« 30分、200円でシンプル鯛茶 | トップページ | 「人権の朝日」崩壊 2ちゃんねる「朝日工作員」は実在した(番外編)「朝日工作員」の書き込みが面白すぎる件 »

2009-04-03

首都圏医療崩壊 日赤医療センターは「宿直許可を労基に未提出、すべての当直医に時間外賃金を払い、今後当直命令は出せず」とMed_Law先生から→「医師の労働条件を看護師ですでに行われているのと同等のものに改善する必要」とは「労基法違反のオーバーワークを前提として成り立っている現在の救急医療はすべてアウト、時間外の救急を充実させるつもりなら、昼の診療は縮小しなくてはならない」ということだ→国立病院の手の込んだやり方

 2009-03-26 発足したばかりの東京都「スーパー総合周産期センター」の1つを担う日赤医療センターにも渋谷労基から是正勧告
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2009/03/1-446d.html
の続き。

日赤医療センターは、
 宿直業務をさせる場合に労基署に届け出なければならない「宿直許可」を未提出
ということがm3.comの取材で判明、つまり、
 今後、一切の宿直業務を医師に課すことが出来ず、また、これまでの「宿直」はすべて時間外労働として未払いの賃金を払わなくてはいけなくなった
とMed_Law先生から貴重なコメントを頂いたので、再掲する。Med_Law先生、ありがとうございました。


「病院が職員を宿日直業務に従事させる場合には、「断続的な宿直又は日直許可申請書」を労基署に提出しなければならない。日赤医療センターの場合は未提出だ。「申請書を提出しようとしたが、労基署は宿直等ではなく、通常業務の延長であるとされ、受け取ってもらえなかった」(竹下氏)。」
(M3 橋本氏の取材による)
http://www.m3.com/iryoIshin/article/94681/?pageFrom=m3.com

日赤医療センターに「宿直許可」がないことが、M3の取材によって明らかになりました。
日赤医療センター管理局長の竹下修氏の発言ですから、これは真実と見て良いでしょう。

これで、日赤医療センターは逃げも隠れもできず、研修医一人だけでなく、当直していた医師全員に当直による拘束時間全てについて時間外賃金を支払わないといけないだけでなく、当直命令が出せなくなりました。
36協定があっても、長時間の連続勤務は協定の主旨に反しており、使用者が勝手に命令できる類のものではありません。

日赤医療センターは、労務管理の酷さを反省し、出なおした方が宜しい

m3は登録しないと読めないので、当該記事を確認してはいないのですが、日赤医療センター管理局長が
 「申請書を提出しようとしたが、労基署は宿直等ではなく、通常業務の延長であるとされ、受け取ってもらえなかった」
と言ったのだとすると、
 日赤医療センターで現在行われている「宿直」は「夜勤」であって、時間外労働として適切な賃金を支払わなくてはいけない
上に
 現在行われている「宿直」は労基の許可が出ていない以上、今後「宿直」命令は出せない
ということですね。
(追記 4/3 14:00)
m3の記事は、Yosyan先生のblog「新小児科医のつぶやき」本日付の記事に転載されているので、そちらをご一読下さい。
 2009-04-03 日赤医療センターの続報記事の凄く気になる点
(追記 おわり)

いやはや、Med_Law先生、これは
 日赤医療センターの日勤以外の労働は、今後すべて認められない
ってことですよね?
つまりは
 職員の「宿直」を前提としていたこれまでの日赤医療センターの時間外の医療活動そのものができなくなる
ということになりますよね。
ということは
 日勤帯以外の救急その他の医療活動はすべてできない
ってことで、日赤医療センターは、機能停止に陥るのとほぼ同義と考えていいのでしょうか。

Med_Law先生から、補足の説明を頂いたので、再掲する。(補足 9:32)


>日赤医療センターの日勤以外の労働は、今後すべて認められないってことですよね?

違います。
日勤させれば、準夜勤+深夜勤に相当する固定した連続勤務を命令できなくなるだけです。
昼間働かせず、準夜勤をさせる。深夜勤をしたら、日勤+準夜勤はさせない、とすればOKです。
通常の残業については36協定締結後なら命令可能です。

つまり、医師も看護師と同じような勤務シフトを取らないといけないという、24時間対応には当たり前のことをする必要があるということです。

もう少し補足すると
>日赤医療センターで現在行われている「宿直」は「夜勤」であって、時間外労働として適切な賃金を支払わなくてはいけない

という意味は、『当直として拘束している時間全てが時間外賃金です。』という意味です。
日赤の昼間の労働時間はM3の報道によれば、「日赤医療センターの勤務時間は8時30分から17時10分。」とのことです。
当直で17時10分〜翌8時30分の15時間20分働かせたければ通常平日であれば、25%割増時間=8時間20分、50%割増時間=7時間、
つまり、1.25x8.3+1.5x7≒10.4+10.5≒21時間分の時間外賃金を支払いなさいということ
です。
21時間分ということは、およそ2日半の日勤分の労働賃金に相当します。
当直料は日当の1/3相当以上払うよう通達がありますが、”当直料+実動賃金を支払っている”なんていう日赤の言い訳が通じないということです。

