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2010-05-16

人呼んで「赤松口蹄疫」 宮崎県口蹄疫は4/20の発生から26日間で8万頭殺処分決定のパンデミック規模(その12)とうとう宮崎県の宝、日本の肉牛生産の要の1つ高鍋町の宮崎県家畜改良事業団の種牛も殺処分対象に 松阪牛や佐賀牛の親でもある6頭のエース級は避難させたが不手際があり感染の有無はこれから判明

一番恐れていた事態が起きてしまった。
 高鍋町で初めての感染疑い報告が宮崎県の宝である「種牛」の農場から出た
のである。
農水省のサイトより。


宮崎県における口蹄疫の疑い事例の92例目~101例目について
(略)
1 疑い事例の概要

本日、宮崎県児湯(こゆ)郡において、川南町の肉用牛繁殖農家6件(合計147頭)、肉用牛肥育農家1件(当該農場270頭)、酪農・肉用牛複合経営農家1件(148頭)、養豚農家1件(941頭)で、また、高鍋町の(社)宮崎県家畜改良事業団(308頭)で口蹄疫の疑似患畜を確認しました。
(各事例の詳細については、別添資料をご参照ください。)

2 今後の対応

当該農場の飼養牛・豚の殺処分、移動制限区域の設定等の必要な防疫措置について、宮崎県とともに迅速かつ的確に実施します。なお、101例目の敷地で飼養されていた種雄牛のうち、6頭については、5月13日に宮崎県が移動制限区域外に移動させており、PCR検査及び抗体検査の結果、陰性であることが確認されております。これらの種雄牛については、念のため、移動先の農場で隔離し飼養しております。
(以下略)

詳しい内容。


各事例の詳細について(PDF)
平成 22 年 5月 16 日
農 林 水 産 省
(略)

101(例目)
確認場所 児湯郡高鍋町
経営状態 肉用牛肥育
飼育頭数 308頭 (肥育牛259頭 種雄牛49頭) ※(社)宮崎県家畜改良事業団
位置 73例目の 農場から 南東約2km
経過等 ・5月14日、(社)宮崎県家畜改良事業団の飼養管理者から宮崎県に対し、飼養牛の発熱等を確認したと届出
・同日、立ち入り、飼養牛4頭の口腔内にび らん等を確認
・同日、検体を動物衛生研究所へ送付
検査結果陽性 (16日未明判明) 5頭

これで、日本の肉牛生産の要の一つであった
 宮崎県家畜改良事業団の種牛の内、49頭は殺処分が決定
してしまった。1頭でも陽性の牛が出れば、すべて殺処分だから、肥育されていた他の牛もみな殺される。
いわゆる
 エース級の6頭
については、事前に移動済みなのだが、移動に手違いがあり、
 牛が野営する異常事態
が起きている。5/15付西日本新聞より。


種牛避難に1日半 口蹄疫 不手際で目的地を変更 「距離20キロ」移動は60キロ
2010年5月15日 06:37

 家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の感染を避けるため、宮崎県が家畜の移動制限区域から13日に連れ出した県家畜改良事業団(高鍋町)の種牛6頭が“不手際”もあって途中で野営を余儀なくされ、14日夕にやっと避難先に落ち着いた。種牛の移動は「畜産県宮崎の宝を守るために」と県が強く求め、国も特例措置として許可。最短の行程を踏むべきところが、逃避行は少なくとも延長60キロ、1泊2日の「長旅」となった。

 県によると、6頭は13日正午、約40キロ離れた西米良村にある避難先に向けて移動を始めた。県が数カ所の候補地から絞り込み、半径5キロ圏内に畜産農家がないと確認した場所だ。ところが、目的地に近づくうち避難先付近に牛の飼育農家が3戸あることが判明。そのこと自体は問題はないものの、県は大事をとって別の避難先を選ぶことにした。ただ、移動中の6頭を再び事業団に連れ帰るのは「感染防止の観点から危険」と判断し、そのまま同村にいったん移動させた。
 県は約1時間の休憩をとらせた後、新たな避難先に決まった西都市に向かったが、6頭の負担を考え、途中で野営することにした。結局、種牛が西都市にたどり着いたのは14日の夕方になってから。丸1日以上を費やして着いた避難先は、事業団から約20キロしか離れていないところだった。ここは家畜の移動は禁止されていないが、搬出を制限されている区域内という。
 種牛を極めて大切に扱った結果とはいえ、宮崎大の後藤義孝教授(獣医微生物学)は「長距離、長時間移動でウイルスにさらされた可能性もあり、今後も3週間程度は観察が必要だ」と憂慮している。

=2010/05/15付 西日本新聞朝刊=

不運に次ぐ不運。何とも言いようがない。

なぜこの6頭がエース級なのか。5/14付西日本新聞より。


宮崎 ブランド種牛6頭避難 40年近くかけ育成 松阪牛や佐賀牛 生み出す一級品 全国の生産者安ど
2010年5月14日 06:32

 宮崎県の東国原英夫知事が赤松広隆農相に“超法規的措置”を直談判してまで避難させた種牛6頭は、宮崎牛ばかりでなく、松阪牛や佐賀牛など高級肉牛を生み出す“スーパーエリート牛”だ。宮崎県には全国各地の畜産関係者から感染回避のため避難を求める要望が相次いでいたという。「もし感染して処分でもされれば、先人が40年近く続けてきた努力が水泡に帰すところだった」。関係者からは、ひとまず安心する声が上がった。
 6頭を飼育している県家畜改良事業団(高鍋町)は1973年の設立。ここで毎年、県内の10万頭超の雌牛から350頭を選抜し、30頭程度の基幹種雄牛の精液を交配して生ませた雄の中から、厳選に厳選を重ねて種牛を育成している。
 現在、55頭を管理しているが、流通用に精液を採取するのは市場で評価を得た25頭程度。今回の避難対象となったのは、特に人気が高く、流通させる精液の90%以上を生産する6頭(福之国(ふくのくに)、勝平正(かつひらまさ)、忠富士(ただふじ)、秀菊安(ひできくやす)、美穂国(みほのくに)、安重守(やすしげもり))だ。
 県によると、事業団からは、県内の繁殖牛農家に限定して年間約15万本(1本0・5CC)の人工授精用精液を供給しているという。これを基に繁殖牛農家が子牛を育て、年間約7万7千頭程度を宮崎牛ばかりでなく、松阪牛、佐賀牛などとして育てる子牛として出荷するという。
 宮崎市内で肉牛を飼育している県農業法人経営者協会の尾崎宗春副会長は「事業団は感染区域と近接していただけに、一刻も早い移動を願っていた。先人の努力はひとまず守られた」と胸をなで下ろしていた。
 三重県の松阪牛の肥育農家などでつくる松阪牛協議会の永田憲明理事は「松阪で肥育する子牛の約半数を占める宮崎産の子牛がいなくなれば、松阪牛の品質にも影響する。他の子牛産地を探そうにも、宮崎のような信頼度がある産地はなかなかない」と話している。

=2010/05/14付 西日本新聞朝刊=

つまり
 流通する精液の90%以上を生産し、その子牛は、宮崎牛となるだけでなく、松阪や佐賀にも出荷され「松阪牛」「佐賀牛」になる高級銘柄牛の「種牛」
なのである。
もし、
 今回移動させた6頭も口蹄疫に感染
するような事態になれば
 日本の肉牛生産は大打撃
を受けるのだ。

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