で、西松建設の違法献金事件に関し、「自民党に波及しない」などの見通しを示し、その後の国会審議で発言を否定した問題を巡って、10日午前の閣議後の記者会見では漆間氏の対応を批判する声が出た。
鳩山総務相は「今の時代、国策捜査はあり得ず、他党に(捜査が)及ぶとか及ばないなんてことが分かるはずがない。分かるはずがないことは言わない方がいい。あらぬ誤解を招く。強い怒りを感じた」と述べた。甘利行政改革相も、「漆間氏は官邸の事務の最高責任者であり、警察庁長官だった。この2点から、単なる観測発言があたかも検察情報と接しているかのような誤解と疑心暗鬼を与えた。極めて不適切な発言だった」と語った。
(2009年3月10日11時23分 読売新聞)
鳩山(弟)と甘利くんという辺りだと、インパクトがイマイチだけどな。
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