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2010-07-05

小惑星探査機「はやぶさ」よ、地球で待っているよ(その9)「おつかいできた」かも? カプセル内から微粒子 地球上の物質の可能性は高いけれども

大気圏に突入して、長い旅を流れ星になって終えた小惑星探査機「はやぶさ」。
 工学探査機
であって
 飛行実験のための探査機だった「はやぶさ」

 小惑星「イトカワ」からサンプルを持って帰ってこられなくても大成功
と言われていたのだが、
 火に包まれて自らは燃え尽きても、確実にカプセルを届ける最後の仕事
で地上に届けられたカプセルの中から
 ごくごく小さな微粒子が見つかった
というニュースが飛び込んできた。

朝日とNHKが報じている。
まずは朝日より。


はやぶさカプセルに微粒子 宇宙機構、成分を分析へ

2010年7月5日3時3分

 小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から持ち帰ったカプセルに、微粒子が入っていたことが分かった。宇宙航空研究開発機構の関係者が、朝日新聞の取材に明らかにした。微粒子は地上で混入した可能性もあり、宇宙機構は成分を詳しく分析し、イトカワで採取できたものかを調べている。イトカワの物質なら、月以外の天体に着陸して試料を持ち帰った世界初の例となる。
 カプセルは、特殊な装置の中で開封され、内部にあるサンプルキャッチャーと呼ばれる採取容器内で微粒子が見つかった。ただ、ごく微量だという。顕微鏡で観察しながら一粒ずつ分析する。
 はやぶさは2005年11月にイトカワに着陸、試料採取装置は正常に作動しなかったが、着陸で舞い上がったほこりが採取できた可能性が指摘されていた。1ミリ以上の砂が入っていないことは、開封前のX線撮影でわかっている。
 宇宙機構は今後、微粒子に含まれる同位体や結晶構造などから地球上のものと異なるかを判断する。川口淳一郎プロジェクトマネジャーは、カプセル回収後、「微量なら分析を待たなければならず、結果が出るまで数カ月から半年かかる」と話していた。
 イトカワは、46億年前に太陽系ができた当時の状態を保っていると考えられ、試料の組成や構造を突き止めることで、当時の様子を知る手がかりになると期待されている。
 はやぶさは03年5月に打ち上げられた。トラブルが相次ぎ、何度も帰還が絶望視されたが、研究者らのアイデアで克服。6月13日、60億キロの旅を終え、7年ぶりに地球に帰還した。本体は大気圏突入時に燃え尽きたが、その直前にカプセルを切り離し、地上に送り届けることに成功した。(小宮山亮磨、東山正宜)

上記記事にもあるように
 みつかった微粒子は地球の物質の可能性
があり、
 果たしてイトカワから持ち帰った試料か否か

 これからの分析待ち
だ。しかし、最初にも書いたけれども
 「はやぶさ」は工学試験のための探査機
である。
 小惑星からのサンプルを確実に採取するために役目

 工学探査機の実験結果をもとに設計されて打ち上げられる「理学探査機」の仕事
で、その理学探査機を飛ばすための準備を整えるために、はやぶさは様々な仕事をこなしてきたのだ。もし
 はやぶさの「おつかい」が成功
していたら、それは
 工学探査機としては、要求基準以上の仕事を成し遂げた
ことになる。

こちらはNHK。


はやぶさ 容器に微粒子を確認

7月5日 6時2分

 地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルに、小さな微粒子が入っていることが顕微鏡による観察で確認されました。宇宙航空研究開発機構は、打ち上げ前の段階でカプセルに地球上の微粒子が混入した可能性が高いとみており、微粒子が小惑星「イトカワ」の物質かどうか、詳しい分析を進めることにしています。
 はやぶさのカプセルは、相模原市の専用の施設に持ち込まれ、小惑星「イトカワ」の物質が入っていないか確認する作業が進められています。これまでの調査で、カプセルの内部には、ごく微量のガスが入っていたことがわかっていて、さらに、容器の中を顕微鏡で観察したところ、直径1ミリメートル以下の小さな微粒子が容器の壁に付着していることが新たに確認されました。宇宙航空研究開発機構によりますと、探査機を打ち上げる前のカプセルの保管状況などから、カプセルの中には数百から1万個の地球上の微粒子が混入した可能性が高いということです。このため、今後、微粒子を容器の中から取り出して、イトカワの物質が含まれていないかどうか詳しい分析を進めるということで、分析結果が出るのは8月以降になる見通しです。小惑星は太陽系の誕生当時の姿をとどめるとされ、イトカワの物質が回収されれば世界初の快挙で、太陽系の惑星がどのように生まれ、どう進化してきたのか、貴重な情報が得られると期待されています。

NHKはきちんと
 地球上の物質の可能性が高い
と報じているな。

もし、はやぶさのカプセルの中の微粒子が地球の物質だったとしても、それは
 失敗ではない
のだ。
 小惑星のサンプルを地球に持ち帰る
のは
 はやぶさの実験結果を基に設計される「理学探査機」の任務
だからだ。
いま検証されているのは
 イトカワから帰ってきたカプセルを開封して、中身の確認ができるかどうか
ということである。理学探査機では
 より確実にサンプルを採取し、持ち帰る方法
が取られるだろう。はやぶさ打ち上げから7年経っている。技術も知識もそれだけ進歩している。いまやっている作業は、
 工学実験の最後の段階
つまり、
 はやぶさのミッションから得られたデータ採集と検証
である。それは
 理学探査機を打ち上げるために生かされる
だろう。

その辺りを踏まえて、マスコミは報道して欲しい。

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