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2010-02-28

津波がやってくる

チリ地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。まだ救助されていない方もたくさんいるのではないかと憂慮します。

で、
 日本は大津波警報(3m以上)を青森〜宮城県の太平洋岸で発表の予定
だ。日本への到達時刻は昼過ぎとの予想だが、リアス式海岸の三陸海岸は津波が大きくなりやすい。他の地域は1m〜2mの津波警報。

海岸沿いにお住まいの皆様はどうかお気を付け下さい。

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バンクーバー五輪 男子カーリング決勝@ライブストリーミング

ただいま、最後のライブストリーミング中。
http://www9.nhk.or.jp/olympic-streaming/
いや〜、凄いですよ。。。正に
 氷上のチェス
というのがよく分かる。
いま第五エンド終了で、7分間のおやつタイム。

9:20になったら、フィギュアスケートのエキシビションを見ようっと。香港ではホテルのシステムの関係で五輪放送が見られなかったからなあ。

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2010-02-27

帰国

今回の海外調査はとりあえず終了。さきほど帰国した。

一応、当初の予定はこなしたのだが、帰国前日に
 100巻/50冊一気見
という滅茶苦茶目に悪いことをしたので、結構身体に来た。さすがに20冊を越える辺りから、吐き気がしてきたのだが、死ぬ気で頑張って調査を終えた。相手は鉄眼蔵だったんだけどね。本体よりも、扉の書き込みとか、翻刻のされ具合とか、そういう方面に興味をかきたてられるものだった。パソコンがなかったら、昨日までで調査は終わってない。

空港へはHotelinkのシャトルバスを利用した。行きも帰りも実に楽ちん。今回泊まったホテルは機場快線だと乗り換えないといけないし、MTRの駅からちょっと距離がある。大きなスーツケースを転がして歩くのはしんどい距離だ。シャトルバスのおかげで楽が出来た。片道140HKDなので、機場快線+MTRと36HKDしか違わない。スーツケースを運ぶ手間を考えると、悪くない。
もし、2人以上でシャトルバスを利用するなら、2人目からは80HKDになる。

JALのカウンターの行列に並ぼうとしたら、香港人のJALのおじさんが搭乗口への行き方を説明したパンフレットを配っていた。で、顔を見ながら、お客さんそれぞれに応じていると思われる言語で声を掛けてくるんだけど、なぜか広東語で話しかけられた。日本人には見えなかったらしい。
5日も香港にいたので、
 日本人に見えない格好
が少し上手くなったのかも知れない。いくつかコツがあるが、ポイントは
 服装と髪型と靴
だ。

出発ゲートで金属探知機と手荷物検査で引っかかり、身体検査と荷物チェックを受ける。普通話で話したら、係官のみなさんにとても親切にされた。香港の手荷物検査で引っかかるのは恒例行事で、普通話で話して親切にされるのも何故か恒例行事になってしまっている。

ところで、今回は香港島側に宿泊したんだけど、前より治安が良くなったように感じたのは、勘違いだろうか。たいてい九龍側の尖沙咀に宿泊するのだが、印象が違った。
それとも、旧正月期間中だったからだろうか。
ともかくも、香港滞在中は、台湾ほどではないが、極端に緊張することなく過ごせたのは有り難かった。

調査の移動では、香港の旅の友
 オクトパスカード(八達通)
が活躍。150HKDが基本チャージだが、残高23HKDほど。
香港内のすべての鉄道が、そのまま乗り継げるようになったので、ますます快適。元の九広鉄道である東鉄線にも駅内移動だけで乗れる。
MTR車内には、電光掲示板が設置されていて、次の駅を標示したり、CMが流れたりするんだけど、いまは旧正月期間中なので、MTRから乗客への新年祝賀メッセージも出ていた。緑と赤、黄色の3色表示で
 爆竹が破裂するアニメーション
があったのだが、なかなか良くできていて感心してしまった。

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バンクーバー五輪女子フィギュア 「受験秀才」が勝つ採点システムに浅田真央は負けた→2/17付ニューズウィーク誌の記事は「新採点システムでは審査員の母国びいきと裏取引はむしろ悪化」と指摘→Nスペ「浅田真央 キム・ヨナ“史上最高”の闘い」@2/27 総合22:00〜22:50

フィギュアスケートの神様は、なぜこれほど浅田真央に試練を与え続けたもうのか。そして、浅田真央はけなげにも、その試練に常に正面から向き合い、実際に乗り越えてきた。まずは3Aを決める。そして3Aをフリーで2回入れる。そして、SPで1回、フリーで2回3Aを入れる。
今回のバンクーバー五輪で、浅田真央が銀メダルに終わったのは、フィギュアスケートの神様のご意志としか思えない。神様は
 真央、お前にはまだ出来ることがある
そう思し召して、浅田真央がアマチュアとして現役を続けるように計らったのではないか。

演技者としてのキムヨナが今後どういう帰趨をたどるかはわからないが、競技者としてのキムヨナはこれで終わりだろう。終わりにしたいはずである。腰痛持ちのキムヨナが、これから更に4年間も第一線で戦い続けていくことは、肉体的にもムリがあるし、なにより金メダルを取ってしまった彼女には、モチベーションがなくなってしまった。キムヨナは、今後、一生、国家が面倒を見てくれることだろう。もう闘わなくてもいいのだ。アスリートとしては「長い老後」が始まるのである。少なくともあと50年、それは続くだろう。
韓国ではメダルを獲得したアスリートの「老後」は、手厚いものだと聞く。それも金メダリストなら尚更だろう。20歳を前にして、金メダルの栄誉を得ることはなかなかできることではないが、その後の長い人生をつつがなく終えることが出来るかどうかは、また別問題だ。なにしろ、熱狂的であると同時に、一旦事が起きれば、ただでは済ませないお国柄である。歴代の大統領がその地位を去った後の事を考えると、キムヨナの周りにも、彼女を出汁にして金儲けをしようとしているさまざまなよからぬ人物が蠢いているだろうし、これからは更にそういう人間が増えるだろう。才能ある人間が、本人の得意としない経済分野で、すり潰されないことを祈りたい。

銀メダルは敗北。そう思った浅田真央は悔し涙を流した。これはアスリートなら当然のことで、浅田真央の中で更に戦い続ける意志がむくむくと沸き上がっていることだろう。浅田真央は、見事な3Aが強調されて、見過ごされている部分があった。たとえば、3回転ジャンプを全種類は飛ばないのである。ジャンプが得意な浅田真央というイメージからすると意外なのだが、減点を恐れて試合では飛ばないジャンプがある。この弱点を、五輪前の2年で立て直してくるかと思ったのだが、残念ながら3Aの練習がその時間を奪った。これから4年間、浅田真央がソチ五輪を目指すというのであれば、時間はある。弱点とされる、いま試合に入れていない3回転ジャンプを強化してほしい。

そして、浅田真央は「4回転を飛ぶ」と口にした。
3AをSPとフリーで合わせて3回飛んでもメダルに届かないなら、圧倒的な技術の違いが点数に出る4回転を身につける、というのだ。浅田真央の体脂肪率は7%だそうだ。健康な女性の体脂肪率としては限界に近い。本来なら脂肪がついて女らしい体つきになっていく年頃である19歳の浅田真央が3Aを確実に飛ぶためにどれほどの犠牲を払っているかを考えただけで心が痛むのだが、4回転を飛ぶとなると、さらに節制と鍛錬が欠かせない。ケガの心配も増す。それでも恐らく浅田真央は4年後までにはSPとフリーのプログラム全体に1回か2回の4回転を入れ、その一つは連続ジャンプという離れ業をやってのけようとするだろう。当然3Aも欠かせない。男子でも4回転を飛ばない選手が金メダルを取るこのご時世に、アスリートとして持てる技術の限界を超え、フィギュアスケートの水準を高めようと、浅田真央は自分を叱咤激励し続けるというのである。その努力の尊さと払う犠牲の大きさを思うと、まったくもって、胸が張り裂けそうになる。

今回の五輪のフィギュアスケートは
 受験秀才が天才を打ち破る採点システム
が結果を左右した。
 難しい技よりも、平均的な技を確実にこなす
方が加点を貰えて点数が出やすい。ただ、
 加点は審判の主観
によるから、ここに
 さまざまな工作が入り込む余地
がある。ニューズウィーク誌は、2/17付でこんな記事を掲載した。
フィギュアの採点改革に効果なし
この記事によれば
 新採点システムによって、審判の母国びいきと裏取引は更に悪化している
ということであり、
 採点の匿名システムは、裏取引を行いにくくはしているが、審判がひどい点数を付けてもチェックできないので、採点に不正があったかどうかを調査する際には、記名データを公表するべきだ
という、ダートマス大学のエリック・ジツェウィッツ経済学准教授の研究を紹介している。
もし、この研究の通り
 今の採点システムが、裏取引や母国びいきによって恣意的な点数の上下が頻繁に行われているシステム
であるとすれば、それは
 既にスポーツではない
のだ。もし、今回
 トリノ五輪の女子フィギュアは日本人が金メダルだったから、2大会連続で日本人に金メダルを取らせるのはフィギュアスケート人気維持のためにはよろしくない
と審判達が判断して、
 浅田真央に点数が出にくい採点
をしていたのだとしたら、それこそとんでもない。

スポーツの醍醐味は、どんな競技であっても
 一握りの天才が極限までに技術を高める部分
にある。もし、フィギュアスケートが今と同じ採点システムを続けるとしたら、それは自らスポーツとしての可能性を葬り去ることに他ならない。確かにフリーの出来が、従来の本人の演技と比較すればよくなかったとはいえ、プルシェンコがSPとフリーで2回の4回転〜3回転の連続ジャンプを入れても、4回転を飛ばないライサチェックに及ばない、というのは、競技としてはおかしい。同じことは浅田真央とキムヨナにも言える。3Aを3回入れても勝てない競技は、高みを目指すスポーツの本質に反している。ついでに言えば、浅田真央の演技構成は、ジャンプに関していうならば、ライサチェックとそれほど変わらないのである。
公式プロトコルによる、ライサチェックと浅田真央の演技予定からジャンプの部分を抜き出すと、次のようになる。


ライサチェック  浅田真央
3Lz+3T      3A
3A        3A+2T
3S        3F+2Lo
3A+2T      3Lo
3Lo        3F+2Lo+2Lo
3F+2T+2Lo    3T
3Lz        2A
2A

男子は女子より1つジャンプが多いのだが、ライサチェックのジャンプ構成と浅田真央のそれとの決定的違いは回転不足を取られがちだった浅田真央が3回転+3回転を入れてないところくらいだ。女子銀メダルと男子金メダルのジャンプの構成要素がそれほど変わらないというのは、やはりどこかがおかしい。
2/17付ニューズウィーク誌の記事の通り
 採点は不透明で、権益がまかり通っている
のではないか、と疑われるところだ。

才能のあるアスリートの卓越した技能を適切に評価できない採点システムが続くならば、フィギュアスケートは、五輪から去った方がいいだろう。他にも大会はある。Xゲームのように、そこでやればいいのだ。

さきほど、
 Nスペ 浅田真央 キム・ヨナ“史上最高”の闘い
が放映された。ちょっと前にやった
 Nスペ 浅田真央 金メダルへの闘い
にキムヨナの取材部分と昨日行われたであろう
 浅田真央への試合後インタビュー
を足して編集されたものだ。ナレーターは松本和也アナに変更されていた。

このNスペで何が凄いといって
 銀メダルに終わった浅田真央が自分の試合のビデオを見ながら、冷静に振り返っている
のが凄いのである。19歳の乙女なのだから、動揺して取材を断っても構わないくらいの衝撃があったはずなのに、浅田真央は
 自分の演技のどこが良くて、どこがダメだったのか
を的確に指摘し、人を明るくさせる調子で、そして自分の言葉で語っている。負けた試合の直後に、これほど冷静に自分を振り返り、分析し、インタビューアを気遣って語ることの出来るアスリートをわたしは他に知らない。
浅田真央の目はすでに次の段階に向いている。
 与えられた才能を最大限に活かせ
というのが、フィギュアスケートの神様の思し召しであり、それを忠実にやり遂げ、進歩する、選ばれたアスリートが浅田真央なのだ。

神に選ばれるアスリートは、ごくごくわずかで、常にいるわけではない。
浅田真央の進化を目の当たりに出来る、よい時代に生まれた。

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豪華お粥セット?

