ソチ五輪 ロシアが本気でやってくる
バンクーバー五輪の閉会式で
次回開催都市ソチの紹介
が凄かった。期間限定でNHKで動画が見られる。
閉会式 ソチショー
まず
ゲルギエフにエア指揮(というか録画に向かって指揮)
をさせ、足場の悪そうな会場で
ボリショイ・バレエ、マリインスキー・バレエ、ノボシビルスク・バレエのプリンシパルダンサーが踊る(史上初の共演)
だけでなく、その豪華顔合わせが
たった数分
だし。バレエファンが
プリンシパルダンサーの無駄遣い
だと呆れていた。ともかくクラッシック音楽(当然チャイコフスキー・ボロディンなどロシアの作曲家満載のメドレー)・バレエにアイスダンスなど
芸術の長い伝統を持つロシアの本気度が120%炸裂した重厚な紹介コーナー
で、
カナダを撃破
してしまった。
で。今回のバンクーバー五輪で金メダル3、かつてはお家芸と言われたフィギュアスケートでは金メダル0に終わったロシアでは
プーチンの怒り爆発、メドベージェフも激怒
で、スポーツ担当相は事実上更迭の辞任。
当然ながら
ロシア初の冬季五輪となるソチ五輪での雪辱
を狙っている。ロシアが本気になると
大人げないモード
もたぶん炸裂。
今日の報道では、プーチン本気モード。朝日より。
プーチン首相がロシアの五輪不振に「喝!」2010年3月7日1時24分
【モスクワ=星井麻紀】ロシアのプーチン首相は5日、モスクワで開かれたバンクーバー五輪のロシア選手団報告会で「五輪に出るのは勝つためだ」と話し、2014年にロシアで開催するソチ冬季五輪での勝利に向け、ロシアスポーツ界に喝(かつ)を入れた。
プーチン氏は「五輪のような競技会は汗を流すのが目的ではない」と力説。若者の才能を見いだすシステムを構築し、トレーナーの給料を上げて海外流出の食い止めを図るなど、スポーツ界の抜本的な改革の必要性を説いた。
また、ロシアが06年のトリノ五輪の5倍の予算をバンクーバー五輪に割いたと指摘。それなのに選手たちはふるわなかったとして、予算の使途を調べるよう求めた。
ロシアはバンクーバー五輪で金メダル獲得国別順位が11位に終わり、メドベージェフ大統領が責任者の辞任を要求。ロシア五輪委のチャガチョフ会長が辞意を表明した。
本人も柔道黒帯のプーチンといえば
虎退治
である。2008年9月のことだった。ロイターより。
プーチン首相、トラの襲撃からカメラマン助ける=ロシアメディア2008年 09月 1日 14:25 JST
[モスクワ 31日 ロイター] ロシアのメディアは31日、プーチン首相(55)が、野生のアムールトラの襲撃からテレビ局のクルーを助けたと報じた。同首相は、研究者らによる野生のトラの監視方法を視察するため、国立公園を訪問していたという。
同国の主要テレビ局によると、プーチン首相はわなにかかったアムールトラを見るため、野生生物の専門家たちと一緒に現地に到着。その際にトラが逃げ出し、近くにいたカメラマンに向かって走ってきたが、旧ソ連国家保安員会(KGB)出身のプーチン首相がすばやく麻酔銃を打ってことなきを得たという。
プーチン首相はその後、トラの歯の計測や、首の周囲に衛星発信機を装着する仕事も手伝った。
旧ソ連国家保安員会、KGBといえば、泣く子も黙る冷徹きわまりない情報機関だ。肉体的にも頭脳的にも政治的にも、血で血を洗う死闘を乗り越えて生き延び、鍛え抜かれた男プーチンが
ソチ五輪でメダルを取れ
というからには、何でもやるはずだ。極端な話、例えば、ロシアの女子選手が思うように育たなかった場合に、浅田真央の才能を日本スケート連盟が守らず、彼女の演技に不利な、採点に関するロビー活動を許し、金メダルを取らせないように冷遇するようなことがあれば
ロシア国籍を取らせる
なんてことくらい平気でやりかねないのである。まあ、ソチ五輪ではロシア・ヨーロッパに有利な採点になるはずだから、そんなことはほぼあり得ないけどね。でも
