宋学が嫌い
何が嫌いと言って
宋学
が一番嫌いだ。漢学はインド学の基本的手法と馴染みがよいので抵抗なく受け入れられるのだが、どうしても宋学は好きになれない。朱熹が嫌い、というのが大きい。
十数年ぶりに、宋学の勉強をしなくてはならなくなり、頭を抱えつつ、作業をこなしている。別にそこまで頑張らなくてもよい仕事なのだが、気になり出すと止まらない性格が災いしている。書庫にあった
小島毅『宋学の形成と展開』創文社
をめくっていると
五峯集
とか、邵雍とか二程全書とか、昔見たような書目とか、一度めくったことのあるフレーズとかがバラバラ出てくる。たしかに大学院のゼミで
朱子語類
を読んでいたわけだから、この辺りは覚えてないといかんのだが、嫌いなモノはすぐに忘れるタチなので、昔の不勉強を今に悔いつつ、勉強のし直しをしているところだ。書庫には『宋元学案』も『明儒学案』も揃っているからな。
小島毅のこの本は
宋学の祖が周敦頤で、周敦頤が『太極図説』を二程に授けたという伝説はウソである
ということが書いてあったりする。みんな
朱熹の道統論にダマされてるんだ
という主張なのだが、まあな、朱熹だからな。
朱熹が嫌いといっても
詩集伝
は嫌いではない。やっぱり
朱子語類
に出てくる「朱子」が気に入らないのである。仏教の論理学の方法を使って、あれこれ言ってくるのが透けて見えるので、とてもじゃないけど好きになれないのだ。この
気持ち悪さ
は、仏教を先にやってたから感じる気持ち悪さであって、たぶん大方の中国学研究者は気にならないだろう。
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