湾仔の三聯書店の隣にお粥屋がある。本当は餃子屋に行く予定だったのだが、旧正月休みだったみたいで開いてない。お粥屋に足を運んだ。
基本となるお粥にいろいろトッピングするという手もあるのだが、
 豪華お粥セット 40HKD
というのがあったので、それにする。で、
 豆乳を熱いのにするか、冷たいのがいいのか
というので広東語対北京語。

まず油条と豆乳が登場。ほどなくお粥もやってくる。お粥は
 全部入り
である。魚片とか皮蛋とか落花生とかいろいろ入っている。
Ju1
ここの油条は実にぱりっと揚がっていておいしい。お粥に載せてももちろんいいけど
 豆乳+油条
っていうのも捨てがたい。
豪華セットのもう一つの主役は
 腸粉と青菜
で、腸粉は蝦入り、青菜は見た感じ青梗菜なんだけど、日本の青梗菜の持つ青臭さが全然ない。

猫舌なので、お粥で口の中を火傷した。Ju2

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海天堂で亀ゼリー

銅鑼湾のそごうに行ったら、海天堂を見掛けたので直行。ここは
 亀ゼリー(亀苓膏)
の店だ。
ちょっと食べかけの亀ゼリー。
Kame1
熱々で出てくる。そのまま食べる人もいるし、テープルにはシロップも置いてある。わたしは軟弱なので、少し食べてからシロップを掛けた。

ちょっと喉が痛いので、生魚野葛菜を頼んでみる。
Kame2
店のおばちゃんたちは広東語しか出来ないので、コミュニケーションに大変問題があるのだが、なんとか出てきた。

これがメニュー。
Kame3
亀ゼリーが50HKD。生魚野葛菜は12HKD。

座って食べていると、横に中年男性が座り、さっさと亀ゼリーを食べて、そそくさと出ていった。デザートではなく、身体のバランスを養う食品の一つ、って感じかな。

銅鑼湾の海天堂の隣は、香港甘味の
 許留山
で、こちらは行列が出来ていた。マンゴー好きのわたしとしては許留山も捨てがたいのだが、風邪を引きそうで海天堂に行ったので、今回は残念ながら見送る。

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香港と言えば蝦雲呑麺

香港で気軽に食べられて、あまり外れないのが
 鮮蝦雲呑麺
だろう。名店もあるけど、これもMTR湾仔駅の近所の麺家で。
Yun
鮮蝦雲呑麺が27HKD、上湯蝦子芥蘭が30HKD。芥蘭は、あると頼んでしまう。オイスターソースがかかってるのが多いけど、上湯でさっぱり系みたいなのでこっちを選んだ。

ここの雲呑麺は、麺が上にどっかり載っていて、掘り起こすと雲呑が上に出てくる。蝦の甘味のある、さっぱり系スープ。

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2010-02-25

香港は春節期間中の大バーゲン

銅鑼湾には
 そごう
がある。そごうは
 大安売り!
の垂れ幕だらけ。ビルの外にも、店内にも、垂れ幕がぶら下がり、至る所で大安売りをやっている。
正価勝負のデパートがそれなら
 本屋も大安売り
で、ホテルの近所にある三聯書店に行ったら
 学術書の大安売りコーナー
が作られていた。大安売りの上に
 さらに1割引き
なので、すごい値段になってる本がある。もう相当荒らされた後だったのだが、残り福はあった。

昔から
 中国になくなった本は、三聯に行けばある
とは言われてたんだけど、それでも見つからない本もあって、悲しい思いをしている。

三聯書店もそうなんだけど
 一定の額を買うと、優待会員になるシステム
になっていて、三聯は随分前から
 500HKD以上買うと割引価格で買える優待会員カードをくれる
のである。これは旧正月が変わり目なので、この間から
 虎カード
に切り替わった。500HKD以上買えばカードをくれて、なおかつ
 その時の買い物も優待割引
をしてくれる。
大体、カードをくれても、次の春節までの間に香港に行くことがなかったから、テンポラリカード扱いになっちゃっている。前貰ったのは、馬カードだったな。8年前か。
今日のレジはベテランのおばさまで、いきなり広東語で何か言われたので、
 すいません、広東語ができないんです
と北京語で謝ったら、北京語で
 ここに電話番号書いてね
と言い直してくれた。

三聯の専門史の棚に
 書林清話
があったんだけど、
 横組み簡体字
で、甚だ興を殺がれた。てか、『書林清話』は、横組み簡体字が似合わない書物だろうに。勘弁してよ。

今回、購入した、三聯の不良在庫一掃セールの餌食となっていた学術書は次の3冊。
・李浩 唐代園林別業考録 上海古籍出版社(精装) 
これはたぶん平装本を持ってるけど、誰か欲しい人がいそうだから拾ってきた。23HKDで文字通りのたたき売り。
・張光裕・黄徳寛主編 古文字学論稾 安徽大学出版社
たたき売り価格でちょうど大陸の値段と同じ。
・武漢大学簡帛研究中心 簡帛 第三輯 上海古籍出版社
第三輯しかなかった。これもたたき売り価格で大陸とほぼ同じ値段に。

三聯は他にも支店があるので、また覗いてこよっと。

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江戸時代の中国文化吸収熱

インターネットがある現在は
 一瞬でいろんな情報が入手可能
で、先ほども、国会図書館の
 近代デジタルライブラリー
から、必要な資料をダウンロードしたところだ。この近代デジタルライブラリーのおかげで、日本の明治〜大正期に出版されたたくさんの書物に世界中どこからでもアクセス出来る。古本屋の商売敵だけど、こればかりは時代の趨勢である。

で、調査中の書物の書き入れをチェックしていたのだけど、
 江戸時代の中国文化吸収熱
というのは凄いな、と改めて思った。書き入れの中に
 四庫存目に入っている書物
が出てくる。四庫存目というと、『四庫全書』には入らなかった書物のリストで、大抵
 なぜ『四庫全書』に入れられなかったかを説明するために、その書物の欠点を口を極めて罵っている
のだが、やはりわたしの見たかった書物も、清々しいほどにゴミ扱いされている。
で、この
 ゴミ扱いされた書物
なのだが、江戸期に少なくとも4回、和刻本が作られているのである。

四庫存目の悪口が効いたのか、中国では全然人気がなかったようで、著者が自分で刊行した原版しかないようだ。人気があると、更に手が入った他の版が出来るんだけど、そういった様子はない。同じ著者の別な書物が『四庫全書』入りしているのと比べると、天地ほどの差がある。

いや〜、江戸時代の人は勉強熱心ですな。ゴミ扱いの本国に比べて、日本でのこの書物の人気振りはどうしてなのだろうな。帰ってから、調べてみないと。
巨大な権威に真っ向勝負を挑んでいる書物なので、人気が出る要素は確かにあるんだよね。

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本を起こしに行く

只今、香港で訪書調査中。
わたしの仕事の一つに
 本を起こしに行く
というのがある。海外調査で、それまで注目されていなかった書物を掘り起こして、周囲の注意を喚起する、という意味だ。
考古学で
 当たる
というのは、担当した現場で大きな発見があることで、当たりやすい人というのがいるのだけど、訪書調査も「当たる」かどうかが鍵だ。

わたしの注目する書物は
 目録には載っているが、書庫で割合冷遇されている書物
だ。どれがそう、というのは難しいけど、何となく
 これは大事
というのが見えることがある。訪書調査の時間は限られているから、大量に次々見るのではなく、ポイントを絞って鍵になりそうな書物を見せていただく。その中に一部でも「ちょっと匂う」書物があれば、調査はほぼ成功である。
難しいのは、事前に調査したい書目を申請してからじゃないと、閲覧許可が下りないことで、目録の文字列だけから、
 これは大事そうだ
というのを判断するしかない。書影(その書物の画像)が出てればいいけど、そんな親切な目録ばかりではない。もう何十年も前につくられた、ぶっきらぼうで、甚だ不親切な目録の方が圧倒的に多い。その中から
 オレを読んでくれ
と叫んでいる書物を探り出すのである。

昨日も、中国と日本の文化交流の400年ほどの歴史を体現する波瀾万丈の経歴を持った書物が見つかった。書庫にあるのは分かっていたが、やはりあまり注目されてなかったようで、繙くと文字通り歴史がこぼれ出た。こういうことがあるから、訪書調査はやめられない。
少々、傷んでいるので、気をつけて頁をめくりつつ、往時の日本人がどんな気持で、中国から齎らされたこの書物を開いたかを想像した。最初の函の上にある分は、何度もめくられたために、版心のところが切れそうになっている。慎重に開きながら、注記を転写した。

以前は出来なかったりしたけど、いまは善本室にコンピュータを持ち込めるので、調査のスピードも速くなった。

貴重な歴史を抱えて眠っている書物は、世界中どこにでもあり、誰かに再び繙いて貰える日を待っている。

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2010-02-16

杉立義一『医心方の伝来』思文閣出版(現在版切れ)

医学史、それも
 東洋医学史と日本医学史
については
 金持ちの道楽
と揶揄されることがある。なぜならば、
 勉強を始めるときに揃えなくてはならない基本書が異常に高価すぎる
からだ。たとえば丹波康頼『医心方』ならば、
 オリエント出版から出ている半井本などの景印本が必須
なのだが、1セット25万円もするのである。近所や所属する機関の図書館の蔵書にあればいいけれども、そうそうそこらに転がっている書物ではない。

それでも、まだ、この
 杉立義一先生が『医心方』研究を始めた頃
に比べると恵まれているのである。

平成3年に京都の思文閣から出されたこの
 医心方の伝来
は、まさに
 私財と時間を限りなく投入して完成された研究書
である。杉立先生は
 日本にある限りの『医心方』の写本はほとんど全て実見したほぼ最初の人物
だろうと思う。
もちろん、『医心方』に関わる文書については、断簡零墨に至るまで、全国を踏査され、個人蔵のものが多いこれらの文書に出来る限り目を通されている。

杉立先生は、本業は産科の医師だった。すでに先年亡くなられている。
医業の傍ら、長年の『医心方』の諸本の系統についてまとめられたのが本書である。
杉立先生が『医心方』研究を発表され始めたのは昭和56年からで、平成3年までの10年間にわたる書誌研究の成果がまとまっている。その間、明治以降所在不明だった半井本は昭和57年国に買い上げられ、現在は国宝に指定され、オリエント出版から景印本が刊行され、
 誰もがアクセス出来る
状態になったのだが、その「アクセス可能になる以前」に杉立先生の研究の基礎が作られているのである。
実際に所蔵されている図書館や個人のお宅に足を運び、資料を実見して、メモを取る。こうした地道で息の長い調査が結実したのが本書なのである。もちろん、個人蔵の資料については、その資料の閲覧許可を取るまでに、何度も交渉を続けなければならない場合もある。オンラインで公開されているデジタル資料とは異なり、個人蔵の古文書は、アクセスへの障壁が高い。そうした困難を一つずつ乗り越えて、手に取り、記録し、まとめるのが、書誌学の方法であり、杉立先生は多忙な医業の暇をまさに盗むようにして、研究を続けられたのだ。

いま事態はいくつかについては改善しつつあり、『医心方』研究は、杉立先生の頃と比べると格段に容易になった。しかし、諸本を実見するという手続きは、書誌学では決して抜くことが出来ない。
今後、経年劣化という避けがたい写本の性質を考え合わせても、杉立先生のこの『医心方の伝来』以上の書誌学的研究は出ないだろうと思う。できるとしたら、本書に注釈をつけるか、杉立先生が知り得なかったことを少し付け足すくらいなことだろう。

本書は残念ながら、すでに思文閣では版切れで、再版の予定はない。
古書店で購入するか、図書館の蔵書を読むしかない。
『医心方』研究には必須の参考文献なのに、新たに入手することは難しいのである。

