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2009-03-21

台北駅前の書店街を行く

海外に書籍の調査に出ると、夜は疲労困憊していて、なかなか本屋巡りもできない。

今回は台北駅前に宿泊しているので、歩いて15分くらいのところにある
 重慶南路の書店街
を、短い時間見てきた。

台湾書というと、まず思い起こすのが
 商務印書館
だろう。
行ってみると、店の品揃えはたいしたことはない。というか、たぶんネット書店の方に力を入れてるんだろうな。
2階に、
 半額本コーナー
がある。他の出版社の本なども置いてあるし
 大陸の簡体字本
を半額で置いてあった。上海人民出版社の
 専題史系列叢書
でめぼしいものを選び、あとは『楊寛古史論文選集』も入れた。商務印書館では、
 人民元=台湾ドル×5
くらいの値付けで、ほぼ大陸の値段と変わらないわけだけど、それの半額。
『国学基本叢書』なんかの端本も半額で、一番上の棚に並んでいた。残念ながら、あの薄い本の背見出しはなかなか見えなかった。

次は、ネットでお世話になっている
 三民書店
で、ここは何を買っても割引してくれる。レシートには
 いくら割り引きました
というのが、書かれていて、トクした気分になるシステム。その上、
 一回999元、一ヶ月1500元以上買うとVIP会員
になれる。中医書を買ったら余裕で越えたので、カードを作ってもらった。
いろんな出版社の本が置いてあるので、探すのは楽しいかも。
参考までに、買ったのはこんなの。
 華陀中蔵経・素問霊枢類簒約註合刊(道蔵精華第六集)【リプリント】
 古本十四経発揮・秘本十四経脈穴歌(道蔵精華第六集)【リプリント】
 儒門事親【リプリント】
 中国医古籍詞義 明文書局
 陳明 敦煌出土胡語医典《耆婆書》研究(香港敦煌吐魯蕃研究中心叢刊) 新文豊出版
 呉恵平 鍼灸銅人図譜 国立中国医薬研究所(1983年再刊本)
 中医学文献精華 香港商務印書館
 洪藝芳 敦煌社会経済文献中之量詞研究 文津出版
 簡正体字対照手冊修訂版
古典3冊は、めくって見る用。オンラインでテクストを拾えたりするけど、何かあったときは、手元でめくる方が便利。さすがに『道蔵』を買う余裕がないので、リプリントでしばらく凌ぐ予定。『中医学文献精華』はインデックス代わりに使える。『簡正体字対照手冊修訂版』は、
 台湾の人たちが、大陸の簡体字に悩む様子
がよくわかるハンドブック。80元。この値段で
 簡体字・繁体字・注音字母・ピンイン
が一目瞭然なのはお買い得。注音字母が不得意な北京語話者にも利用可能。
大陸からの観光客は
 陸客
と呼ばれていて、ニュースで取り上げられている。

この中での変わったものは、
 国立中国医薬研究所
の本かも。
サイトはこちら。
 國立中國醫藥研究所
今回は行けなかったけど、標本館があって
 館長は日本で勉強された李宜融博士
だ。振り袖姿の館長の写真というのも珍しい。

『鍼灸銅人図譜』は、宋・天聖年間に作られた銅人に基づいている。

以上で、だいたい1時間半くらいの探書。

ところで、駅中(台湾でも"EKINAKA"という)の書店などにも置いてあるんだけど
 漫画黄帝内経
なんて一般書がある。めくってみたけど、漫画としての出来が今一だった。今回はパス。

おまけ。台湾の書店について。中央研究院に留学されていた佐野誠子さん作成の地図とリストはこちら。
 台湾:書店ガイド

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コメント

漫画黄帝内経は、御覧になったものの翻訳版と思われる物が「医道の日本社」から出ています。
来月は、医道の日本社ショールームのセールがありますので、新宿のショールームまで足を運ばれれば、2割引で購入できます。
私も読んだことがありますが、おっしゃるとおり絵が取っつきにくく、いまひとつな出来と思いました。
昨今のブームに合わせて「萌える黄帝内経」なんて売り出せば、一般の大きいお友達にも受けるのではなかろうかと思うのですが。
(男の身としては「萌える医心方-房内偏」を希望)

投稿: みもり | 2009-03-22 10:57

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