« 北海道物産展 前期@近鉄百貨店奈良店6F 4/23〜4/28 | トップページ | 芸能花舞台 伝説の至芸 井上愛子(四世井上八千代)@NHK教育(再放送) 4/25 23:30〜4/26 0:15 »

2010-04-25

1例報告だが知的障碍を持つ自閉症の親はすがる思いだろう オキシトシン投与で知的障碍の症状改善@金沢大

我が子が障碍を持った、あるいは持って生まれてきたと知ったとき、親の苦悩は深い。障碍という厳しい現実に向き合うことが出来ず、子どもの障碍をないものと見なそうとする親もいれば、なんとかして
 治したい
とあらゆる手段を講じる親もいる。そしてこれは
 何とかして治したい
という親の願いから起こったある種の奇蹟かも知れないのだ。今のところ1例報告のようだから、この方には効果があったとしても、他の同様の障碍を持つ子どもや大人達に効果があるかどうかはわからない。それでも、この記事を読んだ知的障碍を伴う自閉症の子どもを持つ親達は
 ひょっとして、我が子にも効き目があるのではないか
と藁にもすがるような思いになっただろう。古い診断では、知的障碍のある子どもに、自閉的傾向があるかも診た。(最近はどうなっているのかつまびらかにしない)子どもの頃に診察を受けて療育手帳を貰い、専門の治療を受けなくなっている家族の中には、もう一度、我が子も診断し直し、可能なら治療したい、と考え始めている人達もいるかも知れない。

北國新聞より。


ホルモンで自閉症改善 金沢大教授らが発表

 重度の知能障害がある自閉症患者が、愛情や信頼の気持ちを生み出すといわれるホルモ ン「オキシトシン」を使用すると、症状が改善したとの臨床結果を、金大などの研究グル ープが23日、発表した。オキシトシンは知能が高い自閉症患者への効果は確認されてい たが、同大によると、重度の知能障害がある患者の改善例は世界で初めて
 金大子どものこころの発達研究センター長の東田陽博教授と同センターの棟居(むねす え)俊夫特任准教授らの研究グループが、浜松医科大や大阪大などとの共同研究結果として発表した。長期使用で効果の継続が確認されたのも初めてだという。オランダの科学誌ニューロサイエンスリサーチ5月号に掲載される。

 臨床結果によると、3歳時に自閉症と診断され、棟居特任准教授が診療してきた重度の知能障害がある20代男性の両親が、2008(平成20)年6月から患者にオキシトシ ン点鼻薬の使用を開始。症状が改善したことを棟居特任准教授が確認した。

 会話ができなかった男性は、使用から1、2カ月後には「よく眠れたか」の問いに「う ん」と答えることができるようになり、以前は他人と視線を合わせなかったが、じっと顔を見て笑うようになったという。

 その後も男性の両親は薬の使用を続け、棟居特任准教授は効果が15カ月維持されてい ることを確認した。

 東田教授は、オキシトシンの分泌には「CD38」というタンパク質の遺伝子が関与し ていることを明らかにしている。この遺伝子が変異しているとオキシトシンの血中濃度は低くなる。東田教授によると自閉症患者の約1%はCD38が変異しており、男性も血中のオキシトシンの濃度が低かった

 オキシトシン点鼻薬に自閉症の症状を改善する効果があることは、アスペルガー症候群 など知能が高いケースですでに報告されている。オキシトシン点鼻薬は自閉症の治療薬として日本の薬事法で認められておらず、海外から輸入して個人的に使用するしかない

 東田教授は「自閉症患者がこれまでできなかったコミュニケーションを取れるようにな ったのは大きな進歩」と話し、棟居特任准教授は「研究が進めば、さらに幅広く自閉症治療に活用できる可能性がある」と期待した。