こういう資料的障壁が続く限り、医学史を志す若い人達は、減っていくのではないか、と危惧する。

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米・コロンビア大学の1-2年生必修コアカリキュラムは「西洋古典常識」徹底履修 毎週古典文学・思想の課題図書を読み、議論し、レポートを書く

日本の大学の
 教養科目
は、現在どんどんやせ細っている。私大では、
 一般教養のアウトソーシング化は当たり前
で、
 パンキョウの専任教員
は、任期切れもしくは退職後は後任補充されず、
 非常勤もしくは学内兼任
でまかなわれることが多くなっている。

こちらはアメリカはコロンビア大学が
 1919年から続けている文系・理系ほぼすべての学生が必修のコアカリキュラム
についての紹介。adawhoさんの"Family Affair"に3回にわたって2年間のシラバスと、教員がどのように運営し、かつコアカリキュラムの資金がどこからでているかが詳細に書かれている。
 コロンビア大学のコア・カリキュラム(1)
 コロンビア大学のコア・カリキュラム(2)
 コロンビア大学のコア・カリキュラム(3)

まず、コロンビア大学の1年生が文系・理系問わず履修する必修の文学を読むコースの課題作品。2コマぶっ続けの授業で、これは前期第七週までの分。
 ホメロス『イリアス』『オデッセイ』
 サッフォーの詩編
 デメテル讃歌
 『ギルガメッシュ叙事詩』
 ヘロドトス『歴史』(抜粋)
 アイスキュロス『オレステイア』
 ソフォクレス『オイディプス』
 エウリピデス『メディア』
 トゥキュディデス『戦史』
ここで中間試験。この後は
 アリストファネス『女の平和』
 プラトン『饗宴』
 旧約聖書「創世記」「ヨブ記」
 新約聖書「ルカによる福音書」「ヤコブによる福音書」
このあと、評論を行って、前期末試験。

後期はウェルギリウス『アエイネス』から始まって、最後はヴァージニア・ウルフの『燈台へ』で終わる。試験が中間と期末の2回あり、当然「すべての課題図書を読了」してないとダメなのであり、なおかつ
 試験とは別に8〜10枚のレポート提出が半期で3回ある
ということなので、授業を受ける方も大変だが、これを
 22人クラスで開講
しているという。adawhoさんによれば
 45人の教員がコアカリキュラム1科目にかかりっきりになる計算
である。なおかつ
 コアカリキュラムを担当すると、教員やPDにはボーナスが与えられるシステム
なので、コアカリキュラム担当教員になりたいヒトは多いんだとか。全学共通科目だから
 自分の担当したクラスの平均点
という数字で
 講義や指導がちゃんと出来ているかどうか
かが客観的に出てきてしまうわけで、教員にとっても気が抜けない。

思想コースは2年間、全員必修で、いま見た文学以上の密度で授業が進む。こちらは週2回授業がある。扱う思想書は
 プラトン『国家』
 アリストテレス『ニコマコス倫理学』
 旧約聖書「出エジプト記」「イザヤ書」「コヘレトの言葉」
 新約聖書「マタイによる福音書」「ローマ人への手紙」「ガラテヤ人への手紙」
 コーラン
 トマス・アキナス(抜粋)
 ガザーリー『迷いから救うもの』
で最初の中間試験。この後はマキャベリ『君主論』から前期の後半授業が始まる、といった具合。

まあ、いま日本の大学で同じことをやってるところはないだろう。
似たようなことは
 旧制高校時代
にはやっていたかも知れないが。

思想のラインナップは、高校の倫社の授業とかぶる。高校の倫社は45分授業だし、大学とは密度が違うけど、いま考えると、普通の大学の教養課程より密度が濃かったかも知れない。
というわけで、高校時代、倫社の授業が進むと、その授業で扱う岩波文庫の青や白の本、『ニコ倫』や『プロ倫』、『国家』や『ソクラテスの弁明』などは札幌市のJRから南部の大きな本屋からしばらく消えた。もともと仕入れの数が少ない上に、うちの高校の2年生が買いに走るからだった。講義で扱う予定の書籍が本屋から消える経験は、その後、京大文学部の上田閑照先生の「宗教学概論」を取ってる時に再びあった。オンライン本屋のない時代には、そうした「目端が利くか利かないか」が、生き残る連中の絶対条件だった。いまはアマゾンですぐ入手できるから、こうした「書籍の実物を入手しているか否かで決まる情報格差」は生まれにくい。
高校2年の前期(高校は前期後期制だった)中間試験の課題図書は『ソクラテスの弁明』だった。だいたい『ソクラテスの弁明』を読むと、『ソクラテスの思い出』に行き、あとはプラトンに何冊か手を伸ばす。『饗宴』辺りは読むだろう。で、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』に進むわけなんだけど、これは難しかった。高校の頃、2回くらい読んだように思うけど、その頃はちっとも理解できなかった。前期は、フランシス・ベーコン『ノヴム・オルガヌム』を読んで、デカルトの『方法序説』くらいで終わったんだっけか。その前に、マルクス・アウレリウス『自省録』を読んだ記憶があるので、確か、夏休みの課題図書だったんだっけな。冬の課題図書は何だっけな。こっちは思い出せない。

ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』は、英訳を一、二章読まされて、それが後期の中間試験に出た。たしか「山上の木」と「市場の蠅」を読まされたような気がする。それとカントの『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』の三冊セット。後期の期末はマルクス『経済学批判』が試験範囲だったような記憶がある。あとはウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が最後の方。合間にヘーゲルが挟まっている筈なんだが、ヘーゲルを自分が読まなかったので、覚えてないな。あと、最後の最後が実存主義で、サルトルを読んだ。高校生向けというか一番お手軽な『実存主義とは何か』で、これは同級生の池田官司くんに貸して上げたんじゃなかったっけ。池田くんはその後精神科医になった。
こんな風に読書記録を書くと、なんだか特別なように見えるけど、同級生の半分くらいが同じような読書経験をしていると思う。ルソーやヘーゲル、プラグマティズムの各書など、わたしがパスした本を読んでいる、もっと熱心な連中もいた。学年の半分は同じ先生に習っているから、毎年恐らく150人近くが同じような読書経験をして、高校3年生を迎えるというカリキュラムが、母校では20年近くかそれ以上続いていたのではないかと思う。
脱線ついでに言っておくと、高校の1年でやる地学の授業のレベルが高く、北大に進学した奴からは、教養で地学を取ると、高1の夏と冬に出た課題図書の1冊が教科書で、聞いた話ばっかりでがっかりした、という話も聞いた。倫社と地学に関しては、異様な教育水準の高校だった。

コロンビア大学のコアカリキュラム、全学生必修科目で扱っている文学書にしても思想書にしても
 大学教養程度なら当たり前、30年前の気の利いた高校生なら半分は読んでいてもおかしくない書物
である。
もっとも、『世界文学全集』が家庭の本棚から駆逐され、岩波の青や白を読んで、エラそうにする中高生が少なくなっているのが昨今だから、
 大学教養でこんな難しい本をみっちり読むの?
という反応になるかも知れない。てかさ〜、
 西欧文化圏なら、普通、この程度は読んでて当然
という目安の書物が並んでいるのだが、これが
 え?
になるのだとすると、「教養」というのは、とっくに死んでいるのであり、たぶん、これから教養系書籍はどんどん売れなくなるだろう。

コロンビア大学でもこの
 古色蒼然たるコアカリキュラム
には、批判があるらしいのだが、OB/OGの寄付でこのカリキュラムは潤沢な資金を得て、運営されているのだ、という。
コーランを読ませる辺りは、たぶん、カリキュラム見直しで入ってきているのかな。それとも多民族国家アメリカだから、存外早くカリキュラムに入っていたのかも知れない。
聖書を読ませているけど、アジア系など非キリスト者の学生はかなりいるだろうから、共通理解のためにも、聖書くらいは読んでおこう、ということだろう。信仰の書というよりも、
 西洋の文脈の基礎
に聖書がある。ちょっとした言い回しなど、聖書を知らないと話にならないことがあるわけで、アメリカで大学生活を送るなら、聖書を知らないと辛いこともあるだろう。

ところで、この文学ラインナップを見て思い出したのが
 『あしながおじさん』
である。孤児だったジュディは、
 世界文学もアメリカ文学もよく知らない
まま、大学に進学する。そこで、級友達に無知をからかわれそうになり、必死になって文学全集を借りだして、読みあさるのである。
『あしながおじさん』の読書ラインナップや講義(歴史など)の報告は、コロンビア大学の
 大学最初の2年間でこれだけは読んで、身につけておけリスト
と重複する部分がある。『あしながおじさん』は20世紀初頭のアメリカの女子大の
 教養課程の教育内容
を反映していることを思えば、1919年から始まったコロンビア大学のコアカリキュラムにリストアップされた書目はなかなか感慨深いものがあるな。

ちなみに『あしながおじさん』の作者、ジーン・ウェブスターの出身大学は
 ヴァッサー大学
で、あの少女時代にアメリカに留学した大山捨松が
 日本女性として初めて卒業した大学
でもある。ヴァッサー大学は現在は共学。『菊と刀』のルース・ベネディクトも卒業生だ。

 

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「派遣ズレ」した技術者は優秀であっても短期雇用にしかならない

ベトナムの会社で
 日本的礼儀を身につけた社員
に出会い、
 日本の「派遣ズレ」して、礼儀作法がまったくなってない「優秀な技術者」の悲劇的末路
について思いを致す、という記事がJBPressに掲載されている。
 「派遣ズレ」していく客先常駐の技術者たちベトナム訪問で出会った日本的礼儀作法(2/3)2010.02.15(Mon) 乘浜 誠二
 「派遣ズレ」していく客先常駐の技術者たちベトナム訪問で出会った日本的礼儀作法(3/3)2010.02.15(Mon) 乘浜 誠二

乘浜氏は
 社会人としての最低限の礼儀も身につけてない日本の派遣技術者は、いくら優秀であっても、やがて、日本式礼儀作法を身につけていて、安く雇用できて、実力が伯仲する外国人技術者に駆逐されるのではないか
という未来までを思い描いている。

特に
 どうせまた次の現場に短期間で行くんだから、いまの現場でどう思われてもイイ
という投げやりな心性と
 オレの腕は一流だから必要とされている所に行く
という極度の自負心から
 派遣された現場で礼儀や協調性を欠く「優秀な派遣技術者」
は、いくらすばらしい技術を持っていたとしても
 日本では、職場に与えるマイナスの影響が大きすぎて、長期雇用できない
という、雇う側の視点は、なぜか短期雇用を繰り返す「優秀な技術者」には、耳の痛い話かも知れない。

どのみち、
 いい大人が、最低限の礼儀も守れない
ようでは、恐らく日本以外の国であっても、働く仲間としては好かれないだろう。

優秀な派遣技術者は、派遣という業態の中で
 職場内の一般的な年齢・職位ヒエラルキー
から外れている。
 同期もいなければ、昇進もない
のだが、そのため
 いつまでも若いつもりでいる
ところがある。本人が派遣を始めた年齢からあまり成長してないと勘違いしているだけの話で、実年齢は毎年1歳1歳積み上がっているのである。

派遣技術者を受け入れた現場は
 本人が抱いている「若いつもりの自分」
ではなく
 見たまま、実年齢通りのそのヒト
として扱っているのだ。たぶん、派遣を繰り返して「派遣ズレ」すると、その辺りは自分では気がつかず、いつまでも
 25歳くらいで止まったまま
になるんだろうな。周りは
 痛い奴だな
と思っても
 どうせ派遣だし、すぐにいなくなるから、放置しておく方が得
という判断で、忠告などもちろんしないし、どんなにヘンでも、仕事をする限り、契約期間中は必要な歯車として扱い、その年齢の社会人としておかしな部分は見てみない振りをしている。派遣労働者に求められているのは
 人格よりも技術
である以上、高い賃金を派遣会社に支払っているわけだからな。

かくして、対人スキルが未熟なまま、履歴書の記載事項が長くなっていく。
本人にとっても、受け入れる職場にとっても、実は不幸なことなのだが、派遣労働という業態は、この手の
 疎外
を生み出す。

年齢が上がれば上がるほど、本気で忠告してくれるヒトはいなくなる。

以て他山の石としたい。

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2010-02-15

包餃子

春節の食べ物といえば、北方では餃子だ。もちろん水餃子。

歯医者の帰りにスーパーで材料を購入。
少人数分の餃子を作るときは、1/4カット白菜が便利。
1/4カット白菜の柔らかい部分だけ手でむしって、丼などに入れ、レンジで軽く加熱。よく水気を絞る。水気を絞ったら細かく刻む。
韮は一束を微塵切り。「韮」は「久」と音が同じなので、久しぶりに会ったヒトをもてなすときは葱でなく韮を入れるという。
あとは豚挽肉。だいたい150gくらい。

これを、横浜中華街の照宝で買った
 餃子の餡などを混ぜるのに便利な底の平たいステンレスの丸いボール
に入れ、同じく照宝で買った
 餡を皮にのせるときのヘラ(ステンレス製)
でよく混ぜた。たまたま買ったからあるだけで、なければテーブルナイフなどでも可。
餡には、紹興酒・塩・胡椒・醤油・胡麻油などを適宜投入。中国のレシピだと
 水を入れる
なんて書いてあったりする。わたしは賦香剤としても優秀な紹興酒を使うことにしている。別に水でもかまわない。自宅でミンチを作るなら、水分は飛ばないから、そんなにたくさん必要ないけど。

今日は時間がなかったので、皮を作らなかった。いつもは皮も自作する。

餃子のタレとして
 桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油
を使ってみたら、なかなか良かった。

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2010-02-14

恭賀新禧!

