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2009-05-14

豚インフルエンザ 中国中医薬管理局、H1N1型の新型インフルエンザ予防に有効な処方を発表@5/6→今売り『週刊朝日』5/22号は「見出しだけで判断する」人たちには危険な「漢方の勧め」

中国四千年の知恵
 漢方薬で新型インフルエンザを予防
というニュース。
朝日が次のように伝えている。


新型インフル、予防には漢方 中国当局が処方発表

2009年5月13日16時3分

 【北京=坂尻顕吾】新華社通信によると、中国国家中医(漢方)管理局がこのほど、新型インフルエンザの「予防漢方処方」を発表した。海外感染者の特徴と古今の文献を結びつけ、生活面、飲食面、医薬面の三つの点から漢方の予防法を提示した。

 漢方薬が普及している中国では03年に新型肺炎(SARS)が大流行した際にも予防効果が期待され、特定の漢方薬が飛ぶように売れた。今回は、中国での流行前に当局が「予防効果がある」とお墨付きを与えた形だ。

 発表された処方は生活面で、衣服の増減により寒暖に対応する▽仕事と休息は規則性を保ち、よく動き、早く寝る▽心のバランスを保つ▽新型インフルに対する恐怖心が気を乱し、風邪をひきやすくするので適切な知識を身につける——などと指摘。飲食面では、刺激物は減らす▽あっさりしたものを心がけ、脂肪の多い、味の濃いものは避ける——としている。

 また医薬面は、虚弱体質の人、口や鼻が乾燥する人、顔色が悪く腹部に膨張感のある人など、人の特徴別に特定の漢方薬を提示。服用方法として、長期服用は適さず一般に3〜5日に限る▽いわゆる秘法や偏った処方を信じない——などと訴えている。

この記事の元になった新華社の報道はこちら。新華網(繁体字)より。


中國發布甲型H1N1流感中醫藥預防方案
2009年05月07日 20:45:35  來源:新華網

 新華網北京5月7日電(記者劉奕湛)國家中醫藥管理局日前發布《甲型H1N1流感中醫藥預防方案》。《方案》就如何預防流感開出中藥藥方。

 據了解,國家中醫藥管理結合對目前國外流感人群的認識,總結古今文獻,根據甲型H1N1流感疫情的特點制定了該《方案》。《方案》分為生活起居預防、飲食預防、藥物預防等,針對不同人群提供了詳細且簡便易行的中醫藥預防方案。

 對于生活起居和飲食預防方面,要及時増減衣物,以適寒温;飲食要適時、適量、適温,少進刺激之品;作息要有規律,多動、早睡;保持心態平衡,對流感産生恐懼之心,也可導致氣機逆亂,更易招致外感。此外,要注意飲食清淡,少食膏粱厚味之品,做一些簡單、美味的小藥膳,對預防流感也有幇助。

 藥物預防方面,針對不同人群,《方案》制定出詳細的藥方。針對素體虚弱,易于外感的人群,藥方為太子參10克、蘇葉6克、黄芩[艸今]10克、牛蒡子10克;針對面色偏紅,口咽、鼻時有幹燥人群,藥方為大青葉5克、紫草5克、生甘草5克;針對面晦無光,常有腹脹人群,藥方為蘇葉10克、佩蘭10克、陳皮10克。針對易上火,口氣酸腐的兒童,藥方為藿[艸霍]香6克、蘇葉6克、銀花10克、生山楂[木査]10克。以上煎服方法為毎日1付,清水煎,早晩各1次,3〜5付為宜。

 《方案》強調,服用期間,老年人應在醫師的指導下適當調整用量服用;慢性疾病患者及孕婦慎用;預防感冒的中藥不宜長期服用,一般服用3〜5天;服用期間或服用後感覺不適者,應立即停止服藥並及時咨詢醫師;對上述藥物有過敏史者禁用,過敏體質慎用;不要輕信所謂的秘方和偏方。

