人呼んで「赤松口蹄疫」 宮崎県口蹄疫は4/20の発生から27日間でとうとう10万頭を超える殺処分決定のパンデミック規模(その16)絶対防衛線「小丸ライン」を越え、新富町でも感染確認 問題は「誰が殴ったか」ではなく「早期に国を挙げて封じ込めを行わなかった」鳩山政権の無責任さ→赤松農水「(防疫のための予防的)殺処分は財産権の侵害」という国際的非難を浴びる発言@5/14閣議後
宮崎県の口蹄疫はとうとう
越えては行けない小丸川
を越えてしまった。小丸川は現在最大の感染地域になっている川南町とそこから南の地域を分ける河川だ。
地図は、宮崎河川国道事務所からお借りした。
小丸川が自然の防壁となっていた筈で、必死の消毒作業が続いていたのだが、種牛の処分が決まった県家畜改良事業団のある高鍋町に続き、その更に南の町である新富町でも発生が確認された。
口蹄疫は着実に南下
している。感染爆発が止まらない状態だ。
農水省のサイトより。
宮崎県における口蹄疫の疑い事例の112例目~126例目について
(略)
1 疑い事例の概要
本日、宮崎県児湯(こゆ)郡において、川南町の農場13件(合計25,376頭)、高鍋町の農場1件(3,056頭)、及び、新富町の農場1件(22頭)で口蹄疫の疑似患畜を確認しました。
(各事例の詳細については、別添資料をご参照ください。)2 今後の対応
当該農場の飼養牛・豚等の殺処分、移動制限区域の設定等の必要な防疫措置について、宮崎県とともに迅速かつ的確に実施します。また、従来までの対策に引き続き、今後も、農林水産省職員や都道府県の獣医師等の発生農場や消毒ポイントへの派遣(5月17日までに延べ3,248名を派遣)等を行ってまいります。
(以下略)
新富町では初めての発生である。
症状が出始めたのは16日で、新富町はすでに殺処分している。西日本新聞より。
「見えぬ敵」侵入に衝撃 新富町で口蹄疫症状 畜産農家ら絶句
2010年5月18日 00:12「ここは感染地域と離れていると思っていたが…」。17日、家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の症状を示す牛がいることが分かった宮崎県新富町。被害が集中する都農(つの)、川南(かわみなみ)両町との間には高鍋町を挟んでおり、それが安心感にもつながっていただけに、感染を疑わせる報は新富町に衝撃を与えた。
隣の高鍋町にある県家畜改良事業団、県立農業大学校で相次ぎ、感染疑いの牛が確認されたとはいえ、両施設は川南町側に近接しており、口蹄疫の症状を示す牛が見つかった酪農場とは約10キロも離れていた。新富町の富田次男総務課長は「都農、川南から相当離れているので、とにかく驚いている」と動揺をあらわにした。
町側は警戒を緩めていたわけではない。4月下旬に対策本部を設置、町内に2カ所の消毒ポイントを設け、防衛策を講じてきた。それでも16日、「口蹄疫の症状を示す牛が見つかった」と役場に情報が入った。町は消毒ポイントを急きょ3カ所増設し、町職員はその作業に追われた。「これが見えない敵との戦いか」と富田総務課長。
口蹄疫の症状を示す牛が見つかった酪農場の牛約20頭は、感染疑いの有無が分かる前に殺処分された。この酪農場の周辺一帯には、100戸を超す畜産農場があるという。「一刻の猶予も許されない。拡大を早く止めなければ」。町関係者はうめくように言った。=2010/05/18付 西日本新聞朝刊=
高鍋町で感染が確認された県家畜改良事業団、県立農業大学校からは10キロ離れた酪農家で口蹄疫の症状を示す牛が出たのだ。もちろん、消毒は続けていた。
こうなると、終わりの見えない闘いが続く。
昨日までで、宮崎県の殺処分対象の家畜は10万頭はおろか11万頭を越えた。NHKより。