救急医療が大事であるなら、昼間の業務を縮小してでも夜間に人材資源を投入するべきであるということであり、
救急医療が日赤で可能であるかどうかは、昼間と夜のバランスをどうするかという経営判断に依ります。
つまり、医療機関というのは”タライ回し””受け入れ拒否”と非難できるような、無尽蔵の受け入れ能力があるドラえもんのポケットではなく、極めて限られた受け入れ能力しかないという、これまた常識的な結論に至るだけのことです。

無尽蔵に応需可能と責め立てるマスコミと、コンビニのように利用して医療資源を浪費している一般市民とは、同じ罪であり、マスコミの責任は非常に重いと思います。
啓蒙能力を失ったマスコミは、害の方が多いのではなかろうかと危惧します。

またお取り上げ頂きありがとうございます。

Med_Law先生、お忙しいところを懇切なご教示を頂き、ありがとうございます。
要するに
 看護師には認められていた勤務条件を医師にも適用する
ということなのですね。
 昼間働いたら、夜は働かない
 日勤帯以外の勤務に就かせるなら、昼は休ませる
ということですね。ということは
 これまで労基法違反で回していた医師の勤務時間の抜本的見直し
であり、
 救急医療を続けるつもりなら、「昼も夜も最大限に開いている病院」ではなく、「夜の診療を開けるためには、そのための医師を休ませ、昼の診療を縮小する病院」にする
ということなのですね。
 現有勢力で救急医療を充実する
とは
 昼の診療を縮小しなければ、労基法違反になる
という事実を、これまでは、完全に無視していた、ということですね。
(補足 おわり)

いかに、日赤医療センターが、これまで
 労基法違反の苛酷な勤務体系で医師を始めとする医療スタッフを搾り取ってきたか
ということがわかります。人間の命を救うためのお仕事をされている医師を始めとする医療スタッフの方々が疲弊して、自らの命を削っているのが、日赤医療センターで日常行われている医療活動のもう一つの面なのだとすると、
 使命感に頼り切った、労基法違反の医療活動の危険性
は、もっと正面切って取り上げられねばならないですね。

もっとも、この手の報道が、一般的なメディアに乗りにくいのは
 メディアの人間も労基法違反の滅茶苦茶な労働環境下で働いている
からで、そうした部分の感覚が麻痺している上に
 勤務医は「高給取り」だという誤解
があるからでしょう。
 マスメディアの人間も「奴隷の鎖自慢」に陥っている
ことに、さっさと気づいた方が、身のためなんですがね。

続き。
匿名の先生から貴重なご教示を頂いたので、こちらに掲載する。


国立病院機構は、当然この手の労務法上の問題を認識しており、通達が出た時点で「善処」しました。

どういうことをやったかというと、実際に救急をやっている医者のことは何ら改善を行わず、「宿直医」というものを増設したのです。

宿直医は、部長級以上や、高次救急を行うのは無理なマイナー科医を、本当にただ泊まらせる
前日と翌日は、書類上は「休み」にするという相当悪質な確信犯です。

実際に救急をやっているメジャー科医は、その後もずっと36時間勤務をやっています。

匿名の先生、ありがとうございます。
 労基法の抜け道を使って、実際の救急担当の先生方には相変わらずの36時間勤務を強いる手口
ということですね。

マスコミは
 公立や国立病院に医師が集まらない
とか言ってるけど、この手の
 労基法の抜け道によって「違法を隠す」過重勤務
については、まったく触れませんな。
 疲弊している医師が救急を取ることの危険
って、わかっているのかな?それとも
 医師や医療スタッフが疲弊している救急であっても、自分や家族は、いつ何時でも、生命の危機に瀕した重い症状でも、搬送さえして貰えば、「100%確実な医療が受けられる」
と信じているのかな。
北大医局から、北海道の地域の公立病院に配属され、ゴールデンウィークの連続「宿直」明けに、帰宅しようとして交通事故で亡くなった中高時代の友人のことを思うと、
 自分の身すら守れない苛酷な勤務状況で、他人の命を万全の体制で救うのは難しい
と思いますが。彼の事故は今から20年ほど前だけど、それから医師の労働環境は改善されてないし、周囲の医療への要求は高まるばかりだ。
ゴールデンウィーク最後の日の午後に救急搬送された彼も、地域の、決して患者さんの数に比して足りているとはいえない医師を救急搬送しなければならなかった救急隊も、搬送時には心肺停止状態だった彼を受け入れて懸命な救命に当たられた救急の先生方や医療スタッフの方々も、彼が診ていた患者さん達も、全員にとって、たまらない事故であったろうし、同じようなことはこの20年間、全国各地で続いているだろう。
 劣悪な労働条件で、医師の命をすりつぶしてまで、救急医療を続ける意味がある
というのは、
 医療資源を食いつぶすまで、闘え、玉砕しろ
と言っているのと同じではないのか。医師が玉砕して残されるのは
 医療なき日本
だということは、病院経営者にも、厚労省にも見えてないんだろうな。
 数が限られている、有為の人材の替えはいない
とは、決して厚労省の官僚も、政治家も考えてはいない。で、
 医師なき日本
に取り残されるのは
 いま、小児科をコンビニ受診している子どもとその親達
だろう。あと20年後、日本にまともな医療は、果たして残っているのか。

