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2009-04-25

「マスコミたらい回し」とは?(その139)毎日社説の「産科医訴訟」とは毎日新聞奈良支局のある奈良県立奈良病院の話 奈良支局の報道が一連のメディアスクラムを生み、大淀病院の産科を閉鎖に追い込んだ毎日新聞のお笑い社説「産科医訴訟判決 医療崩壊への警鐘だ」

これは唖然。
というか
 報道機関としての矜持はない
ってことだな、毎日新聞。
全世界の日本の産科医療崩壊ウォッチャーの皆様(というか拙blogにはアメリカを始め、海外の大学など研究機関からも、アクセスを頂いている)、本日の
 毎日新聞社説は永久保存
して下さいね。


社説:産科医訴訟判決 医療崩壊への警鐘だ

 医療が崩壊するか、医療従事者がつぶれるか。これが今、多くの医療現場で起きている厳しい現実だ。公立病院など多くの医療機関が赤字経営になっている一方、勤務医の過重労働と医師不足が深刻化している。

 そうした中、奈良地裁が産科医の夜間や土曜休日の宿日直勤務について労働基準法上の時間外労働に当たるとの判断を示し、奈良県に割増賃金の支払いを命じた。この判決は勤務医の処遇のあり方に警鐘を鳴らしただけにとどまらず、医療費削減の流れの中で起きている医療崩壊への対応について、国民に問題を提起したものと受け止めるべきだ。

 厚生労働省が07年に病院や診療所1852件の立ち入り調査を行ったところ、8割に労基法違反があり、改善指導した。違反事例では労働時間関係が5割弱、割増賃金が3割強だった。厚労省は割増賃金の支払いに加え、「宿直は週1回、日直は月1回が限度」と指導しているが、多くの医療機関では労務管理が不十分な所が多く、徹底がなされていない。判決は労基法違反の改善を医療機関に迫ったものだ。

 とはいえ、全体の4分の3の公立病院が赤字となっており、これを支える自治体の財政も逼迫(ひっぱく)している。医師に対して労基法に基づいた超過勤務手当を支払った途端に、経営が成りたたなくなって病院閉鎖という事態になることも避けなければならない。労基法違反がない病院運営を目指すべきだが、これは段階的に改善するのが現実的な道だろう。

 当面の改善策と中長期の課題に分けて考えてみたい。当面の課題は違法状態をどう解消するかだ。現在、当直中に医療行為を行った場合には、宿直手当に加え割増賃金を支払うことになっている。まずは、これを医師の宿日直勤務に確実に適用させる指導を徹底することだ。

 今年度予算で、救急勤務医支援事業として過酷な夜間、休日の救急を担う勤務医への手当に対して財政支援(20億円)を行う仕組みが新設された。こうした財政支援の枠をさらに広げることも重要だ。

 中長期の課題は、医療崩壊の背景にある医師不足の解消だ。医師を増やして夜間の交代勤務制を導入することで医師の負担軽減を図るべきだ。特に産科医の不足は社会問題となっている。結婚や育児などで仕事をしていない女性の産科医が働きやすい環境を整備し、短時間勤務などによって職場に復帰できる制度を急いで整備してもらいたい。

 診療報酬の見直しも大きな課題だ。病院勤務医の報酬を手厚くして過酷な勤務に見合う賃金にし、労働環境を改善することが医療崩壊を防ぐことにもつながる。

え〜と、エラそうな上から目線でモノを言うよりも、何よりも先に
 まず「医療破壊報道」を止め、これまでの「医療破壊報道」とりわけ「大淀病院産婦死亡事例の第一報」についての謝罪と訂正を行う
のが、
 毎日新聞が医療崩壊に対して最初にすべきこと
ではないのか。

毎日新聞奈良支局が、大淀病院産科を閉鎖に追い込むことになった
 大淀病院産婦死亡事例の記念すべき第一報
を再掲しておく。その後、奈良県南部の産科事情は改善するどころか、奈良県北部だけでなく、近隣の自治体にも
 産科ドミノ倒し
の影響は及び、三重県の一部を含む関西圈の産科崩壊は、2006年10月当時より一段と進んだことを書き添えておく。

