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2010-05-17

6/19までサイトから無料で読める(ダウンロード不可)熊田梨恵『救児の人々〜医療にどこまで求めますか』ロハス・メディカル

福祉畑の経験があり、医療記者として活躍する、ロハス・メディカルの熊田梨恵記者が、大野病院事件を契機に取材を重ねた、周産期医療の問題から特に
 NICUで救命された子ども達の「次のステージ」
に光をあてたのが
 救児の人々〜医療にどこまで求めますか
である。現在、以下でブラウザからPDFを閲覧する形で、全文無料で公開されている。(ダウンロード不可)
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我が畏友である網塚貴介医師も登場する。

現代の日本の周産期医療は
 世界的に見てすばらしいNICUでの救命率
を誇るようになった。しかしそれは
 すでに神の領域に足を踏み入れている
のである。
一生、寝たきりで、外界からの刺激に何の反応も示さない超重症の子どもであっても、技術の進歩で家庭で介護できるようになった。しかし、介護の重責は家族にのしかかってくる。
NICU(もしくはGCU)後の重症児の人生は、日本では
 ほとんど考えられていない
のである。重症児だけではない。超低出生体重児(出生児の体重が1000g未満)の「軽い発達の遅れ」についても、生育の過程でも、教育の場でも、国や自治体は十分な手を尽くせないでいる。
一人になってしまう母親たちの孤独は、時に絶望を生む。
夫婦で重症児を受け入れる過程で鬱になってしまった家庭もある。
そうした
 重い状態が続いたり、行政や医療の隙間に落ち込んでいる子ども達を育てている親
へのインタビューと、
 そうした子ども達を支えている医療者
へのインタビューとで、本書は成り立っている。
そのため、あっという間に読める。

それぞれが個別的な話であって、にわかに一般化できるわけではないのだが、障碍児を抱えた家庭にありがちな
 「子ども依存」ではない
ところが、新しい。

ちなみに、わたしの両親は、自分の子どもの障碍を受け入れないタイプだったので、障碍児を育てるという使命感溢れる両親でなかったことは、いくら感謝しても感謝し足りない。子どもが成人していく過程で、
 「子ども依存」
は、子どもには恐ろしいほどの重圧になるからだ。それでうまくいかなくなる仲間は何人かいた。
 子どもの障碍を「立派な両親が献身的に埋める」
という図式は、マスコミが大好きな
 感動のドキュメンタリー素材
だが、当の子どもが成長する過程では、幸せを齎らさないことすらあるのだ。子どもはいつまでも子どもではいられない。
そうして、共依存に近い関係は破れてしまうか、家族が崩壊するかは、その家族のそれまでのあり方と年齢構成に関わってくる。たとえば、赤ちゃんの時はおばあちゃんが介護の手助けをしてくれていた場合、親が老いても、
 親(子どもから見れば祖父母)と子どもの両方を介護する
ということは、現代日本では無理だろう。現状で、片方ですら、十分なバックアップはない。行政はそんな二重支援は最初からできないのだ。

本書で取り上げられた家族では、まだ親達の親が介護年齢になっていない。もし、ここに更に
 親の介護
が加われば、おそらく今の障碍を持つ子どもを介護しながら暮らす生活は大きく変化せざるを得ないだろう。
そして、それはこれから
 限られた資源である医療費を誰に振り向けるべきか
という根本的な問題をも、日本人全てが見つめなければならないことを示している。本書はそこまでは踏み込んでいないのだが。端的に言えば
 年老いた親に呼吸器を付けるのか、それとも生まれたての死にかかっている赤ん坊に呼吸器を付けるのか
という問題が、本書の取り上げた課題の次にやってくる。そしてそれは
 ほぼ待ったなし
である。
 年間数百億円を超えると推計される超重症児を含むNICUでの濃厚医療や一例1000万円を越えることもある新生児への心臓手術などの医療
か、それとも
 80歳を超えても手術をし、できるだけ延命を図る濃厚医療
か、どちらを限られた医療費のなかで優先させるのか。特に
 子どもの医療費はほとんど国や自治体が負担
するので、巨額の医療費を投じられていることを当の患児の親達もまったく認識しないのである。
 働き盛りの「がん治療」
に使われるよりも、さらに高額な医療費が、ほとんど意識されないまま、国民の税金から支払われて使われているのが現状だと、熊田記者は警鐘を鳴らす。
 

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コメント

92歳女性に心臓のダブル手術 「国内最高齢成功」:京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2010012000102&genre=G1&area=O10
医療QQ - 90歳代でも胃がん手術 成績良好、意思尊重を -
http://qq.kumanichi.com/medical/2009/05/90.php
どうやらこっち方面にいきそうかも。

投稿: どこまでやるのか? | 2010-05-20 09:14

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