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2009-04-18

救急医療破壊報道 宮崎日向心肺停止搬送事例の謎 救急隊の連絡の不手際が「7病院受け入れ不能」の原因と思われるのに病院が叩かれる不思議「救急隊からの連絡は、死亡していると思われるんだが」

亡くなられた男性のご冥福をお祈り致します。

日向市で、今月4日夜、すなわち、一番医療が薄くなる土曜日の夜間に、
 路肩に車を停めている男性が意識を失っている
のが発見された。すぐに救急に連絡がいき、
 発見されてから8分で現場に到着
したが、
 この時点で心肺停止
だった。つまり
 脳に酸素が送られないために脳細胞の破壊が始まる3-4分以内のタイムリミット
がとうに過ぎている時点での救急隊到着であったことが推測できる上に、
 発見されるまでの間も心肺停止だった可能性
がある。

 心肺停止(CPA)
というと
 いかにも心臓が動けば、生き返る
ような印象があるが、実際は
 酸素が供給されないために、脳が破壊され始める3-4分というタイムリミット
を過ぎた後は
 限りなく「瀕死の状態」
であり、蘇生措置が遅くなればなるほど
 生き返る可能性はほぼなくなる
ことになってしまう。たとえ、一時的に心拍が戻っても、予後は極めて悪い。
 死の宣告
は、頭部が離れるなど身体が破壊されていて、誰が見ても死んでいる状態以外では
 医師の診断が必要
だから、救急隊は
 この状態は「死んでいるのとほぼ変わりない」
と判断しても、ともかく病院に搬送して、医師の診断を仰ぐよりしょうがない。

NHKはこの事例を次のように報じた。


7病院受け入れ拒否 男性死亡

今月初め、宮崎県日向市で車の中で意識を失った65歳の男性が、7つの病院から救急搬送の受け入れを断られ、通報から1時間以上たって搬送された病院で死亡が確認されていたことがわかりました。
亡くなったのは宮崎県門川町の65歳の男性で、今月4日午後7時40分ごろ、日向市内の市道に止めてあった車の中で意識を失った状態で見つかりました。日向市消防本部によりますと、救急隊が到着したとき、男性は心臓や呼吸が止まっていて、救急隊員が心臓マッサージなどをしながら搬送先を探しました。しかし重い救急患者に対応できる日向市と門川町の3つの民間病院から、「ベッドが空いていない」とか「当直の医師が対応できない」といった理由で受け入れを断られたということです。消防は、県北部の救急医療の拠点になっている県立延岡病院に依頼しましたが、「搬送に時間がかかりすぎるので近くの病院を探してほしい」と言われたため、さらに日向市内の3つの民間病院に連絡しましたが、いずれも受け入れを断られたということです。その後、男性は通報から1時間17分後に日向市立東郷病院に搬送され、死亡が確認されました。日向市と門川町では、初めに受け入れを断った3つの病院が、3年前まで重い患者の救急搬送を受け入れる日を順番に決めていましたが、現在は医師不足のため、この態勢が取れなくなっているということです。

まず
 通報から1時間17分後に搬送され死亡確認
というのは
 病院に救急搬送された時点で、手の施しようがなく、すでに死亡していた
ということだ。
しかも
 最初に連絡した3つの病院は「救急受け入れができなくなった病院」
だったわけで、
 もし、この男性を救命しようと救急隊が考えていたなら、最初の救急受け入れができなくなった3つの病院に連絡した救急隊がミスを犯している
ことになる。
 救急隊が「最初に救急に対応している病院に連絡さえしていれば助かった」
という理屈になるはずだからだ。
そうなると
 最初の3つの病院に連絡しなければ、順次4つの病院に連絡が取れた
ことになり、
 7つの病院が受け入れ不能
ということにはならず
 4つの病院で受け入れ不能
という問題になっていたはずである。それなのに、救急隊が
 最初に現在は救急受け入れができない病院3つに連絡
して
 一刻も早い救命措置
ができなかったのは何故なのか。
どう考えても
1. 救急隊の連絡ミスが原因で「助かるはずの人が亡くなった」
2. 救急隊は「すでに死んでいる」と判断して、「死亡診断書を書いてくれる病院ならどこでもいい」から、「本当に救命の必要な患者さんを押しのけないよう」に「救急救命できない病院から先に連絡した」
の2つくらいしか、理由が思いつかない。

もし
 救急隊の連絡ミスが原因
なら、日向市の救急連絡体制の問題である。
しかし、どうも
 救急隊が「すでに死んでいるから、死亡診断書を書いてくれる病院から先に連絡した」
という疑いがあるのだ。
当日、連絡を受けたいずれかの病院の関係者らしき人物が、次のように発言している。【宮崎】7病院が救急受け入れ拒否 心肺停止の男性死亡スレッドより。


65 :名無しさん@九周年:2009/04/17(金) 13:05:28 ID:4+DWfN9lO
…あの~
…一応、当事者の一人なんですが


救急隊からの連絡は
「発見時既に死亡していると思われたが、一応蘇生と死亡確認だけでもしてくれんか?」
だったぞ?

