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2009-05-15

豚インフルエンザ 麻黄湯は健康飲料? 5/14放映MBS「ちちんぷいぷい」生放送で麻黄湯(生薬からの煎じ薬)を出演者全員に呑ませる呆れた演出 どこの世界に「この薬、ちょっと舐めてみませんか?」なんてアホなことがまかり通る?→追記あり

いや〜、呆れた。
たまたまチャンネルを回したら
 MBS ちちんぷいぷいの石田英司のコーナーで出演者全員に麻黄湯を一回服用量の約1/3量渡して呑ませている
のを見てしまった。それも顆粒製剤でなく、
 高圧釜で抽出しているという煎薬そのもの
である。

ちょっと聞くがな、MBS
 どこの世界に「この薬、味はこんなんですんで、舐めてみませんか」と健康な人間に服用させる生放送番組
があるんだ?
 仮にも薬
じゃないのか? 感冒に効果があるという点でいうなら、
 健康な人に生放送で総合感冒薬一錠呑ませてみました
というのと同じことをやってるんですが。
それとも
 麻黄湯の1回服用量の1/3なら「どんな人が呑んでも安全」というお墨付き
でもあるのか?
このコーナーで、最初の方に
 麻黄にはエフェドリンが含まれ
と解説していてこれをやりますか。
葛根湯と置き換えてみればいい。
 葛根湯って甘くて呑みやすいんですよ
と、スタジオの出演者に一回の規定量の1/3をコップに入れて呑ませて見せた、というのと同じだ。
 カコナール一瓶の1/3をコップに入れて、スタジオの出演者に呑ませる
って、おかしいだろう。てか
 カコナールなら出演者も「これ薬だっしゃろ、飲み物違いますわ」と断る
だろう。
 葛根湯ならやらないことを、麻黄湯でやった理由
を是非知りたい。
(追記 8:41)
暇人28号先生から貴重なコメントを頂いたので再掲する。


麻黄湯は非常に「強い」薬です。使用経験のない医師が使用するのはためらわれるほどです。それを一般の方が気軽に使用するなんて・・・

私も使い始めの頃、苦い思い出があります。

暇人28号先生、ご教示ありがとうございます。
麻黄湯は先生のご指摘のように
 強い薬
で、葛根湯などよりも遙かに
 適用には厳密な見極めが必要な薬剤
かと存じます。
それを
 既往症のチェックなどしてないと思われるスタジオの出演者全員に配って呑ませていた
上に、安易に勧めていたので、唖然としました。
(追記終わり)
(追記 9:00)
兵庫県薬剤師会のサイトには。
漢方薬の副作用について 明石支部  高橋 宏和 2000年 11月 03日
として、
 麻黄湯の副作用の例
が上がっている。
 適用できる条件ではない、「汗をかいている人」に麻黄湯を処方した場合
には、
 だるさ、食欲不振
といった副作用だけでなく
 時には痙攣を起こすこともある
と注意を呼びかけている。
つまり、麻黄湯は、風邪に処方する場合でも、慎重に症状を見極めて使う薬で、間違って処方すると、却って副作用を引き起こすことさえあるのだ。決して
 健康な人が「試しに呑む」
ようなものではない。
(追記終わり)

あたかも
 漢方薬は「健康ドリンク」と一緒、気軽に呑んでも無害
と視聴者に思い込ませるような安易な演出だ。
 「健康保険の利く漢方薬」です
と最後に言った意味が全く分かってない。

漢方薬局を取材した女性も、麻黄湯呑んでたしな。
 薬って簡単に呑んでいいもの
なのか、その辺りの考え方が全く分かりませんね。

放送倫理・番組向上機構(BPO)に問い合わせてみようと思っている。
BPOの視聴者の意見募集コーナーはこちら。
 視聴者の意見について

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コメント

麻黄湯は非常に「強い」薬です。使用経験のない医師が使用するのはためらわれるほどです。それを一般の方が気軽に使用するなんて・・・

私も使い始めの頃、苦い思い出があります。

投稿: 暇人28号 | 2009-05-15 08:32

麻黄湯について

麻黄湯は確かに強い薬です。しかし、インフルエンザは極めて重大な病です。今はまだ豚の段階ですがいずれくる鳥インフルエンザの毒性を考えると、麻黄湯は極めて価値のある薬だという認識が足りないように思います。麻黄湯よりタミフルの方がよほど問題であると思います。麻黄湯も処方を間違わないようにうまく利用してください。
 ネットを眺めていると麻黄湯について多くの間違った理解があるようですのでここで簡単まとめておきます。
 エフェドリンを含んでいるだの、単なる対症療法薬だの、その無知、全く困ったことです。

 麻黄湯のインフルエンザと言わず、ウイルスに対するメカニズムを簡単に解説します。
このことは北里大学東洋医学総合研究所が公式に発表していると思いますし、そのうちツムラも臨床結果を発表するものと思います。
 麻黄湯の成分である、麻黄はウイルス感染から約1時間のウイルス増殖初期に細胞への吸着と侵入、脱殻を阻害します。桂皮は、感染後数時間の中期、RNAとタンパク合成を阻害します。ちなみにタミフルは感染後期、細胞内部で増殖したウイルスを細胞外に放出する部位を阻害するように働きます。

 ですから麻黄湯は、あらゆる風邪の初期に著効があります。麻黄湯がインフルエンザや風邪に効く効かないの論議がなされるのは、この薬をインフルエンザ感染後期に使用したからです。昔は確かに風邪を引いたかなあ?位で麻黄湯を処方することはありませんでした。高熱を出してから処方して、効く、効かないとやったのです。しかしこの発明者、および長い年月の臨床医は経験的にインフルエンザの初期に使用すれば著効あることが解っていたのです。最近のお医者さんでも、麻黄湯を、タミフルの副作用を恐れてその初期に使用して、意外に効くことに驚かれた方は多いと思います。

投稿: 海山 旅人 | 2009-09-24 17:05

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