ロシア国籍取得1年で川口悠子をロシア代表として送り出した
所を見ると、惨敗に終わった今回の五輪だって
メダルのためなら何でもやる
わけだから、ソチ五輪のためなら
本当に何でもやる
ことになるだろう。
フィギュアの採点で言えば、この2年くらいの
北米優位な採点
から、今回の五輪で惨敗したヨーロッパ・ロシア勢の巻き返しが起こることは間違いない。そうなると
4年後もキムヨナが現役で通用するか
というと、
まず、カナダ人のオーサーの元を離れて、ロシア人コーチにつく必要
が出てくる。ただ腰痛があるから、あと4年は踏ん張りきれないだろうと思う。
浅田真央については、今後は
タラソワが総監督、普段のコーチは日本人で
という話になっている。ともかく
これからソチ五輪までの4年間、ロシアとの関係を絶たないよう、また絶たれないように最大の注意を払う必要
があるのだ。日本とロシアは仲がいいわけじゃないからね。
今回
日本の男女フィギュア出場選手6人全員入賞
というのは
選手層の厚さ
もさることながら
トリノ五輪後のロシア選手の不振に助けられた部分も大きい
のだ。
日本が五輪で男女それぞれ3人枠を確保
できたのは、前年の世界選手権の順位のおかげだが、
3年後の世界選手権にロシアが本気で強化した選手を派遣
してきたら、当然、
壮絶な五輪出場枠争い
が起きるだろう。まだ3年ある。男子はどうなるか不明だが、女子のジュニア以下のクラスの選手には
おそロシア
と噂される才能ある選手が複数いると言われる。
そういえば
浅田真央がタラソワに師事して以来
なのだが、
プルシェンコのコーチ、ミーシンが浅田真央のビデオを撮りまくっている
という話があった。これは
ミーシンが女子の若い選手を育てているので、その参考にするため
とか。ちなみに
ミーシンとタラソワが不仲
というのは大昔からだそうで、今どうなってるかは知らない。有名なのは
プルシェンコ(ミーシン) vs. ヤグディン(タラソワ)
の闘い。ヤグディンがプルシェンコに勝利を収めた2002年ソルトレーク五輪の男子フィギュアのビデオを見れば
なぜ今回あれほどプルシェンコが技術を軽視する採点に異議を唱えたか
がわかるだろう。8年経って、進化するどころか、技術が退化した競技は他にはない。
あと4年もすれば、女子では
ロシアのいまノービス・ジュニアの選手から、世界を席巻するようなスケーターが出てくる可能性
は相当にあると思う。浅田真央だって、安閑とはしていられないのだ。
男子の方は、
ロシア男子で金メダルを取る選手
というと、旧ソ連の時代も含めて
20代前半
が多い。その世代のロシア選手には、今回のバンクーバー五輪13位のボロドゥリン(20)がいるけど、ロシアは2枠しか取れてなかったからな。他に有望な選手がいるかも知れないが、さすがにロシアの男子若手まではチェックしてない。なお、ボロドゥリンは、ロシア杯2位(1位は当然プルシェンコ)になったボロノフ(22)がヨーロッパ選手権で14位と惨敗したために急遽出場した選手である。
フィギュア選手の育成には最低でも10年かかる。女子以外の選手がこれからソチ五輪に間に合うかどうかは、ぎりぎりのところだ。
若手が育たないとなると、再び
旧ソ連の育成システム最後の世代のプルシェンコ出場か
ということにもなるんだけど、プルシェンコはそれこそ
満身創痍
なわけで、いま彼が氷の上に立って、五輪など、シビアなアマチュアの競技会に出ていること自体が
奇蹟に近い
のである。
スピードスケート、ショートトラックは、今回は
韓国勢大勝利
だったんだけど、ロシアがこのままの状態を許しておくかどうかは疑問だ。
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