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2009-11-24

豚インフルエンザ これが緑タミフルだっ 高熱でも「元気にみえる」邪悪な症状が子どもの急変を招く→追記あり

先ほど、
 A型インフルエンザ感染確定
が出た。たぶん、感染源は
 新大宮〜奈良間で隣に座って、顔を覆いもせず、周りに盛大に鼻水と咳をまき散らしていたおっちゃん
だと思われる。マスクもしていたし、帰宅後顔も手も洗ったけど、
 直接飛沫攻撃
の方が強い。あのおっちゃんはあの調子で近鉄線内でバイオテロ攻撃を敢行してたんだろうけど、果たして犠牲者は何人出ていることか。

日曜日夜半から発熱。
いくら布団を掛けても異様に寒い。
熱を測ると
 39度5分
ある。前に処方されていたカロナールを6時間おきに飲むと
 38度8分
位までは下がるのだが、また元に戻る。
休日診療所には足がないので行けないし、布団にくるまっていた方が他に被害を出さない。

今日は病院が開いてるので、かかりつけの先生に診てもらうと
 これは当たりかどうか、検査しますね
と、鼻の奥に細い綿棒を挿入。5分も経たないうちに結果判明。
 これだけ短時間に結果が出るのは、ウイルス量が多い証拠ですね
とのこと。ちなみに
 うちの患者さんはだいたい21歳以下なので、これは最高齢記録ですよ
と、喜んでいいのか謎なことを教えて貰う。
で、処方は
 リレンザとタミフル、どっちにしますか
ということで、結局タミフルに。

これが、いわゆる
 緑タミフル
だっ。
Tami
朝晩二回、五日分処方された。

今回の新型インフルエンザの特徴は
 熱がある時にも、わりに「元気にみえる」点
である。わたしは42度まではなんとかなる碌でもない体質なのだが、それでも39度台になると、大抵はしんどい。ところが、いまこれだけ熱があるのに
 話し声は普通、喉は腫れてない、咳は出ない、鼻水も出ない
のである。おそらく、咳や鼻水は熱が下がり始めると出る模様。

全国で子どもが急変する例が相次いで報告されているが、その原因は
 「高熱なのに見た目元気」なインフルエンザに周りがなんとなく安心してしまった点
にあるように思う。普通、高熱の子どもはぐったりするのだが、このインフルエンザだと
 見た目元気で、高熱があるようには見えない
のだ。ちょっと目を話した隙に急変した、というのは、ぐったりしているわけでもなく、受け答えも普通だから、通常の風邪くらいの対応でいたら、急に肺炎の症状が出た、といった辺りではないか。これは
 看病する親
にとっては、一番
 足元を掬いに来る、邪悪なインフルエンザ
ということになる。小児科では
 熱があっても元気なら大丈夫
というのがセオリーだが、今回のインフルエンザに限っては、そうは言えないのだ。

今後、お子さんが新型インフルエンザに罹ることがあったら、
 元気そうに見えても、高熱のある間は要注意
と肝に銘じておきたい。

これから
 2倍希釈スポーツドリンク
 栄養補助食品(ゼリーとかブロックとか)
 バナナ
 蜜柑
 備蓄食料
でしばらく家に籠もる。

(追記 11/25 19:09)
お見舞いコメントを皆様ありがとうございます。

タミフル服用で37度台後半まで熱は落ち着いたが、まだ下がりきらないところ。

ドロッポ小児科医先生から貴重なご意見を頂いたので再掲する。


あんまり世のお父さんやお母さんを恐怖で煽らないで下さいな。
急変するのは、高熱が出ても見た目元気だから、ではなく呼吸器での変化が早いからです。
ブタインフルエンザは肺や気管支への親和性が強く、気管支壁を腫らして、とても粘っこい痰を張り付かせるんです。
特に気管支喘息の非常に軽い人や治ってしまった人、診断まで至らなかったほどの軽い人が、急激に気管支に変化を起こし、気管支壁を強く腫らし、気管支を塞ぐような痰を大量に作ってすぐに呼吸困難になるんです。
しかも痰が固く粘っこいので、喉元まで来ず、そのため咳反射で痰を吐き出すことがないため、咳があまり出ず、聴診上も胸の音の悪化が出にくいわけです。
とはいえ、喘息の人全員がなるのではなく時々そういう人が出てくる程度です。
そしてこの症状に対して気管支拡張剤やステロイドはあまり有効性が無いのです。
けれど、こんな事になっても二、三日乗り切ると、すぐに状態はどんどん良くなるんですが。
さらに言うなら一旦熱が下がってから、数日たって再度悪化したほうが、質が悪いんで、高熱があるから恐くて、熱が下がれば安心とは行きません。ウイルス自体も熱が下がっても10日ほどは排出されつづけますし。

熱の有無に関わらず、治療を受けていない喘息もちの方はインフルエンザの時は注意しましょうのほうが、現実的でしょう。
熱出て元気なら、家でしっかり見て救急外来に来ない方が、いいと思いますよ。

ドロッポ小児科医先生、専門家からの貴重なご意見ありがとうございます。
もちろん
 救急に連れてこい
という意図はありませんでした。
 家庭でしっかり看てあげて下さい
というつもりでしたが、意図が伝わらないようでしたらお詫びします。

