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2010-03-18

「バス」化する航空機

子どもの頃、家に古い新聞の切り抜きがあった。道新か朝日の筈だ。そこには
 本日の搭乗者
という名簿が掲載されていた。飛行機に乗ることが贅沢な時代だった昭和30年代の切り抜きだったと思う。たぶん、東京の大学に進学した父か伯父か叔父が東京に行くのに飛行機に乗ったので、マメな祖父が切り抜いておいたのではないか。

わたしが初めて飛行機に乗ったのは8歳の時で、当時、大阪の小児保健センターにいらした湖崎克先生に弱視を診ていただくために千歳から伊丹に向かった。以来、何度飛行機に乗ったか数えてない。北海道から本州へ行くには、飛行機が一番楽だった。ただし、
 霧や降雪など悪天候で飛ばない
のも、北海道の飛行機事情ではよくある話で、最初に大阪に行こうとしたときも欠航だったんじゃないかな、と思う。翌日、大阪に飛んだ。
この
 北海道で飛行機に乗るときは前後1日ずつ余裕を持っておく
のは、たぶん今でも道内のヒトには常識だが、これを知らない内地からの受験生が、ぎりぎりの日程でやってきて帰れなくなったりして可哀想な目に遭うのは、これもまた毎年の光景である。

学生の頃は、スカイメイトで安く乗ることが出来た。

飛行機というのは、シティホテルと同様、何か特別な空間で、空港からしてそうした雰囲気を持っていた。空港とシティホテルのロビー階は、何となく似ていた。

しかし、それは、飛行機に乗ることがまだ何となく贅沢だと感じられていた時代の話だ。

アメリカでは、航空運賃の価格破壊が進み、飛行機に乗ることは
 他の交通機関を利用するのと変わらない
状況になっている。とうとうコンチネンタル航空が
 無料の機内食を廃止
するという。時事より。


米国内線、機内食すべて有料に=コンチネンタルの方針転換で
3月17日14時17分配信 時事通信

 【ニューヨーク時事】米航空業界4位のコンチネンタル航空は16日までに、米国やカナダ、中南米で運航する路線について、機内食の無料提供を今秋中止すると発表した。米大手各社が次々に有料に切り替える中でも、無料提供を続けてきたコンチネンタルが方針転換したことにより、米国内線の機内食はほぼすべて有料になる。
 燃料高や長引く景気低迷に伴う利用客の減少で、コスト削減を迫られた格好。米国では、荷物の預け入れや機内での枕の使用までも有料とする航空会社が増えており、空の旅の楽しみがまた一つ減ることになる。 

機内食か。
札幌〜東京間は機内食はあまり出なかったように思う。1時間くらいのフライトだから、時間の掛かるものは出てこない。軽食という名前のサンドイッチとか、パウンドケーキとか、確かそんなものだった。
札幌〜伊丹間は時分どきには昼食や夕食代わりのものが出た。美味しくないので有名な、鮭の押し寿司が一時期定番だった。冷たくて、出てくるから食べるけど、という感じ。
経費節減が合言葉になってからは、軽食が廃止され、機内食もなくなる方向だ。それに空港では
 空弁
も売っている。なにも押しつけの美味しいとは限らない機内食を食べなくても、もっとマシなものを選び、買い込んで乗ればいいだけの話だ。

機内食は、空の旅がまだ贅沢だった頃の最後の名残のようなもの。どのみちサービスの一環なのだから、なくなってしまうのはしょうがない。

先日香港に行くのにJALに乗ったのだけれども、
 在職数十年のベテランパーサー
が何人かいらした。彼女たちは
 日航のCAの就職がもの凄い競争率だった時代の生き残り
である。
 選ばれたお客様にお乗りいただく飛行機を運用するための誇り高きスタッフ
として就職した人達だから、会社の方針が変わっても、サービスは昔のままだ。
 機内食もなく、超長距離で旅客を運ぶ「空飛ぶバス」
と化しつつある飛行機に、アジャストできるのかな、と思う。
子どもの頃に機内で受けたサービスと変わらぬ丁寧な言葉遣いや働きぶりを見て、ある種の感傷を抱きつつ、JALの今後はまだまだしんどいだろうな、と確信した。

ちなみに香港便のエコノミーの機内食は、これまた定評があるように
 今一
だった。JALのエコノミーの機内食が「エサ」なのは、これも今に始まったことではない。
JAL帰国便の定番
 麺(麺とつゆが別々に出てくるあのタイプ)
は、今回も健在だった。ただし、一昔前のような
 麺をほぐす
という手間は省かれている。謎の水入りカップがあって、その水でぐだぐだに固まった蕎麦をほぐすのは、何とも間抜けな手順だった。麺が蕎麦の場合は、
 刻み海苔
も付いていた。今回は素麺と冷や麦の中間みたいな太さの小麦粉の麺。
帰国便にはその昔、これまた悪名高い定番の
 茶巾寿司(薄焼き卵の茶巾寿司なのだが、この薄焼き卵がくせ者。角で口が切れそうになる)
があったのだが、さすがにこちらはとうにメニューから外されている。

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コメント

鱒寿司には富山の鱒寿司と富山に本社のある○○○○の鱒寿司があって、
後者は完全無欠なエサですよね。
不幸なのは、そのエサが最もメジャーで入手が容易なこと。
私も数年前、富山近郊に実家のある方から小林の鱒寿司を頂くまで、
鱒寿司=エサの認識でした。

投稿: nyamaju | 2010-03-18 12:59

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