分べん中意識不明:18病院が受け入れ拒否…出産…死亡

「お母さんが分かるのか、仏壇の前だと不思議に泣き止むんです」。父晋輔さん(左)に抱かれる長男の奏太ちゃん=青木絵美写す
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/images/20061017k0000m040171000p_size6.jpg(現在リンク切れ)

 奈良県大淀町立大淀病院で今年8月、分べん中に意識不明に陥った妊婦に対し、受け入れを打診された18病院が拒否し、妊婦は6時間後にようやく約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に収容されたことが分かった。脳内出血と帝王切開の手術をほぼ同時に受け男児を出産したが、妊婦は約1週間後に死亡した。遺族は「意識不明になってから長時間放置され、死亡につながった」と態勢の不備や病院の対応を批判。大淀病院側は「できるだけのことはやった」としている。
 妊婦は同県五条市に住んでいた高崎実香さん(32)。遺族や病院関係者によると、出産予定日を過ぎた妊娠41週の8月7日午前、大淀病院に入院した。8日午前0時ごろ、頭痛を訴えて約15分後に意識不明に陥った。
 産科担当医は急変から約1時間45分後、同県内で危険度の高い母子の治療や搬送先を照会する拠点の同県立医科大学付属病院(橿原市)に受け入れを打診したが、同病院は「母体治療のベッド満床」と断った。
 その後、同病院産科当直医が午前2時半ごろ、もう一つの拠点施設である県立奈良病院(奈良市)に受け入れを要請。しかし奈良病院も新生児の集中治療病床の満床を理由に、応じなかった。
 医大病院は、当直医4人のうち2人が通常勤務をしながら大阪府を中心に電話で搬送先を探したがなかなか決まらず、午前4時半ごろになって19カ所目の国立循環器病センターに決まったという。高崎さんは約1時間かけて救急車で運ばれ、同センターに午前6時ごろ到着。同センターで脳内出血と診断され、緊急手術と帝王切開を実施、男児を出産した。高崎さんは同月16日に死亡した。
 大淀病院はこれまでに2度、高崎さんの遺族に状況を説明した。それによると、産科担当医は入院後に陣痛促進剤を投与。容体急変の後、妊娠中毒症の妊婦が分べん中にけいれんを起こす「子癇(しかん)発作」と判断し、けいれんを和らげる薬を投与した。この日当直の内科医が脳に異状が起きた疑いを指摘し、CT(コンピューター断層撮影)の必要性を主張したが、産科医は受け入れなかったという。
 緊急治療が必要な母子について、厚生労働省は来年度中に都道府県単位で総合周産期母子医療センターを指定するよう通知したが、奈良など8県が未整備で、母体の県外搬送が常態化している。
 大淀病院の原育史院長は「脳内出血の疑いも検討したが、もし出血が判明してもうちでは対応しようがなく、診断と治療を対応可能な病院に依頼して、受け入れ連絡を待っていた」と話した。
 一方、高崎さんの遺族は「大淀病院は、総合病院として脳外科を備えながら専門医に連絡すら取っていない。適切な処置ができていれば助かったはずだ」と話している。【林由紀子、青木絵美】
毎日新聞 2006年10月17日 3時00分

上記記事の
 内科医がCT撮影を進言した件は誤報
であることが判明している。

で、そのことを
 こっそり直した青木絵美記者の記事
が以下だ。


2006年10月26日(木曜日)

「次の実香さん」出さぬように=青木絵美(奈良支局)

