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2009-11-09

東大社研から科研の世論調査アンケートが来た件 世論調査の作られ方

郵便受けに大きな封筒が入ってると思ったら
 東大社研
の封筒で、中身は
 科研で世論調査するからアンケートに答えろ
という内容。依頼は丁寧だが、ちらっと眺めたら、聞いてる中身がどうも丁寧に答えれば答えるほどアホらしくなる内容である。
一般市民に、無作為抽出でクロネコメールで送っているようなんだが、研究者から見ると
 こんなアンケートで科研の業績になるの?
という内容。アンケートには答えてあげるという仏のような市民を除き、たいていの一般市民なら当然うんざりしそうな内容のアンケートである。てか、この設問のセンスのなさはなんだろう。

設問の多さは、健常者でもたぶんイヤになると思う。
で、
 視覚障碍者に普通の大きさの文字で、かつ大量の設問入りアンケートを送ってこない
ように。役所の書類を書くときに視覚障碍者がどれだけ呻吟してるか、たぶん送付した方は考えてもいないだろう。

たまに、市の調査なんかでも
 無作為に選んで
とか言って、
 普通の大きさの文字で、大量の設問入りアンケートを送付してくる
のであるが、一切答えないことにしている。というか
 決められた場所に、印を付ける
というのは、視覚障碍者が一番不得手な作業である。だいたい紙アンケートなんぞに答えると、その日は一日他の仕事が出来なくなるのだ。
 そんなに潤沢に視力が余っているわけではない
のに、送ってくる方は何も考えてないからな。

ちなみに
 東大社研のアンケートにはボールペンが1本
入っていたから、これが
 御礼
なんだろうな。

今回はたまたま
 視覚障碍のある研究者
に届いたのが不運ということで、わたしからの回収は諦めて頂戴。てか、視覚障碍がなくても、普通の研究者は回答しないだろうな。すごくバカにされたような気分になる設問が並んでるんだもん。

ボールペン1本もらって、答えなくてはいけない設問には
 前回の衆院選の投票行動
のほか
 現在の年収や職業
といったおなじみの項目のほかに、なんと吃驚、
 自分が生まれたときの両親の国籍が日本国籍かどうか
なんて質問がある。すげー微妙というか、無茶振りの設問。対面式のアンケートでやるべき設問じゃないのか。

てか
 ボールペン1本でこんな質問に答えて、親や自分のプライバシーを売り払う人間
がいるのかどうか、謎だけど。こうした
 親の国籍にまで関わるような微妙な設問が「科研のアンケートだから、誠意ある回答が得られる」
と信じてる段階で、たぶん、いろいろ間違っている悪寒。
 郵送してヒモがついてる時点
で、つまり
 東大社研のリストには回答者の住所と氏名がある
訳で、それに
 年齢とか性別とか年収とか「生まれたときの親の国籍」とかがリンクする恐れ
がある。整理番号ついてるしな。
もちろん
 悪用しません
とは断っているけど、科研のアンケート処理のプライバシーに関する配慮って、どの程度あるかなんて結局は分からない。
そして、このアンケートの依頼状の気味の悪い所は
 研究分担者の名前がない
点である。てか
 研究代表者
はいるんだけど、残りの大学関係者はみんな
 研究協力者
なのね。研究分担者をリストに入れて、アンケートの責任の所在を明らかにするのはまだ分かるような気がするが、
 研究協力者がアンケート依頼の責任者リストに入っている
って、普通ですか?初めて見たんだけど。研究協力者って、日本人院生でも留学生でもなれちゃうわけで、あんまり説得力を感じない。

で、「生まれたときの親の国籍」などという最も難しいプライバシーに関わる質問は失敗するんじゃないの?はっきり言うけど
 対面式で調査するべき項目を郵送アンケートで処理しようとしているのは手抜き
じゃないかと思う。ボールペン1本もらった程度で
 親はわたしが生まれたときは日本国籍をもってませんでした
なんて、わざわざ書く人っているのかなあ。対面式でも信頼できる結果が得られるかどうかは、結構難しいかも知れない設問である。

しかし、この信頼できる結果がでるかどうか謎なアンケートは統計処理されて報告書になる上に
 アンケート協力者に報告書を送ってくる
って話で、依頼している方は、
 ありがたく思え
と思っているのかも知れないが、普通のヒトは
 いらねえよ、そんな報告書
なんじゃないのか。科研の報告書をもらって嬉しいヒトって、その分野の研究者だけだろうし、その分野の研究者であったとしても、アンケート結果の報告書は貰ってもほとんど使い道がないでしょ。

いろんな意味で世間の一般的な「気持ち」とズレまくっているところが凄い。

で、このアンケートが報告書になった暁には、きっとどっかのマスコミが
 東大社研の調査で〜ということがわかった
とかいう提灯記事を書くに違いない。楽しみにしてるよ。東大社研だと朝日とか毎日辺りが食いつくのかね。

続き。(11/10 8:50)
社会調査を行う経済学研究者である畏友が教えてくれたのだが
 国籍に関わる設問など「入れると回収率が明らかに低下する質問は、どうしても必要でなければ入れない」
そうだ。アンケートを送付してきた研究者を、この友人は知らないそうで
 社会学の人かな〜?
と言っている。ま、
 回収率があからさまに悪くなる可能性の高い設問を平気で入れてくる
のだから、
 アンケート調査に慣れてない
か、
 アンケート調査をナメている
かのどちらかでしょう。

アンケート調査で肝要なのは
 信頼できるデータが取れる質問が設定されているか
と、郵送調査のように
 回答者に負担を強いる場合
には
 回答者がイヤにならないよう、質問の構成・デザインに配慮
することなんだけど、少なくとも
 質問の構成・デザインが投げやり
なアンケートであることは間違いない。研究費の使い方がダメなんじゃないかな〜。
 郵送調査でこれだけ金かけてるんだから、なんでも聞いてやろう
って感じの設計なんだもん。質問する順番も考え抜かれているとは言い難い。

依頼状にしても、研究協力者が並ぶ責任者リストにしても
 有効なアンケート調査を実施する困難
をどうやって乗り越えるかは
 トップに東大社研という名前があれば大丈夫
という
 変な過信
に支えられているだけのように見える。そもそも東大社研と言われても、一般社会のヒトはほとんど知らないって。研究者だって、分野が違えば、東大社研がどんなところか知らないというのにな。
世論調査の対象である「世間」から見られている自分が自閉的であることに自覚的でない状態で
 世論調査のアンケート
って、なんだか凄いよね。

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