口てい疫 処分対象11万頭超5月18日 6時8分
宮崎県内で相次いでいる家畜の伝染病「口てい疫」について、宮崎県は、新たに新富町などのあわせて15か所の農場で感染の疑いがある牛や豚が見つかったと発表しました。処分の対象は、これまでより2万8000頭増えて11万4000頭に上りました。
宮崎県は18日未明、川南町の13か所、高鍋町と新富町のそれぞれ1か所のあわせて15か所の農場で、新たに口てい疫に感染している疑いがある牛や豚が30頭見つかったと発表しました。このうち新富町で感染の疑いがある家畜が見つかったのは、今回が初めてです。感染の拡大を防ぐため、これらの農場などで飼育されている2万8400頭余りが新たに処分の対象になり、処分対象の家畜は11万4100頭余りに上りました。宮崎県は早ければ18日にも、感染の疑いが出た新富町の農場を中心とする半径10キロを家畜の移動制限区域、半径20キロを搬出制限区域にすることにしています。これによって制限区域はこれまでより南東におよそ8キロ広がり、宮崎市の一部も半径10キロの移動制限区域に入ることになります。口てい疫の感染がさらに広がっていることを受けて宮崎県は、17日設置された政府の対策本部や宮崎県に入った政府の現地対策チームとともに、これ以上の感染拡大の阻止や農業者の経営支援などに取り組むことにしています。
11万頭を越える畜霊に合掌。輪廻転生を信じる仏教の考えでは
過去世の親兄弟我が子が含まれている
かも知れず。
ところで、
マスコミは県の初動を責める論調
だが、明らかに
民主党政権の失政隠し
である。これに惑わされてはいけない。
10年振りの口蹄疫発生、それも
類似の病気と極めて判別しにくい症状が現れた
のが、今回の口蹄疫の最初の例の特徴である。マスコミは
最初の2例への対応が遅かった
ことばかり責めるが、それはミスリードだ。今回責められるべきは
感染が拡大し始めた時点で国家の畜産事業の一大事だと見抜けず、対策本部を立ち上げて積極的な「封じ込め」を行わなかった民主党鳩山政権の怠慢
である。もし
予防的殺処分
が、国の命令で早期に行われていたなら、ここまでの感染爆発は起きなかった。ともかく
豚に感染したらおしまいだ
と言われていたのだから、豚感染が確認された時点で、徹底的な予防的殺処分を行うべきだったのだ。
ところが、農政のトップである筈の
赤松農水相
は、家畜の疫病として国際的に関心の高い
口蹄疫の恐ろしさ
を、今に至るまでまったく認識していないのだ。この発言がそれを物語る。5/13の参院・農林水産委員会での発言だ。
私自身の信念として、殺処分はできない
・・・・・・・・・。
国際的に
日本の農林水産大臣は「口蹄疫の積極的封じ込めに有効な唯一の対策である予防的殺処分を認めない、バイオテロ拡大容認発言」をした
って認定されちゃうんですが。
ダメ押しで、14日の閣議の後にこんな発言がある。時事より。
口蹄疫「特効薬ない」=まん延防止で赤松農水相
赤松広隆農林水産相は14日の閣議後会見で、宮崎県で口蹄(こうてい)疫の感染が拡大していることについて「これをやったら直ちにこの病気が抑えられるという特効薬はない」と述べ、消毒や感染した家畜の殺処分などこれまでのまん延防止策を徹底するのが重要との認識を改めて示した。
一方、東国原英夫同県知事らが、口蹄疫が今後一段と広がった場合、一定地域内に限り感染していない家畜を含め全頭殺処分する可能性を指摘していることに関し「健康な家畜を殺すのはどうなのか。人の財産権を侵すことは慎重に考えないといけない」と述べた。(2010/05/14-11:35)
こんな
国際的な家畜伝染病に対する積極的防疫活動を平気で妨害しても構わないと考える人物が日本の農林水産大臣
なんですぜ?
