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2010-03-25

「マスコミたらい回し」とは?(その159)毎日新聞が製薬会社に広告出稿を要請した文書が届きました

2010-03-19「マスコミたらい回し」とは?(その158)毎日新聞が製薬会社に広告出稿を要請
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2010/03/158-24da.html
の続き。

さて、毎日新聞が製薬会社に広告出稿をお願いした、という件の文書が入手できたので、貼っておく。題して
 毎日新聞の医療報道について
だそうで。3/17付の文書ということは
 大淀病院産婦死亡事例の民事訴訟の判決が確定した直後
に出した、ってことですな。このタイミングでこの文書を出すということは
 大淀病院産婦死亡事例について、毎日新聞は報道機関として「正しく」行動しました
という反省文に決まっていると思いきや、内容は、
 「反省文」どころか「毎日新聞が日本の医療改革を推進した」という自画自賛
である。さすがですな、
 予想の斜め上を行くことは、世界中の他の報道機関の追随を許さない
辺り、これぞ毎日新聞。

突っ込みどころは赤とか青とかで。


日本製薬団体連合会・評議員各位
2010年3月17日
毎日新聞社長・朝比奈 豊

 毎日新聞の医療報道について

 日本製薬団体連合会の評議員各位におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。このたびは、毎日新聞の医療に対する報道についてご理解いただきたく、この文書をお配りしました次第です。

 毎日新聞はかねてから医療報道に力を入れており、日々起きているニュースだけでなく、「医療面」「健康面」といった常設の専門紙面を設け、多面的な報道を展開しています。また、月刊の医学総合誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」も発行し、世界の最新医療・医学情報を届けるとともに、現場の医師や看護師らを応援する連載なども行っています。

 こうした中で2006年8月、奈良県で意識不明になった妊婦を転送する病院が見つからず、大阪府の病院で死亡するという事故が起きました。毎日新聞はこの際、産科救急の態勢不備などについて報道するとともに、周産期医療の現状と課題を問う特集記事なども掲載したところ、一部医師の間で「毎日新聞の報道が医療を崩壊させた」との批判が起きました。これにより、製薬会社から毎日新聞への広告が止まる事態になりました。

 これを受けて毎日新聞は医療態勢が崩壊していた現実を報道したのであって、報道が崩壊させたわけではないと説明する一方で、医療報道をさらに充実させ、毎日新聞の医療に向けた姿勢をより鮮明にするよう心がけてきました。

 その大きな柱は07年1月以降9部にわたって連載してきた「医療クライシス」です。この連載企画では、医師不足やそれを生み出した医療費抑制政策の問題点、医療現場の危機的状況を伝え、その改善策の提案などを行ってきました。「医療崩壊」とも称される問題を新聞として本格的に取り上げたのは初めてのことでした。

 さらに、平均的な医師でさえも過労死基準を越える残業をしている厳しい実態や、激務に見合わない勤務医の収入、地方の医師不足といった、医療現場の苦境も報告しました。

 国は当初「医師不足の原因は地域間、診療科間の偏在で、絶対数は足りている」との姿勢で、医療費抑制の方針も維持しました。しかし、毎日新聞はこうした国の認識に基づく対策を検証するシリーズも掲載し、その不充分さを指摘した結果、国は「医師は不足している」と認めるに至り、医療費抑制も見直されることになりました。

 07年4月に新設した医療面(毎週水曜日朝刊)は、間もなく4年目を迎えます。読者の関心の高い身近な病気の治療法などを詳しく解説しています。この面では、国民病であるがんへの取り組みが注目されており、東京大付属病院の中川恵一准教授が分かりやすくつづったコラム「Dr.中川のがんを知る」「Dr.中川のがんから死生をみつめる」は好評をいただいています。

 健康面(毎週金曜日朝刊)でも、精神科医の春日武彦さんが「うつ」など精神疾患について独自の視点で語るコラム「春日武彦の心察室」や、高齢者の転倒への予防策を紹介する武藤芳照・東京大教授のコラム「転ばぬ先の知恵」を隔週で掲載しています。