 此外,根據中醫和民間傳統,多用具有芳香化濁類中藥,制成香嚢或香薫,具有除瘴避穢的作用,如蒼術、艾葉、[艸霍]香、當歸、白芷[艸止]等。

こちらが中国中医薬管理局の発表した原文。元は簡体字。


甲型H1N1流感中醫藥預防方案(2009版)

2009-05-06

猪流感是甲型(A型)流感病毒引起的猪或人的一種急性、人畜共患呼吸道傳染性疾病。2009年3月墨西哥和美國等先後發生人感染新型猪流感病毒,人感染猪流感後的臨床早期徴状與流感類似,有發燒、咳嗽、疲勞、食慾不振等,還可以出現腹瀉和嘔吐等徴状。病情可迅速進展,突然高熱、肺炎,重者可以出現呼吸衰竭、多器官損傷,導致死亡。
中醫藥在臨床實踐中積累了一定的流行性感冒的防治經驗。在總結古今文獻的基礎上,針對不同人群制定本預防方案。
一、生活起居預防
1.“虚邪賊風,避之有時”,及時増添衣物。
2.“食飲有節”,飲食要有規律。
3.“起居有常”,作息要有規律。
4.“精神内守,病安從來”,“恐則氣下,驚則氣亂”,對流感産生恐懼之心,必導致氣機逆亂,氣鬱化熱,産生毒熱之邪,更易招致外感。
二、飲食預防
飲食宜清淡,少食膏粱厚味之品(易化生積熱),所以在日常生活中,做一些簡單、美味的小藥膳,對預防流感也有幇助。
二白湯:葱白15克,白蘿蔔30克,香菜3克。加水適量,煮沸熱飲。
姜棗蘇葉飲:蘇葉3克,生姜3克,大棗3個。生姜切絲,大棗切開去核,與蘇葉共裝入茶杯内,衝入沸水200〜300ml,加蓋浸泡5〜10分鐘趁熱飲用。
桑葉菊花水:桑葉3克,菊花3克,蘆根10克。沸水浸泡代茶頻頻飲服。
薄荷梨粥:薄荷3克,帯皮鴨梨一個(削皮),大棗6枚(切開去核),加水適量,煎湯過濾。用小米或大米50克煮粥,粥熟後加入薄荷梨湯,再煮沸即可食用,平時容易“上火”的人可吃。
荸[艸孛]薺、百合、梨等具有清熱生津的作用,可以適當食用。
鮮魚腥草30〜60克,蒜汁加醋涼拌。
鮮敗醤草30〜60克,蒜汁加醋涼拌或蘸[艸酉焦]醤吃。
鮮馬齒莧[艸見]30〜60克,蒜汁加醋涼拌或蘸[艸酉焦]醤吃。
赤小豆、緑豆適量熬湯服用。
若口鼻乾燥較重,可以棉簽蘸[艸酉焦]香油外塗,具有潤燥的功用。
三、藥物預防
1.成人
(1)桑葉10克 白茅根15克 金銀花12克
功能:清熱宣肺
適應人群:面色偏紅,口咽、鼻時有乾燥,喜涼,大便略干,小便黄。
煎服方法:毎日1付,清水煎。早晩各一次,3〜5付為宜。
(2)蘇葉10克 佩蘭10克 陳皮10克
功能:健脾化濕
適應人群:面晦無光,常有腹脹,大便偏溏
煎服法:毎日1付,清水煎。早晩各一次,3〜5付為宜。
(3)大青葉5克 紫草5克 生甘草5克
功能:解毒清熱
適用人群:面色偏紅,口咽、鼻時有乾燥,喜涼,大便略干,小便黄。
煎服方法:毎日1付,清水煎。早晩各一次,3〜5付為宜。
建議不同人群在執業醫師的指導下連續服用3劑,在感冒流行期間可再服用3〜5劑。
在流感流行期間可廣泛服用。
2.兒童
藿[艸霍]香6克 蘇葉6克 銀花10克 生山楂[木査]10克
功能:清熱消滯
適應人群:兒童易夾食夾滯者。此類兒童容易“上火”,口氣酸腐,大便臭穢或乾燥。
煎服方法:毎日1付,清水煎。早晩各一次,3〜5付為宜。
服用中藥預防感冒需要註意事項:
1.老人、兒童應在醫師的指導下適當減量服用;
2.慢性疾病患者及婦女經期、産後慎用,孕婦禁用;
3.預防感冒的中藥不宜長期服用,一般服用3〜5天;
4.服用期間或服用後感覺不適者,應立即停止服藥並及時咨詢醫師;
5.對上述藥物有過敏史者禁用,過敏體質慎用;
6.不要輕信所謂的秘方、偏方和驗方。
四、其他
根據中醫和民間傳統,多用具有芳香化濁類中藥,製成香嚢或香薫,具有除瘴避穢的作用,如蒼術、艾葉、藿[艸霍]香、山萘[艸奈]等。

