楽器と手
CSのシアター・テレビジョンで、
Art of Piano
をやっていた。1999年の制作だから、DVDも出ているのだが、夕食を取りながら見てしまった。たぶん、途中からだろうと思う。
ショパンの演奏を耳にしたというブランテの1928年だかのフィルムが残っていて、映像の時代20世紀を実感するんだけど、ショパンとわたしたちの時代ってそんなに離れていなかったのか、という事実に改めて驚く。
印象に残るのは
手の大きさ
で、
リヒテルとグールドの手
と来たら、まあ、鍵盤が可哀想というか、才能以前にやはり手は大きい方がイイと思ってしまった。
"Art of Piano"では、リヒテルが1960年にショパンのエチュード「革命」を弾く様子が映るのだが、実際の運指を見ると、人間業とは思えない。手が大きい上に、信じられない速度で正確に鍵盤を叩いている。
漫画「のだめカンタービレ」でも、のだめの手の大きさが一つのポイントになっているんだけど、残念ながら実写版では上野樹里なので、そのエピソードはなかったことにされてしまった。
むかつくほどの技量
というのは、のだめの場合、やはり手の大きさがベースになっていて、なおかつ
指が回る
んだけど、さすがにそこまでを女優さんに求めるのは難しい。難曲をすごい速さで弾いて見せて、観客から
鬼速
という溜め息が出るのは、そうした肉体と鍛錬の賜物なんだけど、ドラマじゃそこまで表現しきれないのだ。
わたしは手が小さい。
ピアノならオクターブを押さえるのがやっとだ。指も短いし、関節が柔らかすぎて、鍵盤楽器には向かないと、ピアノを始めた当初から先生に宣言されていた。
ピアノがダメなら、当然、弦を手で押さえるのもかなり難しい。手の大きさからいうと、ウクレレがなんとか、という程度。
ギターのネックは押さえきれない。
中学以降はフルートを吹いていたが、実はフルートを吹くにもちょっと手が小さい。ぎりぎりで下のCが押さえられる程度。ピッコロと持ち替えだったから、なんとかなったが、スケールをやると下の方で、指が辛い。ピッコロはさすがに大丈夫だ。
目が悪いと、音楽に才能を恵まれる場合もあるのだが、わたしには残念ながら才能以前に、身体が楽器に向いてない。
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コメント
オクターブ届くならまだいいですよ。私など、小指が短い上全体に小さいので、オクターブ届きません。それでピアノの稽古やめましたもの。高校ではクラリネットで、これなら何とか。
大学のオケ部にいって、「クラリネットは余っているけど、トロンボーンとか吹けるなら」と言われてやってみました。音は出るんですが、腕も短いんで一番遠いポジションに届かない・・・才能以前に肉体条件はありますね。今の仕事でも、「もう少し指が長ければ・・・」と思うことがしょっちゅうです。
投稿: 山口(産婦人科) | 2010-05-06 14:16