というわけで、本日は旧暦の新年。新年好!
中国流にいうなら春節。

うっかりしていて、昨日、年越しの魚を食べるのを忘れた。
 年年有餘
の縁起物だ。

今日は挽肉を買ってきて、餃子でも作ろうかな。

中国は景気が良い。アメリカの本土やハワイで年越しする富裕層がかなりいて、今日のバレンタインを挟んで、ワイキキのホテルはソールドアウトだそうだ。明日はアメリカは休日なので、そうでなくても混むところへ、中国人が大挙して来たからだって。中国人は気前よく買い物もしてくれる上客になった。ブランド物が大好きだからなあ。その内、ワイキキでは日本語じゃなくて、中国語が通じる場所になっちゃうかもね。

そのあおりを受けて、今週末の春節明けのアジア方面の国際線は路線によってはこれまた混み合っている。わたしはなんとか月曜日の便を押さえたが、台湾にいる友人は日本へ戻る飛行機が取れなかったそうで、帰国が延びた。

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2010-02-11

「マスコミたらい回し」とは?(その155) 何を今更毎日新聞岡田功記者「アメリカと比べて良質で安価な日本の医療崩壊を止めたい」しかも大阪発の記事で

毎日新聞大阪本社といえば
 大淀病院産婦死亡事例記事
で、科学環境部が奈良支局と共に
 新聞労連から第11回ジャーナリスト大賞の特別賞受賞
を貰って、大喜びしていたところである。この話については以下に。

 2007-01-25「マスコミたらい回し」とは? (その39) 毎日新聞奈良支局、「大淀病院産婦死亡事例」の誤報垂れ流しキャンペーンで新聞労連の特別賞もらって誇らしげ 一方同紙連載中の「医療クライシス」は「新生児仮死」の医療訴訟を取り上げる
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/01/39_9ef9.html

奈良県南部の産科医療を破壊したこの一連の報道は、まさにマスコミの利益が地域住民の健康な生活を営む権利を侵害した
 報道被害の典型
とも言えるモノであった。誤報が混じった第一報が全国を駆け抜け、大淀病院にメディアスクラムがかかり、産科診療がなくなったことは記憶に新しい。

さて、その
 マスコミによる医療破壊報道の総本山ともいえる毎日新聞大阪本社

 岡田功記者
は、自社の「輝かしいジャーナズムの勝利」の歴史を知らないらしく、次のようなコラムを書いている。
2/9付毎日新聞大阪版夕刊より。


憂楽帳:米国の医療

 米国留学中、激しい胃痛を訴えた妻を夜中に病院へ運び込んだ。診断もはっきりしない状態で、いきなりモルヒネの投与。1錠数千円の強力な痛み止めを処方され、病院を放り出された。「痛くなったらまた来て」と。

 案の定、翌日、緊急入院となった。超音波、胃カメラ、腸カメラ……。次々に検査をしたが、それらしき病変はない。専門医に「胃炎は?」と尋ねると、「胃カメラでは判別できない」と、日本ではまずあり得ない答え。超小型カメラ内蔵のカプセルをのむ、100万円を超す最先端の検査を勧められたが、断った。2泊3日の入院費がいくらだったのか。海外留学保険のキャッシュレスサービスを利用したので知るすべもないが、救急室で点滴を1本打ってもらった知人は3000ドル(27万円)を請求されたという。

 高額の医療費は、医者の診療報酬が高いからだが、その医者も年間1000万円と言われる賠償責任保険の掛け金の支払いに苦しむ。元をただせば医療訴訟の増加が原因だ。米国と比べて、日本の医療は押しなべて良質で安価だと思う。医療崩壊は食い止めたい。【岡田功】

こういうのを
 マッチポンプ
というのではないのか。

これまで毎日新聞は、医療従事者、特に医師に対する反感をむき出しにした
 医療記事
を数多く掲載してきた。その素晴らしい報道の数々は、多くの医療系blogで俎上に載せられてきた。今や
 毎日新聞という正式名称を書くのも憚るblog
すら現れている。

で、上の能天気なコラムの問題点は
 良質で安価な医療は医療従事者の技能が不当に低く算定されているところから生まれていることにまるで気がついてない
点である。日本の医師はいつ過労死してもおかしくない状況で働いている。
 医師は高給取り
という誤った認識の元、新聞記者より安月給でとことんまで働かされ、疲労の中、常に
 患者さんの命を守る
という、ぎりぎりの選択を迫られているのだ。同じ状況は看護師など他の医療スタッフにも当てはまる。
 命を守る場で、命の守護者たちが、自分の命を軽んじられている
のが
 日本の医療現場
なのだ。

毎日新聞の岡田功記者が望んでいるのは
 現代の奴隷とも言える児童労働によって、労賃を不当に低く抑えた結果、安価に供給された商品を「安くて品質がいい」と買いあさる富裕な先進国の消費者心理
と全く同じモノだ。

今の日本に必要なのは
 医療技術に対する適切な対価の支払い
である。
命に関わる局面で
 技術や労働を不当に安く値切る
ことは、医療レベルの低下と更なる医療崩壊を招くだけである。

トヨタのプリウスブレーキ問題も、結局は
 ドライバーの「乗り心地」を安全より優先した結果
起きた。
 安全と乗り心地のどちらが大事か
という話は、議論するまでもない。どうしても
 乗り心地を優先したい
という意図があったなら、その旨を顧客に説明して売らなくてはならない。その手間を省いてはいけないのだ。
 手間は賃金
である。トヨタの販売マニュアルには、ガソリン車とのブレーキの機構の違いを説明する項目はなかったのだろう。ガソリン車のユーザーがハイブリッドカーという全く異なったシステムの車に乗る際、必要な説明をするのが本当なのだが、それが徹底していたとは思えない。つまり
 トヨタはハイブリッドカーに乗り換える顧客に説明する手間=賃金を「カイゼン」した
のである。

命に関わる部分の賃金をカットし、あるいは十分な休息も与えないとすると、次に来るのは、
 労働の質やサービスの低下
である。

岡田功記者は
 医療スタッフによる奴隷労働体制を温存し、医療にかかる経費は、なるたけ節約したいがために、「医療崩壊は食い止めたい」
だけだろうな。

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清原文代『1フレーズで学ぶ中国語』@twitter

大阪府立大の清原文代さんがtwitter上で
 1フレーズで学ぶ中国語
を配信する実験中。
https://twitter.com/1phrase_C2J
一部はMP3で音声つき。

最近のTLをざっと見たら、
 寄信(手紙を出す)
とか、
 買東西(買い物に行く)
とか、
 太貴了。(高すぎる)
 能不能便宜点儿?(ちょっと負けてよ)
といったフレーズがある。いや〜、懐かしい。
たぶん、実験なので、こうした懐かしいフレーズも使われているのだろう。

昔の中国語の教科書は、中国大陸のもそうだけど、日本の教科書も判で押したように、
 自己紹介・手紙を出す・買い物に行く・外貨を兌換する・服を作る・クリーニング店に行く
などといった課があった。最近の大学向け教科書は
 日本に来た中国人留学生との会話
とか、実情に即したものが増えたようだけど。

で、「買東西」の課には、大抵
 太貴了。(高すぎる)
 能不能便宜点儿?(ちょっと負けてよ)
の二つのフレーズがあった。土産物屋などでは有効なフレーズで、
 大阪人同様、負けてくれるか負けてくれないかは別として、とりあえず「高い、負けてよ」と言ってみる
のが、中国での買い物のコツだ。大阪人は高級デパートでも値切るヒトがいるので有名なのだが、中国人はどうしてるかなあ。昔は中国の百貨店は値切れない、と言われてたんだけど。

清原さんは、PodCastで中国語の語学教材を配信している。twitter上で配信されているMP3は、
『接客のための中国語』
からのファイルだ。

清原さんとは、今は亡き小川環樹先生の「讀蘇會」でお目に掛かったことがあると思う。
 

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2010-02-10

「マスコミたらい回し」とは?(その154) 一番忙しい病院は取材も受けられないからマスコミは報道しない

青森でNICUを支え、日夜闘う畏友網塚貴介先生から、意外な話を耳にした。
網塚先生の奮闘振りは、高校同期の間では知れ渡っていて、医師だろうと医師でなかろうと、みんな
 頼むよ、網塚、過労で死ぬなよ
と心の底から祈っている。その網塚先生が
 僕より忙しい先生が同期生にいる
というのだ。

その先生は、現在首都圏の医療崩壊地域で働いている。いくら首都圏と雖も、医療資源の疎密は甚だしく、彼の働いている地域の名を耳にすれば
 ああ
と、ちょっと医療崩壊事情に詳しい方なら分かるだろうという地域だ。その地域の国公立病院で
 日夜、小児科とNICUの掛け持ちで多忙を極めている
という。

彼とは高校の頃、同級生で、Tくん、と呼んでいた。だから、ここでもTくんと呼ぶ。
 Tくん、大丈夫か
実に心配だ。

Tくんの出身大学は首都圏の大学ではない。たぶん、出身大学から、人事的なバックアップは望めないだろう。

国公立病院で、小児科とNICUを掛け持ちしているTくんは、わたしからすると過密勤務で健康が懸念される網塚先生から見ても
 僕より余程ハードな毎日みたいです
と心配されている勤務体制らしい。とはいえ人口の多い首都圏の国公立病院の小児科ともなれば、地域から、昼夜・平日と休日とを問わず、NICUへの救急搬送を含めて、患者の子どもたちが押し寄せているだろう事は想像に難くない。

当然、あまりの多忙のために
 マスコミの取材は受けてない
ようだ。取材も受けられないほどの多忙は、現場を疲弊させていることだろう。

高校の頃のTくんは、ムーミンみたいなのんびりした印象で、同級生達を和ませていた。彼が小児科に進んだことは意外ではないが、日々激烈な勤務をこなしているのかと思うと、言葉にならない。

病院のサイトを見たら、少年の頃の面影を残しているTくんが紹介されていた。

ググったら、今年1月付で、ファーストオーサーの論文が出ていた。Tくん、ホントに大丈夫か。

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2010-02-07

プリウスブレーキ問題(その7)もう一つの問題 エコカー減税&補助金で増加したプリウスオーナー

「エコカー減税&補助金」でお得にハイブリッドカーが買えます!
2009年4月からエコカー補助金とエコカー減税のコンボで、ちょっと手の届かない感じだったハイブリッドカーは、購入を検討してもいい車種となった。それまで、プリウス乗りというと
 エコな車という思想に共鳴した、小金持ち
という感じだったけれども、このエコカー減税&補助金で
 安く買えるから買ってみる層
というのが、新たに生まれた。
折しも、2月には、ホンダが新型ハイブリッドカー「インサイト」を発表していた。トヨタは、5月18日、プリウスとしては3代目となる
 新型プリウスを発表、即日販売
した。