この中で
 日本の家庭でも簡単にできる
のは、最初に紹介されている
 普段から薬膳で新型インフルエンザを予防
というレシピの内、
 二白湯 葱の白い部分15g 大根30g 香菜(パクチー)3gに適量の水を加えて煮立て、熱いうちに飲む

 小豆・緑豆を適量、茹でて飲む
かな。
もし、
 大棗
が手に入るなら
 姜棗蘇葉飲(生姜・大棗・紫蘇の飲み物) 赤紫蘇の葉3g 生姜3g 大棗3個。生姜は繊切りに、大棗は開いて中の種を取り、赤紫蘇の葉と共に茶碗に入れて沸騰した湯200ml〜300mlを注ぎ、蓋をして5〜10分蒸らし、温かいうちに飲む
も作りやすい。大棗は、中華材料の「紅棗」として売られている。たとえばこんなの。

紹介されている新型インフルエンザを予防する漢方薬については
 老人や子どもは医師の管理の下で、量を加減する
 基礎疾患のある人や産前産後は服用禁止
 服用期間は3〜5日以内
 服用して気分が悪くなったら、即刻服用を中止して医師に相談する
 上記の薬物でアレルギーを起こしたことのある人は服用禁止、アレルギーのある人は慎重に服用する
 いわゆる秘方とか、偏った処方とか、「効果がある」処方を軽々しく信用しない
という注意書きが付いている。ほら、
 漢方だから身体に安心、アレルギーがあっても、妊産婦でもOK
なんて世迷い言は
 漢方の本場中国では決して言われてない
ってことですよ。
 漢方薬は薬、100%安全ではない
ってことを上記の中国中医薬管理局の発表は明言している。そして
 ○○さえ飲んでいれば大丈夫なんてのは嘘

 誰にでも効く魔法の処方もない
ことも明言している。
 漢方だったら何でも大丈夫だし、現代人の知らない秘密の処方がある
というのは、誤り以外の何物でもないし
 漢方の名を騙って新型インフルエンザ「商法」で儲けようとする詐欺師
を暗躍させるだけだ。今後、明らかな効能がないにもかかわらず、
 漢方の知恵を生かしました
などと称する怪しげな「サプリメント」などが売られないか、注目している。

こうした新しい感染症が発生すると、日本では
 漢方なら副作用無し
とか大嘘をつく輩が出てくる。その点では、ちゃんと
 薬は毒になることがある
という認識の元にこうした発表をする中国よりも、明確な指針がない、日本の漢方の運用の方が、よほど危険だろう。

続き。
週刊朝日が
 麻黄湯が「験方」
という記事を載せているが微妙。
「新型インフルエンザは漢方で治る」説が浮上(週刊朝日 2009年05月22日号掲載)
というのは
 絶対的な臨床例の数が少なすぎる
からなのだ。


表は2007年11月から08年3月まで、森医師が診察したインフルエンザ患者のうち、「タミフル」で治療した13人と、「麻黄湯(まおうとう)」と呼ばれる漢方薬を与えた11人を比較したもの。高熱で来院した患者が36・9度以下の体温になるまでの時間を計測したところ、タミフルが平均25・38時間に対し、麻黄湯は14・09時間だった。