もし、この発言が本当だとすると
 救急隊到着時に「回復不能なほど心肺停止状態が続いていた」
ことになる。つまり
 すでに死んでいる人を「救急搬送」した
ということなのだ。

以下、この「関係者らしき人物」の発言をピックアップしておく。
まず、日向市周辺の救急救命体制は、極めて貧困だという。


72 :65:2009/04/17(金) 19:45:14 ID:4+DWfN9lO
えーとね

俺は、取らなかった方の「当事者」だけど

あの近辺の病院で、夜間にCTどころかレントゲン使える病院すら、2、3ヶ所しかない

救急隊がCPAから検死まで匂わせてる状態で、
能力的に受け入れられる病院がない

レントゲンや血液検査すらできんのに、受け入れて何が出来るのかな

483 :名無しさん@九周年:2009/04/17(金) 19:59:22 ID:6OAcyYXi0
>>472
CTの機械はあるんでしょ?
貴方がマニュアル見ながら動かすか、それができる人間を電話で読んだらいいじゃん。


490 :65:2009/04/17(金) 20:11:58 ID:4+DWfN9lO
>>483

あいにく、当直先に「放射線事業従事者」の登録はしないのよ

当該機関での「放射線事業従事者」の登録がなければ、勝手にその機関の機械を動かしたりはできません。

発見時に「心肺停止」であれば、
 どうして心肺停止するに至ったかの過程が不明
だから、搬送された時に何らかの検査が必要なのだが、それすらできない病院ばかり。
そうすると、蘇生措置を施してダメなら、死亡を確認した書類を書かなければならないのだが、この場合は
 発見時に死亡原因が不明な「変死」扱い
になるから、必要な書類は
 死亡診断書
ではなく
 死体検案書
だ。死体検案書では
 死因を確定しなくてはならない
わけで、血液検査もできない、CTもレントゲンもないような病院では、到底、
 現代の医療水準に見合った「死因の確定」
は無理だ。


487 :65:2009/04/17(金) 20:05:03 ID:4+DWfN9lO
>>474

参考までに、俺がその時考えた事と、断った理由


救急隊は「蘇生処置と死亡診断」を求めている

受診歴がなく、状況から明らかに自然死ではない

俺が書かなきゃならんのは「死亡診断書」ではなく「死体検案書」

検案では、死因を決めんといかん

夜間なので、検査機器が一つも使えない

能力的に手に余る

受け入れられません


…何か問題あっただろうか…

どうやら、この病院は、土曜夜間は、検査が出来ない病院だったようで、
 そういう設備の整ってない病院に連絡を入れる
こと自体が
 救命するつもりでも、死体検案書を書かせるためでも、救急隊の判断ミス
であると思われる。
実際、報道ではこうした
 死体検案書すら書くのが難しい、設備の整ってない病院に、救急隊が「死亡確認して欲しい」という連絡を入れ、「受け入れ不能」と返事した
ことを
 受け入れ拒否 by NHK
とあげつらわれているわけで、早い話が
 救急隊からの電話に出なければ良かった
ってことになってしまう。結局
 救急医療の薄い日向・延岡周辺の医療従事者の心を折って、現場から立ち去らせるだけの報道
でしかないわけだ。

496 :名無しさん@九周年:2009/04/17(金) 20:14:56 ID:Q9EDtO6o0 >>490 せっかく当事者がいるから現場の声を聞く意味で こういう問題はどうやったら解決すると思う?あるいはどういう点がこの問題の原因だと思う?

497 :名無しさん@九周年:2009/04/17(金) 20:25:10 ID:4+DWfN9lO
>>496

今回のケースで言えば、救急隊の判断がマズすぎる

各病院の夜間の診療状況を把握してりゃ、闇雲に電話かけまくる様なマネはしなかったはず

…俺が隊員だったら、かかりつけ医に紹介状書いてもらって、
医師会病院(会員からの紹介は拒否できない)か、大学にヘリ搬送したな

もし、この亡くなった男性の持ち物の中に、かかりつけ病院の受診票があれば、連絡も出来たかも知れないけど、この場合はどうだったのだろうか。

日向市と延岡市は、医療資源がそうでなくても不足しているのだから、
 効率的に有効活用
するべく
 救急連絡体制を整備
しないと、
 再び「多数の救急受け入れできない病院から先に連絡」する連絡ミス
は起こると思われる。
で、もし
 最初から「死んでいるのを確認するための搬送」
だったとしたら、
 そのように報道されてないのは何故か
というのが、疑問だ。
 「死んでいると思われる人を病院で医師に確認して貰うための搬送」が「救急搬送が間に合えば、命が助かった搬送」と全く正反対の報道をされている理由
はどこにあるのか?