 ◇「人と予算」伴った対策を——医師だけを問責するな
 奈良県大淀町立大淀病院で今年8月8日、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった高崎実香さん(32)が、19病院から搬送を断られた後、大阪府吹田市の国立循環器病センターで男児を出産し、8日後に亡くなった。私は取材を通じ、出産前後の医療システムについて考えさせられた。「財政難」を理由にその整備を怠ってきた奈良県と、深刻な医師不足で激務を強いられている医療現場双方が、「次の実香さん」を出さないよう、今こそ「人と予算」の伴った対策をとるべきだと言いたい。
 取材は8月中旬、高崎さん一家の所在も分からない中で始まった。産科担当医は取材拒否。容体の変化などを大淀病院事務局長に尋ねても、「医師から聞いていない。確認できない」。満床を理由に受け入れを断った県立医科大学付属病院(同県橿原市)も個人情報を盾に「一切答えられない」の一点張りだった。
 搬送先探しが難航した背景は根深い。取材を進めると、緊急かつ危険な妊婦を処置できる「総合周産期母子医療センター」は8県(秋田、山形、岐阜、奈良、佐賀、宮崎、長崎、鹿児島)で未整備だった。危険な母体を大阪府などに送る奈良の県外依存は、ここ数年3??4人に1人の割合で推移する。県医務課の釈明は、「看護師不足や財政難がある」。ただ、新生児集中治療室(NICU)が40床あることを挙げ「この病床数は大都市を除いて多い」と、整備を急ぐ構えは感じられなかった。
 「だったら、なぜ妊婦は県外に送られたのか」「遺族はこの現実をどう思うか」。実香さんの遺族にたどり着けたのは10月だった。義父の憲治さん(52)は当初、「実香ちゃんの死を汚す結果にはしたくない」と、取材への不安を口にした。「県内の実態を改善させるよう継続的に取材する」と伝えると、憲治さんの話は5時間以上に及んだ。
 実香さんは頭痛を訴えた直後に意識不明に陥った。家族は脳の異状を疑い「CT(コンピューター断層撮影)を」と主治医にすがったが、分娩中にけいれんを起こす子癇(しかん)の判断は変わらず、搬送先探しが優先された。結局、死因は脳内出血。「担当の先生は、息子(実香さんの夫)も取り上げてくれた。『親子でお世話になれるな』と喜んでいた。病院の説明があったとき、事務局長に『誰のために働いてる』と聞いたら『町、病院のため』と答えたよ」。憲治さんの言葉には、信頼する医師の下で起きた事態へのやりきれなさがあふれていた。
 その取材から3日後、実香さんの実父母、夫の晋輔さん(24)にも話を聞いた。「脳内出血の処置を受けているのに、母乳がたまっているのか胸が張ってね……」。意識のない中、実香さんは母であろうとしたのだ。その後、遺影の実香さんと、生後2カ月で愛くるしい笑顔の長男奏太(そうた)ちゃんに対面した。一家は考えた末、取材が殺到するのを「覚悟してます」と、実名と写真の掲載に同意した。
 報道以降、多数のファクスやメールが届いている。「医師の能力不足が事態を招いた印象を与え、一方的だ。医療現場の荒廃を助長する」という医師の声も少なくない。だが、記事化が必要だと思った一番の理由は、医師個人を問題にするのではなく、緊急かつ高度な治療が可能な病院に搬送するシステムが機能しない現状を、行政も医師も、そして私たちも直視すべきだと思ったからだ。居住地域によって、助かる命と失われる命があってはならない。
 NICUに9床を持つ県立奈良病院(奈良市)では、緊急処置の必要な妊婦受け入れに対応できるよう、正常分娩の妊婦を開業医に移す自助努力を重ねてきた。また、今回の問題を受け、県医師会の産婦人科医会も母体を産科以外で受け入れるなどの対策を打ち出した。医師の研修制度改正や産科医不足から、県内でも過去2年間で3病院が分娩を取りやめるなど影響は深刻だが、可能な限り、知恵を絞らねばならないと思う。
 一方、県は医師会の対策をなぞるように、県内の民間2病院へ搬送受け入れを要請。だが、これは本来のセンター整備の遅れを補うに過ぎない。現時点で県は、人員確保を含めた体制作りを09年度中としているが、前倒しすることも検討すべきだろう。
 初めて大淀病院に行った時、私は待合室で2カ月先まで分娩の予約が埋まっているとの張り紙を見た。「地域の妊婦がこの病院と医師を信じ、通っている」。憲治さんは「やがては実香ちゃんの死に意味があったと思いたい」と訴えた。失われた実香さんの命を見つめ、医療従事者、行政は同じ過ちを繰り返してはならない。

いつの間にか
 内科医の進言→家族の要請
にすり替わっている。
この件については、三上藤花さんの「日々のたわごと・医療問題資料館」で、現在進行中の「大淀病院産婦死亡事例」民事裁判の証言として調査された分に、当夜の産科医と内科医の先生の会話が記録されている。


2008.12.31 Wednesday author : 三上藤花 大淀病院母体死亡「事故」裁判 資料閲覧(12/22)〜2. 気になる点をご報告

(略)