ホンダのインサイトは、2006年まで販売していた旧型のハイブリッドカーだったインサイトのコンセプトから離れ、新たに組み直したハイブリッドカーになる。同じハイブリッドカーを買うなら
 技術が枯れている筈の新型プリウスの方がたぶんより安全で充実しているだろう
と、「エコカー減税&補助金」組の新たなハイブリッドカー購入層が考えても不思議はない。実際、新型プリウスはよく売れたし、いまも納車待ちの長い列が出来ている。

二代目までのプリウスオーナーと新型プリウスオーナーは、質が変わっているのだ。
 プリウスだから乗りたい
というのは二代目までで、彼らの多くは「プリウスファン」である。しかし、新型プリウスのユーザには
 普通の車と同じようにハイブリッドカーに乗る人達が増えている
のである。

トヨタの常務が、
 空走感
という言葉をつかって、ブレーキの不具合を説明したとき、もし、それが二代目までのプリウスオーナーだったら、違和感を覚えず、
 プリウスに操作性に自分を合わせる
ことに従順だったことだろう。しかし、現在、新型プリウスに乗っている人達のすべてが
 従順な「プリウスファン」
ではない。かなりの数の人達は
 いくつかある「エコカー減税&補助金」の対象車だから、プリウスを選んだ
に過ぎないのである。
 普通のガソリン車と同じように、ブレーキを踏んだら止まってくれる車としてプリウスを買った
のだ。それを、トヨタの横山常務は次のように説明し、せっかく掴んだ新たなハイブリッドカー顧客の心情を甚だしく傷つけた。【井元康一郎のビフォーアフター】メーカーとユーザーの距離感を浮き彫りにした プリウス 2010年2月6日(土) 19時00分より。


この件に関して、トヨタは2月4日に釈明会見を行ったが、その中身は実質世界トップ企業とは思えないようなものだった。説明に立った横山裕行常務役員の説明はこうである。

「油圧ブレーキと回生ブレーキ(電気モーターで発電を行い、その抵抗で減速する機構)の協調制御の問題。限られた状況下でブレーキ抜けはあるが、踏み増せばちゃんと止まる素人的には違和感を覚えるかもしれず、1月にはプログラムを改良した」

つまり、現在のトヨタの経営を支えている
 新たなお客様=新型プリウス購入者
であるにも関わらず、
 素人的には違和感を覚えるかも
と、
 お前ら素人には高級すぎて技術的な説明はわかんないだろうけど、故障じゃないし、踏み増せば止まるんだから、文句言うんじゃねえ
と、素晴らしい記者会見を行ったのである。横山常務には
 自分の給料がどこから出ているのか理解できていなかった
のである。横山常務が
 素人
と切り捨てた顧客こそが
 いまトヨタの販売を支えている
にも関わらず、だ。

なお、この横山常務が
 薄笑いしながら説明を行った
のが、ばっちり放映され、写真も掲載されているので、余計に評判が悪い。たとえ地顔であっても、この手の記者会見では
 謹直な表情を心がける
のがスジである。

こうした
 一般へ最も影響がある記者会見での不手際
は、
 トヨタは「車を売ってやっている」という「殿様商売」の自動車会社
という印象を日本でも強く与えた。当然、訴訟大国アメリカでは受け入れられないような態度である。

いまや情報は瞬時に世界中を駆け抜ける。横山常務のヒトを小馬鹿にした会見は、世界中からアクセス可能なニュース映像としてインターネット上に置かれていた。
そして、創業家出身の豊田章男社長の「棒読み」会見が続いた。こちらは、海外のメディアも取材に駆けつけた。
 横山常務&豊田社長の強烈な印象を与える映像
は、かくして世界に配信され
 グローバル企業トヨタの「実態」
を悪い味付けで暴露することになった。

もちろん、日本国内で、あの会見を見て承服した新型プリウスオーナーはよほど技術に詳しいか、元よりのプリウスファンでもない限り、少なかっただろう。

新型プリウスは、全車、日本でもリコール対象となるという。
読売より。


新型「プリウス」国内全車リコールへ

 トヨタ自動車は6日、ハイブリッド車の新型「プリウス」のブレーキに不具合が発生した問題で、国内で販売済みの全車両について、リコール(回収・無償修理)の実施を決め、販売店に伝えた。
 国土交通省と調整した上で、今週前半に正式発表する。
 国内では、法律で定めた保安基準を満たさず、原因が設計や製造過程にある場合、国交省へのリコール届け出が義務づけられている。トヨタはプリウスの不具合は欠陥ではないとして、自主改修である「サービスキャンペーン」も検討したが、信頼回復を優先し、厳格なリコールに踏み切ることにした。リコールでは、不具合の原因となったアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)の電子制御プログラムを修正する。
 昨年5月に発売された新型プリウスは米国など約60か国・地域で計30万台以上が販売されており、米国などでもリコールや自主改修で同様の無償修理を行う。

 プリウスは、「ブレーキが利きにくい」といった苦情が日米で100件以上寄せられていることが3日わかった。販売済み車両への対策を発表する前に1月末から工場で生産する車両に改善策を講じていたこともわかると、内外で不信感が強まり、5日に豊田章男社長が緊急記者会見で早期に具体策を決める考えを示していた。

(2010年2月7日03時11分 読売新聞)

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2010-02-06

プリウスブレーキ問題(その6)プリウスのブレーキ不具合は本当に最新型だけの問題なのか

プリウスのブレーキなのだが、昨日の社長の会見を見て、トヨタのいうように
 最新型のみの問題
なのかどうかが分からない、というヒトがいた。トヨタの協力メーカー社員だという。あくまで掲示版の書き込みだから、真偽不明だが、見掛けたので貼っておく。
【自動車】プリウス、ブレーキを踏めばきちっと止まる。ABS作動で空走感-トヨタ役員が記者会見★5スレッドより。


443 :名無しさん@十周年:2010/02/05(金) 22:23:53 ID:fduooWSD0
協力メーカーの社員だがトヨタ、対応おかしくね?
これは明らかな不具合なのになんで認めないのだろ?
ひょっとして再現性が無く不具合要因を特定出来ていないのか・・・
ここ見てるこの件のトヨタ関係者、いたら返事して。
旧々プリウスで恒常的にこの不具合の出るクルマを知っている
これはウチの協力メーカーの所有だから提供してくれるよ。
どの部署に連絡したら良いか教えてくれ。内腺番号は自分で調べられるから。

謎ですね。
国交省の自動車不具合情報一覧には、ABSのついたトヨタのラクティスのブレーキ不具合が昨年4月の段階で次のように報告されている。


受付日 2009年04月01日 男性 東京 フリーダイアル
トヨタ ラクティス 2008年01月登録  3,000 Km DBA-NCP100 1NZ
不具合装置 制動装置
発生時期 2008年から
 信号停止等の為に、軽くブレーキペダルを踏むような程度で減速を行うと、完全停止する手前で、突然に制動力が抜けたような挙動を起こし、ペダルをさらに踏み込まないと停止距離が伸びる

報告の通りだとすると、納車当時から起きている不具合だ。
いま問題になっているプリウスとは違う車種だし、ブレーキの動作の仕方が違う筈が、報告されている内容は、プリウスのブレーキの不具合と似ている。ラクティスはABSがついている車種というところが引っかかる。

古い型のプリウスでのブレーキの不具合が、2008年に2件報告されている。


2008年03月16日 男性 新潟 HP
トヨタ プリウス 2004年11月登録  52,812 Km ZA-NHW20 1NZ-3CM
不具合装置 制動装置
発生時期 2008年2月19日
 走行中、ブレーキが利かなくなった

受付日 2008年02月12日 男性 奈良 フリーダイアル
トヨタ プリウス 登録年月日不明 100,000 Km ZA-NHW20 1NZ
不具合装置 制動装置
発生時期 2008年
 走行中、ブレーキが利かなくなった

もちろん、国交省へのこうした報告には、整備不良などが原因のものも含まれるのだが、トヨタは、
 新型プリウス固有の問題
なのかどうかをはっきりさせて欲しいものだ。

"LA Times"は昨日、
 プリウスの問題はブレーキだけでない
という記事を掲載した。
Prius' woes not limited to brakes
Reports of light failure on the Toyota hybrid cast new suspicion on electronic controls.
By Ken Bensinger and Ralph Vartabedian
5:39 PM PST, February 4, 2010

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プリウスブレーキ問題(その5)プリウスを讃えるコピペ

元々、ネットではトヨタの評判はそれほど芳しいモノではなかった。

で、こんなコピペが登場。【自動車】プリウス、ブレーキを踏めばきちっと止まる。ABS作動で空走感-トヨタ役員が記者会見★4スレッドより。


499 :名無しさん@十周年:2010/02/05(金) 19:32:32 ID:oKs6Xdm80
「ブレーキを踏めばきちっと止まる。」って・・・もうなんか
このコピペ思い出した。

GTOのATのNA乗ってる。先月免許取得して中古探しに行ったら見た瞬間に即決した。
カッコイイ、マジで。そして速い。アクセルを踏むと走り出す、マジで。ちょっと感動。
しかもスポーツカーなのにATだから操作も簡単で良い。
NAは力が無いと言われてるけど個人的には速いと思う。ターボと比べればそりゃちょっとは違うかもしれないけど、そんなに大差はないって店員も言ってたし、それは間違いないと思う。
ただ坂道とかで止まるとちょっと怖いね。ATなのに前に進まないし。
速度にかんしては多分ターボもNAも変わらないでしょ。ターボ乗ったことないから知らないけどタービンがあるかないかでそんなに変わったらアホ臭くてだれもNAなんて買わないでしょ。個人的にはNAでも十分に速い。
嘘かと思われるかも知れないけど東関東自動車道で140キロ位でマジで34GTRを抜いた。つまりはGTRですらGTOのNAには勝てないと言うわけで、それだけでも個人的には大満足です。

693 :名無しさん@十周年:2010/02/05(金) 20:20:31 ID:obveBChv0
プリウスの新型のLグレード乗ってる。先月免許取得してディーラーに行ったら見た瞬間に即決した。
カッコイイ、マジで。そして静か。アクセル踏んでも音が無い、マジで。ちょっと感動。
しかもエコカーなのに3ナンバーだから車内が広くて良い。3ナンバーは小回りが効かないと言われてるけど個人的には小回りできると思う。インサイトと比べればそりゃちょっとは違うかもしれないけど、そんなに大差はないって店員も言ってたし、それは間違いないと思う。
ただ低速域だとちょっと怖いね。排気音が無いし。
ブレーキにかんしては多分インサイトもプリウスも変わらないでしょ。インサイト乗ったことないから知らないけどトヨタのフィーリングかどうかでそんな変わったらアホ臭くてだれもプリウスなんて買わないでしょ。個人的にはプリウスでも十分に止まる。
嘘かと思われるかもしれないけど交差点発進で15キロ位でマジでフェアレディZを抜いた。つまりフェアレディZですらプリウスのLグレードには勝てないと言うわけで、それだけでも個人的には大満足です。

713 :名無しさん@十周年:2010/02/05(金) 20:25:23 ID:cw+yKcsv0
>>693
良く頑張ったw
感動した。

725 :名無しさん@十周年:2010/02/05(金) 20:27:49 ID:ylM5Ln7o0
>>693
大作だなw
プリウス版コピペかw

728 :名無しさん@十周年:2010/02/05(金) 20:28:46 ID:/rq+K2EJ0
>>693
乙。白でフルエアロだよな

いつもながらの才能の無駄遣いっぷりがステキ。

こんなご意見も。


743 :名無しさん@十周年:2010/02/05(金) 20:31:30 ID:KJ/qwufl0
トヨタ役員の「フィーリングの問題であって機構の不良じゃない」って言い分は
開発側の立場からいえばまあそう言いたくなる気持ちも分からんでもない。

