アフリカの女子割礼をめぐって
メモとして。
アリス・ウォーカーは何冊か読んだけど、これは知らなかった。医学史研究者akihito_suzuki2000さんのblog「身体・病気・医療の社会史の研究者による研究日誌」より。
女性性器切除
紹介されているのは『喜びの秘密』。
こちらはmonodoiさん経由。男女の割礼をフィールドワークで研究して、博論をまとめたという人類学者小田亮さんのblog「小田亮のブログ とびとびの日記ときどき読書ノート」より。
西ケニアにおける「女子割礼」について
小田さんの上記記事では、小田さんが実際に調査した西ケニアのクリアという民族の男女の割礼について紹介し、合わせて最近の女子割礼関連の動向についても触れられている。更に、女子割礼を行っている地域にフィールドワークに入っている人類学者はたくさんいて、実態を見ているのに、現在国連などが行っている「女子割礼廃絶」運動に人類学者の知見が取り入れられないという話と 男子割礼でも死者が出ていることを問題視しないのは、欧米でも男子割礼が行われているから
という指摘が重要。
女子割礼を最初に知ったのは、有吉佐和子が翻訳に関わった
ブルノワット・グルー『最後の植民地』新潮社
でだった。1979年の出版で、出てすぐ買った。フランス人にありがちな
かわいそうなアフリカの異教徒を救ってあげよう
というものすごい上から目線の記述に辟易するけど、それを差し引いても、女子割礼というのがこの世に存在するというのを日本で広く知らしめるきっかけになった書物だと思う。
国連特別大使として、女子割礼廃絶運動に関わっている、スーパーモデル(当時)ワリス・ディリーのことは、NHKの「未来への教室」で知った。NYの高校で、女子割礼についての特別授業をやったのを扱った番組だ。NHKの日本賞を2000年に受賞していて、何度か再放送された。
番組紹介。
未来への教室「ワリス・ディリ- タブーに挑むスーパーモデル」
ワリス・ディリーの著書は『砂漠の女ディリー』(草思社)。
ところで
その昔、役に立たないという評判があったHRAF
は、紙カード時代には
女子割礼
ってあったっけかなあ。今はないと困るけど。
紙カード時代に、京大図書館のでかい専用キャビネットに収められたHRAFをめくったくらいで、確かに、当時探していた卒論のテーマには、全然役に立たないというか、自分で集めた文献の方が遙かにいろいろ書いてあった。その頃のHRAFにはサンスクリットや漢文ベースの書籍はおろか印度学の成果は全く反映されてなかったから、当然と言えば当然だったけど。(いまどうなってるかは知らない)HRAF室が別にあって、そこでめくる形だったように思う。で、HRAF室って誰も来ないのね。確か利用には予約が必要だったんじゃなかったっけ。そういう面倒さもあって、HRAFに寄りつく学生はほとんどいなかった。
その後HRAFはCD化されてたのね。これは95年当時のHRAF CDの評価と紹介。
Cross Cultural CD(HRAF)試用記
現在は、オンラインデータベースになっている模様。
Human Relations Area Files
HRAFの設計思想からすると、オンラインデータベースに最も向いていたわけで、やっと理想とする形で使えるようになったってことか。
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