対照群ありで麻黄湯の処方例はたった11例。
なおかつ、こうした
 漢方によるインフルエンザ治療は、薬剤を増量するために医師の管理下でないとダメ
なのだ。


 ただ繰り返すが、 服用量を増やすことで、飲み続けると、動悸やショック状態がみられることもある。森医師は言う。

「発汗し解熱しているのにさらに服用を続けると、逆に体に悪いのです」

 星野部長も注意する。

きちんとした専門医にかかってほしい。個人で勝手に服用するのは大変危険です」

確かに記事を最後まで読めば、こうしたことは書いてあるが、
 最初に麻黄湯の効能を煽った
後の「注意書き」部分だから、読者が気がつかない危険性は大きい。だって
 どの薬が効くか
ということだけが、注意点だと思い込んでいる人多数じゃないのか。もし
 麻黄湯増量処方の危険性を記者がよく認識
していたら、
 こうした扇情的な記事作りはしない
と思う。命に関わる恐れがあるのだがな。

そして、
 週刊誌は見出しが命
だから、たぶん、この記事は次のような形で伝播するだろう。
1. 新聞や電車で見出しを見て「漢方薬が何か」を知りたい人が『週刊朝日』の当該記事の最初の部分だけ立ち読み
2. 「麻黄湯」増量処方ということだけ覚えて「麻黄湯」を購入
3. 医師の管理を受けず、危険な服薬をする
ということになる。

あっては欲しくない話だが
 医師の管理なしで、素人考えで麻黄湯を服用して何らかの問題が起きた
時に、それが『週刊朝日』の記事の示唆によるものだった場合、
 『週刊朝日』は当然ながら責任を取る
んだろうな?
いくら
 注意書きも明記したから責任はない
と言っても、誤解を生むような扇情的な記事を書いているのは確かだ。

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コメント

「インフルエンザがいつ治ったか」は「熱がいつ下がるか」で決められる、という話は初めて聞きました。解熱剤が最強のインフルエンザ治療薬というわけですか。
そうですかー、私は医師として勉強不足ですね。
# 記事はいつもの如く十分ではないと思うので、森医師はきちんと理解して記者に話しているが、記者が理解不十分もしくは筆力不足なのだと信じています
# 皮肉は書きましたが、漢方にも可能性があることは私も否定する気は全くなく、そうかもしれないと考えるところです

投稿: 桜井純一郎 | 2009-05-14 15:57

 「インフルエンザが治る」ということと、「発熱というインフルエンザの症状が治まる」ということは中身が違うと思うのですが。週刊朝日の記者は分かっているのだろうか。
 麻黄湯の増量服用により、タミフルよりも早く解熱する、というべきでしょう。平均値しかわからないので、断定はできませんが、13例と11例なら統計的有意差は出るかもしれません。
 インフルエンザなんて、所詮症状がおさまればよい病気ですので、グダグダ言う必要もないのかもしれませんが、しかし、防疫という観点から言えば、症状がおさまってから排菌(ウイルス)が止まるまでの時間がどうなるのかは、きちんと評価しておくべきだと思います。
 また、その治療法にどのような副作用があるのか、あるいはないのか、を云々するには11例は確かに少なすぎですね。

投稿: JSJ | 2009-05-14 15:59

 追加コメです。
「インフルエンザの治療」というのなら、治療群ごとの、肺炎や脳炎など重症化する率、死亡率あたりの比較は必要かと思います。

投稿: JSJ | 2009-05-14 18:20

民主党のはたともこさん
http://blog.goo.ne.jp/hatatomoko1966826
「ひとまず街かど薬局で麻黄湯を買って服用することは、セルフメディケーションの観点からいってももっともな判断ではないかと思います。」
おいおい、こんなこといって大丈夫なんでしょうか。エフェドリンはいってますよね。副作用タミフルの比じゃないと思うんですが。
これで薬剤師だってんだから困ってしまいます。

投稿: とれま | 2009-09-24 17:18

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