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2009-05-19

「マスコミたらい回し」とは?(その145)豚インフルエンザ マスコミは「スーパースプレッダー」2004年京都の養鶏場で発生した鳥インフルエンザを他の養鶏場にばらまいたのはマスコミ 今後も取材を続ける限り、移動しつつ新型インフルエンザウイルスを広範囲にまき散らす恐れ

今回の新型インフルエンザは
 不顕性感染が多く、発症する場合も発症1日前から感染力がある
と言われている。つまり
 新型インフルエンザウイルスがありそうなところへ行く
ということは
 知らず知らずのうちにウイルスに暴露し、自らの感染機会を増やしている
ことだ。すなわち
 新型インフルエンザの取材を続けるマスコミ人全員

 取材先や移動中にあちこちでウイルスをばらまいている可能性がある
ということなのである。当然、
 マスコミは一番ウイルスに暴露する可能性の高い発熱外来の取材
もしているわけで、その取材の後、消毒をして他の現場に行くわけではない。また
 感染が蔓延している地域での取材
も、マスクも手洗いも不十分なまま行っている。

5/16に、nobody先生から、貴重なコメントを頂いたので再掲する。
 マスコミが、京都府などの養鶏場で鳥インフルエンザが流行したとき、「消毒せずにあちこち移動したマスコミがウイルスを他の養鶏場にばらまいた」事実
があるのをご教示頂いた。


2004年の京都の鳥インフルエンザの際に、マスコミがウィルスをばらまいた可能性を「高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チーム報告書」が指摘していますが、なぜかほとんど報道はされず黙殺されました。
今こそ多くの人が知るべきマスコミの実態です。

「高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チーム報告書の概要について」
http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/kanbou/kakin_sippei/dai8/siryo3.pdf
> 移動規制が行われる前に既に報道関係者が初発農場を訪れており、周辺の養鶏農家へも立ち入っていたことも確認されており、これらの人や車両が農場周辺へウイルスを運んだ可能性も否定できない

nobody先生、ありがとうございます。
上掲コメントで引用されている元の報告書の部分をもう少し引用する。


(6)農場間の伝播
 京都においては、初発農場に引き続いて約4km 離れた肉用鶏農場で発生が認められ、2 つの農場から分離されたウイルスは遺伝子配列がほぼ100%一致していることから農場間の伝播と考えられた。
 京都の2 農場を結ぶ人や物の移動は認められていないが、初発農場で死亡が増加し始めてから通報までの約10 日間にウイルス拡散を防止する措置がとられていないまま人や車両が近くの一般道を通行していたこと、同様に死亡鶏を搬出していた堆肥置場へ野鳥や野生動物が自由に接触することができたことから、これらを通じた地域内でのウイルス拡散が考えられる。初発農場での死亡鶏は外界の野生動物やカラス等の野鳥が接触できる場所に放置されていたことから、4km 先の農家の周辺へこれらの野生生物が持ち込んだ可能性は考えられる。また、移動規制が行われる前に既に報道関係者が初発農場を訪れており、周辺の養鶏農家へも立ち入っていたことも確認されており、これらの人や車両が農場周辺へウイルスを運んだ可能性も否定できない。なお、鶏舎への直接の侵入経路を特定することは困難であるが、スズメやネズミなどの野生生物、昆虫などによる媒介が考えられる。

もともと行き来のなかった2つの農場で
 ほぼ100%一致するウイルスが検出
されたのは
 誰かが、もしくは何かが運んだ
からである。報告書は
 野生動物が運んだ可能性
も指摘しているが、やはり
 報道関係者の人や車両がウイルスを運んだ可能性は否定できない
と控えめに指摘している。

今後
 未発症の地域に新たな発症が起きる
場合、
 発症以前にあった新型インフルエンザ取材者や取材車両の出入りが、その地域にウイルスを運ぶ可能性
もあるのだ。

報道関係者が取材に来る、と言う場合、企業や教育機関や医療機関は2004年の京都の鳥インフルエンザ流行で起きた事を念頭に、取材受け入れの可否を慎重に判断して頂きたい。もし、マスコミ取材後に
 社内や校内、院内で新型インフルエンザ感染
なんてことが起きたら、ハイエナのように嬉々としてやってくるのは
 ウイルスを持ちこんだかも知れないマスコミ
なのである。

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コメント

はじめまして。ときどき拝読しています。
報告書の件ですが、引用された箇所(マスコミがキャリア(運び役)となったかどうか)は、あくまで「定性的」な事象を示しているだけで、「定量的」に、どの程度の寄与率(という言い方が適切かどうかはわかりませんが)、あるいは直接原因となった可能性があるかは不明です。

とはいえ、マスコミ(特に初発農場へ行ける程度には機動力のあるマスコミ)の防疫学的・生物学的知識が低いことを否定する気はさらさらありません。というか、低すぎて困ってしまうのですが。

投稿: Ri-fie | 2009-05-19 23:21

大事なことを書き忘れていました。
たまたま小生はこの話の近いところにいました(ただし現場にはいませんでした)が、マスコミの移動がどうとかいう可能性は、定量的にはほとんど考えていなかった、という記憶があります。何でだっけな。移動人数の絶対的な少なさだったかな。…うーん、当時の資料があれば、いいのですが…。
(不確かな記憶で申し訳ありません。そもそも上記のことが記憶違いの可能性もあるので、その際はおわびします)


もちろん、こういった報告書が出た段階で、マスコミは「もしかしたら自分たちマスコミが取材中、不注意に移動したことが飛び火の原因かもしれない」と、「予防的反省」をすべきなのかもしれません(特に、結果論的な不手際でさえ、厳しく糾弾するマスコミならば)。しかし一方で、可能性として低いものに対して、「予防的に」謝罪しても、あまり意味がないのかな(単に、本当の原因から逸れるだけの結果になってしまう)、とも思います。

投稿: Ri-fie | 2009-05-20 00:03

当方、首都圏の開業医です。
本日、テレビを見ていたら驚きました。
急いでTBS、BPOに下記のメールを送りました。

TBS 5/27放送 総力報道!The News 19時頃の鳥インフルエンザのレポートについて。

上記番組を見ていて驚いた。
現在、鳥インフルエンザが散発しつつあるというエジプトへ日本人記者がレポートに行っているのである。レポーターとカメラマンが鳥インフルエンザで入院している子どもと接触していた。レポートされていた子どもは映像を見る限り元気そうで、幸いなことに罹患後も不幸な転機をたどらなかったようで何よりであった、と思う。しかし、わざわざ日本からそれを撮りに行く必要があるのであろうか。
成人が罹患した場合の致死率が非常に高い言われている鳥インフルエンザ。それをわざわざ日本に広めたいがためにもらいに行ったとしか思えない行動である。これが原因で日本に鳥インフルエンザが蔓延したら放送局はどの様に責任をとるのであろうか。少なくとも、取材に行った記者は日本に帰ってきたら1週間くらい自宅待機をするくらいの自主規制は必要であると思う。
感染症の報道に関してマスコミは科学的な根拠に基づいて、それを最低限広めないような自主規制を作るべきではないか。

投稿: めいじん | 2009-05-27 20:36

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