ブレーキの開発は必ず実走によるフィーリングテストを行うんだけど
恐らくテストドライバーからは制御屋に対して「問題があるフィーリングだ」という
意見は出て制御屋VSテストドライバーの討論が繰り広げられた筈。

制御屋A「この現象はABS適合上、完全払拭は難しいんだ」
制御屋B「発生頻度は極小だし、(細かいデータ示して)数値上も問題ない制動レベルだ」
テストドライバー「う~ん、まあ慣れようとすれば可能なレベルの違和感だが…」

こんなやりとりしてるうちに開発日程が余裕なくなって
充分に煮詰められずに仕様決定、といった流れだったんだろうね。
目に浮かぶよ。 

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プリウスブレーキ問題(その4)欧米で繰り返し流される「暴走するLexusから救助を求める、最期の911への通報」

知人を始め、在米の日本人が毎日繰り返し聞かされているのが、次にリンクする
 昨年の8月28日、暴走するLexusから、救助を求めて911に通報した録音
である。結局、この事故で通報者を含め4人が亡くなった。

最後に衝突音が入っている。合掌。

事故が起きたのは、アメリカのサンディエゴ近郊でのことだった。

このビデオは市村佐登美さんのblog"Long Tail World"の2/2付記事で和訳付きで紹介されている。
トヨタ大量リコールの引き金になった死亡事故直前の通報録音:911 Call of Fatal Crash that Spurred Toyota Recall"

更に、このビデオはBBCニュースなどに引用され、欧米を中心に放映されている。
これは2/3に放映されたBBCニュース。
Toyota to recall thousands of UK cars

アメリカではリコールを受けて、
 アクセルがコントロール不能になったときにどうしたらいいか
という検証・啓蒙の内容のビデオを三大ネットワークが流し、
 ABCを見たから、助かった!
などという視聴者からの感謝が、今度はまたニュースで取り上げられるといった形で、トヨタのリコールの原因となった不具合についての報道が膨らんでいった。その都度、この
 911への最期の通報
が流されるという具合で、アメリカ国民のトヨタ車に対する不安と不信がかきたてられる状況になった。

ハワイ在住の知人は、かつて
 デトロイトなどで起きた「日本車打ち壊し」に似た過激なバッシング
だと、今回の
 連日のトヨタバッシング報道の過熱ぶり
を憂いていた。

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2010-02-05

回収して家畜の飼料として売り払ったメラミン入り粉ミルクを人間用に再販売@中国

個別の話としては、ちょっと前からでているんだけど、朝日がまとめ記事を出したので。元記事が環球時報ってところが、朝日だな。


中国 回収したはずのメラミン混入ミルク、再販売か

2010年2月5日22時44分

 【北京=峯村健司】中国で2008年に起きた粉ミルクへの有害物質メラミン混入事件で、回収された製品が廃棄されずに再び販売されている疑いが強まった。5日付の人民日報系の国際情報紙・環球時報(英語版)によると、少なくとも10万トンが再流通しているとみられ、中国政府は全国調査に乗り出した。

 メラミン混入事件では、多数の乳幼児に被害が出て深刻な社会問題となり、昨年6月には食品安全法が施行された。しかし、依然として企業は安全よりも利益を優先させている実態が浮き彫りとなり、食品安全の問題が再燃する可能性が出てきた。

 国家品質監督検査検疫総局が事件後、中国国内の粉ミルク会社109社の製品を緊急調査した結果、大手を含む22社の製品からメラミンを検出。問題製品の販売停止と回収を指示した。

 しかし、広州市乳業管理事務所の王丁綿・副主任が同紙に対して証言したところによると、事件後も少なくとも7社が、回収した約10万トンの製品を再び乳製品や家畜の飼料として低価格で販売していた。地方政府が監督を怠っていたことが原因という。

 上海市で昨年12月末、「上海パンダ乳製品」がメラミンを混入させた粉ミルクを販売していた事件が発覚。中国政府は1月30日、食品安全対策に関する全国会議を開催し、各地の担当部門に徹底した調査を求めた。

 消費者問題に詳しい江蘇省南京市の王金宝弁護士(44)は朝日新聞の取材に対し、「法律が整備されても、地方政府や企業の順法精神が欠けていることが深刻な問題だ」と指摘した。

     ◇

 〈粉ミルクへのメラミン混入事件〉 2008年9月、河北省石家荘市の三鹿集団(事件後に破産)が製造、販売した粉ミルクに有害物質メラミンが混入していることが発覚。中国全土で被害が拡大し、乳幼児29万6千人に腎臓結石など泌尿器系の異常が見つかり、うち6人が死亡した。生乳にメラミンを入れたとして公共安全危害罪などに問われた酪農業者ら2人に死刑、別の1人に執行猶予つきの死刑判決が言い渡された。

自分や身内の口にさえ入らなければ
 メラミン混入ミルクを売っても構わない
というのが、昨今の中国クオリティ。いまさら驚かないが、
 監督官庁のチェックの甘さ
は、致命的ですな。

こちらは1/31に亜州時報に載った記事。(中文繁体字)一部文字を直してある。


再有毒奶[女乃]粉流入市面 内地全面檢査
新聞 - 兩岸新聞
2010/02/01, 週一
中國當局就2008年一批含三聚氰[气青]胺[月安]問題奶[女乃]粉並没完全銷毀,最近又流入市面的事件,今日(2月1日)起在全國展開全面檢査。
中國衛生部網站消息指,中國食品安全整頓工作辨公室主任、衛生部部長陳竺1月30日,在全國食品安全整頓工作辨公室召開2010年全國食品安全整頓工作視頻會議上表示,2009年査處的上海熊猫煉奶[女乃]、陜西金橋奶[女乃]粉、山東“緑賽爾”純牛奶[女乃]、遼寧“五洲大冰棍”雪糕[米羔]、河北“香蕉果園棒冰”等多宗奶[女乃]品三聚氰[气青]胺[月安]超標案件,均使用了2008年未被銷毀的問題奶[女乃]粉作為原料,生産奶[女乃]製品。會議安排從2月1日起,展開10天的奶[女乃]品和奶[女乃]製品專項整治。

その後、各地でメラミン入り粉ミルクやそれを原料とした食品が見つかり、只今報道が過熱中。

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プリウスブレーキ問題(その3)やっと創業家出身の豊田章男社長が会見→アメリカでの報道の一例

先ほど21時過ぎに、トヨタの豊田章男社長が、ようやく姿を現し、自ら今回のアクセルペダルのリコールとプリウスのブレーキ問題について会見を開いた。これまで企業トップでありながら、豊田社長は、会見に臨んでおらず、経営者としての責任と倫理を疑われていた。
朝日より。


トヨタの豊田社長、初めて会見し謝罪 無償改修を表明

2010年2月5日21時6分

 トヨタ自動車の豊田章男社長は5日、アクセルペダルのリコール(回収・無償修理)など、昨秋からの一連の品質問題に関し、初めて記者会見し、「お客様にご迷惑、ご心配をおかけし、心よりおわび申し上げます」と陳謝。「信頼を取り返すため、全社一丸となってやっていきたい」と、安全対策の向上を急ぐ考えを示した。相次ぐ問題発覚を受け、会見で自ら安全性向上への取り組みを語ることにした。

 豊田社長は、新型「プリウス」のブレーキが瞬間的に利かなくなる問題で、「購入いただいた車両は、できるだけ対応を考えるよう社内に指示している」と話し、国内外で販売した30万台余りを、すべて無償で改修する方針を表明した。

 また、品質向上のため「グローバル品質特別委員会」を設置する考えを明らかにした。

 トヨタの昨年からのリコール対象台数は、世界で延べ1千万台を超えており、豊田社長には、トヨタのトップとして経緯の説明を求める声が国内外で強まっていた。

 一連のリコール問題に関し、米下院が2月10日と25日に公聴会を開くことを決定したため、豊田社長が自ら、安全問題への取り組みに関し説明する必要があると判断したとみられる。

 トヨタの品質問題に注目が集まったのは、昨年8月に米カリフォルニア州で発生したレクサスの暴走事故がきっかけだ。高速道路交通隊員ら4人が死亡。アクセルペダルがフロアマットに引っかかって暴走した可能性が浮上し、9月下旬、トヨタと米高速道路交通安全局(NHTSA)が、米国で販売する7車種のマットを至急取り外すよう求める事態に発展した。

 しかし、トヨタは「マットを適切に使用すれば問題はない」と主張。同11月には426万台(後に535万台に拡大)を対象に、ペダルを短くするなどのリコールに踏み切ったものの、欠陥の存在は否定。その結果、米国内で批判が強まっていた。

 今年1月21日には、アクセルペダルの根元の問題で、ペダルが戻りにくくなる不具合が発覚。8車種230万台のリコールを発表し、その後、販売と生産を一時中止する事態になったが、これも2007年に問題が指摘されていたことが発覚。

 2月3日にはプリウスのブレーキが、滑りやすい路面などで瞬間的に利かなくなる問題も発覚したが、苦情を受けていることを公表しないまま1月から生産した車に対策を施していたことが分かった。

 こうした経緯から、特に米国で、トヨタの安全問題への姿勢に対する疑念が高まり、米議会の公聴会で説明を求められることになった。米当局に不具合の危険性を認識していながら改善していなかったと判定されれば、民事制裁金を科せられる恐れもある。

エライ人が高給取りなのは
 何かあったときに頭を下げるためだ
ということになっているのだが、これまで何回か社長自らが会見をしなくてはいけない局面があったにも関わらず、豊田社長は姿を見せなかった。こうした辺りに
 トヨタの「特殊性」
を感じる。
 説明責任を果たそうとしない創業家出身の豊田社長

 世界企業となった筈のトヨタが、実はいつまでも日本の一企業としての「旧態依然とした体質」を引きずっている象徴
だった。今回やっと姿を現したとはいえ、世界的大企業として十分な説明責任を果たしたとは受け取られていない。

会見のダイジェストが報道ステーションで流れていたが、トヨタ自身も
 殿の一大事
という感じで豊田社長を扱っており、そういう様子がカメラに映ってしまうこと自体、近代的な企業のあり方とは相容れない。

こうした豊田社長の振る舞いは、少なくとも、海外の株主の信頼を獲得するどころか、
 トヨタに潜む危険性
を更にクローズアップさせたことに、たぶんトヨタ側は気がついてないだろう。大スポンサーであるトヨタには、広告収入の激減で経営が苦しいメディア各社は逆らえないし、トヨタから広告引き上げを食らうような報道は差し控えるだろう。

トヨタに関する国内報道こそ
 マスコミの好きな「ガラパゴス」という言葉
で、くくるにふさわしい。

おまけ。アメリカABC"Nightline"の1/22の報道。ここでは前半は
 いかに事故から逃れるか
という点を報道している。日本ではNHK BS1で同通つきで放映された。

アクセルのコントロールが効かず、加速して池に落ちたトヨタ車と、発見した人が911に通報している声が入っている。この事故が起きたのが
 クリスマスの翌日
であり、
 4人が死亡
した。しかも
 クリスマスのため教会で奉仕した帰途の悲劇
ということで、余計にアメリカ国民の同情を買う結果となっている。日本でいうなら、
 初詣のために、近所の神社で手伝いをした帰りの事故
という感じになるだろう。
ビデオの後半では、トヨタのリコールが不十分ではないかと疑問を投げかけている。

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プリウスブレーキ問題(その2)結局リコールへ

昨日の会見の
 ユーザ不在ぶり
は、恐らくプリウスオーナーの不安をかき立てたことだろう。
トヨタは
 結局、日米でリコールする模様
だ。日経より。


トヨタ、「プリウス」日米でリコール ブレーキ無償改修

 トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」のブレーキに不具合が発生した問題で、同社は日米でリコール(回収・無償修理)を実施する方針を決めた。対象台数は日米で27万台規模となり、近く国土交通省と米運輸省に届け出る。プリウスを巡っては特定の条件下でブレーキが利きにくくなるとして多くの苦情が寄せられており、原因となった制御ソフトを修正する。同社はプリウス以外のハイブリッド車に不具合が発生していないかを調査中で、対象が広がる可能性もある。
 トヨタの豊田章男社長は4日、ラフード米運輸長官と電話協議した。同長官は「安全対策を最優先する」という確約を得たという。トヨタはブレーキ不具合は構造上の欠陥ではないとの姿勢だったが、品質問題への対応が後手に回っていると日米で批判が強まっていた。同日には米運輸省がブレーキ不具合で正式な調査に入ると発表。問題が長期化した場合の業績や企業イメージへの影響などを総合的に判断し、リコールに踏み切る。 (05:08)