今回の件で
 責められるべき

 救急連絡体制の不備
であって
 受け入れられなかった病院
ではない。なおかつ
 心肺停止があたかも「 蘇生措置を施せば、100%前と同じように生き返って、生活できる」
と誤解させる
 報道側の姿勢の問題
でもある。

今回この事例を報道している各社に聞くけど
 病院外で心肺停止となって、脳死が始まるタイムリミットが過ぎてから、蘇生措置を施された場合の救命率
はどのくらいかわかってるのか?
病院の外で起きた心肺停止は
 院外CPA
と呼ばれ、蘇生率が低いことが知られている。蘇生するとしたら
 心肺停止直後に、傍にいる人が心臓マッサージなど、救命措置を施した
場合にほぼ限られる。今回は
 意識を失った状態で発見
されているので、当然ながら、心肺停止直後の救命措置はなかったわけで、ご遺族には大変お気の毒なのであるが、まず救急隊がすぐに病院に搬送していたとしても、残念ながら助からない事例だったと思われる。

心肺停止から蘇生した後のことだが、これも大変残念なことなのだが
 完全な社会復帰ができる人は極まれ
だ。現場からの声。


535 :名無しさん@九周年:2009/04/17(金) 23:16:59 ID:rAQ0/9kj0
そもそも、心肺停止状態から蘇生できたとして脳が生きている可能性は
非常に低いよね。
大抵は意識が戻らない、人工呼吸器が外せないでそのままずっと、というパターン。

556 :名無しさん@九周年:2009/04/18(土) 00:38:54 ID:oKNO6lEr0
心肺停止の蘇生は開始タイミングのはやさが重要だから
田舎の病院では一応ちょっと無理してもがんばって受ける。
ダメでもともとだから(訴訟的な意味合いでは)気楽に受けられる部分もある。
蘇生して死亡確認して家族待って警察呼んで待って検案して書類書いてお見送りしてと
儀式が多いのは大変だけど。

実際のところ心拍再開は結構するけど
あんまり喜べない。
何日か心臓動いて段々手足がむくんで粘膜から出血してきたりして

遺族と何回か相談して今度心臓止まったらそのまま…とかいう相談になる。

社会復帰できたのは
発見者がすぐに心臓マッサージをはじめて、とか
自宅から家族が火事場の馬鹿力で5分で病院に車で運んで、とか
だった。
医者がどうこう頑張るより
「たまたまそこにいた人がどれだけ動けるか」が大事

マスコミは少しは頭を使って働いて欲しい

死亡確認目的レベルなら別に時間を争う必要はまったくない
更に医療崩壊を促したいという目的だったなら効果的な記事であると認めますが。

573 :名無しさん@九周年:2009/04/18(土) 04:57:01 ID:6s2ecEdp0
心肺蘇生してあんまり喜ばれたケースはないな。
助かったのはすぐ近くの老人ホームでのどに何か詰めたじいちゃんばあちゃんばかりで、
それも痴呆状態が植物状態に変わる程度
家族からはなぜそのまま死なせなかったのかと言外に非難されているのを感じる

交通事故で運ばれてきたケースはまず手遅れ
例えば真夜中に何箇所も断られて40分もかかって隣の県から運ばれてきた人が助かるわけない。
一応10分ほど蘇生にチャレンジしてあきらめて、
その後も小一時間かかって検死して死亡診断書書いたら、
やっぱり警察の司法解剖に回しますとかもうやってられんよ。

まあ、それでも今は使命だと思ってできるだけ受け入れてますけどね。
さすがに他の人の蘇生中にもう1人とか言われても無理

現実には、心肺停止を蘇生させても、元通りになることは奇蹟に近く、ほとんどの患者さんは残る生涯をベッドに寝たきりのまま、送ることになる。
先月28日にNHKスペシャルで
私の声が聞こえますか~植物状態からの帰還~
を放映したが、これだって
 植物状態の患者さんに家族が献身的に働きかけ、かつ医療費を掛けて治療するのが要件
であり、しかも
 すべての植物状態の患者さんがある程度回復するわけではない
のである。そして
 植物状態からの帰還といっても「寝たきりで無反応」から「何かに反応したり、場合によっては、食事を口から取れる程度に回復」する
のであり、決して
 倒れる前と同じように元気になる
わけではないのだ。
マスコミは、いい加減に、
 蘇生後脳症の現実を隠蔽した上で、救急隊が到着するまで救命措置を取られなかった心肺停止の患者さんが、すぐに病院に運ばれていたら100%元通り生き返った
と誤認させる報道を止めろよ。その報道姿勢こそが
 日本中の救急医療を破壊している
んだがな。