一応、元発言を農水省のサイトから載せておく。
赤松農林水産大臣記者会見概要
日時 平成22年5月14日(金曜日)8時33分~8時51分 於:衆議院議員食堂前廊下
(略)
記者 今日時点ではないということなんですけれども、昨日、東国原知事が、予防的殺処分について、今後、必要が出る可能性もあるということをおっしゃっていたのですけれども、ただ、大臣ご自身は、予防的殺処分には否定的なコメントを出されているのですけれども。大臣 昨日の委員会でも、そういう質問あって、ただ、今の法律に、やっぱり、私ども従ってやらないといけないので、今の家畜伝染予防法では、そういう疑似患畜までは、そういうことを言ってますけれども、全く関係ない、ただ、その周辺で、そこに、何か緩衝地帯作ろうみたいなことで、健康な牛や豚を殺してしまうということは、どうなのかということですね。そこには、必ずお金がついて回るわけですね、所有者が、自分の意思で、勝手に殺すのは、全くそれは構わないのですけれど、殺したいという人は、「それで、5分の4ください」という話ですから、変なやり方をすると、今、裁判になっているBSEと同じようなことになってしまいますし、それから、「韓国でもやっている」ということ言われるのですけれども、じゃあ、それをやったから本当に、それで、飛び火が止まったのかと言ったら、そこを越えて、こっち側に、また、出てるとかね、そういう例もあるので、必ずしも、専門家に聞くと、それをやったからと言って、完全に予防できるとか、そんなことは、科学的に、別に証明されてませんよということなものですから、今の、小委員会等の先生方が、「それ、やってでも、是非、やれ」と、あるいは、「それ、効果がある」ということなら別ですが、一応、そういう方の意見を聞いても、本当に効果があるのかどうか科学的に証明できないと。それから、今の、法律の下では、法を変えればできますけれど、法律の下では、それは、人の財産権を侵す問題ですから、できないと。何か、そういうようなことをしかけて、僕も正確には、ちょっとあれですが、北海道でも、それで裁判沙汰になったというようなことも聞いてますので、その辺のところは、やっぱり、人の財産権を侵す問題ですから、慎重に考えないと、それから、また、やるとしても、法に基づいて、やっぱり、やるということじゃないと、あんまり浮き足だって、バタバタして、やるというのは、あんまりよくないんじゃないかなと、僕は思っております。
なんか前半は
予防的殺処分をすると「便乗して金をせびりにくる奴がいる」
みたいなニュアンスの発言なんですがね、赤松農水相。
もう宮崎はそんな段階じゃない
ってことすら理解してないのか。間違いなく、
この口蹄疫は人災
で、まさに
赤松口蹄疫
と呼ぶにふさわしいってことが確認できる発言だな。
5/13の国会答弁にしても、5/14の閣議後の発言にしても
英語で海外の媒体に発信されたら、日本の食品の安全に対する信頼は国際的に失墜
するぜ。そのことを赤松農水相は理解してないんじゃないの?
てか、google翻訳などで簡単に
日本語→各国語
に直せるわけで、まあ、とっくに
日本の農水相は「国際的に問題な家畜伝染病口蹄疫の封じ込めを信念によって拒否した」世界の農業への反逆者
ってことは、バレているわけだ。さすがにカストロ(兄)だって
口蹄疫を防疫しない
なんて世迷い言は口にするわけがない。
赤松農水相が「家畜を飼うすべての人民の敵」
という認定は喜んでしてくれるだろうけど。
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コメント
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100518-00000016-yom-soci
やっと、国の対策本部が出来て、いきなり翌日のマスコミはこうです。
「普段の下痢」…宮崎県が口蹄疫発生見逃し
5月18日7時50分配信 読売新聞
宮崎県内で被害が拡大している口蹄疫を巡って、農林水産省が最初の感染疑い例を確認した3週間前の3月下旬、同県家畜保健衛生所が、感染した水牛を診察しながら発生を見逃していたことがわかった。
2chなどに暴露されている噂話と、「水牛」→初発農場というのが一致するのがなんともだな、、と思います。
投稿: 麻酔科医 | 2010-05-18 08:49
本当はかっこよくGW明けに火消しする筈が、火の勢いが
強すぎて(だから皆必死に消火活動していたのに)現場
から逃げちゃったけど、消火活動の遅れを非難されない
ための生贄探しなんでしょうね。
今こそ最大戦力を投入して鎮火させないと、もう止めれない
と感じるのですが。
投稿: こん | 2010-05-18 09:36