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2010-02-02

糖尿病ではない90代の入院患者に何者かが大量のインシュリン投与(その2)3日連続血糖値低下

京大病院が昨日、記者会見を開いたのだが、内容はおどろくべきものだった。NHKより。


何者かがインシュリン投与か

2月1日 19時8分
京都大学附属病院で去年、容体が急変した入院患者の血液から、検出されるはずのない、きわめて高い濃度のインシュリンが検出されたことがわかりました。患者の容体の変化は3日連続で起きていたということで、警察は、何者かが女性にインシュリンを投与した疑いがあるとみて捜査を進めています。
京都大学附属病院では去年11月、循環器内科に入院していた94歳の女性が血糖値が急激に下がる発作を起こして、一時、意識不明になり、血液からは血糖値を下げるインシュリンがきわめて高い濃度で検出されました。これについて、病院の中村孝志院長が1日、記者会見し、この女性に同じような発作が3日連続で起きていたことを明らかにしました。そのうえで中村院長は「女性の治療にインシュリンは必要なく、医師による投与の指示も出ていなかった。体内のインシュリンが増える病気ではないことが確認されたため、事件の疑いがあると考えて警察に届け出た」と述べました。警察は、何者かが女性にインシュリンを投与した疑いがあるとみて、治療記録を分析したり、病院の関係者から事情を聴いたりして捜査を進めています。

院内のインシュリンではないかも知れない、と読売は報じる。


インスリン、故意に注入の可能性も…京大病院
(略)
 中村院長の説明では、女性は同月6日に入院。14日午後1時頃、血糖値が急激に下がる低血糖発作を起こした。医師がブドウ糖を投与するなどしたが、15、16日にも同様の症状が見られた。インスリンは、ナースステーションの冷蔵庫に保管されているが、抜き取られた形跡はなく、また、女性が入院していた大部屋に、インスリン投与が必要な患者はいなかったという。

(2010年2月1日23時43分 読売新聞)

一般病棟からICUに移すと、症状は消えた。産経より。


京大病院の患者が3回にわたり低血糖に インスリンを複数回投与?
2010.2.1 23:02
(略)
 女性はブドウ糖投与の治療などで一命をとりとめたが、15、16の両日にも血糖値が急激に下がる症状を起こし、いずれも高濃度のインスリンが検出された。17日に集中治療室に移されてからは症状は起こらず、12月に退院した。
 インスリンは通常、医師や看護師の詰め所内の冷蔵庫に保管されている。病院側は事件前後にインスリンが不正に持ち出されたかなどについては「はっきり分からない」としている。
 中村孝志病院長は1日、「他の入院患者で同様の被害は確認していない」と説明。今回の事件については「何者かが数回に分けてインスリンを故意に投与した可能性もある」との見方を示した。

京都新聞が詳しい。


室移動後も投与か 容体急変 3日連続 京大病院患者 不審インスリン

 京都大医学部付属病院(京都市左京区)で昨年11月、入院患者の女性(94)が一時意識不明になり、治療に不必要な高い濃度のインスリンが検出された問題で、女性が容体の急変した大部屋から、個室に移った後にも低血糖による発作を起こしていたことが1日、捜査関係者らへの取材で分かった。

 京都府警は、個室でも血糖値を下げるためのインスリンが投与された疑いがあるとみて、当時の病室への出入りの状況などを詳しく捜査している。

 京大病院の中村孝志病院長は1日、患者の女性は昨年11月14~16日に3日間連続で容体が急変したことを明らかにした。

 捜査関係者らによると、女性は昨年11月6日に入院した。14日に容体が急変したため、15日に個室に移ったが、15日と16日にも同様の異変があった。いずれも低血糖発作の症状がみられ、調査の結果、14日と16日に血液から高濃度のインスリンが検出されたという。

ということは
 1. 一般病棟の大部屋に入院中の11/14に低血糖発作。血中から高濃度のインシュリン検出。
 2. 一般病棟の個室に移動した11/15と11/16の両日にも低血糖発作
 3. 11/16に検査したところ、血中から高濃度のインシュリン検出
 4. 11/17にICUに移し、治療。以後低血糖発作は起こさなくなる。
ICUへのヒトの出入りや病状把握は、厳重に管理されている。だから、ICUに移されてからは、低血糖発作が起きなくなったのは頷ける。
しかも
 11/15に個室に移したことを知っている
わけですか。
京大病院の入院患者管理がどうなっているのか知らないけど、もし、患者さんの名札を室外に掲示してるんだったら、誰でもこの患者さんにアクセス出来た。問題は、最初の
 11/14に大部屋で低血糖発作を起こしている
ということで、
 他のヒトから見られる可能性の高い大部屋で、点滴にインシュリンを混入しても、誰も不審に思わなかった
って話になる。大部屋で患者さんの処置をするときや、まだ明かりがついている時間に休息を取る場合などに、カーテンを閉めるんだけど、そういう動作をしても不審に思われない人物がやったのか、それとも、たまたまカーテンを閉めている時に、誰かがやってきて、インシュリンが投与されたのか。

謎ですな。

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コメント

 回復されて良かったですね。
 それにしても、この90代の女性というのはいったい何者なのでしょうか。3回も狙われたとしたら(いや、まあ記事を見る限り事件のようですし、推理小説のように考えてしまうのですが)この方を狙った事件と考えて間違いなさそうです。90代と言うことでしたら、失礼ながら余命もそれほど長くはないと推察しますが、それでも早く亡くならせたいという動機は?身内のごたごたでしょうか。なんと大胆な。京大の先生方、ナイス危機管理!

投稿: rokutan | 2010-02-02 11:25

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