 医療報道をめぐっては、医療事故や医療過誤訴訟などで、患者側に偏った姿勢が目立ち、医師側の萎縮につながるという批判が、毎日新聞に限らず、各報道機関に寄せられております。この点に関して毎日新聞は、記事の公平さを重視して、医療の現場が直面する問題を正面から継続的に取り上げていき、日本の医療再生に向けて積極的な役割を果たして行くことで、理解を得られると考えています。毎日新聞の記事を識者らに評価していただく「新聞時評」(07年3月20日)で、大阪国際大教授の長沢彰彦氏が「医療ミスの経緯に視点を移し、勤務医の目線に視座を移そうという意志が感じられる」と評しています。

 また、先ほども触れましたが、現場の取材やさまざまなデータから、日本の医療費や医師数は先進国の中では最低であり、国の低医療費と医師数抑制策が現在の状況の原因であることを報じたことで、各新聞・テレビも報道を活発化させ、国が政策を見直すきっかけとなっております奈良県の医療事故で起きた毎日新聞への批判を謙虚に受け止め、医療報道を深化させた結果であると認識しております。

 毎日新聞は医療向上を目指す報道をより一層充実させていく所存です。皆様におかれましては、今後とも、こうした毎日新聞の報道姿勢にご理解をいただきますようお願い申し上げます。

                                                       <了>


ううううううう。色つきばっかりになっちゃいましたね。
これが
 大淀病院産婦死亡事例第一報を今でも全く訂正しない毎日新聞の「医療を支える報道機関としての自負」
らしいですよ。

突っ込みどころが多すぎて、どこから突っ込んで良いのやら。

とりあえず、小学生でもわかる、一番簡単なところだけ突っ込んでおくと、
 「医療崩壊」とも称される問題を新聞として本格的に取り上げたのは初めて
って威張ってるけど、
 医療崩壊の炎にガソリンを撒き散らすような社会面の「たらい回し」報道
については
 完全スルー
ってのが凄いよね。

まあ
 なぜ、製薬会社に「医療報道では頑張ってるのに、批判されるのは納得いかない」という文書を出したのか
不思議ですが。てか、謝る相手が違うんじゃないの、毎日新聞。ま、
 広告出稿してくれる業界ならどこにでもこの手の「販促文書」を配布
しているというのなら、今回は、完全にやり方を間違えたと思いますがね。
そもそも、この文書で、毎日新聞は
 WaiWai問題以降、一般読者から報道姿勢に批判が上がっている件はなかったことにして、製薬会社に「説明」しようとしている
ってあたりが、ステキ。つまり
 一般市民からも批判されている媒体
であることは、頬被りしているわけ。なぜ
 毎日の発行部数だけがガクンと減ったか
ってことは、情勢分析してないor広告主には説明しないようですな。

で、そうした貧弱な情勢分析の下、広告主に
 広告掲載についてのお尋ね
をしているのは、医療関係者だけとは限らない、一般市民(購読をやめたヒトや図書館などで読んでいるヒトも含む)からも、「お尋ねの電話」は掛かっていることは、
 ガン無視
ってことね。

で、この「広告出稿要請文書」の目的は
 一般向け薬品についての広告出稿のためのもの
であろうことは推測できる。だって
 医療関係者向けの広告ならしかるべき専門雑誌等の専門媒体がある
から、毎日新聞に広告を打ったからと言って、製薬会社の売り上げが伸びるわけではない。とすると
 普通の人達が薬局等で購入できる薬の広告を打ってくれ
という「要請」なんだろう。さて、当然、製薬会社は
 毎日新聞の購読者数と商品の購入傾向を分析して、広告出稿するかどうか決める
んだろうけどね。もちろん、こんな文書を出せば、すぐに外に出てくるわけで、
 外に出てきたときの、一般市民や医療関係者の反応
も折り込んで出した文書だろう。まさか、そんなことは思いも寄らないとは、新聞記者が普段取材活動でやってることを考えれば、
 あり得ない
だろう。