|

« 30分、200円でシンプル鯛茶 | トップページ | 「人権の朝日」崩壊 2ちゃんねる「朝日工作員」は実在した(番外編)「朝日工作員」の書き込みが面白すぎる件 »

コメント

>日赤医療センターの日勤以外の労働は、今後すべて認められないってことですよね?

違います。
日勤させれば、準夜勤+深夜勤に相当する固定した連続勤務を命令できなくなるだけです。
昼間働かせず、準夜勤をさせる。深夜勤をしたら、日勤+準夜勤はさせない、とすればOKです。
通常の残業については36協定締結後なら命令可能です。

つまり、医師も看護師と同じような勤務シフトを取らないといけないという、24時間対応には当たり前のことをする必要があるということです。

もう少し補足すると
>日赤医療センターで現在行われている「宿直」は「夜勤」であって、時間外労働として適切な賃金を支払わなくてはいけない

という意味は、『当直として拘束している時間全てが時間外賃金です。』という意味です。
日赤の昼間の労働時間はM3の報道によれば、「日赤医療センターの勤務時間は8時30分から17時10分。」とのことです。
当直で17時10分~翌8時30分の15時間20分働かせたければ、通常平日であれば、25%割増時間=8時間20分、50%割増時間=7時間、
つまり、1.25x8.3+1.5x7≒10.4+10.5≒21時間分の時間外賃金を支払いなさいということです。
21時間分ということは、およそ2日半の日勤分の労働賃金に相当します。
当直料は日当の1/3相当以上払うよう通達がありますが、”当直料+実動賃金を支払っている”なんていう日赤の言い訳が通じないということです。

救急医療が大事であるなら、昼間の業務を縮小してでも夜間に人材資源を投入するべきであるということであり、
救急医療が日赤で可能であるかどうかは、昼間と夜のバランスをどうするかという経営判断に依ります。
つまり、医療機関というのは”タライ回し””受け入れ拒否”と非難できるような、無尽蔵の受け入れ能力があるドラえもんのポケットではなく、極めて限られた受け入れ能力しかないという、これまた常識的な結論に至るだけのことです。

無尽蔵に応需可能と責め立てるマスコミと、コンビニのように利用して医療資源を浪費している一般市民とは、同じ罪であり、マスコミの責任は非常に重いと思います。
啓蒙能力を失ったマスコミは、害の方が多いのではなかろうかと危惧します。

またお取り上げ頂きありがとうございます。

投稿: Med_Law | 2009-04-03 08:19

>実際に救急をやっているメジャー科医は、その後もずっと36時間勤務をやっています。

匿名の先生の務めている大学病院のやり方は、姑息であり、単なる猿知恵です。
当直医の全平均で、当直の実態を測るのではなく、部門ごとに忙しいさを個別に勘案します。
つまり、救急部門に回る当直体制では、3交代勤務にするよう指導されたり、その部門の宿直許可の取り消し事由になります。
(通達あり)

労働基準監督局は、実態を見て判断を下します。
平均値による希釈化、救急部門の不正申告は、むしろコンプライアンスのない証拠として、厳しい指導の対象になりそうな気がします。

内部で働く人は、もっと労働基準法を活用して、体に優しい勤務体制を求めるべきです。
自分の担当する患者さんが急変する場合の残業と違い、救急外来対応は”常態として連続勤務を強いるもの”ですから、
36協定を超えた特別協定の認めない厳しい業態と考えても良いと思います。

多分、そんなのは事務系の小ズルい提言によるものでしょうが、鉄鎚を下さねばなりません。

投稿: Med_Law | 2009-04-03 21:47

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109312/44549014

この記事へのトラックバック一覧です: 首都圏医療崩壊 日赤医療センターは「宿直許可を労基に未提出、すべての当直医に時間外賃金を払い、今後当直命令は出せず」とMed_Law先生から→「医師の労働条件を看護師ですでに行われているのと同等のものに改善する必要」とは「労基法違反のオーバーワークを前提として成り立っている現在の救急医療はすべてアウト、時間外の救急を充実させるつもりなら、昼の診療は縮小しなくてはならない」ということだ→国立病院の手の込んだやり方:

« 30分、200円でシンプル鯛茶 | トップページ | 「人権の朝日」崩壊 2ちゃんねる「朝日工作員」は実在した(番外編)「朝日工作員」の書き込みが面白すぎる件 »