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コメント

心肺停止のかたをヘリで搬送するバカはいないと思うのだが…

投稿: tokumei | 2009-04-18 10:59

この手の事件の報道がどんどんされないと医療制度の回復に時間がかかるので、利用者としてはどんどん報道されるべきだと思うのですが、マスコミの表現の仕方が悪いために変な方向に世論が誘導されてしまいます。

マスコミは「言葉のプロ」を自認していますが、なぜかれらはこのように報道するのでしょうか?

1. 相変わらず医者を叩くと国民受けするので
2. 記者に論理的な思考が備わっていないので
3. 記者に医学的な知識がないので

数年前に、「『知らない=記事にしない』ということはあるが、コラムであれば、知らなくても書いてもいい」と仰っていたどこかの記者がいましたが、まさか本当にそんな素人感覚で駄文を書いてはいないと信じたいのですが。


2006年10月24日
命を救ってこそ病院:井上真
http://blog.nikkansports.com//nikkansports/writer/archives/2006/10/post_565.html

>高崎さんが亡くなり、これだけずさんな実態があらわになった。死に至らないケースはもっとある。とても人を助けるどころじゃない。命を救うのが病院ではないのか。命を見捨てた18の病院に言いたい。恥を知れ。


2006年11月03日
医療現場の声聞いて
http://blog.nikkansports.com//nikkansports/writer/archives/2006/11/post_575.html

> 「知りもしないで」との声もありました。知る→書く、知らない→書かない。これは論理的なことです。我々の仕事は、知る→取材→書く→検証、の連続です。一方でこうしたコラムに臨む時、大きな驚きや失望に接した時「知らない」「取材していない」の理由で書かないことには疑問があります。問題が起きたその時に、伝えたいものがあるのなら、事実を踏まえてどれだけ提起できるか。これも求められると思います。

投稿: 暇人28号 | 2009-04-18 18:30

ある日、当院に溺水が救急隊から運ばれてきました。
明らかに死んでるんだけど、救急隊が運んできたので、着衣を切って、一応ルートを取って、モニターつけて、挿管して、心マして....
そこに警察が到着
遺留品の損壊だか、証拠隠滅だか、死体損壊だかで怒られました
警察の依頼で検死を引き受けたわけではなく、救急隊から搬入を要請されたのですが...

今だったら、あーいうのでも受け入れを断れば新聞ネタでしょうかね

投稿: こんた | 2009-04-18 22:40

当該機関での「放射線事業従事者」の登録がなければ、勝手にその機関の機械を動かしたりはできません。


あー、昔当直先でCT撮ってたけど、あれはやっちゃいけないことだったのか...。

投稿: physician | 2009-04-18 23:19

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090415-00000088-yom-sci

小児心臓移植の5%枠が既に埋まったがために「受け入れ不能」なのですが
マスゴミ的には「拒否」だそうです。
これを超えて受け入れちゃったら倫理的に問題になる、とかのはずなのに。
「たらい回し」も同じ脳で考えているんですよ、きっと。

もう、単にウマシカな人間しか残ってないんじゃない斜陽産業なんでしょうねブンヤって。

投稿: へるちょんぺ | 2009-04-19 07:24

東京、横浜でこういう報道がないのは監察医制度があるからですかね。
夜勤(当直)の医師が死亡確認→警察へ連絡
で仕事が終わり、それ以上の業務(検案作業)や責任を要求されることがなければ受け入れ拒否率は下がるでしょう。

投稿: 鑑札 | 2009-04-19 11:15

その監察医も東京・大阪でもなり手が居なくて危機にありますがね.

投稿: ネオ筑摩屋松坊堂 | 2009-04-21 02:24

「第一回12誘導心電図伝送を考える会」
http://clcard.umin.jp/gate/comingmeeting/
開催日 2月23日(日)午前10時半から4時
場所  TKP品川カンファレンスセンタ
出席者 救急循環器医、消防署、技師、関連者
主催  12誘導心電図伝送を考える会
会費  医師など直接関係者 1,000円

投稿: 竹内 | 2014-01-15 14:15

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