医療崩壊で困っている中で、一番人数が多いのは
 医療崩壊地域で医療を受ける患者さん
であり、例えば、毎日新聞がメディアスクラムの引き金を引き、その結果、アクセス自由な唯一の地域の公立病院の産科がなくなった、
 奈良県南部の「お産難民」問題
など、
 ガソリンを掛けて焼き払った「医療破壊」地域(当然、病院も医療スタッフも患者さんも被害を受けている)について、なにも責任は取らない
ってことですか、毎日新聞。
見上げた見識、恐れ入ります。

ところで、この文書が
 3/17付
ということは
 毎日新聞は2種類の文書を用意
していたのではないか、と疑われる。すなわち
 大淀病院産婦死亡事例の民事訴訟で控訴の場合の文面
と、今回使われた文面の2種類を準備した上で、(その158)の記事中にある
 文書配布は日薬連の木村政之理事長に毎日新聞社の役員らが要請、木村理事長が竹中登一会長に相談したうえ、 認められた。
という根回しをしたのだろう。この根回しは1日や2日でできる訳じゃないだろうから、たぶん
 根回し自体は控訴期限が過ぎる3/15以前からやっていた
ってことになるんじゃないのか? もっとも
 日薬連の木村政之理事長に要請した毎日新聞社の役員ら
という人々が
 理事長とよほどつきあいが深い(親戚・姻戚もしくは恩師等など血縁地縁等を含む)
なら別だけど。普通は
 会食でもしながら「お話」
じゃないのか。(相手との距離がある場合には、当然、理事長に行き着くまでに、何段階もこの手順を踏む必要があり、相手のグレードが上がる度に、会食等のグレードも上がる)
文書に整合性がない原因は、2種類の文書を作るときに、
 毎日新聞に都合の良い流れになったときの文書をベースに今回の文書を作った
からではないか、と考えるのは穿ちすぎだろうか。

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コメント

はぁ〜っ(嘆息)て感じです。自分のぬるさ甘さが嫌になりました。もうとことんいくしか無い様です。

投稿: 放置医 | 2010-03-25 20:33

昨年の冬のボーナスでは、「産経残酷、時事地獄」の時事通信社よりも賞与額が下回る有様。もともと、毎日の収益力の弱さは定評がありましたが、それがもはや糊塗できない領域まで逝ってしまったということなんでしょうね。

でなければ、こんな文書を持って広告取りに回るなんて、恥ずかしくてできないですよね。

投稿: SY1698 | 2010-03-26 00:40

余計な仕事を増やしてくれますな。
これでMMJに広告を出している会社と関連薬剤、
機材を調べなくてはならないじゃないですか。

投稿: nyamaju | 2010-03-26 12:44

一瞬で終わってしまった。
最近のMMJ見たら、ぜんぜん広告がなかった。

投稿: nyamaju | 2010-03-26 12:48

ジャーナリズム(笑)

投稿: アサヒナるんば | 2010-03-27 07:59

がん関連で東京大の中川先生というと、放射線治療・緩和ケアの中川 "恵一" 准教授ではないかと思うのですが、私の勘違いかな…

投稿: 放科医 | 2010-03-27 22:07

「放科医」様、ありがとうございました。中川“恵一"先生です。
iori3様、ご迷惑おかけしますが、訂正、お願いします。

投稿: aqua2020 | 2010-03-28 11:27

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» 毎日新聞が、日薬連・評議員に医療報道への「理解」求める???(追記あります) [うろうろドクター]
{{{: 毎日新聞 日薬連・評議員に医療報道への「理解」求める文書 Risfax【2010年3月19日】  毎日新聞社が自社の医療報道に理解を求める朝比奈豊社長名の文書を、日本製薬団体連合会の評議員に配布した。複数の関係者によると、数年前の医療報道で一部医師から強い批判の声があがり、現場MRへの忠告、あるいはネットへの書き込み、電子メールの送付などで、同社への広告出稿をけん制する動きが活発化。製薬企業のほとんどが出稿を停止し、いまだ半数以上、停止状態が続いているという。  文書によ..... [続きを読む]

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