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2009-03-23

王瑞珍茶行@台北市迪化街そば ホンモノの「台湾茶」とは

台湾在住の友人は元研究者で、専門の一つが茶史だった。当然、お茶には詳しいし、うるさい。

常用している漢方薬や生薬を求めて、迪化街へ友人が連れて行ってくれた。
台北ナビ 迪化街マップ
ここでは、漢方薬や生薬以外に、カラスミやお茶も買える。

ただ、迪化街のお茶屋は、本当の問屋で、試飲できない。
試飲できないお茶は買わないので、次に友人が連れて行ってくれたのが、迪化街をセブンイレブンの角から入った
台北ナビ 王瑞珍茶行
というお茶屋だった。
店内の様子。
Cz1
奥でお茶を淹れてくれる。手前には茶缶の並ぶ棚がある。工芸茶は扱わない。

友人が
 台湾のお茶を買うなら、文山包種茶が普段用にいいよ
というのだが、これまで文山包種茶のおいしいのに当たったことがない。
王瑞珍茶行では、試飲させてくれるので、
 文山包種茶と高山烏龍茶
をまずお願いした。お茶を入れて貰いながら、ご主人とおしゃべりする。
Cz2
ここの文山包種茶は、友人の言うとおり、おいしいもので、これまでの印象が変わった。
高山茶は
 手工採(手摘み)
だそうで、汚れがない、綺麗なお茶で、何煎でも入る。友人は
 1日保つ
という。出がらしになったら、ペットボトルに淹れて、水代わりに飲むとか。文山包種茶は、普段のお茶だから機械摘みで、こちらはすこし茶葉以外の茎とか細い枝の滓とかが入り込んでいる。その代わり値段はうんと廉い。

ここは
 うちのお茶は台湾で取れたもので、混ぜものはしてない
とのことで、高山茶のようなよいお茶だと、甘く、のどごしがよく、何煎でも行ける。茶葉が拡がるにつれて、味や香りが変わっていくのを確かめさせてくれた。
ご主人がいうには
 日本人は、ホンモノの台湾茶を知らず、ダマされて大陸の茶葉をまぜた「偽高山茶」を高い値段で買わされている
そうだ。
 台湾茶は甘い。ニセモノかホンモノかを見分けるためには、沸騰した熱湯で淹れて、苦みが出ないのがホンモノ
なのだが、
 日本のお茶はお湯を冷まして淹れるので、同じように偽高山茶を淹れると、苦みが出ない
んだって。なおかつ
 偽台湾茶は、一煎目の色と香りがよくなるように添加物が入っている
そうだ。
 ホンモノの台湾茶なら、二煎目も香りは続くけど、偽高山茶は二煎以降は色も味もダメになる
のが、見分けるポイントの一つ。かつ
 日本のお茶は苦いから、「お茶は苦い」と思い込んで、偽台湾茶の苦みを見過ごしている
のが、日本人の欠点だという。なるほどね。
観光ガイドが曲者で
 お客さんをつれていくから、と多額のコミッションを要求してくる
のだそうだ。この王瑞珍茶行は、値段が良心的なので
 とてもじゃないけど、コミッションなんか払えない
とご主人は仰る。1回1000元寄越せ、とか言ってくるんだって。ツアーでガイドが連れて行くお茶屋からは、ガイドにこのような形でコミッションが支払われている。つまり
 お茶の値段を誤魔化して、コミッション代を上乗せしている
ってことだ。お茶の値段を誤魔化すと言うことは
 本当は廉いお茶を高く売る
ということになるわけで
 お茶の等級を誤魔化す
ところから始まって、
 大陸の茶葉を混ぜたり、添加物を入れた「偽台湾茶」
が、高価な値段で日本人相手に売られることになるって寸法。日本人は
 高ければ、いいお茶だ
と信じているところがあるから、余計につけ込まれやすい。
これは大陸のツアーでも同じ。
ツアーガイドが、良心的なお茶屋を潰している一面があって、これは、大陸の話だけど、北京大学周辺の知識人相手のお茶屋はいまは殆ど絶滅している、とかいう話。良心的で、いいお茶屋が何軒かあったのになあ。最近北京に行った友人は、お茶屋の絶滅具合に心を痛めていた。

ご主人に
 雲南で陳年普洱[シ耳]茶を買った
話をしたら、ご主人も15年くらい前に買い付けに行ったそうで、
 磚茶(陳年普洱[シ耳]茶の一種で、煉瓦状にお茶を固めたもの)
を試飲させてくれた。お、この味なら、うちの陳年普洱[シ耳]茶も悪くないお茶だったんじゃん。普洱[シ耳]茶の産地思茅から、高校を卒業したばかりの小姐たちが働きに来ていた茶荘で、ホテルの前にたくさんあった茶荘の一つだった。毎日夕方、大学や公立図書館での書籍調査から帰ってくると、その茶荘に行って、いろんなお茶を試飲させて貰いながら、おしゃべりをした。といっても、「雲南普通話」は「國語」並の難物で、入声が所々に残っているから、半分も話が分かっていたわけではない。
 その当時(1999年)でいくらした?
と聞かれたので、
 400元(人民元)だったかなあ
と返事をしたら
 そのお茶はいまはもっと値打ちがあるよ。たぶん何倍もの値段で取引される
とのこと。
 しかも、最近はホンモノの陳年普洱[シ耳]茶は手に入らない
と嘆いていた。五輪前に
 陳年普洱[シ耳]茶バブル
があって、大量のニセ陳年普洱[シ耳]茶が作られたのは周知の通りだ。
 2005-07-29 下水で作る「プーアル茶」 陳年プーアル茶には注意を
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2005/07/post_fdfd.html
 
あと1カ月ほどで春茶のシーズンになる。春茶を買いに来られる台湾在住の友人は高山茶は買わず、いとこ向けに茶王鉄観音を買っていた。大陸在住のいとこに、一度台湾茶を送ったら、品質と味の違いに驚いたいとこの奥さんが
 もう絶対大陸でお茶は買って来ちゃダメ
といとこに言ったとかで、時々、台湾でお茶を買っては、送ってあげているのだとか。

お茶は混ぜ物をしようと思えば、いくらでも出来るから、一度誤魔化しが拡がると、後は一気呵成に進む。
日本ではお茶は不祝儀で使われるけど、中国では、お茶は、
 挨拶代わりのお土産
に利用する。とりわけ、知識人はお茶について知っている、という前提があるので、お土産がどんなお茶かで、人柄や趣味が表れる。大陸からいらっしゃる研究者は、個人的な挨拶で下さる場合は、大抵
 産地で買った
など、いいお茶をわざわざ探してきて、下さることが多いが、それには、中国でのお茶の品質低下や誤魔化しが普通になってしまった状況が関係しているのだろうな。
 自分でも飲んだけど、美味しいお茶だよ
と、下さったりする。

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