乙A-9:陳述書(大淀病院産科婦人科病棟(当時)・Iw看護師)
 時間経過について (これらは看護師詰め所の電話の記録による)
 午前1時49分 T医師(内科当直医)コール
 午前2時頃 N氏らが病院に来院。このころにE師長に電話し応援を仰ぐ。
 午前3時52分 救急車用に病院の門を開けてもらうべく、警備に電話をする。
 午前4時24分 外来に電話。これは挿管道具を取りに行くために外来をあけてもらう目的だった。このときにM師長(病院に当直していた師長。産科・婦人科病棟の師長とは別人)に電話をする。
 
 午前0時14分から40分頃にかけて、診察あり。最終的に単なる失神と内科医が言い、陣痛室を出て詰め所に戻る途上で産科医が「頭の中は大丈夫でしょうかね?」と問うた。このときの内科医の返答は「麻痺もありませんし、CTを今撮るのも」だった
(以下略)

というわけで、
 第一報は明らかな誤報を含む
上に、この記事が発端となって
 CTさえ取っていれば助かった
という、医学的な誤認がメディアスクラムによって一気に国内で拡がり、
 メディアによる大淀病院の産科のバッシングが長期間続く
結果をもたらした。そして、そのバッシングは、翌年の
 大淀病院の産科閉鎖
を招き、同時に奈良県南部の産科消滅に至った。

現在、奈良県南部にフリーアクセスの公立病院の産科は存在しない。大淀病院産科は
 最後の砦
だったのである。

なお、この一連の報道により
 毎日新聞奈良支局と大阪本社医療問題取材班は「新聞労連第11回ジャーナリスト大賞特別賞」と「第14回坂田記念ジャーナリズム賞 スクープ・企画部門 新聞の部」の二つの賞を受賞
している。
 2007-01-12「マスコミたらい回し」とは (その37) 情動失禁 新聞労連、医師とこれから「お産難民」になる妊産婦、出産予備軍を敵に回す
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/01/39_9ef9.html
 2007-03-20「大淀病院産婦死亡事例」報道などにより毎日新聞大阪本社医療問題取材班が毎日元社長を記念した財団法人から第14回坂田記念ジャーナリズム賞受賞@3/15
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/03/14315_8252.html

大淀病院産婦死亡事例の第一報を書いた青木絵美・林由紀子の両女性記者は、いずれも奈良支局を離れ、現在、青木記者は大阪支社、林記者は大阪社会部所属である。

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コメント

朝日新聞の記事もひどいですよ。“拒否"と“放置"ですから・・・

奈良の妊婦が死亡 18病院が転送拒否、6時間“放置”
朝日新聞 2006年10月17日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200610170022.html 
奈良県大淀町の町立大淀病院で今年8月、出産中の妊婦が意識不明の重体に陥り、受け入れ先の病院を探したが、同県立医大付属病院(同県橿原市)など18病院に「ベッドが満床」などと拒否されていたことがわかった。妊婦は約6時間後に約60キロ離れた大阪府吹田市の国立循環器病センターに搬送され、男児を出産したが、脳内出血のため8日後に死亡した。

妊婦は、奈良県五條市に住んでいた高崎実香さん(32)。大淀病院によると、出産予定日の約1週間後の8月7日に入院した。主治医は高崎さんに分娩(ぶんべん)誘発剤を投与。高崎さんは8日午前0時ごろ頭痛を訴え、約15分後に意識を失った。主治医は分娩中にけいれんを起こす「子癇(しかん)」発作と判断、けいれんを和らげる薬を投与する一方、同日午前1時50分ごろ、同県の産婦人科拠点施設・県立医大付属病院に受け入れを依頼したが、断られたという。

付属病院と大淀病院の医師らが大阪府内などの病院に受け入れを打診したが拒否が続き、19カ所目の国立循環器病センターが応じた。高崎さんは同センターに同日午前6時ごろ到着、脳内出血と診断され、緊急手術で男児を出産したが、8月16日に死亡した。男児は元気だという。

大淀病院の横沢一二三事務局長は「脳内出血を子癇発作と間違ったことは担当医が認めている」と話した。搬送が遅れたことについては「人員不足などを抱える今の病院のシステムでは、このような対応はやむを得なかった。補償も視野に遺族と話していきたい」としている。実香さんの夫で会社員の晋輔さん(24)は「病院側は一生懸命やったと言うが、現場にいた家族はそうは感じていない」と話した。生まれた長男は奏太ちゃんと名付けられた。実香さんと2人で考えた名前だったという。