オキシトシンで、アスペルガー症候群の患者さんに効果があった。じゃあ、知的障碍があるけれども、同じ自閉症なのだから、我が子にも、効き目があるのではないか。
そう思った親御さんが、オキシトシンの点鼻薬を輸入し、根気よく我が子に使ってみた。そして、今回の症例報告が生まれたのである。
 何とかして治したい
という親の熱意が、まさに
 奇蹟を起こした
ように見える。個人輸入のサイトを見ると
 5mlで4000円程度
だが、継続して服用したとなると、かなりの本数が必要だったのではないか。すべて自費でまかなったのであろう。果たして、点鼻薬にかかった代金だけでどのくらいになっているのだろうか。

金沢大学の子どものこころ発達研究センターのサイトには、確かに


2010.4.23
日本神経科学協会の公式雑誌であるNeuroscience Research誌のWebサイトの4月30日版に、東田教授(センター長)・棟居准教授(臨床教授)の臨床研究成果が発表されます。
内容は「自閉症の原因遺伝子に裏打ちされたオキシトシン継続投与の改善症例」です。

というニュースが掲載されている。"Neuroscience Research"誌には一般からはアクセス出来ないようなので、まだ、どういう内容の論文なのかは確認していない。

ただ、こうした研究成果が報じられたからには、明日から、金沢大の子どものこころ発達研究センターに、自閉症を伴わない知的障碍の患児・患者さんの家族も含めて(子どもに知的障碍がある場合、「普通の子どもになってほしい」「治療法さえあれば」と切望する家族は多い。今回は知的障碍のある自閉症での改善報告例だが、「自閉症」の部分はすっ飛ばしてでも、問い合わせる人はいると思われる)、多数の問い合わせの電話が掛かり、手紙やメールが舞い込むだろう。知的障碍を伴う自閉症患者は多いわけではないそうだが、重複障碍の患児・患者を持つ家族にとっては、介護の負担は、そうでない場合よりも残念ながら重くなる。老いた親が成人した重度知的障碍のある自閉症患者を介護している家もあるだろう。そうした人々にとっては、この記事は
 闇に差し込む一筋の光明
に見えるに違いない。今回の患者さんは
 日本に数十万人から100万人以上ほどいるといわれる自閉症患者の1%に当たる「CD38の変異」があった可能性
があるのだけれども、もし患者数が100万人ならば
 100万人の1%は1万人
だ。1万人の自閉症患者さんにはそれに数倍する人数の家族がいる。その人達が、少なくとも希望を抱いたことは間違いない。

障碍を持つ家族がいる場合、介護する側は、コミュニケーションが取れないのが一番辛い。わずかでもコミュニケーションが取れれば、介護する側の気持はかなり楽になる。

果たして、極めてまれな「奇蹟的改善」だったのか、それとも同じような障碍を持つ子どもや大人達への福音となるのか。今後の研究を待ちたい。

|

« 北海道物産展 前期@近鉄百貨店奈良店6F 4/23〜4/28 | トップページ | 芸能花舞台 伝説の至芸 井上愛子(四世井上八千代)@NHK教育(再放送) 4/25 23:30〜4/26 0:15 »

コメント

ロレンツォのオイルなんて話もありましたね。

投稿: nyamaju | 2010-04-26 01:35

Articles in Pressにもまだでてないですね。Acceptがきた段階でしょうかね。
マウスではある程度効果あるようなタイトル↓です
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20141571
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17287729
両親主導ではないのかもしれませんね。

投稿: physician | 2010-04-26 09:31

nyamaju先生、physician先生、コメントありがとうございます。

physician先生、オキシトシンに関する論文のご教示ありがとうございました。まだちゃんと読んでいないのですが動物実験レベルの話のようですね。
今回は、
 主治医がわずかな可能性を提示して、ご両親がその治療を試してみた
のかな、とも思いましたが、どうなんでしょう。

投稿: iori3 | 2010-04-26 09:50

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109312/48182356

この記事へのトラックバック一覧です: 1例報告だが知的障碍を持つ自閉症の親はすがる思いだろう オキシトシン投与で知的障碍の症状改善@金沢大:

« 北海道物産展 前期@近鉄百貨店奈良店6F 4/23〜4/28 | トップページ | 芸能花舞台 伝説の至芸 井上愛子(四世井上八千代)@NHK教育(再放送) 4/25 23:30〜4/26 0:15 »