ところで、昨日タミフル1錠目を服用して1時間しない内に、ドロッポ小児科医先生もご指摘になった
 粘度の高い痰
に苦しんだ。わたしは、管楽器(フルート)を演奏したり、合唱をやったりして、呼吸(というか横隔膜というか)のコントロールは多少できる程度ではあるけれども、それでも
 全然痰が切れない
のである。粘度から言うと
 鳥もちみたいな気味悪さ(実際は鳥もちよりは粘度は低いと思うが、気管に粘り着く感じがこれまでにない堅さ)
なのだ。相当努力したけど、結局喀痰できなかった。
 これは肺機能に障害があったり、小さいお子さんだと対応は難しいだろう
と身をもって感じた。昨日はまだ熱が高かったので、その点についてまでは書けなかったのだが、ちょうどドロッポ小児科医先生のご指摘を受けたので、併せて記録しておく。
 もし、呼吸困難になるとすれば、この痰のせいだな
と思ったので、その後は、呼吸に負担が掛からず、痰を吐きやすい態勢で休んだ。現在、一人で住んでいるので、窒息しかかっても、誰にも助けて貰えないし、もし家族が一緒にいても、この粘度の痰を何の設備もない家庭で引くのは難しいのではないかと思う。おまじないにかかりつけの先生に出して頂いたバンブロアンとニコラーゼが効いてきたようで、その後はそれほど粘度の高い痰に苦しまずに済んでいる。
わたしの場合は、7月以降の感染者の8割が20歳未満という統計から行くと、高齢の感染者だが、発熱が日曜でその後勤労感謝の日を挟んでいるので、初診までにウイルスの量が増えていたようだ。
(追記終わり 熱が下がりきらないので、次の追記があるとしたら体調に依ります)

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コメント

当たりですか!? お大事に。
東京でも、高校の同級生で一人発生しました(僕じゃないです:笑)。

投稿: ttanabe | 2009-11-24 18:01

> 新大宮〜奈良間で隣に座って、顔を覆いもせず、周りに盛大に鼻水と咳をまき散らしていたおっちゃんだと思われる。

いつもすごく気になるんだけれど、こういうモラルの低い人が実に多いですよねえ。本当にイヤになる。強毒性H5N1にそなえて、こういうのは今から現行犯逮捕してもらえないだろうか。こういう輩は注意するにも即ケンカの覚悟でしなきゃならんし。

ワクチン接種もタミフル配給も大切でしょうが、それより何より国家主導でこういったモラルの改善を早急にうったえ徹底いくことが必要ではなかろうかと思います。手洗いの徹底とともに、安価でもっとも効果の上がる予防策だと思うんですが。

投稿: HN考え中 | 2009-11-24 18:49

おだいじに

投稿: physician | 2009-11-24 19:05

お大事に、PC開いたりしないように、安静にしててください。

投稿: きゃら | 2009-11-24 22:08

どうぞお大事になさって下さい。

投稿: REX | 2009-11-24 22:52

熱があるのに元気でいられる…

発見を遅らせる一因ですね。小さな子供の異変に気がつきにくいのはやっかいですね。

集団感染が拡大している一因かも知れません。

寒くないのに「寒い」と訴える子供は新型を疑った方がいいですね。

投稿: 仔鹿 | 2009-11-25 07:34

うちの子は、寒気→37.5(夕方)→38.5(夜)→37.6(朝)で病院にいき、A型と判明しました(タミフル5日分)が、その後は体温は37度台でした。その後、学校のお友達の様子も聞いてきたのですが、同じようだったとのこと。
こちらは関東なので、近畿圏のウィルスは別物かも…。

投稿: ちょ | 2009-11-25 12:21

あんまり世のお父さんやお母さんを恐怖で煽らないで下さいな。
急変するのは、高熱が出ても見た目元気だから、ではなく呼吸器での変化が早いからです。
ブタインフルエンザは肺や気管支への親和性が強く、気管支壁を腫らして、とても粘っこい痰を張り付かせるんです。
特に気管支喘息の非常に軽い人や治ってしまった人、診断まで至らなかったほどの軽い人が、急激に気管支に変化を起こし、気管支壁を強く腫らし、気管支を塞ぐような痰を大量に作ってすぐに呼吸困難になるんです。
しかも痰が固く粘っこいので、喉元まで来ず、そのため咳反射で痰を吐き出すことがないため、咳があまり出ず、聴診上も胸の音の悪化が出にくいわけです。
とはいえ、喘息の人全員がなるのではなく時々そういう人が出てくる程度です。
そしてこの症状に対して気管支拡張剤やステロイドはあまり有効性が無いのです。
けれど、こんな事になっても二、三日乗り切ると、すぐに状態はどんどん良くなるんですが。
さらに言うなら一旦熱が下がってから、数日たって再度悪化したほうが、質が悪いんで、高熱があるから恐くて、熱が下がれば安心とは行きません。ウイルス自体も熱が下がっても10日ほどは排出されつづけますし。

熱の有無に関わらず、治療を受けていない喘息もちの方はインフルエンザの時は注意しましょうのほうが、現実的でしょう。
熱出て元気なら、家でしっかり見て救急外来に来ない方が、いいと思いますよ。

投稿: ドロッポ小児科 | 2009-11-25 19:02

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