投稿: tera2005 | 2009-04-25 10:38

院長もバカでした。毎日は“脳出血"にこだわり続ける。

妊婦転送死亡:脳内出血見抜けず 
遺族への謝罪、検討中--大淀病院長が会見 /奈良
毎日新聞 2006年10月18日
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/bebe/news/20061018ddlk29040424000c.html 

◇緊急搬送遅れで妊婦死亡
大淀町立大淀病院で妊婦の緊急搬送が難航した末死亡した問題を受け17日、大淀病院は記者会見を開いた。原育史(やすひと)院長(63)は初めて公式に脳内出血を見抜けなかった診断ミスを認めた。しかし、病院の責任を問われると明確な答えを避けた。また、遺族への謝罪も「検討中」と述べるにとどまり、歯切れの悪さはぬぐいきれなかった。(会見での主なやりとりは次の通り)

--搬送になぜあれほど時間がかかったのか
痙攣が起きたので産科担当医を呼んだ。(分娩中に痙攣を起こす)子癇発作を疑った。ここでは対応が難しいので県立医大病院に転送を依頼したが、満床なので医大病院が他の病院への依頼を始めた。異常分娩は医大病院に連絡し、責任をもって受け入れ先を探していただく形になっているが、なかなか見つからなかった。

--内科医は脳の異状の可能性を指摘していた。その根拠は。また、それでもCT(コンピューター断層撮影)を撮らなかった理由は

痙攣、いびき、瞳孔が開く状況があり、内科医は頭に何か異状が起こっていると思ったようだ。一方(主治医の)産科医は、頭の中に出血があると血圧が高くなるのに当時は安定しており、子癇発作を疑い、動かすことの悪影響を考えて撮影しなかった。結果的には脳内出血だった。子癇と疑ったことに判断ミスがあった。

--病院の責任は
遺族と誠実に話し合いを継続している。非常に難しい問題です。

--謝罪の予定は
そのあたりも検討中。

--今後の対応は
医師研修制度が始まり、大学病院も医師不足になって派遣医師を引き揚げた。ここ(大淀病院)も04年に31人いた常勤医師が今は26人だ。麻酔医も常勤はいない。医大病院を中心にしたネットワークの再確立が必要で、そうなると聞いている。

投稿: tera2005 | 2009-04-25 10:45

当直という名の時間外労働で時間外労働としての賃金を払えないのも、産科・新生児医療が増えないのも、すべて国が医療費を削減しているからで、「法定の収入では赤字」だから、当直医の給与は低く抑えられ、産科・新生児医療はやればやるほど損が増える、という事態になっています。
本来、これらをちゃんと機能させるためには、診療報酬をちゃんとそれに見合った額にするのが本筋であり、そうでなければ、医療機関として成立しないはずです。
でも、国はこれに対して、「補助金」というひも付きの金で何とかしようとしかしません。曰く「赤字だからNICUに補助金を出そうか」「当直料の補助金を出そうか」
こういったものは、官僚の恣意的な判断でみんなが忘れ去ったころにいつの間にか補助金がなくなったり、施設ごとに補助金が恣意的に適否されたりなどの問題がおおきく、安定した医療の提供にはマイナスにしかなりません。

そこを決してマスコミは報道しないんですよね。

まあ、毎日の「宿直中に業務をしたら手当をちゃんとつけることを徹底する」って、判決文をお前読んでないだろ、な意見はどうしようもありませんが。
「宿直中はずっと時間外勤務なんだ」という認定だというのに、被告県側が主張してた「働いた分だけの金は払ってた」という制度を徹底させろとは。
分かってないのか確信犯なのか、後者の匂いが強そうですね。

投稿: Seisan | 2009-04-25 11:52

毎日新聞は大淀病院の産婦人科の先生が、たった一人で毎日新聞のいう「違法労働」で奈良県南部の分娩を支えていたことはスルーですか、そうですか。
一連の報道の中で、この医師の違法労働を是正すべきという提言は、見た記憶がないですな。

投稿: 一産科医 | 2009-04-25 14:11

まあ、衰退産業ですからねぇ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090425-00000576-san-ent

特に新聞は、メディアの形態として突然死しかねない要素満載ですし。

投稿: 逍遥湯 | 2009-04-25 22:36

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