地域医療崩壊 豚インフルエンザ 現場は医療スタッフ不足で阿鼻叫喚 全国ワースト1 たった3つしか「発熱外来」がない奈良県ですでに「受診者殺到」@5/18
変な気候の年は疫病が流行る、というのが近代以前の経験則だった。今年は
桜の花期が妙に長い
という「異変」があり、心配していたのだが、まさか豚インフルエンザが来るとはなあ。
その桜、しかも
奈良の八重桜が県花である奈良県
は、
発熱外来がたった3個所と全国ワースト1
である。いざとなれば
大阪とか京都とか近隣の自治体に泣きつく気満々
と、散々批判されていたのだが、ここへ来て
大阪が先に感染者が出る事態
になり、
大阪はアテに出来なくなった
のである。当然ながら、
京阪神と奈良は毎日大量のヒトの行き来がある
わけで、奈良県は昨日
学校関係だけでインフルエンザ様の訴えが1100人越え、インフルエンザの疑いが濃い生徒・教職員が136人
と発表した。これは生徒と教職員だけの「感染疑い」数だから、当然
その家族や周囲の人間の感染疑い数
はもっと増える。
で、悲惨なのが
奈良県の発熱外来
である。
朝日奈良版より。
受診者殺到「人足りぬ」2009年05月19日
◎…新型インフルエンザ…◎
◆遠足・催し中止続々◆
刻一刻と拡大する新型インフルエンザの感染に備え、県や市町村は対応に追われた。遠足や各種イベントの中止も続々決まり、発熱外来のある病院は体調不良を訴える人であふれた。
発熱外来のある県内の病院は、インフルエンザの症状が出るなどした人たちの受診が殺到している。
「とにかくマンパワーが足りない。普段からギリギリの態勢で2次救急も小児輪番も受けているのに、さらに発熱外来も来る。人的な支援はない。もうメチャクチャです」
ある病院の幹部が漏らした。この病院では県発熱相談センターの紹介患者のほか「発熱相談センターの電話がつながらない」と救急車を呼んだり直接来院したりする患者も後を絶たず、病院の電話も鳴りっぱなし。仮設の診察室は電話やファクスもひいて準備が整ったが、肝心の医師や看護師がいない状態だ。
発熱外来では感染拡大を防ぐために待合室はつくらず、1人ずつ時間を区切って呼び出して診察するため、効率は悪い。待機スペースもある仮設の診察室の準備が終わり、電話やファクスもひいたが、肝心の医師や看護師が足りないという。「発熱外来は内科医で回しているが、他科からも応援を回さないとやっていけない。他の病院からも応援がほしい」と切実に訴える。◆電話相談、3倍以上◆
県は、荒井正吾知事が19日からの韓国出張を取りやめたほか、感染拡大に備えた対応策を打ち出した。
人が大勢集まる各種の集会は、中止を含めて開催の是非の検討を求める。24日の県など主催の障害者スポーツ大会や、27日以降に予定されている全国高校総体「近畿まほろば総体」の合同練習も中止の是非を検討する。
県内の学校で発生が確認された場合、所在地の市町村の学校はすべて休校とする。会社や事務所などで患者が発生した場合も、近くの学校への人の出入りが懸念されれば、休校を検討する。
18日午前9時から午後4時までの県発熱相談センターへの電話相談は615件にのぼり、17日(198件)の3倍以上に達した。19日以降、電話回線を5本から10本に倍増する。同日から防災統括室、消防救急課、健康安全局などで作る「新型インフルエンザ対策室」を設置する。荒井知事は「感染性は強いが多くの人が軽症で回復している。正確な情報に基づき、落ち着いた対応を」と呼びかけている。
県医師会は17日、発熱外来に応援医師1人を派遣。近日中に、一般からの相談を受け付ける専用回線を医師会内に設ける方針。
帝塚山大(奈良市)は18日、19〜24日の全学休講を決めた。高校生を対象に30日に予定していたオープンキャンパスも中止する。航空自衛隊奈良基地(同市)も23日に開く予定だった奈良基地祭を中止する。
(以下略)
嗚呼、阿鼻叫喚の現場が想像できます。発熱外来ご担当の医療スタッフの皆様が、いつ過労で倒れたり、感染して戦線離脱してもおかしくない惨状が見て取れます。
しかも、凄いのは、この時点では
奈良県は発熱外来を「公開してなかった」
にも関わらず
救急車で乗り付けたり、紹介無しでウォークインで来る患者さん多数
ってことですね。まあ
3か所でかつ「県立医大病院は含まれない」
という情報で、ほぼ特定できてたってことなんですが。
| 固定リンク
« 豚インフルエンザ PCR検査に消極的な東京都 「日本初の死亡例」が出るまでは「東京に新型インフルエンザなし」になるのではないかと恐れる→堺市では新型インフルエンザ蔓延の原因となる受診抑制を防ぐために無保険世帯に保険証を送付→舛添厚労相「1人も死者を出してはいけない」発言は都内で新型インフルエンザ未発生が前提の発言 | トップページ | 「マスコミたらい回し」とは?(その145)豚インフルエンザ マスコミは「スーパースプレッダー」2004年京都の養鶏場で発生した鳥インフルエンザを他の養鶏場にばらまいたのはマスコミ 今後も取材を続ける限り、移動しつつ新型インフルエンザウイルスを広範囲にまき散らす恐れ »
コメント
発熱外来が0の県もあるそうです。人口比に見合っているのかどうかはわかりませんが。一応
新型インフルエンザ:発熱外来、青森・宮崎は未設置--毎日新聞調査
http://mainichi.jp/select/science/swineinfluenza/news/20090520ddm041040094000c.html
投稿: J | 2009-05-20 11:58