つか、遅いよ、トヨタ。
リコール前に、
 アメリカで雪道や凍結路でブレーキの不具合が原因で死亡事故発生
となったら、プリウスは二度と浮かび上がれなくなるかも知れない。

ハワイ在住の知人によれば
 アメリカでは連日、アクセル不具合による衝突映像をしつこいくらいに繰り返し流している
そうで、こうした
 アメリカのマスメディアによる、トヨタ車のネガティブキャンペーン
は、アメリカの消費者にダイレクトに影響する。
そこへ
 エコの旗手「プリウス」のリコール
が来るのだから、より強烈なトヨタバッシングが発生するだろう。
日本では、トヨタはメディアの大広告主だが、アメリカでは、日本ほどのシェアを誇っているわけではないだろう。そうでなくても、
 GMのChapter11申請
は、車大国のアメリカ国民には大変なショックだったわけで、
 GMを引きずり下ろしたトヨタに対する「愛国的反感」
が底流にある。そうした不満が燻っていたところへ
 大量リコールに更なる「エコ車のリコール」が重なる
わけで、
 トヨタの信用は地に墜ちた
状態だ。ドライバーの安全を護らなくてはならない自動車が、安全面で信用を失えば、販売数は雪崩を打って落ち込むだろう。

少子高齢化かつ35歳の年収が10年前と比べて200万円減収になっている日本では、
 車を買いたい人口そのものが減少する上に、車を必要とするはずの年代の年収が車を購入・維持できない水準に落ち込んでいる
わけで、今後トヨタ車の国内需要の伸びは見込めない。

そういう時期だからこそ
 顧客の安全を第一とする、迅速な対応
が求められていたのに、トヨタの意志決定はあまりにも遅かった。

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朝青龍引退 初場所千秋楽のデスブログは?

あひゃひゃ。
いつもながらの破壊力。


2009-01-25 18:46:41 日曜日
(略)
相撲みてたよー。
うれしそうですね。

スゴイね~!
(以下略)

むむむ。

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プリウスブレーキ問題 車屋の論理とユーザーの心理

アメリカでは、トヨタバッシングが凄いらしい。ハワイ在住の知人がその凄さに触れていた。

いままで
 安全で安い、品質第一
という信頼を得ていた日本車が、
 走る凶器になりかねない
という映像が繰り返し流され、ライバルのアメリカ車メーカは
 $1000ボーナスの乗り換えキャンペーン
で、追い討ちを掛けている。1/28付日経より。


トヨタ車から乗り換えなら1000ドル支給 GMやフォードが攻勢
 【ニューヨーク=小高航】トヨタ自動車の米大規模リコール(回収・無償修理)問題で、ゼネラル・モーターズ(GM)など米国勢が早くも販売の巻き返しに動き出した。GMとフォード・モーターはトヨタ車から乗り換えた場合に顧客に1000ドル(約9万円)を支給するキャンペーンを開始。米新車販売がようやく上向きつつある中、トヨタや系列ディーラーは厳しい競争を強いられる。
 複数の米メディアによると、GMは27日からトヨタ車ユーザーへの販売キャンペーンを開始。2月末までにGM車を購入した場合、1000ドルの値引きや5年間の無利子ローンなどの優遇を受けられる。
 フォードは乗り換えに際し1000ドルを支給する計画だという。同社の場合、トヨタだけでなくホンダや高級車ブランド「アキュラ」も対象となる見通し。トヨタの品質問題を機に、日本車全体からのシェア奪回を図る狙いとみられる。(28日 20:23)

その上、エコを旗印にした、トヨタのシンボルカーとも言うべき
 プリウスのブレーキ問題
は、トヨタの失地回復を難しくさせそうだ。

トヨタは昨日、プリウスのブレーキ問題で、次のような会見を開いた。朝日より。


トヨタ幹部「クレーム隠しではない」 プリウス問題

2010年2月5日0時31分

 トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」のブレーキが瞬間的に利かなくなる問題で、同社の横山裕行常務役員(品質保証担当)は4日、東京都内で会見した。公表せずに1月生産の車から対策を施したことについて「品質改善の一環で、クレーム隠しではない」と強調した。

 トヨタは要望に応じて無償改修を始めているが、横山常務役員は「何らかの形で案内できる方策を考えている」と話し、リコール(回収・無償修理)にも含みを残した。

 新型プリウスは昨年5月に発売された。日米の当局とトヨタへの苦情は現在、延べ200件以上に上っている。

 横山常務役員によると、トヨタへの苦情は昨年秋ごろから。低速で滑りやすい路面などを走行中、一時的にブレーキが利かなくなるというものだ。とくに12月、北海道などで苦情が増えたことから、対策を施したという。

 改善したのは、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)。滑りやすい路面でブレーキペダルを踏んでも、車輪がロックしてハンドル操作が不能にならないよう、ブレーキの利き方を制御する。調査の結果、ブレーキを軽く踏んだ状態でABSが作動すると、油圧ブレーキの利きが遅れる可能性があることが分かった。

 しかし、トヨタは、運転者の感覚と車の動きが「少しずれている」という程度の認識で、公表は必要ないと判断した。横山常務役員は「お客様の期待値に対し、(開発の過程で)判断が甘かったと反省している」と述べた。

いくら
 クレーム隠しではない
と言ったところで、
 アメリカやヨーロッパ、中国でのリコールの遅れ
を指摘されたばかりのトヨタの言い分を、素直に信じるヒトはあまりいないだろう。だいたい
 12月に北海道などでクレームが増えた
というのは、
 ブレーキ性能が試される雪道や凍結路でトラブルが起きていた
ということに他ならない。雪道・凍結路の走行は、ブレーキが利くか利かないかが
 生死を分ける
場合が少なくないのだ。トヨタの発表ではそのトラブルが起きるのが
 低速で滑りやすい路面などを走行中、一時的にブレーキが利かなくなる
と、
 あたかも非常に限定的な局面で稀に起こるような印象を与えている
が、日本では
 アイスバーンを時速150kmで飛ばす車はいない
上に、市内走行であれば、雪道・凍結路は
 低速走行が一般的
である。つまり
 雪道・凍結路であれば、常に起こる可能性のあるトラブル
であり、
 そうでなくても運転技術を要する雪道・凍結路の走行の安全を根底から損なうトラブル
なのだ。
 安心とエコを売り物にしていた筈のプリウスで起きたブレーキトラブル
は、
 これまで積み上げてきたプリウスへの信頼を一気に崩しかねない問題
である。
トヨタ本社は温暖な愛知県にある。本社第一の姿勢が気候の評価にも及び、雪道・凍結路走行でのブレーキ性能の問題を
 局地的・季節的な限定的トラブルとして軽視
していたのではないか、とさえ疑われる。たしかに日本国内では
 雪道・凍結路走行を迫られる地域と季節は限定的
かも知れないが、
 アメリカやヨーロッパの冬の長い地域では、雪道・凍結路走行でのブレーキ性能は大問題
である。北海道で起こったことは、当然、いまアメリカやヨーロッパで起きているだろう。国際的な信頼を失わせるのには十分なトラブルだ。ヨーロッパやアメリカは、全部が全部
 地中海沿岸やフロリダのような温暖な気候ではない
のだ。

トヨタがこの会見で強調したのはあくまでも
 車屋の論理
である。車屋の論理として、技術的説明は「正しい」のかも知れないが
 車に乗っているのは「一般ユーザ」
だ。
 一般ユーザの不安を解消するための会見
だったはずなのに
 自動車メーカトヨタの論理だけが先行する会見
となった。つまり
 トヨタは、「顧客の安心」よりも「自社のプライド」を選んだ会見を行った
ことになる。

トヨタは復活を賭けて、創業家から社長を迎えたのだが、このままではこの創業家出身の社長が無傷で済むはずもないだろう。
もし、こうした
 より慎重で安全な走行を求められる、雪道・凍結路で起こる可能性の高いブレーキトラブル
や、
 アメリカ・ヨーロッパ・中国の大量リコール
の情報が
 創業家出身の社長を「慮って」遅れて伝わっていた
のだったら、トヨタは自分で自分の首を絞めたことになる。

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2010-02-02

福島瑞穂大臣 Twitterを始める

ご本人登場。
http://twitter.com/mizuhofukushima
いま見たら、まだフォロワーは2000人台。

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糖尿病ではない90代の入院患者に何者かが大量のインシュリン投与(その2)3日連続血糖値低下

京大病院が昨日、記者会見を開いたのだが、内容はおどろくべきものだった。NHKより。


何者かがインシュリン投与か

2月1日 19時8分
京都大学附属病院で去年、容体が急変した入院患者の血液から、検出されるはずのない、きわめて高い濃度のインシュリンが検出されたことがわかりました。患者の容体の変化は3日連続で起きていたということで、警察は、何者かが女性にインシュリンを投与した疑いがあるとみて捜査を進めています。
京都大学附属病院では去年11月、循環器内科に入院していた94歳の女性が血糖値が急激に下がる発作を起こして、一時、意識不明になり、血液からは血糖値を下げるインシュリンがきわめて高い濃度で検出されました。これについて、病院の中村孝志院長が1日、記者会見し、この女性に同じような発作が3日連続で起きていたことを明らかにしました。そのうえで中村院長は「女性の治療にインシュリンは必要なく、医師による投与の指示も出ていなかった。体内のインシュリンが増える病気ではないことが確認されたため、事件の疑いがあると考えて警察に届け出た」と述べました。警察は、何者かが女性にインシュリンを投与した疑いがあるとみて、治療記録を分析したり、病院の関係者から事情を聴いたりして捜査を進めています。

院内のインシュリンではないかも知れない、と読売は報じる。


インスリン、故意に注入の可能性も…京大病院
(略)
 中村院長の説明では、女性は同月6日に入院。14日午後1時頃、血糖値が急激に下がる低血糖発作を起こした。医師がブドウ糖を投与するなどしたが、15、16日にも同様の症状が見られた。インスリンは、ナースステーションの冷蔵庫に保管されているが、抜き取られた形跡はなく、また、女性が入院していた大部屋に、インスリン投与が必要な患者はいなかったという。

(2010年2月1日23時43分 読売新聞)

一般病棟からICUに移すと、症状は消えた。産経より。


京大病院の患者が3回にわたり低血糖に インスリンを複数回投与?
2010.2.1 23:02
(略)
 女性はブドウ糖投与の治療などで一命をとりとめたが、15、16の両日にも血糖値が急激に下がる症状を起こし、いずれも高濃度のインスリンが検出された。17日に集中治療室に移されてからは症状は起こらず、12月に退院した。
 インスリンは通常、医師や看護師の詰め所内の冷蔵庫に保管されている。病院側は事件前後にインスリンが不正に持ち出されたかなどについては「はっきり分からない」としている。
 中村孝志病院長は1日、「他の入院患者で同様の被害は確認していない」と説明。今回の事件については「何者かが数回に分けてインスリンを故意に投与した可能性もある」との見方を示した。

京都新聞が詳しい。


室移動後も投与か 容体急変 3日連続 京大病院患者 不審インスリン

 京都大医学部付属病院(京都市左京区)で昨年11月、入院患者の女性(94)が一時意識不明になり、治療に不必要な高い濃度のインスリンが検出された問題で、女性が容体の急変した大部屋から、個室に移った後にも低血糖による発作を起こしていたことが1日、捜査関係者らへの取材で分かった。

 京都府警は、個室でも血糖値を下げるためのインスリンが投与された疑いがあるとみて、当時の病室への出入りの状況などを詳しく捜査している。

 京大病院の中村孝志病院長は1日、患者の女性は昨年11月14~16日に3日間連続で容体が急変したことを明らかにした。

 捜査関係者らによると、女性は昨年11月6日に入院した。14日に容体が急変したため、15日に個室に移ったが、15日と16日にも同様の異変があった。いずれも低血糖発作の症状がみられ、調査の結果、14日と16日に血液から高濃度のインスリンが検出されたという。

