人文系学術論文の締切日
以前
6月末日締切
だった学術誌が近年7月末日締切に変わった。
最近、どこの大学も
半期15回授業を徹底
するように指導されているから、カレンダーの具合によっては、
最終週が8月第一週にずれ込む
場合もある。そうなるととてもじゃないけど
6月末日に間に合うように論文作成
はできなくなっていくってことなんだろうなあ。
今年は新型インフルエンザ流行で
休校措置
を取った大学が少なくない。そうすると、授業が1週間〜2週間後ろにずれることになるから、
7月末日締切でもしんどい
ことになるかも。定期試験の採点は、たいてい
1週間以内
なんてところが多そうだから、採点と論文の締切に追われる7月末ってことになっちゃう。
学術誌としては
12月末までに刊行
を目指しているだろうから、
7月末日締切
は動かせない。今後
8月初旬まで授業がある大学教員の投稿数が減る
ことになるのかな。そうなると
大学院生のデビュー雑誌
ってことになっちゃって、それはそれで困るわけで、
大学の先生がヒマ
というのは、過去の話になりつつあるのだが、人文系学術雑誌の締切は、なかなかその「新体制」に対応出来ない。
7月末の次の締切は
1月末日
というのが増えてきているけど、これも
2月初旬まで授業
ってことになると、やはり
大学教員の投稿数が減る
って事態になるよね。まあ、1月末締切は、その年の総決算だから、7月末日締切よりは投稿数は多くなるだろうけど。ともかくも
日本の気候の一番いい時期に入試業務に忙殺される
のが、現在の日本の論文生産性を著しく下げていると言われるこの10年ほどの動きが、ボディブローのように効いていて、
論文を書けるのは比較的ヒマな大学院生と学振の特権
になりつつある。本来仕事をしなくてはいけない若手・中堅教員は、学務に忙殺されていて、とてもじゃないけど、じっくり腰を据えて論文を書けるような環境にない場合が増えている。更に、一般教養科目のアウトソーシング化によって、増え続ける
「専任」非常勤
になると、よほどの条件が重ならない限り、論文を書き続けるのは難しくなっていく。「専任」非常勤はヒマなように見えるけど、生活を立てるためには掛け持ちしなくてはならない。そうなると、研究時間は盗むように得るしかなくなる。経済的には貧困層に属しており、図書館利用の権限も、常勤の大学教員に比較すると圧倒的に不利な場合が多いから、不断の努力と折れない心を持ち続けないと、研究論文を書き続けることはできない。
こうなると、
桜の咲く春に入学式
に固執するよりも、
欧米と同様の8月末~9月新学期
の方が、論文の生産性は上がるんじゃないか、と思われる。減っていく国内の労働人口も
9月新学期を導入
すれば、世界から人材補給がより容易になるわけで、
学問の水準を上げるためにも、労働人口確保の意味からも、9月新学期の導入
って、真面目に検討すべき課題じゃないのかな。
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