ということは
 1. 一般病棟の大部屋に入院中の11/14に低血糖発作。血中から高濃度のインシュリン検出。
 2. 一般病棟の個室に移動した11/15と11/16の両日にも低血糖発作
 3. 11/16に検査したところ、血中から高濃度のインシュリン検出
 4. 11/17にICUに移し、治療。以後低血糖発作は起こさなくなる。
ICUへのヒトの出入りや病状把握は、厳重に管理されている。だから、ICUに移されてからは、低血糖発作が起きなくなったのは頷ける。
しかも
 11/15に個室に移したことを知っている
わけですか。
京大病院の入院患者管理がどうなっているのか知らないけど、もし、患者さんの名札を室外に掲示してるんだったら、誰でもこの患者さんにアクセス出来た。問題は、最初の
 11/14に大部屋で低血糖発作を起こしている
ということで、
 他のヒトから見られる可能性の高い大部屋で、点滴にインシュリンを混入しても、誰も不審に思わなかった
って話になる。大部屋で患者さんの処置をするときや、まだ明かりがついている時間に休息を取る場合などに、カーテンを閉めるんだけど、そういう動作をしても不審に思われない人物がやったのか、それとも、たまたまカーテンを閉めている時に、誰かがやってきて、インシュリンが投与されたのか。

謎ですな。

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2010-02-01

『東方學』119號

今日郵便受けに入っていた。ざっと目を通したのは次の論文。
 谷口洋 賦に自序をつけることー両漢の交における「作者」のめざめ
 田中智行 『金瓶梅』第三十九回の構成
 宮崎展昌 『阿闍世王經』と『六度集經』第86經における「燃燈佛授記」の記述
谷口論文は、谷口氏が卒論以来取り組んでいる漢賦の問題を、「自序」と「作者」意識という文学史的な観点で掘り下げたもの。これまでの関連する論考を集めて読まないと、ちょっとわかりにくい部分があるので、久しぶりに論文を拾いに行く予定。しかし、ちょっと谷口氏の文体が変わったような印象を受ける。

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グラミー賞にiPad登場

さすがApple、仕事が速いぜ。

日本時間今朝9:30からWOWOWが生中継していたグラミー賞でなんと
 iPadが登場
した。年間最優秀楽曲賞プレゼンターとしてステージに上がったコメディアンのスティーブン・コルベールが披露。
「ノミネートのリストどこやったっけ」と懐を探る仕草。
Grammy_ipad1

「ああ、そうだった。iPadに入れておいたんだ」と背広の内ポケットからiPadを取り出す。
Grammy_ipad2

「僕、かっこよく見えない?」と会場にいる娘に問いかけるも、娘は肩をすくめる。
Grammy_ipad3

ところで、スティーブン・コルベールは、コメディー・アルバム部門にノミネートされていた。
その後最優秀コメディー・アルバム賞を受賞。
Grammy_steve1


もう一回「僕、かっこよく見えない?」と娘に問いかけ、今度は娘もうなずく。
Grammy_steve2
よかったね、お嬢ちゃんに頷いて貰えて。

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糖尿病ではない90代の入院患者に何者かが大量のインシュリン投与

糖尿病でもない90代の入院患者さんが、突然意識不明の重態に陥り、体内から大量のインシュリンが見つかった。何者かが、故意にインシュリンを投与して、殺害を謀った疑いが浮上した。
朝日より。


急変の入院患者からインスリン 京大病院 府警が捜査

2010年2月1日10時38分

 京都市左京区の京都大学医学部付属病院で昨年11月、循環器内科に入院中の90代の女性患者の容体が急変し、体内から糖尿病の治療薬インスリンが検出されたことが、わかった。インスリンは量を誤ったり糖尿病以外の人に投与したりすれば死亡する恐れがある。女性は糖尿病ではなく、京都府警は何者かが故意にインスリンを投与した疑いがあるとみて捜査している。

 病院や捜査関係者によると、女性患者は一時、意識不明の重体となった。この女性の体内から医師が処方していない大量のインスリンが検出されたという。女性は医師の処置を受けて回復し、12月に退院した。

 病院が府警に相談して発覚。府警は、インスリンが投与されたとみられる時間帯に病室に出入りできた医師や看護師、事務職員、出入り業者、見舞客らから任意で事情を聴いている。この女性は以前にも体調が急変したことがあったといい、関連を調べている。

 インスリンは、大量に投与されると血糖値が急低下して脳障害が起き、死に至る恐れもあるという。中村孝志病院長は「捜査に全面的に協力し、院内の安全の確保に努める」との談話を出した。

インシュリンで故意に低血糖を起こさせて殺害もしく脳障害を引き起こして再起不能にする、という手口は、時々あるのだが、100歳に手が届こうという患者さんにそんなことをするのか。
何か、どろどろしたものを背後に感じるのは、考え過ぎかな。
幸い、患者さんは無事退院されているようだが、
 過去にも容態が急変している
というのが、ちょっと引っかかる。高齢の患者さんだから、通常でも容態が急変するのは不思議ではないのだが、こうしたことが起きると、過去の急変も疑いの眼で見られることになる。

一番可能性がありそうなのは、インシュリン誤投与なんだけど、それにしてもなあ。

病室の中というのは、密室になりやすい空間だ。本来は病気治療のための空間だから、性善説に立って運営されている。悪意にそこを衝かれると、ひとたまりもない。
悪意がなくても、密室同然の病室は恐い。子どもの頃、二人部屋に入院中にベッドから落ち、頭を切って院内の救急に運ばれた経験がある。家族が戻ってくるまで、わたしが落ちたのに、隣のベッドの患者さんも気がつかなかった。戻ってきた家族もすぐには気がつかなかった。たまたま大きなけがではなかったから良かったのだが、一刻を争うような状態だったら、たぶん助かってなかっただろう。

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「007」のイギリスに中国が仕掛ける古典的スパイ術 外国人が頻繁に利用するホテルには盗聴網設置済みを示唆 MI5が自国ビジネスマンに警告

相手が、よりによって
 「007」のイギリス
だから、じわじわ来るニュース。共同より。


「贈り物にスパイウエア」 中国の情報担当者が英国のビジネスマンに MI5が警戒促す
2010.2.1 09:32

 英情報局保安部(MI5)は、中国の非公然の情報担当者がコンピューター情報を盗むスパイウエアを忍ばせたデジタルカメラや電子機器を英国のビジネスマンに贈り、企業秘密を得ているなどとして、警戒を促す文書を作成した。1月31日付サンデー・タイムズ紙が報じた。
 「中国スパイの脅威」と題する文書によると、中国の人民解放軍や公安省の担当者は貿易フェアや見本市などの際、これら「贈り物」などを伴って接近。英国の防衛、エネルギー、通信などの企業がスパイ活動の標的になっているという。
 またMI5は「北京や上海のホテルの部屋は情報収集機器が取り付けられている可能性がある。客の留守中に捜索されたこともある」などと指摘している。(共同)

元記事は結構な長さ。


January 31, 2010
China bugs and burgles Britain

David Leppard
THE security service MI5 has accused China of bugging and burgling UK business executives and setting up “honeytraps” in a bid to blackmail them into betraying sensitive commercial secrets.

A leaked MI5 document says that undercover intelligence officers from the People’s Liberation Army and the Ministry of Public Security have also approached UK businessmen at trade fairs and exhibitions with the offer of “gifts” and “lavish hospitality”.

The gifts — cameras and memory sticks — have been found to contain electronic Trojan bugs which provide the Chinese with remote access to users’ computers.

MI5 says the Chinese government “represents one of the most significant espionage threats to the UK” because of its use of these methods, as well as widespread electronic hacking.

Written by MI5’s Centre for the Protection of National Infrastructure, the 14-page “restricted” report describes how China has attacked UK defence, energy, communications and manufacturing companies in a concerted hacking campaign.

It claims China has also gone much further, targeting the computer networks and email accounts of public relations companies and international law firms. “Any UK company might be at risk if it holds information which would benefit the Chinese,” the report says.

The explicit nature of the MI5 warning is likely to strain diplomatic ties between London and Beijing. Relations between the two countries were damaged last month after China’s decision to execute a mentally ill British man for alleged drug trafficking.

Earlier this month the United States demanded that China investigate a sophisticated hacking attack on Google and a further 30 American companies from Chinese soil.

China has occasionally attempted sexual entrapment to target senior British political figures. Two years ago an aide to Gordon Brown had his BlackBerry phone stolen after being picked up by a Chinese woman who had approached him in a Shanghai hotel disco.

The report says the practice has now extended to commercial espionage. It says Chinese agents are trying to cultivate “long-term relationships” with the employees of key British companies: “An undercover intelligence officer may try to develop a friendship or business relationship, often using lavish hospitality and flattery.

“Chinese intelligence services have also been known to exploit vulnerabilities such as sexual relationships and illegal activities to pressurise individuals to co-operate with them.”

The warning to British businessmen adds: “Hotel rooms in major Chinese cities, such as Beijing and Shanghai, which are frequented by foreigners, are likely to be bugged ... hotel rooms have been searched while the occupants are out of the room.”

It warns that British executives are being targeted in China and in other countries. “During conferences or visits to Chinese companies you may be given gifts such as USB devices or cameras. There have been cases where these ‘gifts’ have contained Trojan devices and other types of malware.”

China has repeatedly denied spying on Britain and the West. Its London embassy did not comment.

In 2007 Jonathan Evans, the director-general of MI5, had written privately to 300 chief executives of banks and other businesses warning them that their IT systems were under attack from “Chinese state organisations”.

There have been unconfirmed reports that China has tried to hack into computers belonging to the Foreign Office, nine other Whitehall departments and parliament.

Last year a report by Whitehall’s joint intelligence committee said China may be capable of shutting down critical services such as power, food and water supplies. But the latest document is the most comprehensive and explicit warning to be issued by the UK authorities on the new threat. Entitled The Threat from Chinese Espionage, it was circulated to hundreds of City and business leaders last year.

The growing threat from China has led Evans to complain that his agency is being forced to divert manpower and resources away from the fight against Al-Qaeda. His lobbying helped to prompt the Cabinet Office to set up the Office of Cyber Security, which will be launched in March.

共同の記事だと
 北京や上海のホテルの部屋は情報収集機器が取り付けられている可能性がある。
と控えめな表現だけど、元記事はちゃんと
 Hotel rooms in major Chinese cities, such as Beijing and Shanghai, which are frequented by foreigners, are likely to be bugged.
すなわち、
 北京や上海など中国の大都市にある、外国人が頻繁に利用するホテルは、盗聴されている可能性がある。

 外国人が宿泊するホテルにはスパイ網が敷かれている可能性を示唆
している。

いままで
 ハニートラップ
といえば政府関係者に仕掛けるのが一般的だったけど、上記記事によると
 最近はビジネスマンにも仕掛けるので注意しろ
とMI5は呼びかけている。ま〜、日本では
 官民ともにハニトラの嵐
に遭っているから、今更という感じは否めない。

外国人が宿泊するホテルが監視対象になっている、というのは、これまた頻繁に中国と行き来する日本人の間では常識だろう。

だいたい、
 女性を部屋に連れ込んだら、公安が絶妙のタイミングで踏み込む
という
 中国ハニトラの伝統芸
を考えると、当然の話。

ま、
 中国で「イイ思い」をしたい
と思っている人達は、少々気をつけた方がよい。

しかし、イギリス人も、中国人からデジカメやメモリなんて、ほいほい貰うなよ。アヤシイに決まってるじゃん。

ところで、盗聴と言えば、モスクワに行った田中角栄が、盗聴されているとアドバイスされて、それを逆手に取り、
 皿が欠けてる
とか
 シャワーがダメだ
とか叫ぶと、翌朝直って一層の待遇改善が図られたとかいう話を聞いたが、一般人が上海や北京のホテルで叫んでも、何も起きないだろうなあ。

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